認知度が低い職種の魅力を「知ってもらえる」。アカリクイベント開催で叶えた、新たなターゲット開拓から1名の採用へ。
課題
- エンジニアリング職の認知度が低い
- 母集団形成が直近5年で半減していた
- 従来の施策で魅力付けができていなかった
導入の決め手
- 新たなターゲット層へリーチできる
- 「0から1」の認知拡大・母集団形成への取り組み
- 採用イベント・広告施策としてのコスパが高い
効果
- イベント参加経由で1名の採用が決定
- 認知施策の成功実感、新たなチャネルを開拓
- 現場社員を巻き込むことで学生の魅力付けに成功
アサヒビール株式会社は、ビール類を中心として、洋酒、焼酎、ワインなどの総合酒類の製造と販売を行っています。同社ではエンジニアリング職で新卒採用を例年行っておりますが、職種自体の認知度や業務内容の解像度などを理由に母集団形成に苦戦していました。そこで今回、同社の個別イベントを企画提案し、登録学生を対象とした集客から当日の運営まで伴走いたしました。イベントにはエンジニアリング職を初めて知る学生が多く参加し、認知度向上に寄与しただけでなく、1名の採用にも繋がる成果となりました。イベントを通じてどういった課題が解決でき、成果が出たのか、今回は採用担当の金澤様、内田様と当日イベントに参加された現場部門の新原様の3名にお伺いしました。
金澤様:採用チームリーダー
内田様:新卒採用ご担当者
新原様:生産戦略部所属、エンジニアリング職の採用に関わる
課題はエンジニアリング職の認知度。過去5年で既存施策による母集団が半数程度に。
ーー貴社の新卒採用について教えていただけますか。
内田様:エンジニアリング職は例年4~5名程採用しており、26卒に関しては5名採用することができたので採用活動は終了しております。実はアサヒビール自体はエンジニアリング職の採用人数が多くなく、生産研究職含め理系全体で20名程度となっております。
金澤様:先ほど4~5名とありましたけど、元々の採用人数は2ー3名でした。直近で、5名まで増やしており、背景としてはエンジニアリング職の需要が高まっており、年齢構成のバランスも含め、意図的に若手の採用数を増やしています。
ーー貴社のエンジニアリング職はどのようなポジションになりますでしょうか。
金澤様:ビールづくり全般に関わる設備(機械・装置)の新設・改造・維持及びエネルギー管理を行う部署で、その役割は工場全域と多岐に渡ります。もう少し簡単に言いますと、工場の設備投資といったところですね。「安全・安心に働ける環境づくり」・「工場から出荷される製品品質の維持・向上」といった課題に対して、社内外の協力会社を含めた多くの関係者と協力しながら進めます。工場が抱える課題を設備面から具体的な解決策の企画・立案~実行~施工管理~検収までの全工程に携わるダイナミックな業務に携わってもらいます。
ーー新卒採用において、課題に感じていることはございますでしょうか。
内田様:大きくは3つの課題があったと考えております。
1つ目は、『アサヒビールのエンジニアリング職』の認知度やイメージを持つ学生が少ないこと。学生側にとって職務内容・業務理解のイメージがつきづらく、志望動機が持ちにくかったり、選考辞退にも繋がってしまっておりました。
2つ目は、社内の魅力が伝わっていなかったことです。特に、社風や働き方の柔軟さなどが強みであっても、採用サイトや自社会社のイベントで十分に伝えきれていないと感じていました。
3つ目は、母集団形成の難しさです。従来の採用施策や媒体だけではターゲット層の募集が集まっていないことが課題となっていました。
特に1つ目の「エンジニアリング職の認知度やイメージを持つ学生が少ない」ことがボトルネックになっていたと感じており、母集団形成や魅力付けなど、全ての課題に繋がっていると感じております。
ーー現在されている採用活動は具体的にどういったものでしょうか。
金澤様:基本的には弊社採用ページへの登録を促進し、登録いただいた学生に自社イベントなど案内しています。各ナビサイトのイベント利用もしていますが、こういった媒体でのイベントはエンジニアリング職だけでなく、事務系と技術系含めて全体で出てるとこなので、エンジニアリング職自体の訴求はあまりできておらず、魅力を伝えきれていなかったと考えております。結果として、過去5年で毎年200名ほど母集団形成ができていたが、現在はその半分程度になってしまっている現状があります。

