エントリーシートや面接でよく聞かれる、ガクチカ。
いざ就職活動に臨む段になって、こちらに答えられずに苦戦し、就活戦線から敗退しないためにも、事前の準備が重要です。そうはいっても「なかなかガクチカが見つけられない…」という声が聞こえてくるようです。
今回はガクチカがうまく見つからない人向けに、どのようにガクチカを見つければいいのか、ガクチカが見つけられない場合でもできる自己PRの仕方などを詳しく解説していきます。
ガクチカのエピソードがなくて悩んでいる人はぜひ読んでみてください。就職活動に向けてあなたらしいガクチカを一緒に考えてみましょう。
「ガクチカ」とは?
そもそもガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」を指します。学生時代に力を入れたことは学業です。そう力強く答えられる場合もありますが、サークルやバイトなどで一旗揚げたことをガクチカに挙げる就活生が多く、面接官もこういったガクチカをなんとなくイメージしている場合も多く厄介です。
ただ、一般的な企業の場合、ガクチカのエピソードそのものより、ガクチカを通してあなたなりの学生時代の過ごし方、価値観、得られたこと、学んだことなどを見ています。
学生時代でうまくいった・いかなかったなどの「結果」にとらわれずに、学生時代の過ごし方といった「過程」から何を得たのかが伝えられることが重要なポイントです。
なお、ガクチカに書けるようなエピソードがすでにある場合の具体的な書き方についてはこちらの記事をご覧ください。
ガクチカがない場合に陥りがちなNGパターン
ガクチカがないからといって、落ち込んだりすることは早計です。
最近では、そもそも「ガクチカ」を就活生に期待することを疑問視する動きも出ているので学生時代の中盤くらいから無理やりガクチカを作ろうとするのはやめましょう。
ガクチカがない場合に陥りがちなパターンは以下です。
こちらに当てはまっていないかチェックしてみてください。
他人と比べてガクチカはないと消極的になる
就職活動本番を迎えると同じゼミや同級生が内定を取ったという声が聞こえて来るようになります。
自分がまだ内定をもらっていないと、焦りますし、なぜ自分は内定がもらえないのかと、内定をもらっているゼミ生や同級生を比べてしまいます。
華々しいガクチカがある同級生と自分を比べて、自分が内定がもらえないのは自信をもってガクチカがアピールできていないからと落ち込んでしまいます。
自分のガクチカはバイト・サークル・飲み会なのでアピールできないと思い込む
自分のガクチカが、バイト・サークル・飲み会などの場合、アピールするには何となく後ろめたさを感じてしまうという方も少なくないかもしれません。
特に大学院生の場合は、学部生に比べて、研究に関することをアピールすることが一般的です。
このような場合は、研究と研究以外の取り組みをうまく両立させたことなどをPRに盛り込めば、ほかの研究一筋の大学院生との差別化もできるので、実はアピールの仕方を考えることで、ポイントが高いガクチカにも成り得るのです。
他の人のガクチカを真似してしまう
こちらは最も避けた方が良いパターンで、自分のガクチカがないと自己判断してしまい、同級生やネット検索などで同じ学部の人のガクチカを真似して書くことなどが挙げられます。
他人の真似をしたガクチカでエントリーシートなどの書類選考を通過したとしても、必ず通る道が面接です。
他人の借り物のガクチカで面接に臨んだとしても、面接官から突っ込んだ質問をされたときに、うまく答えられるでしょうか。
ガクチカがない場合の探し方・自己分析の仕方
ガクチカがなくて悩んでいる場合はどうしたらいいのでしょうか。ここからはガクチカがない場合の探し方、自己分析の仕方について解説します。
自己分析の本やサイトを調べて一冊の自己分析ノートをつくる
ガクチカがない場合、まずは徹底的に自己分析をしてみましょう。
その際、一冊のノートを用意して、自己分析専用にしましょう。
