集団面接の対策は?流れやマナー、質問例、注意すべき点を交えて解説

就活ノウハウ

就職活動においては避けて通れない面接。

また、面接といっても、応募者1人に対し複数人の面接官が担当する「個人面接」と、応募者複数人が同じ面接室で面接を受ける「集団面接」があります。

どちらも面接ではありますが、「個人面接」と「集団面接」では、実際の面接の流れや評価されている点が異なります。

今回は「集団面接」に焦点をあて、どのように対処すればよいのか見ていきましょう。

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集団面接(グループ面接)とは

集団面接(グループ面接)とは、応募者複数人が同時に面接を受ける形態を指します。面接官は1名のこともあれば複数人が担当する場合もあります。

集団面接では、応募者全員が同じ質問に対し順番に答えていくことが多いため、自己PRや学生時代に頑張ったことなど、ある程度決まった内容の質問をされることが多い傾向にあります。

また、他の応募者も同時に面接を受けることから、個人面接とは別物と考え、集団面接ではどのような点が評価されるのか理解して臨むことが重要です。 

集団面接と個人面接の違い

集団面接と個人面接には、大きく3つ異なる点があり

  • アピール時間が短いこと
  • 一緒に面接する応募者と比較されること
  • 他の応募者の回答を聞く時間があること

が挙げられます。これらのポイントに注意して臨むことが大切でしょう。

アピール時間が短い

集団面接は、応募者複数名が同時に面接されることから、1人あたりのアピール時間は個別面接に比べて短いと言えます。

集団面接に参加している応募者は1人ではありません。そのため、面接時間が長く設定されていたとしても、1人当たりの持ち時間としては短くなると考えられます。

また、集団面接では、1人の応募者のみが発言を続けてしまうと、他の応募者の発言時間を奪ってしまうことにもつながり、「自己中心的である」という評価をされてしまうこともあります。

応募者が1人ではないということを念頭におき、例えば最初の自己紹介は1分程度におさまるようにするなど、短い時間の中でもしっかりアピールできるよう入念に準備をしておくことが重要でしょう。

一緒に面接する応募者と比較される

一緒に面接を受ける応募者同士を比較する可能性がある点にも注意が必要でしょう。

集団面接では、同じ質問内容をすべての応募者に順次聞いていくことが多いため、同じ質問に対しどのように答えるか、応募者同士を比較して、より優れている人を評価する「相対評価」を行い、次の面接に案内する応募者を決めていることもあると言われます。

一方で、他の応募者よりも「良い回答をしないといけない」と焦るあまり、他の応募者の意見が優れていると感じてしまったり、内容が被ることで慌ててしまったりということもあるでしょう。

そのため、比較されている可能性を認識しておく必要はありますが、他者の回答に慌てず、自分自身のアピールポイントをしっかり伝えていくことが大切です。

他の応募者の回答を聞く時間がある

他者の回答を聞くことができるというのは、集団面接ならではのポイントです。

個人面接では、同時に面接を受ける応募者は1名であることから、他の応募者がどのように回答したか知ることはできません。一方、集団面接では、最初は意図が分からず即答が難しい質問であっても、他の応募者の回答を聞くことで、自分も回答できるようになる可能性があります。

一方で、集団面接において、他の応募者の回答を聞く態度もまた評価されている可能性があるため、他の応募者が回答している時間であっても、気を抜かず聞く姿勢を大切にすることも重要です。

一般的な個人面接の流れや対策についてはこちらの記事をご覧ください。

集団面接の流れ

一般的な集団面接の流れとしては

  • 入室および挨拶
  • 自己紹介
  • 志望動機および自己PR
  • 面接官からの質問
  • 応募者からの質問
  • 退出

というような順序で行われます。流れ自体は個人面接と大きく変わりません。

一方、1時間程度と個別面接と比べ長く設定されています。ただし前述の通り、1人当たりの持ち時間は短くなることがあり、注意が必要です。

集団面接の受付時のマナー

受付時のマナーは、集団面接であっても、個人面接であっても違いはありません。

事前に案内を確認し、30分程度余裕をもって面接会場に到着できるよう出発することが大切です。遅刻は厳禁です。

なお、実際に受付に向かう時間については、早すぎるのもあまり好ましくありません。極端に早過ぎる場合には受付の準備が整っておらず、迷惑をかけてしまうことも考えられます。したがって、実際に受付に到着するのは、指定された受付時間の「5~10分前」を目安とするのが良いでしょう。

