「開発職ってどんな職業なの?どんなスキルが必要なんだろう。」現在就活中の人や、これから就活を本格的に始める人は、このような疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。
今回は研究職や開発職に興味がある大学生・大学院生の方向けに、開発職の種類や仕事内容、向いている人の特徴などを解説します。この機会に開発職について理解を深めていただき、理想のキャリアパスを歩むための参考としてください。
開発職とは
開発職とは、企業がサービスを世に出すための製品化を担当する仕事です。製薬会社、食品メーカー、化粧品メーカーなどさまざまな分野で活躍しています。
開発職は研究職や技術職(エンジニア)とよく混同されますが、厳密にいうと仕事内容は別物です。研究職は商品を生み出すための「0から1」を作る仕事ですが、開発職は「1から10、100…」と既存の商品の規模を展開していく役割を果たしています。
また技術職はエンジニアとして商品を生産する設備の運用・管理を行いますが、開発職は「商品」を作ることがメインです。それぞれの違いについて、より詳しく見ていきましょう。
研究職と開発職との違い
研究職と開発職は研究開発職として同じカテゴリーにされることが多く、仕事内容も同じだと思われがちです。しかし、実際は以下のような違いがあります。
- 研究職:0から1を作る。新たな概念や価値を生み出す
- 開発職:1から10、100へとつなげていく。新たな概念や価値を商品化する
このように、研究職が見つけた概念や価値をどのように商品にするか考え、そのためのプロセスを検証するのが開発職です。
たとえば、研究職が「肌を若返らせる成分」を生み出したら、それをどのように商品に取り入れるかを考えるのが開発職です。化粧品として世に出すのか、美容外科の医療機器として世に出すのかなどを考えます。
開発職と技術職との違い
開発職と技術職は似たようなイメージを持たれますが、実は仕事の対象が違います。開発職は「商品」を、技術職は「手法」を対象にして仕事をするのです。
たとえば「肌が若返る成分」を研究職が生み出して、その後に開発職が化粧品を作る方針を決めたとします。そうすると、技術職はその化粧品を作る設備を運用・管理します。
化粧品を作るためにはさまざまな素材を組み合わせて、該当する成分を効果的に取り入れる必要があります。そうした生産ラインを見て、作業を効率化したり、設備に不具合がないかチェックしたりするのが技術職の仕事です。
開発職の種類
一般的な開発職は商品作りに携わりますが、厳密にいうと3つの種類に分けられます。
- 研究開発職
- 技術開発職
- 商品開発職
開発・研究職に就いている人でも、これらの違いをよく理解している人は少ないでしょう。それぞれの仕事内容や特徴について、詳しく見てみましょう。
研究開発職
研究開発職は、企業が生み出した新たな価値を商品にする仕事です。たとえば、製薬会社で特定の病気を治す方法を見つけたら、どのように薬にするかを考える役割を果たしています。
現在世の中にない商品の製作に携われる可能性もあるので、達成したときは大きなやりがいを感じられるでしょう。ただ製薬など、人の命に関わる商品を作るためには膨大な時間がかかる可能性もあります。辛抱強く研究に力を注ぐことが大切です。
技術開発職
技術開発職は、新たな商品を作るときに、どのように技術を活用するか考えるエンジニアの役割を果たしています。企業によっては「生産技術」などといった部署として配置されていることもあります。たとえば新たな通信規格ができた際に、どうやって新商品に対応させるのか、技術的な手段を考えるのが技術開発職です。
こうした技術開発は高い専門性が求められ、世にないものであれば特許を取ることも可能です。特許を取れば新たな技術が会社の財産になり、社会からの信頼も厚くなります。社会に貢献するきっかけにもなるので、高いスキルが求められるものの、成功すれば大きな達成感を得られるでしょう。
商品開発職
商品開発職は、社会のニーズや研究開発職が発見した知見にもとづいて新しい商品を作る仕事です。企画部門が出した商品イメージを見ながら、マーケティング戦略、他社にはない強みなどコンセプト作りに注力します。また、食品メーカーなどの場合は、必要に応じて安全性のテストをするのも商品開発職の仕事です。
商品作りに必要な多数のステップに関わるため、他の部門とのやり取りも比較的多い傾向にあります。活躍するためには、複数の分野の知識とコミュニケーション能力が必要になるでしょう。
