大学生同様、大学院生の就職活動でも重要になってくる自己分析。
「自己分析を始めたいけれど、研究が忙しく、どう進めればよいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、上手な自己分析の方法やノートの活用方法について解説します。
自己分析とは?

自己分析とは、就職活動前に自分の特徴や強みを理解するため、これまでの経験や思考を振り返り、整理しておくことを指します。
自己分析を丁寧に行うことで、これまで気づかなかった自身の強みや魅力、価値観を把握できます。
自己分析の目的やはじめる時期についてしっかり理解しておきましょう。
就活で自己分析をする目的
自己分析の目的の一つは、これまで気づかなかった自分の強みや魅力を明らかにし、就職活動に活かすことです。
面接やエントリーシート(ES)の提出において、自己PRは非常に重要な要素です。自分のアピールポイントを明確に説明できれば、これらの選考過程で有利になるでしょう。
また、自己分析をするもう一つの目的として、自分の価値観を整理し、自分に合った企業や職種を探すことが挙げられます。
どんなに給与や福利厚生が魅力的でも、自分に合わない企業に就職してしまうとモチベーションが保てません。
自分が活躍できる企業に就職するためには、自己分析を通じて自分の価値観を整理し、よりよい企業とのマッチングを実現させる努力が必要です。
就活で自己分析をする時期
自己分析をする時期は、就職活動の全体スケジュールから逆算し、早めに行う必要があります。
理系の大学院修士課程の場合、M1の7~9月頃からインターンに参加することが多いため、まずはインターンに参加しながら自分の価値観を明確化していきましょう。
最近では、インターンに参加した学生から採用をする企業が増えてきています。実際の業務の疑似体験を通じて感じたことを自己分析に反映させましょう。
参考:経済産業省(2020年)「学生・企業の接続において長期インターンシップが与える効果についての検討会 学生に対するアンケート調査結果」
大学院生(修士)の就活スケジュールについてはこちらの記事をご覧ください。
自己分析は意味がない?くだらない?
就職活動について調べると、「自己分析は意味がない」「自己分析なんてくだらない」という意見も散見されます。
自己分析は自身について深く考える作業であるため、「自分のことは自分が一番理解している」と考えるのも不自然ではありません。
しかし、自分の価値観や強みを整理しないままにエントリーシートの作成や面接に臨むと、うまく質問に答えられず、就活に苦戦する恐れがあります。
また、価値観を整理せずに就職してしまうと、就職後にミスマッチが生じ、モチベーションの低下や短期離職につながってしまう恐れもあります。
このようなリスクを避けるためにも、エントリー前に自己分析は終わらせておくべきでしょう。
では、実際にどのように自己分析をすればよいのでしょうか。
「自己分析の3ステップ」を紹介しますので、ぜひご自身のことを振り返りながら実際にやってみましょう。
- ステップ1:就活を有利にするための自己分析
- ステップ2:自己分析を就活に活かす
- ステップ3:自己分析はノートにまとめる
ステップ1:就活を有利にするための自己分析

まず、ステップ1として就活全体を有利にすすめるための自己分析のやり方を紹介します。
上手に自己分析を行うためには、以下の3項目を順を追って進めましょう。
- 自分史の作成
- エピソードの掘り下げ
- エピソードを就活用に整理
これらの手順を進めることで、自分の強みや人柄がより明確になり、面接官にもエピソードを通じて伝わりやすくなります。
自分史を作成する
自分史を作成する際は、まず学生時代の経験を思い出し、できるだけ多く書き出すことから始めましょう。
中学から大学院まで、それぞれの時期に経験したこと、印象に残ったこと、努力したことを書き出しましょう。また、余裕がある場合は、さらに幼少期にさかのぼって、当時考えていた将来の夢や目標を振り返ってみるのもおすすめです。
各時期に達成したことを記載すると、エントリーシートや面接での回答に落とし込みやすくなります。
ネガティブな体験であっても、その後のエピソードの掘り下げによってアピールポイントに変わることがあります。この段階ではあまり躊躇せず、思いついたことをなるべくたくさん書き留めておきましょう。
1つ1つのエピソードを掘り下げる
次に、自分史の作成で書き起こした1つ1つの経験について、わかりやすいエピソードになるよう掘り下げていきます。
エピソードの掘り下げでは、以下の観点が効果的です。
- 経験・取り組みの経緯や理由、動機
- 具体的なエピソード
- 直面した課題・困難
- 課題を解決するために行ったこと
- 課題解決の結果
- 取り組んでよかったこと
- 取り組んで学んだこと
面接官は応募者の自己PRや長所を分析する際、具体的なエピソードや裏付けをもとに評価します。