これまで接点が持てなかった層に「知ってもらう」ため、アカリクで自社単独イベントを開催。
ーー採用学生のターゲットとして、どういった人物像を求めていますか。
内田様:アサヒビールでは、『学士・修士・博士』が採用対象となっており、専攻指定や研究指定もございません。「アサヒビールのビジョン」をはじめとした価値観・ありたい姿に共感して頂ける方、様々なフィールドで活躍できる可能性を秘めた方。
その中でも「主体性・突破力・内省力・チームワーク・誠実」を重視しています。決して平均点を求めているわけではなく、最低限の資質は求めつつ、多様な個性を期待しています。
ーー理系採用では特定の専攻を条件とされる企業様も多いですが、貴社では指定していない背景・理由などございますでしょうか。
金澤様:エンジニアリング職の守備範囲が多岐にわたるからです。一例ですが、工場の設備関連ということで建築だからと枠を決めてしまうと、求められる業務がやりきれないと考えております。小さな工事や路面舗装、ひいてはその工場を建てるなど、そういったレベルになるためです。一方で、エネルギー供給の設備や冷凍機、ボイラーなども、化学系や電気系でも困難に直面する場面が多くございます。多岐にわたる業務があるからこそ、常にキャッチアップしながら活躍できる人材を採用したいと考えており、学部不問となっております。
ーーこれまでお話しいただいた採用状況の中で、自社イベントをアカリクで開催しようと決めた背景を教えてください。
まず、新たなターゲット層へのリーチを目的としておりました。これまで接点が持てなかった層へのアプローチが可能と伺っていたため、自社イベントとは違う強みに興味を持ちました。
次に、応募数の底上げを期待していました。自社説明会や選考への導線を増やすことができると思っていました。
最後に、ブランディング強化・認知度の向上です。『知ってもらう』ことが今後の採用活動の下地になると考え、開催を決定しました。
総じて1から2ではなく、0から1にする採用活動を目指していました。
これらの理由で、母集団形成の成功に期待ができたため、導入させていただきました。

イベント経由で1名の採用に成功!新しく興味を持ってくれる学生母集団を0→1で形成できる。
ーーイベントを実施して感じたこと・効果などはいかがでしたでしょうか。
内田様:イベントでは多くの学生と会話することができました。人事だけではなく、現場経験のある生産系の社員にも登壇いただいたことで、皆さん大変前向きに参加いただき、活発なコミュニケーションが取れました。エンジニアリング職だけではなく、社風や福利厚生、制度など様々なことを知っていただけたと思います。実際に参加者の中から1名内定者も出ており、実施してよかったと感じています。
今までは自社で主催する採用イベントに誘導すべく、弊社採用ページから登録いただいた学生向けにのみ発信・募集を行い、1→2に増やす施策を多く実施しておりました。今回は多くの学生が初めてアサヒビールのエンジニアリング職を知る状況で、0→1の母集団形成ができ、大変有意義なイベントとなりました。
ーーこれまで出展した他イベントとの違いはございましたか。
内田様:今までは弊社に興味を示している学生に対して、より理解度を深めていただく採用イベント(説明会)を実施しておりました。しかし今回は、例えば自動車関連の企業様に興味を持っていたような、アサヒビールのエンジニアリング職をほとんど知らない学生に、多く参加いただけたことが大きな違いとなりました。重複しますが、0→1で母集団を増やすことができたと実感しています。
新原様:イベント参加学生のマッチ度でいくと、半数以上の方が理系修士の方で、具体的に弊社の業務内容について知っていた方が半数程度、新しく興味を持ってくださった方も半数程度で、よいバランスであったかなと思います。
ーーアカリクのイベント開催時のサポートはいかがでしたでしょうか。
内田様:こちらの要望に対して、非常に柔軟にサポートいただけました。弊社オフィスにアカリクの担当者を招く形で開催をいたしましたが、企画・集客面だけでなく、座談会コンテンツなどの運営面でもご協力をいただきました。弊社、アカリクそれぞれの役割分担から、学生の誘導、当日のファシリテーションなど的確にご対応をいただき、非常に満足度は高かったです。

アカリクで開催する自社単独イベントなら、「学びの意欲・姿勢」を持った理系学生に出会える。
ーーイベントで出会った参加学生はどのような特徴やリアクションがありましたか。
新原様:エンジニアリング職では様々なことを担当するため、これまでは学生にとって説明を受けても解像度が上がりづらいことが課題でした。一方で、今回のイベントでは参加学生から具体的な質問も多くいただき、「AIやDX推進のトレンドなどに対してどのように取り組んでいますか、どんなお考えですか」など、学ぶ意欲や姿勢を感じることができました。
一方で、機械系などを専攻している参加学生が、今後、仕事上で専門外である電気・建築系の知識も必要になることに対して、不安を抱えていることもありました。ただ、そういった部分に対しては当日に「知識・経験がなかったとしても、活躍している社員もいるので大丈夫です」と、直接お伝えして安心感を与えることができたのがよかったです。
ーーイベント経由で内定した学生の印象について、教えていただけますでしょうか。
内田様:この方は以前、自社イベントにも参加いただいた学生で、アカリク様のイベントを通じて業務理解をはじめとする会社理解がより深まったように感じます。エンジニアリング職限定イベントとしていたのでマッチ度も高く、受け身ではなく自発的に動ける学生でした。媒体経由の出会いにも価値を感じており、実施してよかったと思います。
今後もアカリクの学生に魅力を「知ってもらう」イベントを開催。
ーーイベントを活用した採用の展望や、アカリクに期待していることを教えてください。
内田様:アカリクでのイベント開催に関しては大変満足しております。前回は2月に実施でしたので、今後も継続して、また違うタイミングでの実施も検討していきたいと思っております。次回はもう少し母集団形成にかける時間を取れたらいいなと思っております。
新原様:本社でのイベントは私も初めての参加でした。普段は工場見学なども実施していますが、今回アカリクイベントを1歩手前の施策として、社内の雰囲気を広く知ってもらうために本社見学をしてもらうことができました。今後も、参加した学生に働くイメージを持ってもらえるような、色々なイベントを開催したいです。個人的にも楽しいイベントで、ざっくばらんに社風を伝えられたと思います。ぜひ次回以降もよろしくお願いいたします。