受付では

  • あいさつ
  • 自分自身の氏名
  • 訪問の目的

をはっきり伝えることが大切です。面接会場によっては、身分証等を確認されることがあるため、学生証や面接の案内などをすぐ出せるようにしておきます。

多くの場合、受付後は面接控え室に案内されることとなりますが、企業によっては控室での雰囲気もチェックされている可能性があることから、不必要なこと(スマホをいじる、周囲の応募者と話し込むなど)はせず、静かに面接の順番を待ちましょう。

集団面接の入退室の手順を押さえよう

集団面接の入退室の手順は、複数人の応募者が同時に入退室をするという点が個人面接と大きく異なります。集団面接独特の入退室の手順を見ていきましょう。

入室時のマナー

集団面接では、先頭の人が代表して面接室をノックします。

面接室に入るとき、基本的にはドアを3回ノックし「どうぞ」と言われてから入室します。集団面接の場合には、一緒に面接を受ける応募者が同時に入室するため、番号が1番に指定されている人が代表してノックするのが一般的です

1番目の人から「失礼します」に加え、お辞儀をし、順番に入室していきましょう。また、最後に入室する人は、面接官に背中を向けないよう注意しながら、面接室の扉を閉めましょう。

入室後は、1番目に入室した応募者から順に奥のイスを利用します。全員がイスの横まで移動したら、応募者の氏名などの確認が行われ、着席を促されるという順で進んでいくのが一般的な集団面接における入室時の流れになります。

なお、面接控え室において、入室時の流れに関する説明があればその指示に従って入室してください。

退出時のマナー

退出時も応募者が複数人ということもあり、個人面接とは異なったマナーがあります。

面接官の終わりの合図に従い、応募者全員で席を立ち「本日はありがとうございました」に続き一礼しましょう。このタイミングは、応募者全員で合わせることが大切です

挨拶を終えたら、出入り口に近い人(最後に入室した人)から順に退出していきましょう。ドアの前まで来たら、「失礼します」に加え、再度一礼し、順次退室していきます。

最後に退室する人は挨拶を済ませたうえで、面接室のドアを静かに閉めて面接は終わりです。

このように、複数人の応募者が参加する集団面接では、退室の流れも個人面接と比べ違いがある点に注意しておきましょう。

集団面接を受けているときの注意点

集団面接では、個人面接とは異なる独特の注意点があり

  • 他の応募者が話しているときも気を抜かない
  • 回答は簡潔に
  • 言葉遣いに注意する
  • 他人の回答を気にしすぎない
  • 逆質問の機会があれば、積極的に質問する

といった点に注意する必要があります。

他の応募者が話しているときも気を抜かない

他の応募者の話もしっかり聞く姿勢が大切です。

集団面接では、同じ質問を全員が回答するという機会が多くあるでしょう。そのようなとき、自分の順番でなくとも、他の応募者の話に耳を傾けましょう。

集団面接では、回答しているときの回答内容のみでなく、他者の意見や話を聞く態度もまた評価対象の1つとなっている場合が多いです。

回答は簡潔に

集団面接では、簡潔な回答が求められます。

複数人の応募者を同時に面接する集団面接では、1人当たりに与えられている時間は限られたものです。

1人がだらだらと回答しすぎてしまうと、他者に迷惑が掛かるのみでなく、「協調性がない」「自己中心的」といったような評価を受けてしまう可能性があると考えられます。

そのため、回答は簡潔に行い、面接時間は全員のための時間という認識で回答を進めていくことが大切といえるでしょう。

言葉遣いに注意する

集団面接であっても、個人面接であっても、言葉遣いは大切です。

日ごろからの癖により、面接や社会においてふさわしくない言葉遣いが出てしまうことがあるかもしれません。

しかし、面接は「社会人としてのマナー」が備わっているか評価されている場でもあるため、正しい言葉遣いが求められます。そのため、日ごろから目上の人に使うことの多い「尊敬語」や「謙譲語」などを意識して使い、自然に自分の言葉としてつかえるようにしておくことも大切でしょう。

他人の回答を気にしすぎない

集団面接では他の応募者と回答が重なることがあるかもしれませんが、あまり気にする必要はありません。

例えば、大学院生が応募するような企業では、「学生時代に頑張ったことは」という質問に対して「研究活動」と回答する例は多いと考えられ、他の応募者と回答が重なることがあるかもしれません。

確かに、回答が重なることによって慌ててしまうことはあるかもしれません。一方で、研究活動を通じて「応募者自身がその経験を通じ、何を得たか」というのは、応募者ごとに異なると考えられますし、そのような部分を面接官も聞きたいと思っています。そのため、重なったことを気にする必要はないでしょう。

