大学院生が研究活動をガクチカとしてアピールするためのポイントを解説!

アカリクコラム
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「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」を意味する言葉です。

就職活動ではほぼ確実に必要になるエピソードですよね。

部活動やサークル活動、インターンシップやボランティア、就職したい企業にアピールしやすい強みがある一方で、大学での勉強や研究、ゼミでの活動を就活でプレゼンするのは、難しいと感じてしまいがちです。

なぜなら、「学術的な研究」と「営利を求める企業への就職」という二項対立で捉えると、研究に力を入れている自分を企業にどうアピールしていいのか、困ってしまうからです。

それでも実際のところ、多くの大学院生にとっては「最近力を入れたのは研究」というのが本音ではないでしょうか。

この記事では経済学や文学、心理学、社会学といった文系分野の修士課程に所属する大学院生の就活生の方を主な対象として、「研究・ゼミをガクチカにする」就活攻略メソッドをご紹介します。

また、理系院生の方向けに、研究活動をガクチカにするコツやポイントについても併せて紹介します。

文系院生に特化して説明する理由は、理系院生と比べて大学院進学や研究での頑張りを説明するのに困る人が多く、面接官に理解されにくいという声をよく耳にするためです。

研究をガクチカとして伝えるのが怖いけれど学業での奮闘を評価されたい、テクニックとロジックを使って勝てるエントリーシートを書きたい、負けない面接をしたい、という方に少しでも参考になれば幸いです。

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企業がガクチカを質問する理由  

まずは前提として、企業が選考においてガクチカを質問する理由を整理しましょう。

企業が自己PRを求めるときには、学生の能力・スキルを知って会社の利益・戦力になる学生かどうかを見極める意図があります。

自己PRと別にガクチカを尋ねる理由は、

  • 成果の大きさよりも努力の過程を知りたいから
  • 応募者の人柄を把握したいから
  • コミュニケーション能力を確認したいから

の3つです。

なお、ガクチカの定義、企業がガクチカを尋ねる目的の深掘り、評価されるガクチカの書き方などについては以下の記事で紹介されています。

自己PRやガクチカの失敗例として、研究実績のみを記載してしまう、あるいは、アルバイトやサークル活動ばかりをアピールしてしまう、という典型的な失敗例があります。

企業がガクチカを尋ねる意図を踏まえて、自分が力をいれてきたことの過程が志望する会社での活躍とつなげて伝わるようにしましょう。

研究活動での経験をガクチカとするかどうかに関わらず、「どのような課題があったのか」「どのような施策を実施したのか」「どのような結果が得られたのか」を論理的かつ具体的に説明することが大切です。

研究・ゼミをガクチカにする上での基本戦略

大前提を踏まえた上で、研究・ゼミをガクチカにすることの一般的なメリットとデメリットを確かめ、エントリーシートや面接でガクチカを伝える基本的な戦略を練りましょう。

修士課程修了と学部卒の就職事情は文理でも異なることを認識する

修士課程修了の場合は学部卒と比べて研究職や開発職などの専門職に就きやすいのが大きなメリットです。

大学院で訓練された専門分野の知識やスキルが期待され、即戦力として採用されやすいです。

研究で得られた論理的思考は、研究職や開発職だけでなく、コンサルティングやマーケティングに活かすことができると考えられます。

企業が新卒に期待する専門性の違いが学部卒と修士課程修了者の就職事情として大きく異なる点ですが、この違いがより明確なのが理系であり、曖昧なのが文系です。

例えば、「人文社会科学系の大学院生を募集する」という新卒の求人はめったに見かけませんし、文系の修士課程修了者であるという1つの情報だけでは、文系の学部卒との違いをアピールできません。

つまり、文系の大学院生の就職事情では理系ほどニーズやアピールポイントがはっきりせず、人事担当者も当の大学院生もケースバイケースで考えることになります。

一方で理系院生の場合、自身の研究内容を活かすことのできる「業界・企業・職種」を志望する場合が多いです。そこで、ガクチカで研究活動のエピソードを話しつつ、「研究室で学んだ○○を活かしたいため研究内容と一致する御社の××職を志望します」と説明することで志望動機に根拠を持たせることができます。

研究内容を仕事に活かしたい場合は、研究活動をアピールすることは非常に効果的です。

文系院生であれ理系院生であれ研究活動をガクチカとしてアピールするときは、「研究内容」や「アピールしたい強み」などが読み手にわかりやすく伝わるように表現や構成を吟味することが大切であるといえるでしょう。

目標に対して頑張った自分をアピールする

修士課程・博士課程の生活が多忙であることは、当事者の大学院生が最も実感していることだと思います。

学部生よりも高い頻度で行われる実験や調査、論文の執筆と投稿、学会発表、ゼミや研究室内での研究発表、その他にも研究室運営のための事務的な作業など、忙しい生活の中でさらに就職活動にまで手を伸ばすと、目が回りそうです。

しかし嬉しいことに、明確な目標に向かって本気で頑張った経験をガクチカとして提示できるメリットがあります。

「修士論文や学会発表という集大成の目標(ゴール)に向かって、困難を乗り越えて成長した」というストーリーは、ガクチカを書くフレームワークに沿っていて伝わりやすいです。

