「大学院に進学する予定だけどいつから就活を始めた方がいいの?」「理系大学院生の就活の流れがわからない」といった疑問を抱いていないでしょうか?
結論から述べると、理系大学院生が就活を始める良いタイミングは「春から夏」です。
理系大学院生は、研究と就活の両立が難しいため、早い段階から就活をスタートさせたほうがよいでしょう。
本記事では、アカリクが23卒の理系院生369人に調査した結果からわかった「理系大学院生の就活のタイミング」を詳しく解説しています。
理系大学院生の就活事情
理系大学院生の就活は、一般的な大学生の就活事情とは異なります。
事前に「理系大学院生ならではの就活事情」を理解しておくことで、余裕をもって就活のスケジュールが立てられるでしょう。
研究と就活の両立は難しい
大前提として、理系大学院生は研究や学会発表と並行しながら就活を進めていく必要があります。
就活だけに時間を充てることが難しく、「研究と就活の両立」が求められており、両立を不安視する大学院生は多いです。
実際、大学院生・理系学生の就職をサポートする企業「アカリク」の理系大学院生を対象としたアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、就活に対して大学院生から下記のような声が挙がっていました。(本記事では全て同じアンケートをもとに記載しています)
- 「研究活動と就職活動の両立が難しい」
- 「周囲に相談できる人が少なく、不安」
- 調査方法:2023年新卒学生369名(修士在学中65.6%、博士在学中24.9%、学部在学中9.2%)
- 調査期間:2022年3月1日~4月8日
上記の内容からも、就活だけに時間を割けない理系大学院生は、研究と就活を両立するために「より効率的な就活」をすることが大切になるでしょう。
就活に有利なケースが多い
理系大学院生は、学部生よりも就活において有利なケースが多いです。なぜなら、専門分野の研究を行っている理系大学院生は、就活の際に有利なスキルが必然的に養われていることが多いからです。
実際に、アカリクが理系大学院生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、8割の学生が選考時に「自身の専門性が評価されたと感じている」と答えています。
また、専門的な知識やスキルだけでなく、どの企業に就職しても必要となる「論理的思考力」を研究を通して身につけられているのも強みでしょう。
実際にアカリクが行った同調査では、「内定企業から論理的思考力を評価された」と感じる意見が多い結果となりました。
上記の結果から、理系大学院生ならではの強みが多くある点で、就活に有利であると伺えます。
推薦応募を利用して就活できる
理系大学院生は、自分で求人を探して応募する「自由応募」以外に、「推薦応募」も活用しながら就活を進められます。推薦応募とは、学校で用意されている推薦枠の中から企業を選んで応募する就活方法を指します。
自由応募と推薦応募の違いは下記のとおりです。
応募形式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自由応募 | 選べる就職先の範囲が広い | 自己分析や業界・企業研究が必要になる |
推薦応募 | 就活の手間が省ける | 推薦されるために成績や結果を残す必要がある |
推薦応募では、学校と企業が強いコネクションを築いているため、内定がもらいやすい傾向にあります。そのため、すでに就職したい企業が決まっている人であれば、推薦応募のほうが有利になる可能性はあります。
実際に、アカリクが理系大学院生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、推薦応募を利用した理由について下記のような声が挙げられました。
- 「推薦利用先に志望企業があった」
- 「選考で有利になる」
- 「企業から利用するように指示があった」
とくに研究職の場合は、推薦応募が重視されているため、自分の就職したい企業が「推薦応募」の対象であるかを事前に確認しておきましょう。
一方で、「推薦応募には制約が多い」「就職先の選択肢が狭まる」といった理由から、自由応募を活用して就活する人も多いです。実際にアカリクの同調査では、「推薦応募を利用しない学生が約6割」という結果になりました。
自由応募では、就活イベントやインターンシップに参加することで、自分に合った就職先を見つけられます。
そのため、「まだ希望する就職先が定まっていない人」や「専門以外の選択肢も視野に入れている人」は自由応募を検討しても良いでしょう。
理系大学院生の就活を始めるタイミングは春から夏
理系大学院生が、就活を始めると良いタイミングは「春から夏」とされています。
実際に、アカリクが理系大学院生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)でも、春から夏にかけて就活を始めた学生が多い結果となっています。
