大学院生・理系学生の方は「インターンには参加した方がいいの?」「インターンの参加時期はいつから?」「参加するメリットや理系ならではの特徴があれば知りたい」と不安を抱える方は多いでしょう。
そこで当メディアでは、実際に23卒の大学院生・理系学生にアンケート調査を実施!理系学生向けのインターンの種類や特徴、参加するメリットなど、就活を有利に進めるインターンシップについて詳しく解説します。
後半では、意外と知られていない「掲載型」と「スカウト型」といったインターンシップの応募方法も紹介しますので、インターンシップや就活を進める際の参考にしてください。
インターンシップの種類
インターンシップとは、企業や仕事についてより深く知るための「職業体験」のことです。実際に企業に足を運ぶことで現場の経験を積めたり、社風を知れたりするメリットがあります。
インターンシップは1日で終わるものもあれば、長期のものまでさまざまです。実際に、2023卒の大学院生・理系学生を対象にした就職活動に関するアンケートでは、半日〜3日間で行われるインターンシップへの参加が大半でした。
- 調査方法:大学院生・理系学生に特化した就活サイト「アカリク」会員のうち、2023年新卒の理系学生577名(内訳:博士在学中22.4%、修士在学中:77.6%)
- 調査期間:2021年10月1日〜10月8日
ここからは、多くの企業が実施しているインターンシップの種類を詳しく紹介します。
- 1Dayインターンシップ
- 短期インターンシップ
- 長期実習型インターンシップ
1Dayインターンシップ
前述したように1Dayインターンシップは、名前の通り1日だけ実施されます。一般的には、企業の説明会・グループワーク・座談会の3つが含まれており、効率よく業界や企業について知ることができます。
まだ志望先が絞り切れていないのなら、まずは1Dayインターンシップから参加してみるのがおすすめです。
できるだけたくさんの企業のインターンシップに参加することで、情報を収集できるだけでなく、自分の中で比較対象が増えるため、より良い企業の基準を知ることができます。
短期インターンシップ
短期インターンシップは、数日から1か月ほどの期間に行われるインターンシップです。時間をかけて取り組めるので、説明会やグループワーク、職場見学などプログラム内容も豊富な傾向にあります。
短期インターンシップは夏休み・冬休みの2つの期間に行われることが多く、休みを有効活用すれば複数の企業のインターンシップに参加できます。
企業によっては、インターンシップの結果を考慮して書類選考や面接を免除してもらえる場合もあります。
長期実習型インターンシップ
数か月から数年以上になると「長期実習型インターンシップ」に分類されます。長期実習型インターンシップはベンチャー企業が募集していることが多く、インターンシップ期間中に社員の一人として業務を進めることが他との大きな違いです。
現場で実務経験を積めるので、高い専門性・スキルを習得して即戦力を身につけられます。評価がよければそのまま内定をもらえることもあります。入社してからすぐに現場で活躍したい人にはおすすめです。
理系学生向けインターンシップの特徴
インターンシップの中には理系学生を対象にしたものや、推薦枠を設けているものもあります。理系学生なら、これらのインターンシップを利用しない手はありません。
実際に、2023卒の大学院生・理系学生を対象にした就職活動に関するアンケート(2022年3月実施)によると、約7割の学生がインターンシップに参加していることがわかりました。
- 調査方法:大学院生・理系学生に特化した就活サイト「アカリク」会員のうち、2023年新卒の理系学生369名(内訳:博士在学中24.9%、修士在学中:65.6%、学部在学中9.2%)
- 調査期間:2022年3月1日〜4月8日
理系学生に絞ったインターンシップがある理由
インターンシップの中には、大学院生・理系学生に絞ったものがあります。理系限定のインターンがある理由は、募集職種に専門的な知識が求められるため「採用の段階でミスマッチを減らしたい」という企業側の思いがあるからです。
特に、技術職や研究職は理系に限定しているものが多い傾向です。たとえば、ソフトウェア開発やバグ修正の仕事体験、新商品の試作品づくり、安全性を確かめるための品質分析といったインターンシップがあります。
仕事を模擬体験する中で、学生と自社との相性や業務への理解度がわかるので、理系限定のインターンを積極的に実施する企業があるのでしょう。
実際に、2023卒の大学院生・理系学生を対象にした就職活動に関するアンケート(2022年3月実施)においても、インターンシップに参加する決め手は「希望する業界、職種、企業であるから」の割合がかなり大きいです。
理系学生用の推薦枠がある
理系学生のインターンシップでは、推薦枠を設けているものもあります。大学と企業が連携して理系学生用の推薦枠を設け、インターンシップの選考を免除してもらえる制度です。