特に学会発表や学術誌への投稿といったオフィシャルなアカデミアの世界での成果があれば、そのための頑張りが客観的な成果として明確で、インパクトが大きいです。

査読付き論文のような具体的な成果物があればESや面接で大いにアピールしましょう。

ガクチカと志望動機を直結させる

高い評価を受けやすいガクチカとは、志望動機と理想的な形で連結されているものです。

エントリーシートや面接では、ガクチカとして研究活動について書いているのに、志望動機や志望する業務内容が繋がっていないと不自然に見えてしまいます。

ガクチカと会社への志望動機は、「ストーリー」として伝わります。

ガクチカでは、学業に注力した経験のなかで自社で活躍したいという考えに至るまでの道筋が、人事担当者・面接官にイメージできることが、高評価のポイントです。

研究をガクチカにすることは専門性の高さや、明確な目標への実直な継続力がアピールできる反面、応募先企業の志望動機とのつながりが曖昧な場合、採用担当者にとって、なぜ自社で働きたいのか、ということがイメージできないことがしばしばあります。

そのため、研究のガクチカと志望動機ができるだけ直結するように、ガクチカを調整する必要があります。そして、ガクチカを考えるうえで「エピソードから何をアピールしたいか」を意識する必要があります。

また、募集職種によって評価されるポイントが異なるので、研究活動をガクチカとしてアピールしている部分といかに関連付けるかが重要になってきます。

理系職種の場合を例にすると、

  • 研究開発職なら論理的思考力
  • 品質管理職なら仮説検証力
  • 技術営業職ならプレゼン能力、チームワーク力

などが考えられます。(あくまで一例なので他の要素も重要です)

同じエピソードを用いる場合でも求められるスキルに応じて表現を使い分けることを検討すると良いでしょう。

以上の内容をもとに、研究をガクチカにする戦略を具体的に3つ紹介します。

研究職を志望する場合

理系院生で研究職を志望する場合、多くの人が志望しているため狭き門であることが多いです。

採用活動における初期段階の面接では研究に詳しくない社員、段階が進むと同じ研究職の社員が面接官となる場合があります。ゆえに誰にでもわかりやすいように説明すること、研究内容を細部に至るまで詳しく説明することの両方が求められます。

研究職については以下の記事を参考にしてください。

理系の大学院生と比べると求人の数は少ないですが、文系院生でも専門性の高い研究職の採用があります。

研究職のように総合職採用とは別に限定的な募集が行われている職種の場合は、率直に研究をガクチカにしましょう。

研究内容を理解してくれる面接官がいることを期待できますし、研究に真面目に取り組んだ実績は好印象です。

文系の院生に適した、研究員やコンサルタントなどのポストを狙うなら、研究をガクチカにした上で、自分の研究のアプローチや示唆まで、堂々とアピールすればよいでしょう。

自分自身がこれまで取り組んできた研究の過程を上手く説明できれば、志望する企業の研究職にマッチしているかどうか、確実に面接官に評価してもらえるでしょう。

民間企業の総合職を志望する場合

民間企業の総合職を志望する場合、研究をガクチカにするときは注意が必要です。

なぜなら、研究の頑張りそれ自体が武器になることは少なく、結果に至るまでのプロセスをアピールする必要があるからです。

特に、大学院で継続してきた研究と大きく領域が異なる業界の場合、研究内容や業績、専門事項の知識ばかりをアピールすると、民間企業の総合職で研究での頑張りがどのように役立つのか伝わりにくいでしょう。

この場合、「計画立案力」「粘り強さ」「情報収集力・情報分析力」などを想起させるガクチカにしていくことが戦略の1つとして考えられます。

専門用語を用いて研究の成果を説明をするよりは、研究計画を立てて遂行してきたことや、研究に必要な情報を集めたり整理したりする中で工夫してきたことなど、自分の頑張り方の特長が伝わるようにアレンジしましょう。

そして、自分自身のこれまでの研究に対する取り組み方が、志望する企業・業種でどのように活躍する未来を思い描いているのか、志望動機と直結させる流れを作ることが理想的です。

なお、こちらのアカリクコラムでは、理系院生が学業や研究で得た経験やスキルを生かす自己PRの方法について解説しています。

文系院生がガクチカとして研究をアピールする上でも、ヒントが見つかります。

公務員を志望する場合

「研究」のガクチカは公務員への就職活動でも有効です。

公務員試験総合ガイドには公務員試験で実際に受験生が質問された内容が紹介されていますが、公務員を志望した受験生の多くが、公務員試験の面接で学生時代に頑張ったことを尋ねられたと書いています。

公務員と聞くと、事務・窓口業務に関連する職種が多いというイメージがあるかもしれませんが、実際は、多様な人材を求めており、研究を頑張った文系院生が有利になる可能性が高いです。

なぜなら、文学や歴史学、地理学などの人文科学の研究での知見を参照して地方や国家の問題を解決したり、政治学や法学、心理学といった社会科学の知見を武器にしたりと、多様な活躍の場があるからです。

