大学院生(修士)の年間スケジュール:講義・研究・就活など、1日の過ごし方の例をご紹介

研究・大学生活

この記事では、大学院生の年間スケジュールおよび一日の過ごし方について紹介します。

1年目のスタートの時期に行うべきことと、2年目以降の学位論文の執筆等のスケジュールについてまとめています。

また、キャンパスや研究室内における講義・研究などの一日の過ごし方の一例や、研究生活のスケジュール・管理方法を紹介します。

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修士課程の大学院生の年間スケジュール

はじめに、修士課程の年間スケジュールを解説します。

修士課程1年目と2年目に分けてそれぞれの年間スケジュールを提示します。

なお、この記事では、春入学(4月入学)の場合を中心に紹介いたします。

修士課程1年目のスケジュール

4月初旬 入学式

春学期入学者の場合、修士課程1年目(M1)の4月初旬に入学式が行われます。

大学の学部と同じ日程で入学式を行う大学院もあれば、大学の入学式とは別日程で行われる大学院もあります。

例えば、2023年度の慶應義塾大学大学院の場合は、4月1日に大学学部の入学式が行われ、4月3日に大学院の入学式が行われました。

大学院のガイダンスは入学式前後に行われることが多いため、ご自身の所属する研究科の案内をしっかりと確認しておきましょう。

4月上旬から中旬 ガイダンス・履修登録

4月上旬から大学院の授業が始まります。

正式な履修申請期間は4月上旬から中旬であることが一般的ですが、履修を検討する講義の初回授業は必ず参加するようにしましょう。

初回の授業は授業内容の概要や進め方について担当の教員から説明されます。

学部の授業と比べると、大学院の授業はゼミ形式の講義形態をとることも多いため、人数制限が設けられることもあります。

したがって、開講科目によっては、初回授業に参加した大学院生のみを履修可能とする場合もありますので、入学後速やかに履修案内を見てスケジュールを組み立てましょう。

講義によっては修士課程1年生以外にも2年生や博士課程の大学院生が参加することもあります。

大学院の授業では、学生自身が授業内で発表を行う機会が多く、初回の授業で発表順を決めることもあります。

発表順は、希望者から行う場合や、担当の教員の指名によって決まる場合もあるため、入学して間もない頃は、できるだけ発表の時期を他の履修科目と分散するようにすることをおすすめします。

履修科目の成績の評価方法についても、初回講義で説明されることが多いです。

科目によっては、定期試験での評価以外にも、小論文やレポートを課す場合もあります。

成績の評価方法については、初回の講義で説明されますので他の科目との授業準備の負担を考えてきちんと確認しておきましょう。

7月から8月

7月中旬から8月上旬には初回講義で説明された方法で試験やレポート提出が求められます。

7月下旬〜9月中旬の間に夏休み期間が設けられることが多いです。
この間、講義はありませんが、研究室によってはゼミが継続して実施されたり、大学学部生を含めた研究室の合宿があったりします。

合宿の場でも、大学院生が研究報告をする可能性がありますので、研究は継続して進めておく必要があります。

10月 後期開始

夏休み期間が終わると、秋学期が始まります。

なお、秋入学の大学院生は9月下旬に入学式が行われます。

ガイダンス日程についても春学期入学者同様、各研究科の案内をよく確認しておく必要があります。

講義内容は春学期とあまり変化ありませんが、修士課程2年生へ向けて修士論文の構想発表なども行うようになります。

また、修士課程2年生による修士論文の成果発表を聞く機会も増えますので、1年後の参考にするとよいでしょう。

なお、この時期に多くの大学で大学祭(学園祭)が行われますが、学祭期間は講義も休講になることが多いです。

所属の研究室によっては、学祭期間中に研究報告をしたり、大学生の研究報告の準備を手伝ったりすることもあります。

12月以降

12月下旬〜1月初旬は、冬季休講期間になります。

休講期間後の1月下旬には期末試験が集中するので、試験対策を進めておきましょう。

参考:慶應義塾大学塾生サイト「塾生スケジュール(学事日程)」
https://www.students.keio.ac.jp/com/class/schedule/academic-calendar.html

参考:大阪大学大学院理学研究科・理学部「行事予定表・学年暦」
https://www.sci.osaka-u.ac.jp/ja/campuslife/gradehistory/

