【2025年最新版】データサイエンティストとは?年収・求人・将来性・未経験からの目指し方

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ビッグデータ解析などを担うデータサイエンティストは、人材不足が懸念されており、育成の必要性が高まっています。

データサイエンティストになるためには、どのような「能力」が必要とされ、どのような「業界」で活躍が期待されているのでしょうか。さらに、ほかの業種と比べ「年収」は多いのかどうかについても触れていきます。

さらに、新しい職種であるデータサイエンティストは、どのようにデータサイエンティストの「求人」が行われているのかについても詳しく紹介するので、ぜひご参考ください。

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データサイエンティストとは

データサイエンティストとは、ビッグデータと呼ばれる膨大なデータを解析し、企業の事業戦略や社会に有益な知見を引き出す職種です。

顧客データや売り上げなど、生データ(データそのまま)では数字の羅列でしかないものを、統計解析の手法などを用い、論理的に意味のある形になるようデータを整理します。

例えば、年齢層ごとの売上動向などの情報があるとしましょう。データのままでは情報の羅列でしかありませんが、企業やクライアントに分かりやすいようにデータの解析を行い、企業の事業戦略に活かしていくというのがデータサイエンティストの仕事の1つといえます。

このように、データの解析からクライアントへの情報提供までを行うデータサイエンティストですが、スキルとしては

  • 統計および分析の知識
  • プログラミング技術
  • ITスキル
  • ビジネススキル

が重要であるといわれています。

データサイエンスに関連する職業のひとつ、データアナリストについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

データサイエンティストとして必要なスキル

データサイエンティストとして第一線で活躍するためには、単に統計やプログラミングの知識を持っているだけでは不十分です。大量のデータを収集・整形・分析し、企業や社会の課題を正しく理解するためには、分析の土台となるビジネスの視点や、結果をきちんと伝えるコミュニケーション力も欠かせません。

ここでは、そうした背景をふまえ、データサイエンティストに求められる代表的なスキルである「ビジネススキル」「データサイエンススキル」「データエンジニアリングスキル」の3つを詳しく解説します。

ビジネススキル

ビジネススキルは、クライアント企業が抱える課題を正確に把握し、解決に導くために必要不可欠なものです。データサイエンティストに必要とされる代表的なビジネススキルは、次のとおりです。

  • マネジメント能力
  • コミュニケーション能力
  • ドキュメント作成力

データサイエンティストの分析業務は、複数の関係者と連携しながら進めるケースが多いため、タスクの優先順位をつけたり、チーム全体の進行をうまく調整したりする能力が求められます。期日を守りながら結果を出すためには、プロジェクト全体を見渡す視点が欠かせません。

また、データの分析結果は、専門的な内容であっても、誰に対しても伝わるように伝えることも大切です。特に、経営層や他部署とコミュニケーションをとる場面では、伝える相手の立場に立って話すように工夫したり、要点を絞って伝えたりするコミュニケーションスキルが役立ちます。

さらに、分析の過程や仮説、使ったデータや結果をしっかり記録として残すことで、チーム全体での共有や再現がしやすくなります。後日に振り返りをしたり、今後の改善要素を考えたりするためにも重要なスキルといえるでしょう。

データサイエンススキル

データサイエンティストにとって、データを扱うための技術的な「データサイエンススキル」は欠かせません。なかでも、特に重要とされるのが、次のような知識やスキルです。

  • 分析・統計の知識
  • 可視化のスキル
  • プログラミングスキル

分析・統計についての知識は、仮説を立てたり、適切な手法でデータを整理・検証したりするために求められます。平均・中央値といった基本から、回帰分析やクラスタリングなどの応用的な手法まで、幅広い統計的視点が役に立つでしょう。

分析した結果を分かりやすく伝えるために可視化させるスキルも必要です。グラフやダッシュボードを活用して、データの傾向や変化を視覚的に表現することで、説得力のあるアウトプットにつながります。

実際にデータを処理したりモデルを作ったりするには、プログラミングスキルも必要です。Pythonはデータ分析に強い言語としてよく使われていますが、PandasやNumPy、Scikit-learnなどの機械学習ライブラリを活用することで、効率的に作業を進められるでしょう。

データエンジニアリングスキル

データサイエンティストは、分析だけでなく、その前段階である「データを使える状態に整える」工程も担当する場合があり、膨大なデータを安全かつ効率的に扱うためには、インフラや処理の知識が求められます。そのため、データサイエンススキルに加えて「データエンジニアリング」についてのスキルも必要です。

代表的なスキルは次のとおりです。

  • データベース管理とSQLの知識や理解
  • ETL(Extract, Transform, Load)やデータ処理のスキル
  • クラウドプラットフォームやビッグデータツールの知識や理解