春から夏のタイミングに就活を始めることで、インターンや企業応募をスムーズに進めやすくなります。本章では修士と博士それぞれの、就活のタイミングや就活内容について詳しく解説しているので参考にしてください。
修士は1年の春から就活の準備を始める
修士は、1年の時期から研究と並行しながら「自己分析」や「業界・企業分析」を行うと良いです。事前準備を行うことで、自分の進みたい職種が明確になり、参加したいインターン先を見つけやすくなります。
実際にアカリクが理系大学院生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、「インターン先は希望業界・職種である」ことが重要視されていると分かっています。
上記の結果からも、インターンシップに参加する場合は、6月までに自己分析と業界・企業研究をある程度完成させることを目標にしましょう。留意点として、インターンシップに参加しなくても4月から自己分析や業界・企業研究を始めることをおすすめします。
大学院生は研究や学会準備で忙しくなるため、修士1年の後半になるにつれて就活に割ける時間が減ってしまう可能性があります。
そのため、研究が本格的に始まる前である「4月から5月」の間にコツコツと就活の準備をしておきましょう。
博士は2年目の夏から就活を開始する
博士の場合は学部卒や修士と違い、就活ルールがありません。そのため、一般的な就活スケジュールより早くインターンや選考が始まることがあります。
とくに、博士採用を積極的に行っている会社では、10月頃からとかなり早い時期から選考が始まります。
そのため、採用される可能性を上げるためにも早い段階で就活をスタートしておきましょう。
理系大学院生が効率的に就活を進める5つの方法
前述したとおり、理系大学院生は研究や学会準備などが忙しく、就活だけに時間を充てることが難しいのが現状です。
本章では、理系大学院生が「効率良く就活を進める方法」について詳しく解説していきます。
理系大学院生が効率的に就活を進めるためには、下記5つを実践すると良いでしょう。
- 就活は早い段階からスタートさせる
- 大学院生ならではの強みを意識する
- 自己分析と業界・企業研究を徹底的に行う
- 専門分野以外の業界・企業も視野に入れる
- 就職情報サイトを利用する
本章を参考に、忙しい大学院生活でも効率良く就活を進めていきましょう。
1.就活は早い段階からスタートさせる
研究で忙しい大学院生は、就活を後回しにしたり、スタートが遅れたりすることが多いです。そのため、理系大学院生こそ「就活は早い段階からスタート」させたほうが良いです。
実際にアカリクが理系大学院生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、就職活動での失敗経験として「準備不足」の声が挙げられていました。
「研究が忙しく、就職活動に十分な時間を割けなかった。その結果、企業研究や自己分析が不十分であり、不合格になってしまった」
就活の準備を事前に行っていないと、自己分析や業界・企業研究が満足にできず、自分の希望する職種が定まらない状態で就活が進んでしまいます。
上記のことからも、比較的余裕がある春から夏にかけて就活の準備をしておくと、研究との両立がしやすくなるでしょう。
2.大学院生ならではの強みを意識する
理系大学院生ならではの強みを意識して就活に臨むのも、就活をスムーズに進められる方法の1つと言えます。
大学院生の研究は、学部生と比較すると知識以外のスキルも養われることが多いです。具体的には、下記のようなスキルが身につきやすいです。
- 論理的思考力
- 分析スキル
- 実験器具等の使用経験
- プレゼン能力
専門的な知識以外に、上記のような実務で必要なスキルや経験があると、学部生と差別化ができるため、比較的選考が通りやすくなります。
研究の内容だけではなく、自分が「研究を通して得られたスキル」や「研究を通して感じた経験」などを、就活時にアピールできると良いでしょう。
3.自己分析と業界・企業研究を徹底的に行う
自己分析と業界・企業研究を綿密に行うことで、自分に合う志望企業を絞りやすくなります。
実際にアカリクが理系大学院生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、情報収集に次いで「自己分析」と「業界・企業研究」を行っている人が多い結果となりました。
自己分析をすることで、これまでの人生であった経験や出来事をもとに、どのような価値観があって、どのような能力や強みを持っているかを把握できます。
一方で、業界・企業研究では、自分がどのような業界に興味があるのか、なぜその業界に興味があるのかを理解できます。
「自己分析」と「業界・企業研究」を行えば、自分の強みを可視化できるため、自分の専門知識やスキルを活かせる就職先が定まりやすくなるでしょう。
また、大学院生であれば、研究職や開発職のある業界に目を向けがちですが、研究によって培われるスキルは、多くの業界で活かせるのが強みです。
