せっかく研究を行うからには、いつかは自分の研究結果を論文として学術雑誌に載せることを目標にしている人は多いのではないでしょうか?
学術雑誌に掲載された論文をジャーナル雑誌といいいます。
ジャーナル論文をはじめて執筆する人の中には、「どのように書けばいいの?」や「査読のときに見られるポイントは?」などの疑問が有ると思います。
この記事では、ジャーナル論文の書き方や、査読時に見られるポイントについて解説をします。
ぜひ、最後まで読んでジャーナル論文の執筆の参考にしてください。
学位論文とジャーナル論文の違い
ジャーナル論文の書き方を紹介する前に、ジャーナル論文と学位論文の違いについて紹介をしたいと思います。
学位論文とは
学位論文は、大学生や大学院生が学位を得るために書く論文です。主に指導教員が主査、近い分野が専門の学内外にいる教授などが副査としてあなたの学位審査を行う人になります。
ジャーナル論文とは
ジャーナル論文は、学術雑誌に掲載される論文のことです。掲載されるためには、研究者による査読を通る必要があります。学位論文のターゲットとなる読者が教授陣だったのに対し、ジャーナル論文のターゲットとなる読者は、世界中の研究者となります。
ジャーナル論文を載せるための書き方
ここからは、ジャーナル論文を載せるための書き方について解説をします。
ジャーナル論文の目的
ジャーナル論文を投稿する主な目的は、研究成果を整理し公開することで議論したり参照したりできる状態にすることです。その積み重ねが研究者としての業績を確立することにも繋がるのです。その他にも、関連する研究分野の研究者に有益な情報を提供するなどの面もあります。
ジャーナル論文の文字数
投稿するジャーナルによって異なります。例えば、Scientific reports (https://www.nature.com/srep/) では、本文を4500語程度で書くことが推奨されています。
まずは、あなたが論文を投稿しようと考えているジャーナルが、どのような規定を設けているかを確認してみましょう。
ジャーナル論文の書き方
一般的にジャーナル論文は、以下のような構成です。
1) Abstract、2) Introduction、3) Materials & Methods、4) Results、5)Discussion、7) Acknowledgement、8) Reference
ジャーナル論文を執筆する際、必ずしもこれらの順番通りに書いていく必要はありません。比較的書きやすいMaterials & MethodsとResultsを最初に完成させ、最後にIntroductionとDiscussionを執筆するという人が多いようです。
査読の時に見られていること
あなたの論文の主張に十分な根拠が有るかが査読で最も重要です。例えば、実験方法は適切か、先行研究や関連する研究成果を参照しながら新規性が明確にできているかなどが見られます。
研究方法に問題がある場合や、論文に記載した結果だけでは主張を認めるのに不十分な場合には、例えば査読者から実験のやり直しや、追加検証をするように求められることもあります。また、参考文献数が極端に少ない場合も、査読者から指摘をされることがあります。
また、あなたが投稿した論文が、ジャーナルの分野に適していない場合や、ジャーナルの規定に従っていない場合にも不採択となることがあります。
このような結果にならないために、事前に自分の論文に適したジャーナルを調べたり、投稿予定のジャーナルの規定をしっかりと確認したりしておきましょう。
実際に、論文がジャーナルのコンセプトと合致していなかったり、参照している文献が不十分だったことが原因で不採択となった人がいます。そのため、これらのポイントを意識しながら、論文を執筆することをオススメします。
ジャーナル論文は修士でも載せられるのか
今回はジャーナル論文の書き方や、査読時にどのようなポイントが見られているのかに付いて紹介をしました。
ただ、この記事を読んでいる大学生や大学院生の中には、「ジャーナル論文を書きたいけど、博士課程じゃないと載せられないんじゃないの?」と思う人もいるのではないでしょうか?
結論から言うと、大学生や修士課程の大学院生でもジャーナル論文を載せることは可能です。
ただ、論文作成に必要なデータが出ていることが大前提ですので、ジャーナル論文を投稿したいと考えている大学生や修士課程の学生は、自身の研究テーマに積極的に取り組むようにしましょう。