大学院生が英語で自己紹介する時のポイントとお役立ちフレーズ

就活ノウハウ

大学院に進むと国際学会などに参加する機会が増えたり、短期・中期・長期など期間はさまざまですが海外留学をすることもあります。
海外に出かけて、初めて会った人と最初の会話を始めるのは、やはり「自己紹介」から。
自己紹介の基本は、自分の情報を伝えることに尽きます。

でも、実際にやろうとすると、ぶっつけ本番ではなかなかうまく言葉が出てこないもの。

今回は、どのように英語で自己紹介をすればいいのか知りたい人のために、国際学会や留学で役立つ自己紹介のポイントや例文を紹介します。
ぜひ、自分でアレンジして、自分の言いたい自己紹介のフレーズを増やしていきましょう。

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英語での自己紹介、4つの秘訣

相手に伝わる英語での自己紹介はどのように準備し、どのように話せばいいのか、4つのポイントをお伝えします。

あらかじめ伝える内容を状況別に複数考えておく

自己紹介は定型的な表現が多いので、まずはそうした定形表現を覚えてしまうことが一番です。
それに加えて、例えば国際学会なら、プレゼンをする場合、同じ研究分野の人と話す場合、違う研究分野の人と話す場合など、複数の状況を想定し、それぞれの場合に使える自己紹介フレーズを作り、状況に合わせて引き出せるようにしておきましょう。

話者の語学力にもよりますが、スピーチでは一般的に80から100語/分を目安に用意すると良いようです。ちなみに、ネイティブスピーカーの流暢な英語で250語/分、ネイティブスピーカーによるややゆっくりしたスピーチが120語/分程度とされています。第二言語として英語を学ぶ日本人は、他音節の書き言葉を使う頻度が高くなりがちで、読み上げる速度も遅くなってしまうということがあるようです。原稿を書く際には、話しやすさにも意識してみると良いかもしれません。

作った自己紹介フレーズは、しっかりチェックする

でき上がった自己紹介の英文は、文法的な間違いがないかなど、しっかりチェックしましょう。
チェックの方法は様々ありますが、以下の方法がおすすめです。

 ・英語ネイティブスピーカーに確認してもらう。
 ・有料で英文校正をしてくれる企業などに依頼する。
 ・無料もしくは有料の英文チェックサイトを利用する。
   Grammaly:簡単な文法のチェックができます。
   Wordtune Editor:英文を10通りに書き換えてくれます。

自分で作った英語のフレーズを機械翻訳に入力し、期待した日本語として返ってくるか調べてみるのも良いでしょう。GrammalyはGoogle翻訳の入力画面でも動作するので、同時並行で使うこともできますよ。

文法的な正しさに加えて、英語で自己紹介の原稿を作る時に気をつけたいのは、簡潔であることや、感じのよい印象を相手に与えるようにすることです。
また自分の研究内容は、できれば分野外の人にもわかるような説明を心がけると伝わりやすくなります。

こちらの記事では、英語論文の執筆テクニックについて解説しています。併せてチェックしてみてください。

「度胸」「愛嬌」「大きな声」で話す

当たり前のようで、案外忘れてしまいがちなのが、語学はコミュニケーションをとるための道具に過ぎないということです。知識や思いを英語という形にして伝えているのですから、ただ粛々と読み上げるだけでは味気ないスピーチになってしまいます。

自己紹介に限ったことではありませんが、日本人が英語を相手に伝わるように話すには、特に以下の3点を強く意識するといいでしょう。

  • 度胸:臆せず話しましょう。
  • 愛嬌:にこやかな表情を保ち、身振り手振り豊かに話しましょう。
  • 大きな声でゆっくり:声が小さいと正しい英語も全く伝わりません。

状況を想像しながら練習をする

たかが自己紹介とあなどらず、しっかりと練習しておくことが重要です。
自分の言葉として覚えるには、何度も音読し、情景を思い浮かべながら練習するのがお勧めです。

オンライン英会話教室などを利用して、自分の書いた自己紹介文をネイティブにチェックしてもらい、その際、練習相手になってもらうのもいいでしょう。

手近なところでは、スマートフォンの音声認識機能を使って、自分の発音がきちんと原稿通り認識されるか確認してみるのも有効です。Google検索では、英単語を検索すると意味や用法のほか、発音を聞いたり口の動きを見ることができます。

国際学会でプレゼンする時に注意すべきこと

学会は「座長(Chair)」と呼ばれる司会進行役が仕切ることが多くあります。
進行は定型的に進むことが多いですので、他の人の発表を見て、どのような形でプレゼンが進むのかをまず把握するといいでしょう。

機会があれば、事前に国際学会に参加してみると雰囲気が分かって良いのですが、なかなかそうもいかないと思います。最近ではオンライン開催の国際会議のビデオが公開されているので、気軽に視聴することができます。また、学会と比べると少しフランクになりますが、TEDのプレゼン動画を見てみるのも良いでしょう。

以下は多くの学会に共通する、自分がプレゼンする際に自己紹介に関して注意すべき2つのポイントです。

座長へお礼を一言添える

例:Thank you for the introduction.

  (ご紹介いただき、ありがとうございます)

解説:紹介してくれた座長にまずお礼を言います。

他にも、招待されて学会に来ているのなら、「It’s a great pleasure to be here. Thank you for having me today. (ここに来られて嬉しいです。本日はお招きいただきありがとうございます)」などと表現するといいでしょう。

自分の名前は「My name is 名・姓」と言うのが無難

例:My name is Taro Akariku. I am in the second year of my master’s in sociology.

