理系院生の皆さんは、機械系の専攻でエンジニア就職を視野にいれているかたも多いのではないでしょうか。この記事では、機械工業系の就職に有利な資格を紹介します。
資格とは、職種に特有の技能や知識を持っていることを証明するものです。今回は、機械工業系のおすすめの資格、資格の取り方を詳しく解説していきます。資格を取得して、就職活動を有利に運びましょう。
機械系資格を取得するメリット
機械系資格を取得することで、職業上のキャリアアップや自己PRを効果的に行うことができます。
今回は、機械系資格を取得するメリットについてお話しします。
内定後や入社後に必須となる資格がある場合もありますので、希望職種に合わせて取得することが大切です。
また、資格を持っていると、自己PRを作りやすくなります。
資格取得のメリットを知って、自分をアピールするための資格取得を検討してみてください。
- 内定後や入社後に資格取得が必須となる企業がある
- 資格があるとESや自己PRを作りやすい
- 希望職種に合う資格を持っているならアピールになる
内定後や入社後に資格取得が必須となる企業がある
新卒の就職活動では、採用時のポテンシャルを重視し、明確な適性やスキルは基本的に求めません。
しかし、内定後や入社後に業務に関連した資格取得が義務付けられる企業もあります。
そのため、就職活動前に取得が義務付けられている資格を持っていると、熱意をアピールするだけでなく、基本的な能力もあらかじめ備えていることを示すことができ、就職活動で有利になることが多いです。
資格があるとESや自己PRを作りやすい
資格を取得することは、単なる能力向上だけでなく、採用プロセスで重視される自己PRや志望動機の一貫したストーリーを確立できます。
新卒採用では、スキルや実績といった一般的な成功の指標よりも、「人物像」や「プロ意識」が最も重視されます。
資格取得への決意や努力、苦労したこと、それを乗り越えた方法など、資格取得までのストーリーを的確に表現することで、面接官は入社後にどのような行動をとるかを推測することができるのです。
資格取得の道のりは自分の性格や仕事に対する姿勢をアピールするのに有効な手段となりえます。
希望職種に合う資格を持っているならアピールになる
希望職種に合う資格を持っていれば、採用担当者の目に留まるでしょう。
資格の取得は、就職活動で必ず有利になるとは限りませんが、目指す分野や職種に近い資格であれば、取得しておくと有利になります。
就職活動を始める前に資格を取得できれば、履歴書や面接が通過しやすくなりますし、取得前でも、現在勉強を始めていて、就職後に取得すれば、スキルアップやキャリアアップにつながります。
工業系の資格は主に3種類
工業系の資格は、機械系、電気系、情報系の3つのカテゴリーに分野ごとに分けられます。この記事では、実務経験が不要なものをピックアップして詳しく紹介します。資格取得のための条件や学習方法、試験対策なども詳しく解説します。
機械系のおすすめ資格
研究に関連し機械設計の経験があれば有利ですが、関連する資格を持っていると、就職や入社後の評価で非常に有利になります。「機械設計技術者」「技術士補」「CAD利用技術者試験」の3つの資格がメジャーです。
機械設計技術者
機械設計技術者の資格は1級から3級まであり、実務経験がなくても取得できるのは3級のみです。
3級の試験を目指す人は、力学、機械要素、流体工学、機械方法、図面、材料力学、機械力学、熱工学、制御工学、工業材料に関する知識を有していなければなりません。
試験はすべてPC上で行われ、合計4時間で終了します。
講習会に参加せずに知識を習得するには、書店やオンラインから過去問題集を集めて対策することも可能です。
技術士補
「技術士」は、科学技術に関する専門知識と実務経験を証明する、国が認めた資格です。
この資格は在学中に取得することはできないと思われている方も多いかもしれません。
技術士の資格には実務経験が必要ですが、「技術士補」の資格は実務試験を必要としません。
技術士資格には、建設工学、機械工学、計算工学など約20の部門があり、各分野の研究、評価などに非常に役立っています。
この資格は、民間企業への就職だけでなく、公的機関への就職にも有利です。
CAD利用技術者試験
機械設計に関連する職業では、CADシステムに精通していることが就職に必要です。
資格を持っているからといって、どのようなCADシステムにも精通しているわけではありませんが、同じ思考プロセスやアルゴリズムをベースにしているため、学習には役立ちます。
CADには3Dと2Dの2つの選択肢がありますが、学校で実際に作業できる環境があれば、3Dを選ぶことをお勧めします。実務では3Dで作業が行われることがほとんどだからです。
電気系のおすすめ資格
電気系の資格は、学生のうちから勉強しておくと、社会人になってからも求められる可能性が高いのでおすすめです。
ここでは、「電気工事士」「第三種電気主任技術者」「無線従事者」の資格を紹介します。