理系学生は専門性や論理的思考力を持っている人材が多く、なるべく理系の学生を採用したいと考える企業も多い傾向にあります。
インターンシップに参加して優秀だと認められれば、その後の選考に有利になる可能性も高まるでしょう。推薦枠については大学のキャリアセンターでチェックできるので、積極的に利用してみてください。
理系学生がインターンシップに参加するメリット
理系学生がインターンシップに参加するメリットは、就活に有利になることや視野が広がること、就活仲間ができることです。就活をスムーズに進められて、さらにその後のキャリアを考えるきっかけにもなります。
実際に、2023卒の大学院生・理系学生を対象にした就職活動に関するアンケート(2022年3月実施)では、「事業内容をより理解できた」「社員の雰囲気を知ることができた」「早期選考に案内された」といった理由から、約9割の学生がインターンシップの参加に満足していました。
就職活動に有利になりやすい
インターンシップの経験は就活において有利に働きます。なぜなら、インターンシップでの経験は「現場の仕事」に近くさまざまな場面でアピールができるからです。
たとえば、長期実習型インターンシップに参加した場合、問題なく仕事を進められれば卒業後すぐにインターン先で正社員として雇ってもらえるかもしれません。
インターン先の企業に入社できなくても、インターンシップでプロジェクトを遂行したり、問題を解決したりした経験は他社の書類選考や面接でアピールできるでしょう。
インターンシップに参加することで視野が広がる
インターンシップに参加すると視野が広がることもメリットの1つです。現場を見ることで、自分のイメージと現実のギャップを埋められるからです。
たとえば「エンジニア職」に対して「もくもくと作業する仕事」というイメージを持っている人は、実際に仕事をすると他部門とのコミュニケーションの多さに驚くかもしれません。
インターンシップは、視野を広げて仕事と自分の適性をチェックすることにも役立つと言えます。
就活仲間ができる
インターンシップに参加すると、同じような境遇の就活仲間を増やすことが可能です。特定の分野に特化したインターンシップで出会った人となら、情報交換や就活を進めるうえでのいい相談相手にもなるでしょう。
他の人のキャリアに対する考え方や志望企業を知ることで、自分のやりたいことを見直す機会になるかもしれません。他の大学・大学院出身で、環境や背景が違う人と出会えることは、インターンシップのメリットです。
「掲載型」と「スカウト型」の違いは?理系にはスカウト型がおすすめ
インターンシップの情報収集は、いわゆる「就活サービス」からの情報が主になります。現在では多くの就活サービスがリリースされており、「掲載型」と「スカウト型」の2つに分けることができます。
上手に活用すれば、就職活動がぐんと行いやすくなるので、それぞれメリット・デメリットを把握して、サービスを使いこなしましょう。
掲載型の就活サービス
- インターンシップ情報の掲載数が多い
- インターンシップ以外の情報(ES、面接)について掲載されていることがある
- インターンシップ情報の確認を都度行う必要がある
- 行きたい会社のインターンシップ情報が掲載されていないことがある
「掲載型」はその名の通り、インターンシップ情報の掲載に注力している就活サービス。例を挙げれば「リクナビ」や「マイナビ」などがあります。莫大な数のインターンシップ情報を持っていることが多く、企業の選考情報を網羅的に掴むことができるでしょう。
また、インターンシップ情報に合わせて各企業のES対策・面接対策の方法がまとめられている点で有用です。ある程度時間があり、自分で情報を取りに行ける方におすすめです。
一方で理系学生のように、毎日の研究で時間が無い方には少し使いづらいかもしれません。「気付いたらインターンシップ情報の締め切りが過ぎていた…」「研究で忙しくて、いちいち確認してられない」などの声も聞きます。
就職活動に割く時間が無い方には、次にご紹介する「スカウト型」の方がおすすめです。
スカウト型の就活サービス
- 時間が無くても、インターンシップ情報を受け取ることができる
- 自分の興味、専攻にあったインターンシップ情報が届く
- スカウトといっても、きちんと準備しないと選考を通過できない
「スカウト型」は、あなたの希望業界や専攻分野をもとに、適切なインターンシップ情報をおすすめしてくれる就活サービス。
研究などが忙しく、就職活動に割く時間がなかなか作れない方でも、興味・専攻にあったインターンシップ情報が届くので、非常に便利です!
一般には掲載されていない指名求人を紹介してくれることもあるので、「とりあえず登録しておく」「気になる求人が来たときだけ返答する」といったスタンスで登録している学生も多くいます。
※アカリクの求人掲載企業例
アカリクはスカウト型サービスで、研究内容を登録するだけで有名企業からニッチ企業まで多くの企業からあなた宛てのスカウトが届きます。
会員登録は無料なので、興味がある企業のインターンシップに参加したい方は、アカリクへの登録がおすすめです!
