アプローチの難しかった博士人材の採用に成功!1to1スカウトで丁寧な採用を実現。
課題
- 博士学生の母集団を増やしたい
- 早期に学生との接点を持ちたい
導入の決め手
- 博士学生との接点が増やせる
- 研究内容を自社とマッチしているか見極められる
効果
- 効率的にマッチングできた
- 現場との連携が可能となり丁寧な採用ができた
修士採用が多く、博士人材を採用したくても応募が少なかった。
ーー本日はお時間いただきましてありがとうございます。まず最初に吉澤様のご経歴について教えてください。
98年にキャノンに入社し、現在の所属は人事本部のグローバル要員管理部です。
2020年の4月に人事部にきたので、人事としては3年程になります。
元々化学系の技術職だったので、品質保証の仕事を約4年程しまして、その後インクジェットプリンターのインク開発を19年間程担当しました。現在は、技術系の知識を活かしながら、採用担当として、直接学生のご質問やご相談を直接受けたり、イベントでの説明などを担当しています。
ーーこれまでの新卒採用の採用実績について教えていただけますか。
弊社は、技術系は機械、電気、情報、物理、化学の5系統に分かれています。系統の振り分けについては、学生が応募する際にご自身で選択する仕組みとなっております。また、新卒採用はほとんどが修士卒で博士は数名です。
ーー採用実績についてですが、現状の数字への満足度はいかがでしたでしょうか。
博士採用について、例年は博士の応募が少なく、採用しようと思っても母集団が少なく、なかなか採用できないのが実情でした。また、博士の方は研究されてきた内容と、我々が欲しい技術がリンクしていてほしいので、研究内容をより重視して採用したいという思いがあり、最終的に毎年数名の採用結果となっていました。
アカリクでは遅い時期からの利用でも効率的にマッチングできた
ーー今回アカリクを導入して、よかった点などお伺いできますか。
去年からアカリクを利用していますが、アカリクの強みは博士の登録者数が多い点だと事前にお聞きしていたので、その部分はすごく期待していて、実際に博士を対象とした手厚いスカウトを打つことができました。
スカウト機能を利用し始めたのが去年は大変遅く、12-1月頃からだったのですが、本選考よりも早い時期に学生とコンタクトが取れて話を聞くことができ、学生の研究内容が会社のどことマッチングしているか確認する期間を設けるのが非常にスムーズでした。
ーー採用面での当時の課題は、博士課程においてはマッチングの精度、マッチングのリードタイムが一番悩まれたところだったのでしょうか。
当時はそもそもマッチング度合いを見る時間がなかったと言えるかもしれません。
応募された段階で見ようとしても選考が進んでしまうので、合っているかどうかの判断に時間を割けない状況でした。それらを踏まえて、去年のアカリク経由で採用させていただいた博士の方は、事前に社内のどこが合っているかという確認が取れたことで、この部門に配属するという前提で採用しました。そうしたネゴシエーションが部門間でできたことで、学生さんにも具体的に自分の技術が仕事を通してどう使えるのか、また実際の仕事現場の雰囲気をみていただいて、ここに勤めるんだという確認ができ、我々の会社に対する志望度も高く持ってもらえ、採用に繋がったと思います。
マッチングのリードタイムによって「丁寧な採用」を実現
スカウト経由だと早い段階でプロフィールを把握できるので、マッチ度の高い部門に提案する際に研究内容などの情報を早期に共有できるメリットがありました。学生さんがどんな論文、特許を書いているかが分かると、部門メンバーも研究分野を調べてから面談しますので、より学生さんに志望度を高く持ってもらえる結果に繋がりました。去年アカリク経由で採用した学生は、1月にコンタクトが取れたことで、研究内容が弊社のどことマッチしているか事前に検討する時間が作れたことがとても大きかったと思います。
一言で言うと「丁寧な採用」ができたと思います。
研究を通して実践し、自分なりのアプローチができる学生が欲しい
ーー博士課程の方について、求める人物像をお伺いできますか。
博士の場合は、研究内容が我々の事業や研究本部とマッチしている方を求めています。
博士は研究期間も長いですし、基本的に取り組む姿勢や、研究者としての土台は出来上がっていると思いますので、より研究テーマを深堀し、我々にとって今すぐにでも使いたい技術なのかを重視しています。