ふとした時に浮かんだ過去の思い出やその時に経験したこと、悩んだことなどを取りとめもなく書いてみます。
一旦書いたことから離れて、少ししてから、そのエピソードに対して、
- 自分がどのような経験をしたときにどう思ったのか。
- その時に何を考え、どのように行動したか。
この2点に絞って分析をしていきます。
考えることによって自分の長所や短所が客観的な事実として、見えてきます。
また、自分で把握しているような几帳面、まじめな性格など、顕在化している部分も自己分析ノートには書き留めましょう。
大学院生・理系院生のための就活サイト「アカリク」では、大学院生のための自己分析ツール「アカリク診断」を提供しています。直感で60問の質問に回答するだけで、「アカデミックキャリア」「ビジネスキャリア」「ライフキャリア」のカテゴリそれぞれの能力を数値化できます。
診断結果画面では自己PRに役立つアドバイスがもらえますので、自己分析の第一歩としてぜひ活用してみてください。
大きな結果は残せていなくても、過程に焦点を当てて、エピソードを洗い出す
自己分析ノートで自身の性格や性質などが分析出来たら、今度はどの部分を自分の強みとしてPRしていくかを決めます。
几帳面な性格をアピールするのであれば、自己分析ノートにあるエピソードから几帳面さがうかがえることを洗い出します。
この際、大きな結果を残しているエピソードではなくても、その過程自体に焦点を当てることが重要です。
実際に一度自己を深く分析した上でのエピソードなので、面接などでの突っ込んだ質問にもしっかりとした理由をもとに答えることができるので、自信にもつながります。
ガクチカを自己PRにする際のポイント
ガクチカを自己PRに用いる際は、学業、サークル・バイト、校内・校外でのめずらしい経験など、以下の点にポイントを絞って伝えましょう。
ストレートに学業をガクチカとする際のポイント
ストレートに学業をガクチカとしてアピールするのは、実は意外と難しいのですが、ポイントをしっかり押さえれば、面接官にストレートに響きます。
大学院生であれば研究内容を簡潔にわかりやすくまとめて、専門用語は極力使わない方が無難です。
また、何を研究してきたのかといったエピソードだけではなく、学業を通して何を学んだかをしっかりと伝える必要があります。
サークル・バイトなどをガクチカとする際のポイント
サークル・バイトなど学外での経験で多くの人が語りやすいのがこちらのガクチカです。
普通に話してしまうと、あまり印象に残らないことが多いため、どうしてそのサークル・バイトを選んだのかをできれば志望動機に絡めて伝えられると面接官の印象に残りやすいです。
また、こちらのガクチカの注意点としては、サークルやバイトに重きを置いて、学業をおろそかにしていないかといったところを面接官にチェックされることもあるので、できれば、学業とのつながりや、特になければ、学業とどのように両立したのかをしっかりと伝える必要があります。
学内外での珍しい経験をガクチカとする際のポイント
私は学生時代こちらのタイプのガクチカを自己PRとして用いていました。
こちらを自己PRとして用いる場合は、エピソードそのもののお話だけで終わらないようにし、結果よりも過程を大事にして伝えることで、珍しい経験自体が興味を引くとともに、独自の視点で学生時代に学んだことがアピールできるので、面接官の印象に残りやすくおすすめです。
ガクチカがない場合でも十分自己PRはできる
学生時代に力を入れたことがない人の自己PRの書き方について以下のような内容で解説しました。
- ガクチカとは
- ガクチカがない場合に陥りがちなNGパターン
- ガクチカがない場合の探し方・自己分析の仕方
- ガクチカを自己PRにする際のポイント
最近では、ガクチカ自体を目的化していることを懸念する風潮もあります。学生時代にガクチカを作るためだけに、バイトやサークルを頑張るということのないように注意しましょう。学生の本業は「学業」であることを忘れずに、有意義な学生生活を過ごし、自信をもって就職活動に臨むとよいでしょう。