そのため、初めから専門的な業界に絞らず、興味のある業界があれば徹底的に調べてみましょう。
4.専門分野以外の業界・企業も視野に入れる
理系大学院生は、研究を行うことで自分の専門分野をより深められるのが大きな強みです。しかし、「大学院でやってきた研究を活かしたい」「自分はこの分野しか無理」と思い込んでしまうと、就職先の選択肢が狭まってしまいます。
もちろん、研究を通して学んだ知識やスキルを活かしたいと思うのは当然ですが、「視野を広げる」という意味で、専門分野の業界・企業以外も検討してみると良いでしょう。
実際にアカリクが理系大学院生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、約4割の理系大学院生が「専門外就職を検討している」と答えています。
前述したとおり、大学院で学べるのは、専門的な知識だけではありません。
論理的思考力やプレゼン能力などのスキルは、専門職以外の職場でも大いに活躍できるスキルであるため、まずは選択肢を狭めずに「視野を広くもって」就活を進めましょう。
5.就職情報サイトを利用する
大学院生・理系学生が、研究と両立して効率的に就活を進めるためには「就職情報サイトの利用」が必須です。就職情報サイトとは、学生の就職活動をサポートしてくれる情報サイトを指します。
就活のプロからアドバイスがもらえたり、就活に役立つ最新の情報を発信してくれたりするため、就活生にとっては欠かせません。
実際にアカリクが理系大学院生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、利用してよかったサービスとして「説明会形式のイベント」に次いで「就職情報サイト」が満足度が高い結果となりました。
就職情報サイトの多くは「無料」で利用できるうえに、就活が終わるまで役立つ情報サイトのため、登録しておくだけでも損はありません。
理系大学院生におすすめの就職情報サイトは「アカリク」です。アカリクは、大学院生・理系学生に特化したスカウト型就活サイトです。登録後に「研究内容の登録だけ」しておけば、その研究内容を見た企業からスカウトメールが届くため、忙しい理系大学院生でも効率的に就活を進められます。
また、優良企業と出会える「分野別のイベント」もオンラインで定期的に開催しているため、研究の合間に気軽に参加できるのも魅力でしょう。
5分で簡単に登録手続きが完了するため、まずは登録して就活の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
まとめ|理系大学院生の就活スケジュールについて
本記事では、大学院生の就活スケジュールについて紹介しました。
大学院生は後半になるにつれて研究が忙しくなるため、「春から夏」にかけて就活をスタートしましょう。
その際に、より効率的に就活を進める方法として下記5つを実践すると良いです。
- 就活は早い段階からスタートさせる
- 大学院生ならではの強みを意識する
- 自己分析と業界・企業研究を徹底的に行う
- 専門分野以外の業界・企業も視野に入れる
- 就職情報サイトを利用する
悔いのない就活をして、あなたの志望する企業に入れるよう頑張ってください。
なお、あなたの希望とマッチする企業と出会うためには「アカリク」の利用をおすすめします。
アカリクは、大学院生・理系学生に特化したスカウト型就活サイトで、忙しい理系大学院生でも効率的に就活を進められるサービスが盛りだくさんです。
5分で簡単に登録手続きが完了するため、まずは「就活の第一歩」として、アカリクを利用してみてはいかがでしょうか?
2024卒の学生に関するよくある質問
最後に2024卒の学生に関するよくある質問を紹介するので、参考にしてください。
本章を読めば、就活で気になっていた疑問が解決できるでしょう。
就職活動は何社ほど受けるべき?
アカリクが理系学部生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、約6割の学生がエントリー数が10社以下という結果になりました。
本エントリー数が少ない理由としては、研究や学会発表の準備で忙しくなるため、就活だけに時間を割けられないことが要因でしょう。
そのため、理系学生においては、研究が本格的に始まるまでに就活の準備をしておくことが大切です。
24卒の就活はいつ終わる?
アカリクが23卒の理系学生を対象に行ったアンケート調査(2022年3月〜4月実施)では、就活の終了は3月から6月が一番多い結果となりました。
24卒の就活生は、まだチャンスが多く存在するため、妥協せずに就活を続けましょう。
理系の平均年収は?
独立行政法人経済産業研究所の行った「理系出身者の平均年収」の調査によると、理系出身者の平均年収は、600.99万円という結果になりました。
文系出身者は559.02万円であることから、理系出身者のほうが高水準であることがわかります。
参考:独立行政法人経済産業研究所 理系出身者と文系出身者の年収比較-JHPSデータに基づく分析結果-