院卒の初任給はいくら?平均年収とともに年齢別に比較

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「大学院に行こうか悩んでいるけど、院卒でも給料は低い?」

「学部卒は2年分多く働くし生涯年収は学部卒の方が多そう」

と思っていませんか?

学部卒の方が2年間多く働いている分、院卒(修士課程修了)の生涯もらえる給料は低いように感じます。

しかしながら、実際は院卒で就職した方が給料が高く、生涯年収も学部卒よりも大幅に多い傾向にあります。

そこで今回は、大学院に入学しようか悩んでいるあなたのために、以下のことについて解説します。

この記事でわかること
  • 院卒と学部卒の初任給の違い
  • 院卒と学部卒の生涯年収の違い
  • 大学院の学費
  • 初任給で企業を選ぶ際に注意すべきこと

ぜひ最後までご覧ください。

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院卒の初任給は?

院卒(修士課程修了)の初任給について紹介します。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、令和4年の大学院修士課程修了者の初任給は、26万7900円ということがわかりました。

男女別で比較すると、男性が27万2900円、女性が25万6900円となっています。

初任給から雇用保険と所得税が差し引かれる額が手取りとなります。初任給の場合、年金や健康保険を払う必要がないため、控除額が1万円に満たないでしょう。ただし、社宅や寮に住んでいる場合、住宅手当が差し引かれるため、控除額が1万円を超える可能性もあります。

参考: 厚生労働省(2023-03-17)「令和4年賃金構造基本統計調査

院卒の初任給は学部卒よりも約3万円高い

先ほどの厚生労働省の調査によると、学部卒の初任給が22万8500円で、院卒の26万7900円と比べて約4万円の差があります。初任給だけを比較すると大学院に進んだほうがいいと感じる方が多いのではないでしょうか。

院卒の方が初任給の高い理由は2つあります。

1つ目は院卒の場合、専門的な知識やスキルを持っているからです。大学院生は2年間研究を行う過程で、特定の分野に関して専門的な能力や研究スキルが得られます。そのため、専門的な仕事において貴重な存在として扱われることから、学部卒の方よりも給料が高くなります。

2つ目はほとんどの企業が学歴で給料を決めているからです。求人情報を見ると院卒と学部卒とで給与が区別されており、ほとんどの場合で院卒のほうが高く設定されています。多くの企業で院卒の方は優秀な人材としてみなされているため、給料が高くなります。

企業によっては、学部卒と院卒で最初から階級が違う場合も少なくありません。

院卒で就職する場合と学部卒で就職する場合の比較やそれぞれのメリット、デメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しているので是非参考にしてください。

院卒の平均年収を解説

初任給では院卒の方が学部卒より高くなります。

平均年収や、生涯年収ではどの程度差があるのでしょうか。

【男女別】院卒の平均年収を比較

こちらのグラフは先ほどご紹介した「賃金構造基本統計調査」を基に作成したものです。

院卒での平均年収の推移を年齢と性別に分けて見ていきましょう。

男女ともに院卒での平均年収は、約400万円になります。

また、男女間で比較すると30代後半から大きく差が開いてしまうのが現状です。

年代男性の年収女性の年収
20代後半約400万円約400万円
30代前半約600万円約600万円
30代後半約800万円約700万円
40代前半約900~1000万円約800万円
40代後半約1000万円約800万円
50代約1000万円約800万円

参考:内閣府経済社会総合研究所(2014-06)「大学院卒の賃金プレミアム

院卒と学部卒では生涯年収に差がある

生涯年収を比較すると、院卒のほうが学部卒より高い傾向にあります。

内閣府経済社会総合研究所が2014年に発表した「大学院卒の賃金プレミアム」では、学部卒(男性)の生涯年収は2億9163万円となっています。

それに対し、院卒(男性)は3億4009万円と院卒の方が4000万円以上高いことがわかります。

論文によると院卒が就職した24歳の時の年収が309万円で、学部卒は同じく24歳の時点の年収が325万円と、2年間仕事をしてきた学部卒の方が年収は高くなっています。

しかしながら、25歳で院卒の年収が学部卒の年収を追い越し、それ以降は年齢を重ねるにつれて年収の差が拡大していきます。

52歳までその差は開き続け、最大215万円もの年収の差が生じます。

その後わずかに差が縮みますが、院卒のほうが高給であることは変わりません。

大学院の学費はどのくらい必要?

