院卒で就職VS学部卒で就職!待遇や年収にどんな違いがあるのか

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院卒の就活は不利、理系院卒であっても就職できないという声が今でもあり、大学院への進学を悩んでいる学生は多いのではないでしょうか?

また、そういった心配をされる学生の中には、就職の際に新卒として扱われる年齢制限も気になる学生が多いです。

そこで今回は、学部卒と院卒の就職の違いやそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します!ぜひ今回の記事を参考にご自身の進路について考えていきましょう。

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学部卒・院卒での就職の違い

まずは、学部卒と院卒での就職の違いについてご紹介します。

1.年収の違い

基本的に、会社に就職した後の年収を比べると学部卒より院卒の方が年収が高い傾向にあります。

厚生労働省の令和元年賃金構造基本統計調査結果によると、24歳時点では学部卒が平均で325万、院卒が309万となりますが、25歳以降は院卒の方が平均年収が高くなる傾向があります。

24歳時点で学部卒の方が年収が高いのは、学部卒の方が勤続年数が長いためです。つまり、25歳以降は勤続年数が長い学部卒よりも、勤続年数が短い院卒の方が年収が高くなるというわけです。

初任給で計算すると学部卒の平均初任給は約21万なのに対し、院卒の平均は約24万で約3万もの差がついています。

この差が積み重なって41歳になると平均年収で200万もの差ができ、平均生涯賃金では4800万以上の差がつきます。

国立の大学院は入学金28万2,000円、授業料は年間53万5,800円で2年間の学費は約135万円です。

また、私立の大学院は大学により異なりますが、入学金約20万円、授業料年間約70万円、施設設備費約7万円の約180万円が授業料にかかると言われています。

もちろんその他の下宿の家賃や生活費など学部卒に比べて2年分多く支払う必要があります。

学部卒と院卒の年収の差を見た場合、就職することが出来れば大学院の学費や生活費の元が取れる可能性が高いことが分かりますよね。

2.待遇の違い

年収以外の待遇面は同じ会社に就職する以上、そこまで変わらない場合が多いです。多くの会社では同じ正社員であれば学歴によって福利厚生面での差がなく一律になっています。

学部卒の就職は専門性よりもポテンシャルや将来性を見越した採用であるため一般職や地域正社員などではない限り、様々な部署への配置転換が行われやすい傾向にあります。

一方で院卒の就職は就職先にもよりますが、高い専門性をもった職種としての入社を期待されるため、配置転換先は限られて転勤が学部卒に比べて少ない傾向にあります。

ただし、こちらは就職先の会社規定等や就きたい職種によっても異なり、すべてに当てはまるわけではないので注意してください。

3.出世などに有利かどうか

次に気になるのは出世のしやすさですよね。学部卒・院卒で出世のしやすさは大きく変わりません。

学生の間では、会社内にある出身大学や学部の学閥があり、その後のキャリア形成に大きく影響するとう噂が流れることがあります。

しかし、学部卒や院卒ではどちらが有利かは断言できません。その理由は2つあります。

1つ目はそもそもキャリアが全く異なる可能性があるためです。

前述したように、院卒での就職は就職先にもよりますが、高い専門性を期待されて就職することになるため学部卒と配属先やキャリアが異なる可能性があります。

キャリアが全く異なる学部卒と院卒の出世のしやすさを比較することは難しく、一概にどちらの方が出世しやすいかを比較できません。

2つ目は会社で評価されるのは入社後の働きであるからです。

基本的に会社で高い評価をされた方が出世しますよね。会社が社員に求めていることは、会社でどれだけ利益を上げられるかです。

この利益は単純に売上高-経費の話だけではありません。例えば、研究職員が新たな技術を研究し、実用化に繋げたことや、人事部が業務効率化の仕組みづくりに貢献したなど会社で与えられているミッションで成果を上げることです。

つまり、学部卒や院卒などの学位ではなく、入社後の何十年にもわらり仕事ぶりを見られるので出世のしやすさに差はありません。

ここまで、学部卒と院卒の就職の違いについて見てきました。

学部卒と院卒の就職の差は年収と入社後のキャリアの歩み方で、その他の待遇や出世のしやすさに大きな差がない傾向にあることが分かりましたね。

学部卒で就職することのメリット・デメリット

次に学生が就職か進学かを検討するうえで非常に重要な学部卒・院卒それぞれの就職のメリットとデメリットについて解説していきます。

お互いのメリットとデメリットを比較して本当に院卒の就職が不利なのか、理系院卒でも就職できないのかについて見ていきましょう!