また、重なってしまったことを逆手にとらえ、「〇〇さんと同じく、私も研究活動に注力しました」などと回答に盛り込むことで、他者の話をきちんと聞いていることをアピールできるのではないでしょうか。

逆質問の機会があれば、積極的に質問する。

面接終盤に、逆質問(応募者→面接官への質問)の機会があれば、積極的に活用しましょう。

面接中に逆質問の時間を設けるのは「志望度の高さをはかる」ことや「企業との相性を見たい」ためです。逆質問がないことは、すなわち、会社への興味がないと取られてしまう可能性があることから、積極的に活用しましょう。

一方で、なんでも質問してもよいというわけではありません。ホームページを見ればわかるような質問は、企業研究が足らないと判断されてしまいます。

そこで、「内定を頂いた場合、資格など準備したほうがよいものはありますか」などというように、入社したいという意思が伝わるような質問を用意しておくと良い印象を与えられます。

面接時の逆質問の具体例を知りたい方は、以下のアカリク記事もぜひご覧ください。

集団面接でよく聞かれる質問

集団面接における代表的な質問例としては

  • 自己紹介
  • 学生時代に力を入れたこと
  • 志望動機
  • あなたのセールスポイントに関すること
  • あなたの短所に関すること
  • 今まで経験してきた挫折や失敗談に関すること

が挙げられます。それぞれの質問でどのような回答が求められているのか見ていきます。

自己紹介をしてください

まず頻出の質問として、自己紹介が挙げられます。

自己紹介をする際の必須事項としては、大学名、学部(研究科)名、氏名の3点です。

氏名等を述べた後、学生時代に力を入れたことや自己PR、スキルなどを述べると良いでしょう。なお、集団面接の場合にはあまりだらだら喋ることなく、1分程度で簡潔に自己紹介できるようにしておくことが重要です。

選考に通りやすい理系の自己PRの文例を以下のアカリク記事でご紹介しています。

ご自身の経験を交えてアレンジすることで、すぐに活用が可能です。

学生時代に力を入れたことを教えてください

入社後に、成果を出すことができる人物かどうか判断する質問と言われます。

大学院生の場合、「研究活動」を挙げる場合が多いのではないかと考えられます。研究活動を例とした場合

  • 研究概要とその課題
  • どのように解決したか
  • 研究活動で得た経験を入社後どう活かすか

という点について、簡潔に紹介できるようにするとともに、具体的なエピソードや数字を盛り込むことで、より伝わりやすい内容となるでしょう。

以下のアカリク記事では、人事に評価されるガクチカの文例を紹介しています。

ご参考にしてみてください。

志望動機を教えてください

入社を志望するに至った理由について、応募者の経験と交えて紹介できると良いでしょう。

実際の就職活動においては、多数の会社に応募するのが現実的だと思います。しかしながら、応募に至ったからには、その会社の理念や活動に何かしらの興味があるのではないでしょうか。

なぜ、自分自身がその会社に入社し働きたいのか、具体的なエピソードを含めて紹介できるようになれば、集団面接の中でも印象に残る志望動機に仕上げることができるでしょう。

自身のセールスポイントを教えてください

入社後、どのような点で会社に貢献できるかを伝えられるようにしましょう。

この質問は、応募者自身が持つスキルや性格・人柄について、どのように会社で活かせるか聞かれている質問になります。自分自身がこれまでに得てきた経験をもとに、入社後どのような部署でどのような活躍ができるか売り込むことが大切です。

そのため、応募する企業が求める人物像を理解し、自分自身のエピソードを交え、スキルなどをアピールすることが重要と言えます。

あなたの短所を教えてください。

長所・短所に関する質問もよく聞かれる質問の1つです。

短所に関する質問は、ただ短所を答えるのみでなく、その短所を克服するためにどのような工夫を行っているか合わせて回答を求められることが多いです。

自分自身の短所を理解し、適切に対策をできているか問題解決能力をはかられる質問でもあるため、日ごろから短所に対しどのように向き合っているか回答できるように準備しておきましょう。

今まで経験してきた挫折や失敗を話してください。

この質問も問題解決能力を評価しようとする質問です。

質問を通して面接官は、挫折や失敗談自体を聞きたいわけではありません。挫折や失敗を通じ、どのような経験を得てきたのか、入社後の仕事にどのように活かしていくことができるのかという点に興味を持っています。

