「修論がやばい!」と思ったら。焦らず書き切るためのポイントを解説

アカリクコラム
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「修士論文がやばい!」、「ちゃんと書き切れるか不安…」

このような悩みは、理系文系分野を問わず、修士論文に臨む者なら誰しもが抱える悩みの一つです。

特に中間発表が多くなる修士課程2年目では、そうした心配も増えるかもしれません。

このコラムでは、そうした不安を感じる方に向けて、修士論文を最後まで焦らず書き切るためのポイントを紹介します。

多くの大学院修了生も、この問題に直面しつつもそれを乗り越えてきました。

「どうしようもない」とすぐに絶望するのではなく、前向きに現状の課題を捉え、その解決を図っていきましょう。

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修士論文のつまずきポイント

ここではまず、修士論文を書く上で、どういったつまずきのポイントがあるかを確認します。

研究分野の違いなどによって、人それぞれ修士論文が「書けない」悩みは異なるかもしれません。

しかし、中にはどの分野にも現れがちな共通の難所も存在しています。

以下で挙げるのは、そうした難所の一例です。

しかし、どれも現状の課題を捉えることで、「やばい」と絶望するほどのものではないはずです。
順に見ていきましょう。

書くためのデータが集まっていない

主に、実験などでデータが必要な理系で起こりやすいです。

文系でも、文献の収集が足りていないときにはこの点で不安を感じるかもしれません。

論文である以上、最終的には「新規性」のある主張を行う必要があります。

しかし、思ったようなデータが出ていないとそうした主張は困難です。

「何か新しいことを言わなければならないのに、そのためのデータが揃っていない」ということは、分野問わず往々にして起こり得ます。不安を覚えるのも当然です。

しかし一方で、この場合「何をテーマに論文を書くか」については、しっかり定まっているとも言えます。

次に紹介するように、修士論文のつまずきの中には、「そもそも何について書けばいいか分からない」というものもあります。

謂わばリサーチ・クエスチョンにおけるつまずきです。

その点では、データが足りないとの不安も「書く内容が決まっている」という意味で、多少前向きに捉えられるはずです。

もちろん、「データが揃っていない以上、書きようがない」とも言えますが、何が必要な情報かを把握している点で、次の対策は立てやすいと言えるでしょう。

テーマが決まらない

こちらはより前段階の、「何について書けばよいかわからない」というつまずきです。

これは主に、テーマを自由に決められる文系分野に起こりやすいかもしれません。

理系の研究室では、指導教員の研究を手伝う形で自身の論文を進めていくこともあります。しかし文系の場合は比較的、各々が好きなようにテーマを設定します。

それゆえに、中間発表が見えてきた段階などで「実はテーマがしっかり定まっていない」「この内容で本当に書けるのか」とった悩みに直面することが多々あります。

「修士論文のテーマが決まっていないのは、致命的にまずいことではないか」と思われるかもしれませんが、実はそうでもありません。

今まで自分が行ってきたことを、しっかり時間をかけて見返せば、「研究の軸」のようなものは見えてくるはずです。

焦らずに、自分の初期の問題関心などを振り返ってみることが大切です。

どう書けばよいかわからない

「いざ修士論文を書こう」と思ったときに、どう書けばよいかわからない、一向に進捗が生まれないといった悩みもあります。

修士論文に臨む大学院生の中には、学部時代の卒業論文が必須ではなく、「論文」というもの自体初めて書くという人も少なくないはずです。

誰しも最初は、「どこから書けばいいか分からない」というつまずきを経験するものです。

こちらは多くの場合、完成された論文を読んだり、教員や先輩の手ほどきを受けたりすることで対処が可能です。

またこの場合、既に「書き始める」という段階に至っており、そのため過度に焦ったり、絶望したりするほどのものではないと思われます。

もちろん、最終目標は書き切ることであるため、ここでのつまずきも大きな悩みにはなり得ますが、すでに書くことを始めていると言う意味では、多少自信をもってよいと思われます。

締め切りに間に合わない・基準を満たせていない

最後は、「提出期限以内に、修士論文と呼べるだけのものを仕上げられそうにない」という悩みです。

修士論文は当然ながら、卒業論文よりも、量的にも質的にも高い水準が求められます。

特に、就職活動・進学準備をしながらそれらを作り上げるのは、時間との闘いになります。「今年度中に書き上げるなんて絶対にできない」と感じられる方も多いかもしれません。

