今回は、AIエンジニアの平均年収や将来性について解説いたします。
AIエンジニアになる方法も併せて解説しているため、確実性の高いキャリアプランを計画する際に、お役立ていただければと思います。
何も戦略を立てずAIエンジニアを目指すと、効率が悪くなるだけではなく、途中で挫折をする可能性も高くなってしまいます。
また、AIエンジニアには適性がある方もいれば、残念ながらそうでない方もいらっしゃいます。
「どういった人材がAIエンジニアに向いているのか?」を把握し、自己分析と照らし合わせながら、ご自身の強みが活かせるかどうかを考えてみてください。
確実性の高いキャリアプランを構築するためにも、こちらの記事を参考にしていただけましたら幸いです。
AIエンジニアとは?
AIエンジニアとは、その名前の通り「AIの開発を行うエンジニア」のことです。
社会課題をAI技術によって解決するのが、AIエンジニアの重要な役割とされています。
AI(人工知能:Artificial Intelligence)とは「人間のように判断や学習が行えるソフトウェア」のことで、以下のような分野で活用されています。
- チャットボットなどの対話サービス
- 映像の画像処理や分析
- 医療や金融取引など専門家の知的業務の効率化や自動化
AIエンジニアは、多種多様なデータをAIにインプット・処理させることにより、AIを教育していきます。
AIエンジニアは、大きく分けると以下の2分野になります。
- プログラム分野・・・AIのプログラム開発
- アナリティクス分野・・・AIによって蓄積されたデータの解析・活用
AIエンジニアの年収
AIエンジニアの全国平均年収は558.8万円で、東京都平均は565.7万円です。
参照:厚生労働省 職業情報提供サイトjob tag(2022年)「AIエンジニア」
またIT人材白書によると、AI・人工知能エンジニアを含む先端IT従事者の年収分布は、600万円~700万円未満が最も多く「13.8%」となっています。
IT人材白書とは、情報処理推進機構(IPA)が年に1度実施している調査のデータをまとめたものです。
こちらによると、AI・人工知能エンジニアを含む「先端IT従事者※」の年収分布は以下の通りです。
※先端IT従事者:IT業務としてデータサイエンス、AI・人工知能、IoT、デジタルビジネス/X-Tech、アジャイル開発/DevOps、AR/VR、ブロックチェーン、自動運転/MaaS、5Gを選択した回答者
- 100万円未満・・・1.2%
- 100万円~200万円未満・・・1.0%
- 200万円~300万円未満・・・2.8%
- 300万円~400万円未満・・・6.2%
- 400万円~500万円未満・・・8.6%
- 500万円~600万円未満・・・9.4%
- 600万円~700万円未満・・・13.8%
- 700万円~800万円未満・・・10.8%
- 800万円~900万円未満・・・10.8%
- 900万円~1,000万円未満・・・9.0%
- 1,000万円~1,500万円未満・・・15.2%
- 1,500万円~2,000万円未満・・・1.8%
- 2,000万円以上 ・・・2.2%
引用:独立行政法人情報処理推進機構(2022年)「IT人材白書2020(P206)」
また、一般社団法人フリーランス協会の「フリーランス白書2022」によると、AIエンジニアが関連するIT・エンジニア系のフリーランスは17.5%が400〜600万円未満の年収です。
また、11.2%が600〜800万円未満で、800万円以上のフリーランスは17.5%となっています。
引用:フリーランス協会(2022)「フリーランス白書2022」
AIエンジニアの年収が高い理由
AIエンジニアの年収が高い理由は以下の通りです。
- 幅広いスキルの習得が必要
- 実務経験が必要
幅広いスキルの習得が必要
AI技術者に必要なのは、Python(パイソン)などのプログラミング言語やデータベースなどのITスキルだけではありません。
AIエンジニアは、機械学習やディープラーニングの理解が基礎能力となります。
それに加え、英語力(主に読解力)、数学や統計の知識、さらにはデータ解析などのアナリティクス技術も必要です。
幅広いスキルの習得が必要であり、それらのスキルを習得した人材の希少価値が高いため、年収が高くなる傾向にあります。
実務経験が必要