学部卒で就職するメリット

まずは学部卒で就職するメリットについて解説していきます。

1.修士課程修了より2年早く実務経験ができる

学部卒は大学院に行く場合に比べて早く実務経験が出来るメリットがあります。前述しましたが、会社で評価されるのは、会社に利益をもたらす人材です。

実務経験があると、それだけ仕事で活躍する為の知識や経験を積むことが出来るので、会社内で活躍できる可能性が上がります。

また、年収が院卒の方が高いとはいえ、先に就職することで早いうちから仕事のスキルを詰みながら、年収アップを目指せるのは大きなメリットですよね。

院卒よりも早い実務経験+自己研鑽でより会社で評価される人材になることが出来ます!

2.若さやポテンシャルを求める企業が多い

次にメリットと言えるのが、学部卒には若さやポテンシャルを求める会社が多いです。つまり、入社後にすぐに結果を出すことを求めるのではなく、将来を見越して育成や研修で時間とお金を投資してくれる会社が多いという事です。

自身のスキルアップのために投資してくれるのは、お金をもらいながら勉強できるので大きなメリットですよね。

もちろん、就活時に自分の強みとその強みを志望している会社でどのように活かすことが出来るかをアピールし、その強みが会社が求めるものである必要があります。

しかし、あくまで若さやポテンシャルを見越しての採用なので入社後にすぐにその強みを生かして会社で活躍できなければ使えないと認識される可能性は低いと言えるので安心できますよね。

3.院進学するときの学費がかからない

国立の大学院は入学金282,000円、授業料は年間535,800円で2年間の学費は約135万円。私立の大学院は大学により異なりますが、入学金約20万円、授業料年間約70万円、施設設備費約7万円の約180万円が授業料にかかると言われています。

年収や生涯賃金で大学院に進学しても元が取れる可能性が高いと述べましたが、学生が自分で大学院への進学の学費を全て支払うことは難しいです。

さらに大学院に進学すると下宿の家賃や生活費が学部卒に比べて多くかかってしまいます。

そのため、就職後に親に学費を返したり奨学金を借りるとしても一時的に自分以外の方へ金銭的負担はかかってしまいます。

また、学部生の頃から奨学金を借りており、大学院に進学する際にも奨学金を借りて学費や生活費を賄う場合、新卒入社の時点で1,000万円近くの借金を背負うことになります。

そうなると、生涯収入の差から元が充分とれる計算になっても大変に思う方が多いです。

しかし、学部卒で就職した場合、生涯収入に差が出る可能性が高いですが、院卒に比べて新卒時や周囲の方への金銭的負担が少なくなりますよね。

一時的に金銭的負担を大きくなってしまうが将来的により大きなリターンを得るか、一時的な金銭的負担を減らすかは個々人の価値観や周囲の方と話し合ってどうするべきかを考える方がいいでしょう。

学部卒で就職するデメリット

では学部卒で就職するデメリットは何でしょうか?

2つご紹介します。

1.専門性やスキルでは院卒就職の方が有利

大学院では、4年生の学部では身に付けることが難しい専門性やスキルを身に付けることできます。そのため、院卒の学生は学部卒の学生に比べて専門性やスキルが高い傾向にあります。

会社の研究職や開発職、文系の法務などの一部の部署では専門性が高い学生を採用したいと考えているため、学部卒よりも院卒の方が就職が有利になる場合があります。

さらに、製薬会社や弁護士事務所などの非常に高い専門性を有していることを条件に採用活動を行っている会社では、採用条件や応募資格に院卒である事を明記している場合もあります。

もちろん、学部卒の中にも高い専門性やスキルを持った学生は多数います。

しかし、4年間の学部で身に付けることが難しい専門性やスキルで、大学院で学ぶ可能性が高い以上、学部卒と院卒の両方の中から求めているレベルの専門性やスキルを持った学生を探すより、あらかじめ院卒に絞って学生を探すほうが効率的ですよね。

採用にもコストや時間がかかっている以上、こういった理由から専門性やスキルを重視する職種や会社では院卒の方が有利になる場合が多いことは覚えておきましょう。

2.学校推薦を受けづらい部分がある

学校推薦は、主に理系の就職で行われる就職活動の形態です。

就職活動ではエントリーシートやグループディスカッション、面接などを突破して採用される自由応募と学校や専攻、学科とつながりがある会社から求人が届き、その求人に推薦状を添えて応募する推薦応募があります。

その推薦応募で最も一般的なのが学校推薦です。

もちろん、学校推薦は誰でも受けられるというわけではなく、一定レベル以上の専門性やスキルが求められます。そのため、学校推薦を受けるためには学内で選考が行われるケースが多いです。

その理由は、推薦したは良いものの、その人材のレベルが会社の求めるレベルから大きく乖離している場合、推薦した大学の評価が悪くなるだけでなく来年度から求人が来ない可能性があるためです。