しかし、逆に言えば、この悩みを抱く段階まで来たら、あとは「書き切るだけ」とも言えます。

論文のテーマが決まり、そのための文献・データもある程度揃い、書き方についても身につけたならば、あとは仕上げです。

締め切りが間近な場合は、クオリティについては一旦深く考えすぎずに、とにかく「期限内に書き上げる」ことだけを考えて執筆に臨むのがよいでしょう。

「やばい」と思ったときの対処法

以上、修士論文のよくあるつまずきポイントと、その対処法についてごく簡単に見てきました。

以下では、もう少し具体的な「修士論文の乗り越え方」について書いていきます。

『彼を知り己を知れば百戦殆からず』という言葉もあるとおり、何事も、まずは敵の全貌を知ることが重要です。

今回の敵は「修士論文」ですが、落ち着いて以下のポイントをこなすことで、「敵はそれほど強大ではない」ということが見えてくるはずです。

まずは要件の確認から

提出の締め切りは何月何日の何時までか、文字数に下限や上限はあるか、提出は紙か電子データか、紙の場合は何部印刷する必要があるか、など、まずは基本的な情報を収集しましょう。

また、これらの要件について、いつでも確認できるようにしておきましょう。

多くの場合、修士論文の提出先である自分の所属する大学院研究科や大学院事務に問い合わせることで確認ができます。

ほとんどの大学において、修士論文の締め切りはかなり厳格です。

時間を1分でも過ぎればもう受け取ってもらえない、ということもあり得ます。
事前にしっかりと把握しておきましょう。

また、題目の提出に期限が定められていたり、提出の際に表紙を付けることが指定されていることもあります。

こうした細かい情報は、チェックしておくとミスを防げるだけでなく、心の余裕にもつながります。

「あれはどうすればいいんだっけ?」などと最後に慌てることがないよう、要件は完璧に調べておきましょう。

そうすることで、「提出まで、あとこのぐらいの時間が取れる」というスケジューリングもしやすくなります。

過去の修士論文を閲覧する

修士論文に取り組む上で非常に重要なのが、「過去の先輩の修士論文を一読する」ことです。

多くの場合、同じ研究科の過去の修士論文は、大学院事務や図書館に問い合わせることで閲覧できます。

これは2つの意味で重要です。

1つ目は、「修士論文で求められるレベルを知る」という意味です。

修士課程の研究ではどの程度の分量・質が求められるかは、研究科・研究室ごとに異なります。そのため、これらの情報を知るには、書籍やインターネットで調べるよりも、実物に触れることが1番です。

2つ目に、「形式をしっかりと知る」という意味です。

論文の書き方それ自体も、分野や指導教員の方針などで異なります。

引用の仕方はどうであるか、脚注はどのように使っているか、表紙や参考文献リストはどういった様式であるかなども、過去の修士論文がかなり参考になります。

書き方や様式で迷ったときは、過去の先輩達のやり方を見本にすれば、まず大きな間違いはないはずです。

論文の要件についてもそうですが、「わからない・自信がない」情報にひとつずつ対処していくことで、「やばい」という不安も軽減されるはずです。

また、過去の先輩の論文を読むことで、自身の研究に足りていない点なども見えてくるはずです。

先輩や教授に相談する

「修士論文」という敵を知る上で、自力で調べられる情報にはどうしても限りがあります。

その点では、積極的に先輩や指導教員に相談を図りましょう。

特に、上述の「データが集まらず書けない」「テーマが決まらない」という悩みについては、迷わず相談に持ち込むべきと言えます。

どんな先輩・先生であっても、少なからず過去にそういう経験はしているはずですので、きっと味方になってくれるはずです。

逆に指導教員の立場からすれば、一向に相談に来ない方が不安かもしれません。

「こんな程度の低い相談をするのは……」と遠慮するのではなく、素直に悩んでいることを打ち明ける方が、お互いにとってメリットがあると言えるでしょう。 

「ライティング・センター」などを活用する

最後に紹介するのは、「ライティング・センター」の活用についてです。

なかには、教授や先輩などに、気軽に相談ができる環境にはない大学院生もいるかもしれません。

そのような場合は、大学に「ライティング・センター」などがあるか探してみるのがよいでしょう。

「ライティング・センター」とは、学生のレポート・論文執筆を支援してくれる機関のことで、大学によっては独立した部署として、あるいは図書館の中の機関として存在していたりします。