大学院の学費はどのくらい必要なのかを見ていきましょう。学費は国立大学と私立大学で異なります。

国立大学の場合、入学料が約28.2万円年間の授業料が約53.6万円で、2年間の学費が約135万円となります。どの学科においても学費が同じです。

一方私立は文部科学省の「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、入学料が20.3万円年間の授業料が77.6万円施設設備費が7.6万円2年間の学費が約190万円となります。

ただし、私立の場合は学科によって授業料が異なるため各大学のホームページを見て学費を確認してみてください。

私立の大学院であっても学費は190万円のため、学部卒と院卒の生涯年収4000万の差を考慮すると、大学院に進学したほうが生涯年収は高くなりやすいことがわかります。

大学院への進学に必要な費用や補助についてはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

参考: 文部科学省(2021-12-24)「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果

初任給で企業を選ぶ際に注意すべきこと

初任給は就職先を決めるうえで重要な要素だと考える人も多いと思います。しかし、初任給の数字だけ見て就職先を判断するのは非常に危険です。そこで、ここでは高額な初任給を提示する企業の狙いについても紹介します。

優秀な学生を獲得するために高額な初任給を提示

企業が高額な初任給を提示する理由は「優秀な学生に入社してもらうため」です。就活生が多くのライバルと競い合って内定を獲得するように、企業にとっても優秀な人材を獲得するための競争があります。

高いスキルを有する人材に高い報酬を払うのは当然と考える企業では高額な初任給が設定されます。

「初任給」に諸手当が含まれている場合も

初任給に注目して企業を選ぶ場合、諸手当が含まれた金額かどうか注意する必要があります。諸手当とは残業代、住宅手当、通勤手当等を指します。

「基本給」と提示されていれば問題ありませんが、このような記載がない場合、諸手当等が含まれた金額の場合もあるので注意する必要があります。

特によくあるのが「固定残業」または「みなし残業」などと呼ばれる仕組みで、一定時間の残業手当が給与額に含まれているというものです。このような場合、求人票においては「基本給○○万円 ※固定残業代○○万円/○○時間相当分を含む」などと明示することとなっています。
固定残業代制は多くの企業で導入されており、それ自体が悪い訳ではもちろんありませんが、記載されている額面では他社より高額であっても手当も含めた合計の手取りでは却って低くなってしまうこともあり、慎重に比較する必要があります。

また、初任給が高いことと生涯年収が高いことは必ずしも一致しません。その後の昇給についても、求人票や募集要項をよく読むとともに平均年収や生涯年収をきちんと調べたうえで企業を選ぶことが大切だといえるでしょう。

参考: 厚生労働省(2021-01-25)「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)について
参考: 厚生労働省、都道府県労働局、ハローワーク「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。

初任給が高額な企業は実力主義であることが多い

様々な業界がある中でIT業界やコンサルティング業界、ベンチャー企業は特に初任給が高額になる傾向があります。これらの業界は「実力主義」を取り入れている場合が多くあります。先述の通り、初任給を高額にすることで優秀な学生を確保することが目的です。

このような企業では学歴よりも実務能力が求められ、社員の入れ替わりが激しいことが特徴です。こういった企業に就職して実力が認められれば、20代のうちに出世し、高収入を得ることも夢ではありません。

コンサルタントやIT業界、ベンチャー企業についてはこちらの記事を参考にしてください。

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まとめ

院卒の初任給と生涯年収について詳しく紹介しました。

院卒初任給についてのポイントまとめ

 

  • 初任給は26万7900円で学部卒よりも4万円高い
  • 院卒は学部卒よりも専門的な知識が評価され高給になる傾向
  • 生涯年収は学部卒よりも院卒の方が4000万円高くなる
  • 学費は国立が135万円、私立が190万円のため、生涯年収の面では大学院に進学したほうが良い
  • 初任給で企業を選ぶ際には基本給や平均年収、生涯年収もきちんと調べたうえで判断する必要がある


生涯年収を重視する場合には、大学院への進学がより高年収を目指す上で有力な選択肢となります。

なお、今回の記事では、院卒での初任給を比較しましたが、学部卒であっても初任給が高い企業に就職することは可能です。

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アカリクリポーターズとは、大学院生としての経験や知識を「リポート」するライター集団です。全員大学院在籍経験があり、これまでの研究経験や知識を活かして、大学院生の皆様に役立つ情報をお届けしています。専門分野は工学・化学・生命科学・心理学・社会学等様々です。

【監修】アカリクお役立ちコンテンツ編集部
博士号所持者/博士課程在籍経験のある編集者が監修しています。

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