誰にでも納得してもらえるアピールをするためには、エピソードに具体性を持たせ、課題解決のために行ったことや取り組みで得られた学びを話せるようにしておきましょう。
エピソードを就活用に整理する
最後に、作成したエピソードを時系列や想定質問に沿って整理し、ESや面接で紹介できる形に仕上げていきます。
各エピソードの共通点を探り、自分に一貫している長所や強み、特徴を見つけましょう。
また、整理の際には、面接では使わないエピソードを決めることも肝心です。
せっかく精緻に分析したエピソードでも、採用担当や面接官から共感が得られなければ、アピールとしての効果は弱まってしまいます。
できるだけ多くのエピソードを書き出し、そのなかから効率的に自分のアピールにつながる材料を見つけましょう。
診断ツールを使って客観的に分析する
自己分析を客観的に進めるためにツールを使うことも有効です。
「アカリク診断」では、60問の質問に直感で答えるだけで、環境適合力、計画遂行力、探求分析力などの能力を分析できます。また、「アカデミックキャリア」、「ビジネスキャリア」、「ライフキャリア」のカテゴリに分けてそれぞれの能力を数値化することができます。強み・弱みについてのコメントももらえるので、自己分析PRの作成の際にも参考になるはずです。
まずはアカリク診断を試すことから、自己分析を始めてみてください。

ステップ2:自己分析を就活に活かす

実際に自己分析をどのように就活に活かせばよいのでしょうか。具体的にどのようにすればよいのかわからないと、戸惑ってしまうことも少なくありません。
大学院生が就職活動を円滑に進めるためには、エントリーシート提出時や面接時に自己分析の結果を活かす必要があります。
まずは、以下の2点を意識して活用できるようにしましょう。
・自己分析から志望動機をつくる
こちらは主にエントリーシート通過のための対策と面接に向けた準備にあたります。
・自己分析を面接に活かす
エントリーシートを含めた書類選考を通過すると面接という関門が待ち構えています。
スムーズに選考を進めるためにも、エントリーシートの志望動機と面接での自己PRは一貫性のあるものとしましょう。
この2点について、さらに詳しくご紹介します。
自己分析から志望動機をつくる
エントリーシートを書く際には、特定の価値観に基づいて志望動機をつくるとスムーズです。
例えば、自己分析の結果「自分は働きやすさを重視したい」という価値観を持っていることを確認できれば、フラットな組織や風通しのよい職場が理想と言えるでしょう。
他にも、「ハングリー精神が自分を成長させる」ということがわかっていれば、大きなビジネスチャンスがある会社や、大きな仕事を任せられる会社がよいかもしれません。
自己分析を面接に活かす
自己分析は面接での自己PRにも活かすことが可能です。
上述の自己分析で得たエピソードを活用し、自分の強みを根拠に基づいて話すことが可能です。
面接では、対策本に書いてあるような紋切り型の回答は面接官に見抜かれてしまいます。
自分のエピソードを軸にした面接ができれば、面接官を納得させることができるでしょう。
第三者目線からコメントをもらう
自分の経験を自分で分析し、自分の言葉でPRするのは簡単なことではありません。
自分のなかでは自分自身の経験を知識として持っていますが、エピソードを聞いた他の人からすると、どうしてそういう選択をしたのか、どうしてそういう行動を取ったのかといった部分など自分では気付かないところに不明瞭な文脈が含まれていることがあります。
そこで、作成した自己PRや志望動機は友人や家族、研究室のメンバーに見てもらうことをおすすめします。
また、アカリク就職エージェントでは専任のキャリアアドバイザーに相談しながら自己PRの作成を進めることができます。その他にもエントリーシートの添削や就活を進めるうえでの相談が可能です。先ほどご紹介したアカリク診断の結果を基にキャリアアドバイザーに相談することもできますので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

ステップ3:自己分析はノートにまとめる

ステップ2ではおもにエントリーシート、面接対策について自己分析を活かす方法を見てきました。
次に、書類選考や面接がうまくいかないなど、いわゆるスランプ状態に陥った際のレスキューアイテムとして、自己分析ノートの作成をおすすめします。
面接の控室などでの待ち時間に見返したり、新しい業界にエントリーする前に業界との親和性をはかったりするなど、さまざまな使い方ができます。
就活の自己分析では、ノートを活用してまとめることをおすすめします。
ここでは、ノートを活用する際のポイントを2つご紹介します。
・Will・Can・Mustをまとめる
・モチベーションや出来事を可視化する
これら2点について詳しく見ていきましょう。
Will・Can・Mustをまとめる