データの抽出や加工をするためには、データを表形式で管理する「リレーショナルデータベース(RDB)」を扱うスキルが必要です。データベースを操作するための言語である「SQL」を活用しながら、必要なデータを正確に取り出し、分析しやすい形に整える力が求められます。

ETL(Extract, Transform, Load)とは、データを集めて、必要な情報を抽出・変換し、分析しやすい形に整えて保存するまでの一連の処理です。どれだけ高度な分析をする場合でも、まずはETL処理をして扱いやすいデータを準備することが最初のステップとなります。

最近ではAWSやGCP、Azureなどのクラウド上でデータ処理を行うケースも増えています。さらに、BigQueryやHadoopといったビッグデータツールについての理解があると、より大規模なプロジェクトにも対応できるでしょう。

データサイエンティストの求人状況

情報化社会の進展に伴い、多様なデータの蓄積が進んでいます。一方、これらのデータを活用できる形に解析できる人材であるデータサイエンティストは、不足しているのが事実です。

最近では、大企業から中小企業、ベンチャー企業まで多様な企業が、データサイエンティストの募集を行っており、求人数は増加傾向にあるとともに、多様な企業・業種での活躍が期待されている職種といえるでしょう。一方でハードルが高いのも事実です。

未経験者はなりづらいが「ポテンシャル採用枠」もある

データサイエンティストには、多様なスキルと膨大な知識が必要とされることから、未経験者は採用されにくいようです。

そのため、未経験者の場合には「SE職」・「マーケティング職」・「コンサルタント職」など、データサイエンティストで必要なスキルと似たスキルが求められる職種からチャレンジし、中途採用でデータサイエンティストを目指してみるのもよいでしょう。

しかし、一部の企業では、新卒や未経験者を対象とした「ポテンシャル採用」も増えています。経験がないからと諦めるのではなく、今持っている強みやこれから伸ばしていきたいスキルをしっかり言語化し、学ぶ意欲をアピールすることが大切です。

未経験でデータサイエンティストを目指すなら、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

データサイエンティストの求人例

データサイエンティストは今後、多様な業界で採用が進むといわれています。

業界活用例
金融業界POSデータや決済データの分析によるサービス改善
不動産業界過去の売買履歴をもとにした不動産価格の査定
農業業界気象データをもとにした収穫予測と管理最適化

活用例が出始めているビッグデータの活用ですが、データサイエンティストの力が不可欠です。

現時点では、データサイエンティストの採用が盛んに行われていない業種もありますが、次のような多様な業界で今後需要が高まると予想されています。

  • 精密機械業界
  • 建設業界
  • 広告業界
  • 運送業界
  • バイオ・製薬業界
  • 医療業界

このように、データサイエンティストは、多種多様な業界で求められる職種といえるでしょう。 

未経験からデータサイエンティストになる前にやっておきたいこと

データサイエンティストは専門性の高い職種ですが、事前にしっかり準備しておけば未経験からでも十分に目指せます。ここでは、データサイエンティストを目指すうえでやっておきたいことを詳しくみていきましょう。

基礎知識の習得

未経験からデータサイエンティストを目指したい方は、まずは統計・数学・プログラミングといった基礎的な知識をインプットすることから始めましょう。特にPythonはデータ分析の現場でよく使われているため、早めに慣れておくことが大切です。

最近では、オンラインで学べる講座や教材も充実しており、スキマ時間を活用して学習を進められます。データサイエンティストとして必要な基礎知識が理解できたら、Kaggleなどのデータ分析コンペや勉強会・各種コミュニティなどに参加して、実践的な経験を積むことも検討しましょう。

データサイエンティストに役立つ資格を取得する

データサイエンティストになるために必須の資格はありません。しかし、未経験から目指す場合やエンジニア職からのキャリアチェンジを考えている方には、知識を証明するためにも資格を取得するのがおすすめです。

データサイエンティストに役立つ代表的な資格には、次のようなものがあります。

  • データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル
  • Python 3 エンジニア認定基礎試験
  • 統計検定 データサイエンス基礎(DS基礎)
  • データサイエンス数学ストラテジスト中級
  • G検定

いずれもオンライン受験が可能で、独学でも取り組みやすいのが特徴です。自分の習得状況やキャリアに合わせて、資格取得を目指していきましょう。

スキルチェックで自身のレベルを確認する

データサイエンティストを目指すうえで、自分のレベルを把握することはとても大切です。

データサイエンティスト協会は、必要な能力やスキル項目を体系的に整理した「スキルチェックリスト」を公開しています。2025年7月17日時点の最新版は「データサイエンティスト スキルチェックリストver.5」です。