AIエンジニアの求人には高度なスキルが必要なため、実務経験を求められる内容が多いです。
そして、実務経験を積んだAIエンジニアはハイレベルな技術を持つため、年収も高くなります。
もし、新卒からAIエンジニアを目指す場合でも、以下のスキルが必要です。
- 機械学習やディープラーニングの知識
- データ分析の知識(データの準備、精査、加工など)
- Pythonなどのプログラミング言語を用いたAI実装スキル
- AIが活用可能な分野の知識(音声認識、画像認識、言語解析、言語解析など)
- 数学的な知識(微分積分、線形代数、統計学、確率論など)
AIエンジニアになるための教育機関
AIエンジニアになりたい場合は、以下の教育機関がおすすめです。
- 大学や大学院で情報科学を専攻する
- AIの専門学校で学ぶ
情報科学科で学べること
情報科学科では以下の内容が学べます。
- プログラミング言語
- データベース
- データサイエンス
- 統計学
- AI、ビッグデータIoTなどの最新技術
AIの専門学校で学べること
AIの専門学校では以下の内容が学べます。
- クラウド技術・・・クラウドサービスを利用したサーバやインフラ環境の構築
- IoT・・・センサー、アクチュエータ、ハードウェアのプログラミング
- AIプログラミング・・・データ前処理、機械学習
- 問題解決スキル・・・クリティカルシンキング、ロジカルシンキング、ディベート
情報系以外の学生がAIエンジニアになるためのステップ
情報系以外の学生がAIエンジニアになるためのステップは、以下の通りです。
- エンジニアとして実務経験を積む
- AI関連の学習をする
- 転職活動をする
エンジニアとして実務経験を積む
情報系以外の学生が、いきなりAIエンジニアへ就職するのはハードルが高いです。
まずは、エンジニアとして実務経験を積むとよいでしょう。
代表的な選択肢としては、以下のような種類があります。
- サーバーサイドエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- インフラエンジニア
- データベースエンジニア
どのエンジニアに就職するかは、ご自身の適性も考えて判断するとよいでしょう。
それぞれのエンジニアに適した人材は、以下の通りです。
- ロジックを組むのが好き・・・サーバーサイドエンジニア
- 綺麗で便利な見た目を作るのが好き・・・フロントエンドエンジニア
- 縁の下の力持ちになりたい・・・インフラエンジニア
- データ解析が好き・・・データベースエンジニア
AI関連の学習をする
AIエンジニアになるには、以下の知識が必要です。
エンジニアとして実務経験を積みながら、以下の内容を学習していきましょう。
- AI開発に向いたプログラミング言語(Python、R、C++など)
- データベース(PostgreSQL、Oracle、MySQLなど)
- 機械学習やディープラーニング
- 数学や統計
- データ解析
また、学習手段としては以下のような選択肢があります。
- 書籍
- プログラミングスクール
- 教材販売プラットフォーム
無料で利用できる学習サービスもありますので、まずはそちらから取り組んでみてください。
AIエンジニアの転職活動をする
学習をして基礎的な知識やスキルが身に付いたら、求人サイトに登録して転職活動をされてみてください。
その際、エンジニアとしての実務経験を証明するポートフォリオもあると有利に働きます。
ご自身の実力を確実にアピールできるよう、面接練習もしておきましょう。
場数を踏むと徐々に慣れてくるため、自然な雰囲気で面接官と接することができるようになります。
面接では実力だけではなく企業や仕事内容との相性も考慮されますので、採用されなくても落ち込む必要はありません。
改善を重ねながら、着実に採用へと近づいていきましょう。
まとめ
AIエンジニアの平均年収は以下の通りです。
- 全国平均年収・・・558.8万円
- 東京都平均年収・・・565.7万円
AIエンジニアの年収が高い理由は以下の通りです。
- 幅広いスキルの習得が必要
- 実務経験が必要
情報系以外の学生がAIエンジニアになるためのステップは、以下の通りです。
- エンジニアとして実務経験を積む
- AI関連の学習をする
- 転職活動をする
AIエンジニアを目指されている方は、ぜひ参考にされてみてください。