理系学生が参加できるおすすめの職種
理系学生のインターンシップでは、システムエンジニア、研究職、コンサルなどの業務を体験できます。インターンシップの内容やそれぞれの特徴を解説します。
- システムエンジニア
- 研究職
- コンサルタント
システムエンジニア
理系学生向けのインターンシップで参加できる職種の1つは「システムエンジニア」です。
システムエンジニアというと、プログラミングをするイメージが強いかもしれませんが、仕事の内容は多岐にわたります。
システムの開発だけでなく要件定義や設計、テスト、フォローアップなども行います。時には、クライアントとの商談に出向くこともあり、コミュニケーションスキルも重要です。
短期インターンシップでは実務経験に携わる機会は少ないかもしれませんが、模擬体験ができることも多いので、仕事を深く知れるいい機会になるでしょう。
研究職
メーカーなどの研究職も、理系学生向けに開催されるインターンシップによく見受けられます。研究職は高い専門性が問われるため、あらかじめ能力があることを把握した上で採用したいと考える企業が多いからです。
インターンシップでは、自社製品の改良をしたり、研究開発の現場を見学したりします。長期実習型のインターンシップなら実務的な職務経験を積めるので、研究職を目指す上でアピールできる武器になるでしょう。
コンサルタント
金融機関やシンクタンクのコンサル職も、理系学生向けにインターンシップを実施しています。一見、理系学生と関係がないように思えるかもしれませんが、こうした業種でも理系学生のニーズは高い傾向にあります。
なぜなら、理系学生は論理的思考力や仮説検証力が高く、数学的思考に慣れている傾向があるからです。研究職やエンジニアなどの職種が合わないと感じるのなら、コンサル職を検討してみるのもおすすめです。
いつからインターンシップに向けて準備するべき?
インターンシップは通年開催されますが、もっとも件数が多いのは夏休みの「サマーインターンシップ」と冬休みの「ウィンターインターンシップ」です。それぞれいつ参加すればいいのか、具体的な時期を確認しましょう。
夏のインターンシップ(サマーインターン)
夏のインターンシップ(サマーインターン)は、毎年7月から9月までの2か月間を中心に行われます。
修士の場合、夏のインターン参加希望の場合は進学後すぐに行動する必要があります。
サマーインターンシップに参加して情報収集をすることで、志望業界や会社を絞りやすくなる点がメリットです。
冬のインターンシップ(ウィンターインターン)
冬のインターンシップ(ウィンターインターン)は、冬休みの2月から3月にかけて行われます。学生が長期休みに入るため、この時期もインターンの開催件数は多い傾向にあります。
実際に、2023卒の大学院生・理系学生を対象にした就職活動に関するアンケートでは、約8割の学生が秋・冬のインターンシップに参加したいと回答しています。
- 調査方法:大学院生・理系学生に特化した就活サイト「アカリク」会員のうち、2023年新卒の理系学生577名(内訳:博士在学中22.4%、修士在学中:77.6%)
- 調査期間:2021年10月1日〜10月8日
こちらも就活が本格化する前の学部3年・修士1年の冬に参加できると、早期に準備しやすくなるでしょう。休みの期間を有効活用して、学業に支障が出ない程度に情報収集してみてください。
まとめ
今回は理系向けのインターンシップの特徴や参加するメリット、模擬体験できる職種などを解説しました。
- インターンシップは業界や仕事、企業への理解を深める「職場体験」のこと
- 実施期間は1Day、短期、長期実習型の3種類がある
- 理系の職種は専門性が問われるので、理系学生に絞ったインターンシップがある
- 大学の推薦枠からインターンシップに申し込めることもある
- 理系学生がインターンシップに参加すると、就活を有利に進められたり、視野を広げられる
- インターンシップは通年開催しているが、夏休みと冬休みなどの長期休みに行う企業が多い
理系学生の方は、インターンシップの参加すると得られるメリットがたくさんあります。直接内定に影響がなくとも、実際の仕事を通して得られる経験は貴重な自己アピール材料になります。
キャリアプランを実現するために、早速興味があるインターンを検索して応募してみましょう。
よくある質問
最後に、インターンシップに関するよくある質問を紹介します。
理系のインターンシップは何をするの?
インターンシップでは様々なプログラムが用意されており、専攻や実施期間によって経験できることが違ってきます。
短期の場合は、過去の事例や仮のプロジェクトにもとづくケースがほとんどですが、長期インターンシップになれば、より現場に近い業務を経験することができます。
例えばエンジニア・SE体験。実際にコードを書いたり、現職のエンジニアの方と話をすることができます。就職活動のことはもちろん、自分の研究分野についても相談できるかもしれません。
また、ハード機器を開発している会社(電気、ゲームなど)であれば、実際に開発の一部に携わったり、開発・改良を行っている現場に足を運べる場合もあります。
日々の研究に熱を注ぐことも大切ですが、実際のビジネスの現場を見ることで、研究の成果に繋がるような新しい気付きがあるかもしれません。
理系はインターンシップに何社くらい参加するべき?
インターンシップの参加数は、学生の忙しさや選考状況に左右されるため、目安や基準といったものはありません。興味がある職種や、志望度の高い会社がすでにある場合を除いては、複数のインターンシップに幅広く参加し、経験を積むのも1つの方法でしょう。
インターンシップに参加すると有利になる?
2023卒の大学院生・理系学生を対象にした就職活動に関するアンケートでは、インターンシップに参加した学生のうち、約40%に「参加者だけの選考案内」が届いたとの結果が出ています。
社員のメンターが付いた場合、ESや面接対策をはじめ、疑問点をすぐに社員の方にぶつけることができるため、内定の可能性が高くなります。
上記から、インターンシップに参加することで、選考を有利に進められる場合もあるといえるでしょう。