自己分析をノートにまとめる際には、「今後やりたいこと(Will)」、「できること(Can)」、「やるべきこと(Must)」の3軸に分けて分析することで、自分の仕事に関する価値観の全体像を知ることができます。
例えば、「今後やりたいこと(Will)」の項目では、数年以内に実績を残したい、狙っている資格を働きながら取得したいなど、具体的な目標が入ります。
「できること(Can)」の項目では、チームで同じ目標に向かって努力できる、1つの仕事に集中して成果を残すことができるなど、現在の自分の能力に関連する事柄を入れましょう。
最後に、「やるべきこと(Must)」では、営業成績でトップになる、マネジメント経験を積むなど、将来の目標から逆算してやるべきことを記入します。
これらの項目を考えることで、自分がどのような企業に就職すべきか理解できます。
モチベーションや出来事を可視化する
これまでの人生のモチベーションを可視化するために、グラフを描くことも有効です。
「モチベーショングラフ」は、過去から今までのモチベーションを可視化することで、どの期間に何に打ち込んでいたかを理解する際に有効な手法です。
モチベーショングラフでは、縦軸にモチベーションの高さ、横軸に学年や年齢などの時間を取り、それぞれの時期におけるモチベーションの変化を線で描いていきます。
このグラフを作成することで、自分がどのような出来事にやりがいを感じたのか、逆にモチベーションが下がった要因は何か、といった傾向を視覚的に捉えることができます。
特に、縦軸のモチベーションが高まっている時期に焦点を当て、その期間に取り組んだこと、達成したこと、学んだことを書き出すことをおすすめします。そういった出来事は、自身のやりがいや達成感と結びついていることが多く、業界や職種を決定する上で有効な指針になります。
また、以下のアカリクお役立ち記事では、他己分析のやり方について詳しく解説しています。
自己分析+他己分析で最強の自己PRを作成しましょう。
就活でありがちな自己分析の失敗パターン
自己分析は、正しい手順で取り組んでいても、伝え方や整理の仕方によって評価につながらないことがあります。特に就活では、抽象的な表現に終わってしまったり、エピソードの深掘りが足りなかったりすることで、自分の強みが十分に伝わらないケースも少なくありません。
ここでは、就活で多くの人が陥りやすい自己分析の失敗パターンを取り上げ、どこでつまずきやすいのかを解説します。
自己分析が「抽象的な言葉」で終わってしまっている
自己分析でよくあるのが、「協調性がある」「粘り強い」「主体性がある」といった抽象的な表現や言葉だけで強みをまとめてしまうケースです。
これらの表現自体が間違っているわけではないものの、具体的な行動や経験と結びついていない場合、採用担当者には人物像が伝わりにくくなります。
就活では、その強みがどのような場面で発揮され、どんな結果につながったのかまで説明できてはじめて評価につながります。抽象的な言葉を使う場合は、必ず具体的なエピソードとセットで語れるように整理しておきましょう。
エピソードの深掘りが浅く、再現性が伝わらない
自己分析のなかで実際に起こったエピソードを用意していても、「頑張った」「工夫した」といった説明で終わってしまい、具体的な行動や思考の過程が十分に伝わらないケースは少なくありません。この状態では、その成果が偶然なのか、本人の強みによるものなのかが判断しづらくなります。
就活では、課題に対してどのように考え、どんな行動を取り、結果につなげたのかという一連の流れが重視されます。同じ状況でも再び発揮できる力かどうかを伝えるためにも、エピソードは背景や工夫のプロセスまで掘り下げて整理しておくことが大切です。
研究経験を「作業説明」で終わらせてしまっている
大学院生の自己分析で多いのが、研究経験を説明する際に、研究テーマや手法、実験内容などの事実説明に終始してしまうケースです。研究内容を丁寧に伝えようとするあまり、自分がどのように考え、工夫し、課題に向き合ったのかといった部分が抜け落ちてしまうことがあります。
就活では、研究そのものの専門性よりも、研究を通じて発揮した思考力や行動特性が重視されます。研究経験を強みとして伝えるためには、「何をしたか」だけでなく、「なぜそう考え、どのように取り組んだのか」まで整理しておきましょう。
企業や職種ごとに自己PR・志望動機がブレてしまう
自己分析が十分に整理できていないと、応募先ごとに自己PRや志望動機の内容が変わり、一貫性のない印象を与えてしまうことがあります。企業研究を重視するあまり、その都度アピールポイントを変えてしまい、「この人の強みは何か」が伝わらなくなるケースも多くみられます。
就活では、企業や職種に合わせて伝え方を調整することは必要ですが、自己分析の軸まで変える必要はありません。自分の価値観や強みを明確にしたうえで、それを応募先に応じて表現し直す意識を持つことが大切です。
一人で完結させてしまい、客観性が不足している