参考:公務員試験総合ガイド「公務員の面接質問集

自分自身の研究成果を分析する  

ガクチカの書き方についてのノウハウや例文は、Web上で検索すれば膨大な数を見つけることができます。Web上に紹介されている例文を簡単にコピー&ペーストしてガクチカを書き上げることもできるでしょう。

しかし、その前に、あなた独自の研究成果を分析することが大切です。

あなたが研究で挙げた成果の具体的な内容、およびそのプロセスこそ、面接官が他の就活生と比較するときに重要になる要素です。

誰にでも当てはまるような抽象的な内容を書くのではなく、あなた独自の成果を見直し、エピソードをまじえて分かりやすく伝えることを意識するとよいでしょう。

既に明確な実績がある場合は、成果を挙げることができた自分の頑張りがどういう点で優れていたのか、分析して言語化することから始めるとよいでしょう。

研究室やゼミ活動での実績を語れるようにする

ガクチカを語るには、エピソードがつきものです。

研究に関わるエピソードとしては、ゼミの研究発表会、ゼミで協力したプロジェクト、学会発表、学会誌などに掲載された論文などがあるでしょう。

その際、ゼミや研究の具体的な内容に焦点をあてるだけではなく、あなたが経験した気付きや感情、問題解決のプロセスに注目していくと、研究に力を入れることで成長した人間としての自分をアピールすることにつながります。

例えば、「学部生の授業に参加し、後輩の論文や調査に積極的に助言をして後輩から感謝してもらえた。私の積極性によってゼミ内の連絡がスムーズになった」、「ゼミでの発言や指導教授のオフィスアワーの利用を通じて、教授から信頼を得られ、教授の研究の一部を手伝うまでになった」などのエピソードがリアリティを伴ってくれば、ガクチカとして十分魅力的に伝わります。大学院生は研究に集中して取り組むことができるため、具体的な実績が作りやすく、学部生と比べて学業での奮闘、ゼミでのリーダーシップをアピールしやすいというメリットがあります。

そのため、就職活動を実りあるものにするために研究に集中することは、いわば「急がば回れ」のガクチカ作成の戦略です。大学院生にとって生活の大部分を占めることになる研究活動がガクチカとして就職活動にもつながるとしたら一石二鳥ではないでしょうか。

自身の研究と社会の接点を語れるようにする 

理系院生の場合、自身の研究がどのように社会に活かせるかが明確な場合も多いです。そこをその分野に詳しくない人にも分かりやすく説明できるようにすると面接官に納得感を与えることが出来ます。研究活動の中で培った技術を企業でどのように生かせるかを盛り込むと良いでしょう。

一方、一概には言えませんが、文系院生が自分の研究と民間企業との接点を見つけられず、研究をガクチカにすることを諦めたり、失敗したりするケースは多いです。

なぜなら、文系の研究の場合は理系研究と比べると、民間企業の事業内容と直接関連させづらいためです。

ポイントとしては、文系院生の就活生が研究をガクチカとしてアピールする場合は、自身の研究テーマが社会にどのように影響を与えているか、客観的に分析することが重要と言えます。

テーマ設定の段階ではアカデミアの世界に限定的な関心だったとしても、企業や世間に広く与える意義を踏まえて、自分の研究の動機を俯瞰して設定しなおしてみましょう。

実例紹介〜アカリクの内定者インタビューから〜

最後に、アカリクの内定者インタビューから、人文社会科学系で研究の経験を生かして就職した事例を紹介します。

以下のインタビュー記事では、海外での研究経験や、長期インターンの経験を軸に就活をされた方の成功例が紹介されています。

研究の実績をアピールしつつ、人間性を想起させる部分を話すことで相手に興味をもってもらえるように努めたという工夫が紹介されています。

まとめ

以上、今回の記事では修士課程の大学院生向けに研究をガクチカとしてアピールしていくことについて紹介しました。

研究をガクチカとしてアピールしていくうえでのポイントを箇条書きでまとめると、以下の4点になります。

  • 企業がガクチカを尋ねている理由を理解する
  • ガクチカと志望動機を結びつけて考える
  • 志望する職種に応じてアピールすべきポイントを吟味する
  • 研究・ゼミでのこれまでの成果を分析する
  • 大学院生の就活仲間をつくる

この記事を読まれた方には、是非、研究をガクチカにするという正攻法で、納得のいく就職活動につなげていただければと思います。

ガクチカについては、指定の文字数や設問形式など、応募企業によって異なりますが、あなたが学生時代に研究を頑張ったのなら、ここまでの内容を踏まえてきっと素敵なガクチカをアピールできると思います。

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著者プロフィール

アカリクリポーターズとは、大学院生としての経験や知識を「リポート」するライター集団です。全員大学院在籍経験があり、これまでの研究経験や知識を活かして、大学院生の皆様に役立つ情報をお届けしています。専門分野は工学・化学・生命科学・心理学・社会学等様々です。

【監修】アカリクお役立ちコンテンツ編集部
博士号所持者/博士課程在籍経験のある編集者が監修しています。

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