また、転職・就職支援サービスやエージェントでは、スキルチェックを通じて市場価値や適性職種を診断できるツールも提供されています。不安な点がある場合は、キャリアコンサルタントと一緒に相談しながらスキルチェックを進めることで、より自分に合った学習方針やキャリアの方向性を見つけやすくなるでしょう。

参考:一般社団法人データサイエンティスト協会|2023年度版「データサイエンティスト スキルチェックリストver.5」および「データサイエンス領域タスクリスト ver.4」を発表

データサイエンティストの年収

厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト jogtag」によるとデータサイエンティストの平均年収は573万円、データサイエンティスト協会によると769万円と、ほかの職種に比べ高い傾向にあります。

データサイエンティストの求人情報によると、700万円前後の年収額という例が多い傾向にあります。

令和5年度分の民間給与実態統計調査によれば、正規社員の平均給与(年収)は530万円であることから、ほかの職種に比べて、データサイエンティストの年収額は高いと分かります。

一方、求人により年収額が大きく異なり、400万円代から1000万円を超えるような高額な事例もあります。この違いは、求められるスキルレベルにより、年収の提示額が大きく異なるためであると考えられるでしょう。

参考:職業情報提供サイト jogtag|データサイエンティスト

参考:国税庁|令和5年分 民間給与実態統計調査

データサイエンティストの年収についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

データサイエンティスト職の探し方

データサイエンティスト職を探す方法として

  • 就職・転職サイトからの応募
  • SNSの活用
  • KaggleやSIGNATEなどのコンペを利用

といった手段が考えられます。これらについて詳しくみていきましょう。

就職・転職サイトからの応募

就職・転職サイト経由で、データサイエンティストの求人に応募できます。

ほかの職種同様、データサイエンティストの求人は、新卒および中途採用ともに、就職・転職サイトに掲載されています。就職・転職サイトからの応募も一般的な方法のひとつです。

また、専門性が必要とされる職種であるため、エンジニア等に特化した転職サイトに求人が出ているケースもあります。

また、データサイエンティストとしての活躍実績やそのほか関連する資格などがある場合、就職・転職エージェントの利用も検討してみましょう。

SNSを活用

データサイエンティストは、SNSを通じた人材募集が行われているのも特徴です。

人材不足が問題となっているデータサイエンティスト職の募集では、企業もまた求人情報を掲載するのみでなく、SNSを通じて、積極的に人材募集を行っている例も見られます。

データサイエンティストの実績や必要な知識を持っている場合、SNSを通じ、企業の採用担当者と直接コミュニケーションを取るというのも1つの方法といえるでしょう。

KaggleやSIGNATEなどのコンペを活用

データサイエンティスト採用におけるもう1つの特徴として、KaggleやSIGNATEでのコンペの実績が利用できる点です。

Kaggleとは、データサイエンスや機械学習分野に携わっている人のプラットフォームであり、もちろん学習にも利用できますが、Kaggle内で行われている「コンペ」も活用しましょう。

企業によってはKaggle枠と呼ばれるような、Kaggleにおけるコンペの実績を利用した採用枠を設けている事例もあり、未経験者や新卒者がデータサイエンティストの求人に応募する場合、大きな助けとなるはずです。

データサイエンティストは将来有望な職種

ビッグデータを解析し、企業戦略に有益な情報を導き出す能力が期待されているデータサイエンティストですが、今後多くの業界で需要が増える一方、人材不足が懸念されている職種です。

このことから、データサイエンティストは

  • 将来有望(どの業界でも活躍できる)
  • 年収も比較的高い

職種といえそうです。

一方、データサイエンティストに求められる能力は

  • 統計および分析の知識
  • プログラミング技術
  • ITスキル
  • ビジネススキル

など非常に幅広いため、未経験者が就きにくい職種ではあるものの、ポテンシャル採用枠を狙ってチャレンジすることは可能です。

  • 周辺職種で必要なスキルを鍛え、中途採用でデータサイエンティストを目指す
  • Kaggleなどのコンペで実績を作り、未経験や新卒からのデータサイエンティスト職の求人を目指す

というように、必要なスキルや資格を得ながら、データサイエンティストを目指してみましょう。

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アカリクリポーターズとは、大学院生としての経験や知識を「リポート」するライター集団です。全員大学院在籍経験があり、これまでの研究経験や知識を活かして、大学院生の皆様に役立つ情報をお届けしています。専門分野は工学・化学・生命科学・心理学・社会学等様々です。

【監修】アカリクお役立ちコンテンツ編集部
博士号所持者/博士課程在籍経験のある編集者が監修しています。

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