自己分析を一人で進めていると、自分では納得できていても、他人から見ると意図や背景が伝わりにくい状態になりがちです。特に、なぜその選択をしたのか、どこに工夫があったのかといった点は、本人にとっては当たり前でも、採用担当者には十分に伝わっていないことがあります。
就活では、自分が伝えたい内容だけでなく、相手にどう受け取られるかが重要です。自己PRや志望動機は、友人や研究室のメンバーなど第三者に確認してもらい、客観的な視点を取り入れながらブラッシュアップしていくことが、評価につながる自己分析への近道となるでしょう。
【大学院生向け自己分析】研究経験を自己分析に落とし込む方法
大学院生の就活では、研究経験をどのように自己分析や自己PRにつなげるかが重要です。しかし、研究内容をそのまま説明するだけでは、企業から評価されにくいケースも少なくありません。
ここでは、研究経験を強みとして伝えるために、研究の進め方や行動に着目しながら整理するステップを詳しくみていきましょう。
STEP1:研究テーマではなく「研究プロセス」を書き出す
研究経験を自己分析に活かす際、まず意識したいのが「研究テーマそのもの」ではなく、「研究をどのように進めてきたか」というプロセスに目を向けることです。
研究内容や専門分野は企業にとって理解が難しい場合も多く、評価の中心にはなりにくい傾向があります。そこで、課題設定から仮説立案、試行錯誤、結果の検証に至るまで、自分がどのように考えて判断し、どのように行動してきたのかを時系列で書き出してみましょう。
研究の進め方を整理することで、自分の強みや行動特性が見えやすくなり、次のステップでの深掘りにつなげやすくなります。
STEP2:研究で発揮した行動・思考を分解する
研究プロセスを書き出したら、次はそのなかで自分が発揮してきた行動や思考を具体的に分解していきましょう。ただ単に「工夫した」「努力した」といった言葉だけでまとめてしまうと、強みが曖昧になりやすいため注意が必要です。
たとえば、その方法を選んだ理由をはじめ、どのような課題に直面したのか、問題に対してどのように考え、改善や判断を行ったのかといった点を整理するのがおすすめです。研究中の意思決定や試行錯誤を細かく振り返ることで、自分ならではの思考パターンや行動特性が見えやすくなり、就活で伝えるべき強みの土台を作れるでしょう。
STEP3:研究経験を「就活で評価される力」に変換する
行動や思考を整理したら、次はそれらを就活で評価されやすい力に言い換える準備をしましょう。研究のなかで発揮してきた力は、研究者同士であれば伝わっても、企業の採用担当者には伝わりにくい場合があります。そのため、誰にでも理解しやすい表現へ置き換えることが重要です。
たとえば、自ら課題を設定し解決に取り組んだ経験は「課題解決力」、仮説を立てて検証を重ねた姿勢は「論理的思考力」、失敗を重ねながら改善を続けた経験は「粘り強さ」や「継続力」として整理できます。研究経験をこのような汎用的な力に変換することで、専門分野に関係なく、企業で活かせる強みとして伝えやすくなるでしょう。
STEP4:志望職種・業界に合わせて伝え方を調整する
研究経験を就活で評価される力に変換できたら、次は志望する職種や業界に合わせて伝え方を調整しましょう。同じ研究経験であっても、企業や職種によって重視されるポイントは異なるため、強みの見せ方を工夫することが大切です。
たとえば、研究職や技術職では専門性や検証プロセスを重視した伝え方が効果的ですが、企画職やコンサル、IT職などでは、課題設定力や論理的思考力、改善を重ねてきた姿勢といった汎用的な力を前面に出すほうが伝わりやすくなります。
このように、自己分析で整理した軸そのものは変えずに、どの強みをどのような順番や内容で伝えるかを考えることがポイントです。志望先が求める人物像を意識して表現を工夫することで、研究経験をより効果的にアピールできるようになります。
STEP5:自己PR・志望動機に落とし込み、第三者に確認する
研究経験を整理し、強みとして言語化できたら、最後にそれを自己PRや志望動機の形に落とし込みます。ここでは、研究で得た力が「なぜ自分の強みと言えるのか」「その強みを入社後にどのように活かしたいのか」が一貫して伝わる構成になっているかを意識することが大切です。
文章がまとまったら、必ず第三者に確認してもらいましょう。自分では十分に説明しているつもりでも、読み手から見ると背景や意図が伝わりにくい場合があります。友人や研究室のメンバー、キャリアアドバイザーの意見を取り入れてブラッシュアップすることで、説得力のある自己PRや志望動機に仕上がるでしょう。
まとめ
大学院生の就職活動も大学生と同様に自己分析が重要です。
自己分析を怠ると、エントリーシートの提出時や面接時に矛盾点や曖昧な点が目立ち、思ったような結果が得られないかもしれません。
客観的な自己分析ができるアカリク診断や、就活のプロに相談できるアカリク就職エージェントを積極的に活用するのがおすすめです。
今回紹介した方法を参考にしながら、しっかりと自己分析をしてみてください。