「ライティング・センター」では多くの場合、これまで修士論文・博士論文を経験してきた、「論文の作法」に長けているアカデミック・ライティングの経験者に自分の研究について見てもらうことができます。

また、こうした機関がない場合でも、「レポート・論文の書き方」についての参考書を有効活用することもできます。

「修士論文」に特化した書籍は少ないかもしれませんが、論文執筆という面では、多くの重要な点が類似しているはずです。

「自分の論文が、修士論文としての質を保っているか自信がない」というときは、こうした書籍を参考にして、足りない点を補うとよいでしょう。

修士論文を乗り切る「心構え」

このコラムの最後では、「修士論文がやばい」と感じた際の、メンタル面の対処法についても紹介します。書き方について学んだり、要件を押さえること以上に、こうした心理面の方が「書き切る」ためには重要かもしれません。

簡単に2つだけ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

執筆の目的を今一度確かめる

1つ目は、「執筆の目的を今一度確かめる」というものです。

そもそも、私たちはなぜ修士論文を書くのでしょうか? 

修士論文とは、何を目的としたものでしょうか。

これを正しく把握することで、心理的な負荷が軽減されることもあります。

ある人にとっては、「修了の要件に必要だから」、またある人にとっては「博士論文の土台になるから」といったものかもしれません。

それ以外にも、「これまでの学びをしっかり形にしたい」「自分の納得のいく論文を仕上げたい」といった理由もあり得ます。

それぞれ、どのような目的を設定するかによって、論文の到達目標は異なります。

修了要件として出す場合は、博士後期課程に進学するつもりで書いている場合よりも、クオリティとして高いものを求められないはずです。

そうした、自分の目指す到達点次第で、どれだけ自分が「やばい」のか(あるいはやばくないのか)も見えてきます。

また、川崎剛著『社会科学系のための「優秀論文」作成術』では、修士論文の目的について、以下のように書かれています。

その[修士論文の]主要目的は、基本的な研究プロセスを(指導教官の助けを借りながらも)自力でこなせる能力を示すことにある。極論すれば、論文の内容そのものよりも、作成プロセスの達成そのものにねらいがある。昔ならいざしらず、現在の進んだ学問の文脈では、知的フロンティア拡大作業に貢献するというような期待は修士論文には求められていない。……言い換えれば、博士論文用のトレーニングが修士論文の役割と言えよう。

引用:川崎剛(2010)『社会科学系のための「優秀論文」作成術』勁草書房、p89

当然のことではありますが、博士論文に求められるような水準が、修士論文に求められるわけではありません。

自分に高すぎる要求を課したり、「やばい」という言葉で追い込んだりしないよう、しっかり「修士論文を書く目的」を見定めておきましょう。

心身のケアをしっかり図る

締め切りが近くなるほど、生活リズムは悪くなりがちとなってしまいます。

しかし、体調を崩してしまっては元も子もありません。

身体面でも心理面でも健康でいるために、できるだけ規則正しい生活を送りたいものです。

また心理面では、自分を追い込みすぎないことも重要です。

「完璧よりはまず終わらせろ」(Done is better than perfect)という言葉もあるとおり、完全さばかりを追求するのもマイナスです。

また、場合によっては、1年延ばして修士3年目で論文を完成させるという選択肢もあります。

あまり自分を追い込みすぎず、適切な心身のバランスと共に執筆に臨みましょう。

まとめ:「やばい」と思っても、どうにかなる

ここまで、修士論文について、①よくあるつまずきポイント、②つまずいたときの対処法、③メンタル面での心構えについて紹介しました。

「修士論文がやばい」という経験は、これまで修士論文を執筆してきた多くの大学院修了者が経験しています。

しかし、大多数の人が、それぞれの対策を行ってなんとか乗り越えてきました。

やばいと思っても、案外どうにかなります。

とりわけ、敵の姿を適切に見定め、身近にある資源を有効活用することが重要になります。

繰り返しになりますが、修士論文を書く上では、「なぜ修士論文を書くのか」「自分はそれによって何を目指すのか」を明確にすることが大切です。

焦りや不安を感じた際は、まずはその点から振り返りを行ってみましょう。

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