開発職の仕事内容
開発職の仕事内容は商品の設計から、リリースするための各部門との調整まで多岐にわたります。
商品開発の場合は、新商品を作るためのイメージを固めたり、競合との差別化ポイントを決めたり、安全性を担保するための実験をしたりすることが挙げられます。もし商品を開発する過程で不具合があったら、前のステップに戻り検証を繰り返すことが必要です。
また技術開発職の場合は、商品を作るプロセスに問題なく技術を適用できるか確認し、製造段階で不具合があれば改善を行います。不具合が見つかったときは詳細を分析しレポートを作るなど、商品の安全性を高めるために幅広い業務に携わることになるでしょう。
開発職に向いている人
ここからは、開発職に向いている人の特徴をご紹介します。一般的な開発職のポジションには以下の人材が求められます。
- 考える習慣がある人
- 粘り強い人
- 協調性がある人
ひとつずつ詳しく解説していきます。
現在就活中、もしくは就活を控えていて開発職に興味がある人は、ぜひ適性があるかチェックしてください。
考える習慣がある人
開発職に向いている人の特徴として、考える習慣があることが挙げられます。なぜなら、開発職の仕事は安全面、機能面、結果の妥当性など複数の観点から考える必要があり、人一倍頭を使うからです。
ひとつの条件が変わるだけでテストの結果も変わってくるため、何パターンものプロセスを検討する必要があります。言われたことをそのままやる仕事ではないので、マニュアルに沿って物事を進めたい人や、すぐ結論を出す人には向いていません。
日頃から考え事をするのが好きな人や、物事・事象についてさまざまな面から考えられる人は向いているでしょう。
粘り強い人
次に、粘り強い性格の人も開発職に向いています。そもそも新製品を世に出すことは色々なリスクをはらんでおり、すべてクリアするためには半年から業種によっては10年以上の時間がかかります。
壁にぶつかっても解決するためのアクションを取って、試行錯誤を続けられる人でないと開発職として活躍するのは難しいでしょう。
もし自分が粘り強いかどうかわからないときは、大学の課題や研究が苦でないかどうかを基準にしてみてください。「研究がつらい・面倒くさい」と思うのなら、開発職になっても同じ思いをする可能性が高いので注意しましょう。
一方、研究職との比較としては、最終製品として社会実装の実感を得やすいという点が挙げられます。研究課題を設定し、一定の研究成果を出すといった部分にあたる研究職では、自分の研究成果が具体的にどのように製品になるかといった部分に関わることができるとは限りません。また、仮に製品化などの形で社会実装されるとしても、研究成果を挙げてからは相当の時間がかかることも少なくありません。
そういった意味では、開発職は研究職に比べてより最終製品に近い部分を担当することから、社会実装に達成感ややりがいを感じられる人が向いていると言えそうです。
協調性がある人
協調性がある人も開発職に向いていると言えます。新製品の開発はたくさんの人が関わるプロジェクトで、コミュニケーション能力や認識を揃え、進捗を管理するマネジメント能力が求められるからです。
具体的には、開発を進めるためには品質管理や製造、営業、企画など複数の部門の人と話す必要があります。研究自体はもくもくとやることもありますが、定例会や進捗報告、調整は必須業務です。
このように複数の人と調整しながら研究を進めていく職種であるため、1人で仕事を進めることはできません。他の人と温度感を合わせてプロジェクトを進められるなら、開発職であっても問題なく仕事を成し遂げられるでしょう。
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まとめ
今回は開発職の仕事内容や似た職種との違い、向いている人の3つの特徴をご紹介しました。本文の内容を再度おさらいしましょう。
- 開発職とは、企業がサービスを世に出すための製品化を担当する仕事
開発職には3つの種類があり、
- 研究開発職は、企業が生み出した新たな価値を商品にする仕事
- 技術開発職は、技術を活用して新たな商品作りに貢献する仕事
- 商品開発職は、特定の案をもとに商品化をする仕事
開発職はきついと思われがちですが、適性がある人なら大きな達成感を得られます。特に、粘り強い人や協調性がある人は開発職に向いていると言えます。ご自身が向いているかよく考えていただき、納得のいくキャリアパスへの一歩を踏み出してください。