  (私の名前は赤陸太郎です。私は今、社会学の修士課程2年生です)

解説:名前に続けて、所属(修士課程/博士課程等)と研究している内容を伝えます。

自分の名前は、海外では「名・姓」の順で言うのが無難です。
日本政府は、公文書などで日本人の名前をローマ字で書く際、2020年から「姓・名」の順とすることとしています。この際、文書などであれば、姓を大文字表記したり、「姓, 名」とカンマを入れることで姓・名の順であることを強調することができます。NHKなどの英語ニュースや語学講座においても、登場する人物名は「姓・名」の順となっていますが、特に口頭でのやり取りの場合、この順番で名乗ると、誤解されることも少なくありません。

また、国際学会のプレゼンのようなフォーマルな場では「My name is 名前」と言うのが「I’m 名前」よりも好まれるとする意見が多いようです。

同様に、カタカナ語としての意味と英語におけるニュアンスが乖離している単語や文化圏によってセンシティブな意味合いを持つ単語の使用には注意が必要です。

参考:文化庁「外来語の取扱い、姓名のローマ字表記について

自己紹介やスピーチの必須ボキャブラリ

bachelor’s degree学士号
master’s degree修士号
docor’s degree博士号
undergraduate student大学生
graduate student大学院生
Ph.D. student博士課程の学生
thesis / dissertation学位論文
professor教授または先生
subject主題
themeテーマ
win(賞、研究費を)獲得する、〜に成功する
aim狙い、目的
topic話題
divide(いくつかのセクションに)分ける、分割する
emphasize強調する
note注目する
notable注目に値する
segment一部分、切片
unveil / clarify明らかにする
unclear明らかでない
horizontal axis横軸
vertical axis縦軸
on the topいちばん上の
on the bottomいちばん下の
on the left左の
on the right右の
in the middle真ん中の
maximize最大化する
minimize最小化する
optimize最適化する
first,第一に、
second,第二に、
next,次に、
finally, / lastly, / in the end,最後に、
in conclusion,結論として、
conclude結論付ける
I’d be happy to ~ / I’d love to ~よろこんで~する
to tell the truth, / to be honest,実を言うと、
in summary, / to sum up my idea,まとめると、

留学した時にすぐに使える自己紹介フレーズ

ここでは留学した時に、教室で他の学生の前で自己紹介する場合、また、教員に一対一で自己紹介をする場合に使えるフレーズの例を挙げます。

教室で学生や教員皆の前での自己紹介

例文

1Hi, everyone! It’s nice to meet you.みなさん、はじめまして。よろしくお願いいたします。
2I’m Taro Akariku. Taro is my given name and Akariku is my family name.赤陸太郎です。赤陸が苗字で、太郎が名前です。
3I don’t have an English name.英語名はありません。
4Just call me Taro!「タロウ」と呼んでください。
5I’m originally from Japan.出身は日本です。
6I’ve got an MA in Linguistics.言語学の修士号を持っています。
7I’d like to have a good time with you all.これから皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしたいと思います。
8Thank you!よろしくお願いします。

解説:

(2)のようにどちらが姓でどちらが名かを説明すれば、日本語の名前に馴染みがない海外の人にもわかりやすく伝わります。
(3)の「English name」は、自分で考えた「英語名」です。
韓国や中国などアジア圏の学生の中には自分で考えた英語の名前を持っている人が多くいます。
(4)のように自分をどう呼んでほしいのか、伝えるといいでしょう。
(7)のような「会えて嬉しいこと」などを最後に加えると、好印象が残ります。
(8)最後に「Thank you」をつけるのが普通です。

研究室の教員に対する自己紹介

例文

1It’s an honor to meet you, Professor Smith.Smith教授、お会いできて光栄です。
2My name is Hanako Akariku from Japan.私の名前は、赤陸花子です。
3I am grateful to have been accepted into your lab.教授の研究室に受け入れていただいたことに感謝いたします。
4You can count on me to deliver good results.よい結果を期待してください。

解説

教員は忙しい場合が多いと思いますので、短く簡潔に、(1)のように礼儀正しく、丁寧に述べることを心がけます。
(3)のように研究室に受け入れてくれたことにお礼を言います。
つい謙遜してしまいがちですが、(4)のように自分のやる気を自信を持って伝えるといいでしょう。
なお、しばらく話をして別れる場合には、最後に「It was nice meeting you.」(お会いできて嬉しかったです)などと言うといいでしょう。

まとめ

今回は、大学院生が国際学会へ出席したり海外留学するにあたって、

  • 英語の自己紹介での4つの秘訣
  • 国際学会でプレゼンする時に注意すべきこと
  • 英語のスピーチや自己紹介で必須の英単語、英語表現
  • 留学した時にすぐに使える自己紹介フレーズ

について解説しました。ここに紹介したのはほんの一例です。
他にもさまざまな言い方がありますので、前述のように、状況ごとに自己紹介フレーズを複数準備し、その場に合わせて引き出せるように頭の中に置いておくことをお勧めします。
そして、元気に大きな声で堂々と話せるよう、しっかりと練習しましょう。鏡に向かって練習するのも効果的です。
慣れと場数も大切なので、積極的に英語で自己紹介をする機会を見つけましょう。

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アカリクリポーターズとは、大学院生としての経験や知識を「リポート」するライター集団です。全員大学院在籍経験があり、これまでの研究経験や知識を活かして、大学院生の皆様に役立つ情報をお届けしています。専門分野は工学・化学・生命科学・心理学・社会学等様々です。

【監修】アカリクお役立ちコンテンツ編集部
博士号所持者/博士課程在籍経験のある編集者が監修しています。

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