就職を検討している理系の学生の方は「理系学生の需要はどの程度あるの?」「就活では、理系だからこそ活かせる強みをアピールしたい!」と思うことがあるのではないでしょうか。
そこで今回は理系の採用に焦点を当てて、理系学生だからこそ評価される強みや就活を進めるうえでの悩み、おすすめの就活方法などを詳しく紹介します。
これから就活をどのように進めていくべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
理系学生の需要
まず理系の需要がどの程度あるのか、2つのデータを見てみましょう。
1つ目は、文部科学省が発表している「大学等を卒業した学生の内定獲得状況」を表したデータです。
理系の就職率は93%と高い水準となっています。
参考:令和元年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査 文部科学省
さらに、みずほ情報総研株式会社によると、IT分野に精通した人材の需要は2030年までに増え続け、2018年と比較すると10.2万人増えるといわれています。
最近では「デジタルトランスフォーメーション」という言葉もよく耳にしますが、それだけIT・デジタル分野の発展が著しく、理系の需要が高まると予想できます。
参考:- IT 人材需給に関する調査 -調査報告書 みずほ情報総研株式会社
理系学生が持つ強み
理系学生の就活における強みは主に3つあります。
「論理的思考ができること」「数字に強いこと」「メンタルが強いこと」です。
それぞれどのように活かせるのか、詳しく見ていきましょう。
論理的思考ができる
論理的思考ができることは理系学生の大きな強みのひとつです。
なぜ理系学生が論理的思考を持っているかというと、実験や研究の中で繰り返しPDCAサイクルを回すことが習慣になっているからです。
仮説を立てて検証・実験し、問題があれば課題を分析して新たな仮説を立てる。
このような研究の流れは、ビジネスにおいても同じように使えます。
研究をするなかで論理的思考を身につけているため、就活の場ではそこが高く評価されます。
数字に強い
2つ目の強みは「数字に強いこと」です。
ビジネスでは様々なシーンで数字への耐性が必要になり、それは理系の職種に限った話ではありません。
たとえば経営企画部門なら、会社の売上や現状などをこまかく数字に落として分析し、来年度の経営戦略を立案する必要があります。
さらに、人事、労務、営業など、あらゆる部門でも数字を扱うことは避けられません。
学生のうちから数字に触れることが多い理系の学生は、数字への耐性という面でも高く評価されやすくなります。
メンタルが強い
3つ目の強みは「メンタルが強いこと」です。
「メンタルが強い」というと、体育会系の部活に入っている学生の強みのようなイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそれだけではありません。
理系の学生は実験など実習的な授業が多く、研究室に配属されてからは長時間にわたって実験をすることもあります。
こうしたバイタリティと、物事をやり遂げる力はメンタルの強さにつながります。
会社で働くうえではメンタルの強さも立派なアピールポイントになりますから、長所のひとつといっても過言ではないでしょう。
就活で理系学生が持つ悩み
理系学生は就活における様々な強みを持っていますが、理系学生だからこそ悩むこともあります。
たとえば研究が忙しくてなかなか就活に集中できないことや、専門性を活かした就活がしにくいことなどが挙げられます。
研究が忙しくて就活時間が取れない
多くの理系学生が持つ悩みのひとつに「研究と就活の両立ができないこと」があります。
研究室の課題や論文執筆をこなしつつ、本格化する就活を両立させることは簡単ではありません。
就活の時間を作るためには、あらかじめやらなくてはいけないことをリストアップして、うまくスケジュールに組み込んでいく必要があります。
そのためには研究室の理解を得ることも必要です。周りの協力を仰ぎながら、研究と就活のどちらにも偏りが出ないよう工夫していきましょう。
就活のスケジュールの組み立て方についてはこちらの記事も是非参考にしてください。
専門性が活かせる場所が少ない
もうひとつの悩みは、大学や大学院で学んだ専門性を活かせる場所が少ないことです。
理系学生の中にはメーカーなど民間企業の研究・開発職を目指す方も多いと思いますが、一般的な企業におけるそうした職種の募集枠はごく少数です。
また最先端のAI技術なども、事業として扱っている企業が少ないため仕事探しに苦労する可能性があります。
ただ、希望する職種の採用枠が少なかったとしても、その仕事に関わるエンジニア部門や品質管理部門などの職種でも、自分の研究に関連する専門的なスキルを活かすことは可能です。
職種や就職先を絞りすぎず、まずは広い視野を持って就活に取り組んでいきましょう。
理系学生が持つ強みを専門外のフィールドで活かす
理系の強みとして「論理的思考ができること」「数字に強いこと」「メンタルが強いこと」の3つを解説しました。