学校推薦は大学内で選考があり、その後の採用試験もあるためメリットがないのではないかと思われがちですが実はそうではありません。

学校推薦に合格すること(=一定レベル以上の専門性やスキルを持っている)

と企業が考えて、選考フローを短縮する場合や、学校推薦に選ばれた時点で内定とする会社も多いです。

ただし、学校推薦に選ばれたからにはよほどの理由がない限り辞退できません。

そのため、やりたいことや行きたい会社が明確な学生にとっては学校推薦は非常にメリットがある制度です。

しかし、専門性やスキルの面において大学院に進学している学生の方がその分野をより深く学んでいるため、大学が就職先へ推薦してくれる場合が多く、学部生は学校推薦を受けづらいというデメリットがあります。

院卒で就職するメリット

一方で院卒で就職するメリットは何でしょうか?

3つ挙げていきます。

1.比較的学校推薦を受けやすい

学部卒のデメリットのところで解説しましたが、高い専門性やスキルを持っている院卒は、大学から就職先へ推薦してくれる場合が多く、学部卒に比べて有利になる可能性があります。

学校推薦を受けられると自由応募に比べて内定獲得率が上がる傾向にあるので、理系院卒は就職できない、院卒は就職で不利という噂は間違っている事が分かりますよね。

2.専門性が高いため不況時でも就職しやすい

前述しましたが、学部卒の就職は、若さやポテンシャルで評価され、将来に向けて時間やお金を投資することが前提になっています。

しかし、不況時においては時間やお金を大量に投資することが出来る会社は少なく、学部卒の採用人数を縮小する傾向にあります。

しかし、院卒は専門性が高く、スキルが身についているので、学部卒に比べて即戦力になりやすいため不況時でも採用人数を縮小される可能性が低く、不況時の就活に強いです。

そのため、不況時においては院卒の就職は不利どころか有利になります!

3.大手企業に採用されやすい

院卒は高い専門性やスキルを有しているため、大企業が採用するケースが多いです。

特に日系大手メーカーやコンサルでは院卒の優秀な人材を高く評価し、採用しやすいという傾向があります。

また、研究や学問を学ぶうえで培った課題解決力や自分で考えて行動する力、周囲と協力するコミュニケーション能力はエピソードを踏まえた説得力のあるアピールとなるので就職において強い武器になります!

院卒で就職するデメリット

では院卒で就職をするデメリットは何でしょうか?

2つ見ていきましょう。

1.忙しく就活のスケジュール管理が大変

学部生は基本的に、就職活動前に単位をある程度取り終わり、卒業論文を就活後から始めれば就活に専念できる場合が多いです。


大学院生は学部生に比べて、就活の時期にも研究や勉強を行わなければならないことが多く、スケジュール管理が大変です。

そのため、学部生と比較して就活と学問の両立が難しいです。

しかし、学校推薦で就活の選考フローを短縮する可能性があるので上手く活用して効率的に就活を行うようにしましょう!

また就職エージェントを活用すれば就職支援コンサルタントが就職活動をサポートしてくれますので、両立が難しい方には特におすすめです。

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2.学部卒より期待が大きいので仕事のハードルが高い

前述のとおり、院卒は高い専門性やスキルを入社後に活かして活躍することが期待されており、学部卒ほどポテンシャル重視で長い目で見て投資し続けることを前提としていない場合があります。

活躍の期待感が大きい分、仕事で認めてもらえなければ、学部卒よりも周りの目が辛くなってしまうという可能性が高いのがデメリットです。

そのため、自分の強みやスキル、専門性が就職先の会社で生かすことが出来るのか、就職先の会社で求められていることなのかをあらかじめ研究しておく必要があります。

実際の業務に関する研究は合同説明会などの就活イベントやOB訪問で直接聞くのが確実です。就活のスケジュール管理が厳しいですが、これから先のキャリアに関わることなのでしっかり時間をとって行うようにしましょう!

院卒で年齢は不利になるのか?

院卒の就活で気になるのでが年齢制限ですよね。民間企業では24歳前後が新卒扱いの年齢制限となっていることが多いようです。

一方は公務員は自治体にもよりますが27歳~35歳までが年齢制限となっています。

教員の場合は、民間企業に比べて高い30歳までとなっています。

院卒は就職で待遇はいいが早く決めて行準備動しよう

今回は学部卒と院卒の就活の比較を行いました。

▼最後に記事の内容をおさらいしましょう!▼

1.院卒は待遇が良い傾向にあり、推薦による就活がしやすく不況に強いメリットがある

2.しかし院卒は即戦力が求められ、費用面、年齢制限、就活時も忙しいというデメリットに注意

3.学部卒は専門性やスキル、学校推薦の受けやすさが院卒に比べて不利であることに注意

院卒で就活する際は、年齢やスケジュールを考慮し早く決めて行動するようにしましょう!

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