そのため、単純に失敗したことのみをまとめるのではなく、失敗談などが今の自分自身にとってどのように活きているのか説明できるように準備しておきましょう

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面接前日までに準備しておくべき4つのポイント

面接前日までに準備しておきたいこととして

  • 会社概要や提出したエントリーシートをチェックする
  • 身だしなみを確認する
  • 想定問答集を作成しておく
  • 集団面接の流れやマナーを確認しておく

というような4点が挙げられます。なお、個人面接を何度も経験している人であっても、集団面接独特のマナーなどは最低限確認しておく必要はあるでしょう。

会社概要やエントリーシートをチェック

会社の基本的な情報や提出したエントリーシートは再度確認しておきましょう。

採用案内に掲載されているような会社概要(業務内容・経営方針・社長名・会社規模など)は、前日までに再度チェックしておきましょう。

さらに、面接自体は事前に提出している(あるいは、当日持参する)エントリーシートをもとに行われることから、自分自身が記載したエントリーシートの内容を再度確認し、どのようなことが聞かれる可能性があるかイメージしておくことが大切です。

エントリーシートの作成についてはこちらの記事もぜひチェックしてみてください。

身だしなみを確認する

身だしなみで人の第一印象は決まります。

基本的な身だしなみ

  • スーツやワイシャツに汚れはないか
  • 靴がしっかり磨かれているか
  • 爪が伸びていないか
  • 髪型は適切か
  • メイクが濃すぎないか

など、正しい身だしなみを整えることが出来ることは、社会人になるにあたっての最低限のマナーです。当日朝に慌てることがないよう、前日のうちに持ち物の準備とともにチェックしておきましょう。

想定問答集を作成

前日までに、質問内容をイメージし回答を準備しておきましょう。

想定問答集を作成することで、面接時に回答しやすくなるというメリットがあります。しかしメリットはこのことに限らず、質問の回答をイメージする中で

  • 自己分析がより進む
  • 会社で何をしたいか考えるなかで、働くイメージが沸く

など、質問に回答がしやすくなる点以外にも多くのメリットがあるため、前日までに準備をしておきましょう。

集団面接の流れやマナーを確認

個人面接と違い、集団面接では応募者が複数人同時に面接を受けるため、独特のマナーがあります。

個人面接と比較して

  • 入退室の手順
  • アピール時間が短い点(長すぎる話し方は協調性がないと判断されることも)
  • 他の応募者の話を聞く時間があること

などが異なります。 

Web集団面接で気を付けること

近年、Zoomなどのオンラインツールを活用したWeb面接(オンライン面接)が主流になっています。

地方に住む学生の応募機会を増やす目的や、感染症拡大防止対策のため、オンラインでの面接が多く行われるようになってきています。

オンラインで行われる面接でもほとんどの注意点は共通しますが、Web面接独特の注意点としては

  • インターネット環境が安定していること
  • 騒がしくない場所(特に集団面接では多くの応募者が参加するため)
  • 適切な明るさがあるところ(逆光などでは、表情が暗く見えてしまう)

などが挙げられます。Web面接独特の注意点を確認したうえで臨むことが大切でしょう。オンラインツールを活用した就活での注意点についてはこちらの記事もぜひチェックしてみてください。

集団面接独特のマナーに注意して臨もう

今回のコラムでは集団面接の流れやマナー、注意すべきポイントについてご紹介しました。

  • 集団面接は個人面接に比べて1人あたりのアピール時間が短いことが多い
  • 同時に面接を受ける他の応募者と比較されやすい
  • 他の応募者の回答を聴く時間がある

といった点が個人面接と異なります。面接内容自体が個人面接と集団面接で大きく異なるわけではありませんが、集団面接独特のマナーについて予習しておくことで、慌てることなく面接に挑むことができるでしょう。応募者が複数人同時に面接を受けることによる独特の注意点があることを抑えておく必要があります。

また、集団面接で聞かれる内容は、個人面接と大きく異なるものではありませんが、他の応募者と回答が被ってしまうことを心配をする人もいるでしょう。しかしながら、被ってしまうこと自体については特に問題なく、同じ内容であっても得てきた経験は異なるであろうと考えられることから、その点をアピール出来れば問題ありません。

他の応募者が同時に面接を受けることに緊張せず、入社したい気持ちをしっかりまとめ、リラックスして面接に臨みましょう。

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アカリクリポーターズとは、大学院生としての経験や知識を「リポート」するライター集団です。全員大学院在籍経験があり、これまでの研究経験や知識を活かして、大学院生の皆様に役立つ情報をお届けしています。専門分野は工学・化学・生命科学・心理学・社会学等様々です。

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博士号所持者/博士課程在籍経験のある編集者が監修しています。

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