修士課程2年目のスケジュール

それでは、次に修士課程2年目(M2)のスケジュールについてご紹介します。

1年間の大きな流れは修士課程1年目と変わらないため、特に修士論文執筆と修士課程修了に向けての手続きなどについて詳しく説明します。

4月

新年度に入ると修士課程1年目と同様、ガイダンスや履修関連資料の配布などが4月に行われます。

また、1年ごとに学生証を更新する場合は、年度の切り替わり時期に行われます。

とくに、学生証の更新は忘れがちになるので大学院からの新年度の案内をきちんと確認しましょう。

夏以降

履修に関しては、修士課程1年目と大きな変化はありませんが、講義内での「修士論文中間報告」を行うことが増えます。

「中間報告」ということは、すでに研究が進んでいることが前提なので、修士課程1年目で修士論文の構成を仕上げ、実際に実験や調査などを進めておくことが求められます。

修士論文中間報告では一定程度の研究成果が求められますので、実証研究の場合はとくに途中経過の段階でもよいので研究成果を提示できるようにしておきましょう。

中間報告である程度の研究成果を提示できない場合、担当の教員による有意義なアドバイスがもらえない恐れがあります。

研究が順調に進んでいる場合は、学会大会での発表に挑戦できる場合もあります。

多くの研究者から意見を貰うことができるため、修士課程の間に学会大会などで報告することができれば、研究内容はさらにブラッシュアップしていきます。

また、学会大会での発表は研究業績となるため、就職活動や博士課程進学の際にも有利に働くことがあります。

チャンスがあれば、積極的にチャレンジしてみてください。

1月から2月 修士論文の提出

修士課程の集大成ともいえる修士論文の提出時期は大学によって異なりますが、大体1月初旬から中旬となります。2月上旬が締め切りという大学院もありますので、所属の大学院における締め切りを確認するようにしましょう。

提出方法も大学院によって異なりますが、製本した上で大学窓口に手渡しで提出することが求められる場合もあります。

製本をするためには専門業者に依頼する必要があり、一定期間時間を要します。

そのため、修士論文は計画的に執筆して、早めに製本業者へ問い合わせておきましょう。

2月から3月 口頭試問

修士論文提出後は、2月下旬から3月初旬にかけて口頭試問や修士論文発表会が実施されます。

これらを経て、修士課程の修了認定の通知が届きます。

学位授与式は、3月中旬〜下旬に行われるのが一般的です。

参考:慶應義塾大学塾生サイト「塾生スケジュール(学事日程)」
https://www.students.keio.ac.jp/com/class/schedule/academic-calendar.html

参考:大阪大学大学院理学研究科・理学部「行事予定表・学年暦」
https://www.sci.osaka-u.ac.jp/ja/campuslife/gradehistory/

修士論文の執筆についてはこちらの記事もぜひご覧ください。

就活スケジュール

以上が修士課程全体のスケジュールです。ここではさらに、就活に関連するイベントのスケジュールを確認しておきたいと思います。

大学院生の就活においてはM1の終わりからM2のはじめにかけての時期に内定が出されはじめます。このタイミングから逆算し、計画的に活動を進めることが重要です。

M1の時期では夏期休暇と冬期休暇の時期に集中してインターンシップが開催されるため、興味がある企業のイベント情報はチェックしておくと良いでしょう。

修士課程学生の就活についてはこちらの記事もご覧ください。

大学院生の一日の過ごし方

先述の年間スケジュールを参考に、大学院生の一日の過ごし方を紹介します。

文系院生と理系院生では、過ごし方が異なる場合が多いため、それぞれ分けて説明していきます。

年間スケジュールから逆算して、一日、一週間、一ヶ月の流れを組み立てて行くことをおすすめします

文系大学院生の一日

ここからは、文系大学院生の一日を講義がある日、講義がない日それぞれについて解説していきます。

講義がある日

履修の組み立て方によってキャンパスに向かう時間は変わりますが、講義のない時間は図書館や院生室などで過ごしてプレゼンテーション・報告・レポートの準備を行います。

文系院生の研究には、文献が必須なので図書館を利用している大学院生が多いように思います。特に、史実に基づく歴史研究を行う場合は、文献が欠かせません。

講義の合間を使って課題や研究を進めていくことになりますので、朝から夜までキャンパスにいる大学院生も多いです。

また、大学によっては、学内のスチューデントアシスタント(SA:学生の補助)やティーチングアシスタント(TA:教員の補助)等が募集されており、自分の授業がない時間帯はSAやTAといったアルバイトをする大学院生もいます。