ーー博士過程の研究内容は、基礎と応用と分かれる認識なのですが、その辺りの区分はあるのでしょうか。
基礎的な部分だったら、弊社だと研究という職種により近くなるので、例えば研究職の中でやっているテーマと、博士の方がやっている内容がリンクしているかどうかを判断します。より実践に近いようなテーマであれば、どちらかというと製品開発もあると思いますので、そういう技術が活かせる場があるのかを事前に判断した上で採用できればと思っています。
学生の研究概要や将来やりたいことに注目していた
ーーアカリクの利用画面において、特に注目してみていた項目や情報についてお伺いできますか。
人事の立場ですと、研究概要と、将来やりたいことの部分をみています。
弊社と合致しない分野であったり、将来やりたいことを事業として扱っていない場合、希望に応えられない結果となってしまうので、事前によく確認しています。内容的にマッチしそうな学生さんがいた場合は、部門にヒアリングを行い、部門から手が挙がれば、採用に向けた話に進んでいきます。弊社は製品開発や研究部署だけでも相当数ありますので、マッチ度の高い部門担当者に提案し、返事をもらうまでに最低でも1ヶ月程度を要します。そういった中で事前に情報がわかると、部署間で検討する期間が取れるので、上記2つを特に注目していました。逆に、部門目線ですと、プロフィールというよりも、より対話を通して中身を聞きたいという意向があるため、直接話すことで研究の内容を詳しく聞くという形をとっています。
博士採用において、アカリクは比較にならないほどの効果があった
ーー今回は、博士採用をメインに利用されていると思うのですが、その層を採用する理由や狙いをお聞かせいただけますか。
やはり即戦力になるというところが大きいです。技術的な部分やスキルが、弊社とリンクしていて欲しいというのはそういう理由があります。
ーー過去のケースで、御社の期待値に対して、期待値通りに動いてくれた事例はありますか。
正直そういう採用の仕方をしていなかったため、去年初めてケースとして成功した事例ができたので、数年経過してみないとわからないというのが正直なところです。
ただ、その学生さんとは、事前に何度も部門と直接会う機会を設けたことで、部門からも「内容的にすごく即戦力に近いので、入社後数ヶ月行う全体研修に参加させずに今すぐ来て欲しい」という声が上がるほどでした。
ーー利用1年目で博士人材の採用実績があるかと思いますが、得られた実績や効果の詳細について伺えますか。
他媒体との比較で言うと、他媒体は博士の登録がほとんど無いため、これまで採用したくても出来なかった状況でした。
そのため、博士採用においては、アカリクさんが比較にもならないぐらい効率的に利用できたと思います。それは登録者数の多さというのもありますし、他媒体は修士がメインなので、博士ということであればアカリクさんがいいなという印象です。
ーー最後に、今回導入いただいたことで、スカウトの文面やプロセス、アクション時のエピソードなど、運用中のお話を教えていただけますでしょうか。
我々としては、基本的にスカウトして承諾してくれた学生は一対一の対応をしたいので、個別のイベントに招待したり、一対一で面談するなどの流れで進めています。すでに何回もイベントに参加してくれている学生の場合は、より現場の声が聞ける技術職員との面談の場を個別でご用意することもあります。学生が置かれた状況によって、一人一人の対応ルートを考えています。
ーー博士用のコミュニケーションやプロセスというのは、修士と異なる点がありますでしょうか。
部門との面談をしていただくタイミングが早いです。なぜなら提案をして部門から手が挙がれば、即面談を設定しますので、スピードがかなり早いと思います。
修士の場合は、出身大学のリクルーターとの社員面会が中心です。博士学生であれば、部門とのマッチング性の確認を前提として、配属を想定した面談をしているので、そこが大きく異なると思います。
ーー今後も継続してご利用いただく上で、アプローチの目標値などありましたら教えてください。
メインターゲットは博士になると思います。
去年は、時間の都合で実際に部門との面談を受けてもらった学生は、2〜3人だったので、今年はスタートが早い分、その人数を2桁にすることが目標です。さらにその中から半分ぐらいの採用を目指しております。