この強みを活かせば、研究職だけでなく、文系の就職でも活躍できる場合があります。
例えば、論理的思考力や数理能力は金融業界でも重要視されています。とりわけ、「アクチュアリー」「クオンツ」といった職種では理系学生も多く活躍しています。
他にも新聞社やマスコミ業界では、科学や医学などの高度な専門的な知識を持っていれば、その分野専門の記者として活躍できる可能性があります。
自身の視野を広げて様々な業界を見渡せば、研究活動や学生生活で培ったスキルを活かせるフィールドは必ずあるはずです。幅広く業界や企業・職種を研究したり自己分析をしたりすることで、自分が気付けなかった「自分がやりたいこと」を見つけられるかもしれません。
効果的な自己分析や業界研究の方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
理系学生の就活方法
理系学生が就活を進める方法は「自由応募」「学校推薦」「教授推薦」などがあります。それぞれどのように応募するのか詳しく解説します。
自由応募
自由応募は、説明会に参加したり採用サイトから応募したりして、書類選考や面接に進む、一般的な就活方法です。
自由応募の良い点としては、専門性に関係なく好きな業界・企業に応募して同時に複数社の選考を進められるところです。
幅広い視野を持って就活に挑めるので、自由度が高い形式といえるでしょう。
一方で、デメリットとしては文系・理系・大学問わず様々な学生が応募するため競争率が高いことが挙げられます。
また、内定獲得までの面接の回数が多くなるため、スケジュール管理の難易度の高さも自由応募のデメリットといえます。
自由応募を行っている企業は数多くありますが、それらの求人を自分で探すのは難しいかもしれません。
アカリクには様々な業種や職種の求人が多数掲載されています。
定期的にチェックしてみることで自分に合う企業が見つかるかもしれません。
また、アカリクにプロフィールを登録すると、企業から直接専門職のスカウトを受けることができます。就活を効率よく終わらせ、研究に集中したい方にはおすすめのサービスです。
学校推薦や教授推薦を利用
2つ目の方法は、学校推薦や教授推薦を利用することです。
提携している企業に対して学校や教授に「推薦状」を書いてもらうことで、学校の代表者として選考に応募できます。
学校推薦・教授推薦は採用率が高く、企業によっては選考を一部免除してくれることもあります。
しかし、学校の代表者として応募しているため、内定をもらった後は辞退することが難しくなる上、選択肢があまり多くないことがデメリットといえるでしょう。
理系学生の強みをうまくアピールしよう
ここまで、理系院生が活躍できる職種は多く、学生生活で培った強みは様々な領域で社会人になってからも活かせることを説明してきました。
一方で、就職活動ではそのように培った自分自身の強みを面接官に伝わるように説明することが求められます。
面接官が自分の専門外の分野出身だった場合、専門用語を使って研究内容を説明してもうまく伝わらず、自分の強みを効果的にアピールできない可能性があります。これはESや履歴書に記載する「研究内容」の欄においても同様です。
受け手が理解できるように自分の研究内容をかみ砕いて説明し、かつその研究活動を通して得られたスキルについてもアピールできるようにしておきましょう。
そのため本格的な就職活動に臨む前に綿密に準備を重ねる必要があります。
アカリクには理系学生・大学院生の皆様の就職活動に役立つコラムが多く掲載されています。
そのうちの一部を紹介するので参考にしてください。
まとめ
今回は理系学生が就活で評価される強みや悩み、おすすめの就活方法などを解説しました。
- 理系学生の需要は高い。IT人材の不足により、今後もより需要が増えると予想できる
- 理系学生の強みは主に「論理的思考力」「数字への強さ」「メンタルの強さ」の3つがある
- 自身の専門外の業界や職種でも理系学生の強みを活かせる部分はあるので幅広い視野を持つことが大切
- 理系学生の就活では、研究室が忙しく時間が取れないことや、専門性を活かせる場所が少ないことが悩みの種になりやすい
- 理系学生の就活方法としては、自由応募と学校・教授推薦が一般的
- 理系学生としての強みを効果的にアピールすることが大事
理系学生はビジネスに役立つスキルを持っていることが多く、就活では比較的有利といえます。
ただ専門性を活かせる場所が見つかりにくかったり、研究と就活の両立に苦労したりすることも考えられます。
スムーズに進めていくためには、理系ならではの強みを把握することと、視野を広く持つことの2つが重要です。
ご自身が希望するキャリアを歩めるよう、今からコツコツ準備をしていきましょう!
就職活動に不安なときはエージェントを活用しよう
理系院生として研究と両立させながら就職活動を進めるうえで、何から始めると良いか分からずに困ってしまうこともあるかもしれません。
そのようなときは就職エージェントを活用するとよいでしょう。
プロから客観的なアドバイスをもらえることでやるべきことが明確になり、効率よく就職活動を進めることができます。