電気工事士
電気工事士の資格は、国家資格で、40歳前後の受験者が圧倒的に多く、勢いのある資格です。
40歳前後の受験者が多いのは、、関連業界において転職時や昇進などで必須資格となることが多いからでしょう。
もちろん学生でもこの資格の取得を目指すことができます。入社前に取得しておくことで入社後も大きなアドバンテージとなるでしょう。
第三種電気主任技術者
「第三種電気主任技術者」の資格を取得するためには、工業高校の電気科を修了する程度の知識を有することが必要です。
また、第一種については、大学工学部卒の学歴が必要です。
また、試験には計算も含まれるため、高校レベルの理数系の基礎知識も必要です。
電気系専攻であれば十分勉強可能な書籍等の参考書もありますが、電気系専攻でない人が資格の勉強をするのは難しいのが現状です。
難易度が高いため、専攻が電気系であったり、電気系の素地があったりする場合は、取得そのものが就活で有利に働くことがあります。
無線従事者
日本無線協会が主催する無線従事者向けの国家試験には、総合無線通信士、海上無線通信士、陸上無線技術士、特殊無線技士などがあります。
「第一級アマチュア無線技士」は、アマチュアでも取得できる資格ですが、業務で使うには制約があります。
「第三級陸上特殊無線技士」は、実務経験がなくても取得できる無線従事者向けの資格です。最近では、消防や列車無線、ドローンの飛行に関連する業務でも、この資格の必要性を訴えようとする動きがあるようです。近い将来、ドローン関連の業務を行うことを想定している人は、資格の取得をしておくとよいかもしれません。
情報系のおすすめ資格
情報系の資格は、システム系のエンジニア就職以外では、必ずしも就職の必須条件ではありませんが、持っているだけでスキルがわかり、就職先から信頼されることがあります。例えば、「ITパスポート」「情報処理技術者」「情報セキュリティマネジメント試験」などです。
ITパスポート
ITパスポートは、情報技術に関する最も基本的な資格の1つです。
ITリテラシーと情報セキュリティの基本的な知識を評価するもので、情報処理技術者試験の一部として標準化された試験です。
かなり基本的な部分がメインの資格試験のため、エンジニアのポジションを目指す人は、さらに上位資格「基本情報技術者」の資格取得をあわせておすすめします。
しかし、基本的なITリテラシーとPCスキルを証明することができるため、どの業界を選択しても役に立つ資格です。エンジニア以外の仕事を目指す人にとっては、もはや必須スキルを証明する資格となります。
基本情報技術者
基本情報技術者試験の取得は、エンジニアとしてのキャリアを目指す方におすすめです。
特にエンジニアやプログラマーなどの技術職に就いた場合は、資格取得の褒賞として賞与や昇給がある企業もあるので、ぜひ取得しておきましょう。
ITパスポートと比較すると、プログラミングの知識だけでなく、高度なIT情報が必要とされるなど、より難易度の高い試験となっています。
また、企業によっては社員に取得必須としている場合もあるので、学生時代にあらかじめ取得しておくとよいでしょう。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティマネジメントの計画・運用・評価・改善を通して組織の情報セキュリティ確保に貢献し、脅威から継続的に組織を守るための基本的なスキルを認定する試験です。
国家資格であるため、情報技術に関する幅広い適性を得ることができ、さらに国の資格試験であるため、ITに関する確かな理解力があることを証明することが可能です。
難易度もそれほど高くなく、情報処理技術者試験の中では、ITパスポートの次にとるとよいとされる資格です。そのため、ITパスポートと同様に、この資格はコンピュータ技術者には適さないかもしれません。
しかし、経理や総務など、個人情報や組織の機密情報を扱う部署への就職を希望する場合には、この資格が有利になることもあるでしょう。
エンジニア就活では、まずは機械系資格を取得しよう!|まとめ
資格取得で個人の資質を高めることは、就職に有利に働くだけでなく、入社後チームの一員となったときのパフォーマンスを最適化することにもつながります。
また、専門知識が必要となる機械・工業系の資格取得の勉強を通し、自分の知識や能力をさらに高めたいという意欲を示すことで、採用担当者にあなたの向学心ある姿勢を示すことができます。
多くの企業では、資格を持っている人ほど高い報酬を得ることができ、さらに実務経験を積むことで新たなチャンスが広がり、さらに給与アップや昇進などにつながることもあります。
研究などで多忙な理系学生にとって、就職活動の段取りと優先順位付けは欠かせません。
そのためには、資格取得の必要性が高いかどうかを見極め、具体的な計画を立ててから臨みましょう。
エンジニア就活では、機械系資格取得に向けて勉強することで、就活に有利になることもあるため、視野を広く持って、あらゆる可能性を探り、就職活動を有利に進めましょう。