講義がない日

講義がない日も、講義がある日と同様に大学院に行く場合が多いです。

理由は、研究にやはり文献が必要になるからです。ただし、文献を自宅に持ち帰ることができれば自宅で研究を進めることも可能です。

この点、専用の機材を使用した実験を必要とすることが多い理系院生とは大きく異なります。

また、講義がない日にアルバイトをする大学院生もいます。ただし、アルバイトする場合には、慎重に計画を練る必要があります。

研究に支障をきたさない範囲でアルバイトをしましょう。

理系大学院生の一日

ここからは、理系大学院生の一日を講義がある日、講義がない日それぞれについて解説していきます。

講義がある日

講義がある日は、講義の合間にキャンパス内でプレゼンテーションや報告、レポートの準備を行います。

図書館も活用しますが、所属する研究室にいる時間が長いのが理系院生の特徴です。

特に、実験を中心とする研究を行っている場合は、必然的に研究器具や環境が整っている研究室での時間が長くなります。

講義がない日

講義がない日であっても、実験のために研究室に行く大学院生が多いです。

この点は文系院生と異なる点です。

実験器具・環境が必須なため、場合によっては休日であっても朝から夜まで研究室で過ごします。

また、共同研究として指導教員の実験の手伝いを行うこともあります。

他にも、所属する研究室の先輩大学院生の実験補助をすることもあるので、事前に研究室を選ぶ際には、どの程度自分の研究が優先して進められるか調べておきましょう

講義がない日も多忙に思えますが、アルバイトをしている理系大学院生も多くいます。

大学院生のスケジュールの組み方・管理方法

最後に、「スケジュールの組み方」と、おすすめの「スケジュール管理方法」を紹介します。

大学院生のスケジュールの組み方

大学院生のスケジュール管理で意識すべき要素として、講義、研究室のゼミ、自身の研究における実験・調査、修士論文の執筆、就活、アルバイトや息抜きなどプライベートのための時間が挙げられます。
年間スケジュールの部分でも述べましたが、履修を組む際は、プレゼンテーションや修士論文の構想報告等が重なっても対応できるように曜日を分散させるなどの工夫をして、負担を少なくしておきましょう。

また、修士課程2年目になれば修士論文の研究・執筆が山場を迎えるため、必修科目はできるだけ修士課程1年目のうちに履修しておくのがおすすめです。
また、アルバイトを行う場合には、研究に支障をきたさないようにしましょう。

特に、修士課程2年目の夏以降は修士論文の執筆に時間を要するため、スケジュールにゆとりをもたせておくことをおすすめします。M2の夏ごろまでに修士論文に掲載する主要な研究結果を出すことができれば、秋以降の執筆がスムーズに進みます。

修士論文の製本が必要な場合には、秋から年内までに執筆を終わらせて、年明けに製本できる手配をしておきます。

就活においてはM1のはじめごろから徐々に企業研究を進め、夏や冬のインターンを通じて業界や企業を絞り込んでいきます。インターンの参加において選考がある場合もあるため、エントリーシートや履歴書など、準備に時間が掛かることもあります。

したがって、修士課程では、履修している授業に取り組みながら、研究を行い、就活も進める必要があります。気を抜くといずれかが疎かになったりすることも考えられますので、計画的に進めていきましょう。

スケジュールの管理方法

大学院生はゼミ形式の講義が多く、プレゼンテーションや修士論文の構想報告等で多忙を極めます。

また、大学院事務や学会などへの提出締切の時期が重なることもあります。そのため、自分なりのスケジュールの管理方法を確立しておく必要があります。

スケジュール管理の方法としては、スマートフォン・パソコンでの管理と併せて手帳を携帯することをおすすめします。

スマートフォン・パソコン等のデバイスのみでも管理できますが、大学院生はそれらのデバイスを用いながら講義を受け、プレゼンテーションすることがほとんどなので、それらの動作と同時並行で使用できる手書きの手帳が意外と便利です。

また、大学院生は研究が多忙ということもあり、漏れや失念することがないように、二重で予定を管理する意味もあります。

筆者自身の経験ですが、日程を手帳に手書きで書き込むことで、思考が整理され研究計画も緻密に練ることができました。

手帳には、スケジュールと併せて「ToDoリスト」を作成し、1日の過ごし方の組み立てからスタートして、1週間・1ヶ月と予定を膨らませることができます。

ぜひ、スケジュールの管理のために手帳を活用してみてください。

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大学院生活は授業に研究に就活にと非常に忙しいものとなります。それぞれの時期で取組むべき事柄が多々あるので、計画的に進めましょう。

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まとめ

本記事では、修士課程の大学院生の年間スケジュール、大学院生の1日の流れ、スケジュールの組み方、スケジュールの管理方法について紹介しました。

大学院生のスケジュールは大学生と比べてより柔軟である一方で、学生自身が準備をすることも多いため日々を計画的に過ごすことが重要です。

本記事を参考に、大学院生活を充実させてください。

  • M1は、プレゼンテーションや修士論文の構想報告等のタイミングが重ならないように履修を組み立てる。
  • M2は、修士論文の研究成果を夏までに出し、秋以降は執筆にあてる。
  • 内定獲得はM2春ごろから。逆算してM1のうちから活動する。
  • スケジュール管理については、スマートフォン・パソコンと、手書きの手帳を用いて二重に管理することがおすすめ。
  • 手帳にはToDoリストを作成し、1日・1週間・1ヶ月のうちにやるべきことを可視化すると円滑に研究が進められる。

大学院入学から学位取得まで、いきなり計画を立てることは難しいと思います。

したがって、まずは年間スケジュールから大まかな就活スケジュールや大学の学事日程を把握し、自身の計画に落とし込んでいきましょう。

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