理系のインターンシップに参加しようと思っているけれど、どこから手をつければいいのかわからない方は少なくありません。
こちらでは、1dayイベントとの違い、学部2〜3年から動く理由、専攻ごとの選び方まで、理系学部生向けにインターンの基礎について1から解説しています。ぜひ最後までご覧ください。
1.理系のインターンシップとは|学部生が知っておきたい基礎と特徴
理系学部生がインターンシップを検索し始めると、「何から始めればいいのかわからない」と感じることがあります。まずはインターンシップがどんな目的で行われ、理系ならではの特徴があるのかを押さえておきましょう。
インターンシップの基本的な役割
インターンシップとは、在学中の学生が企業や研究機関で一定期間就業体験をおこなう制度です。企業側は将来の採用候補者に仕事の実態を伝える場として活用し、学生側は業界・職種・企業文化を自分の目で確かめる機会として参加します。
就職活動が本格化する前の段階で参加しておくことで、自分に合う業界や職種の見当がつき、エントリーシートや面接で語れる具体的なエピソードが生まれます。
理系学部生のインターンならではの特徴
理系学部生がインターンシップを探すとき、文系とは異なる選択肢があります。
一つは、研究・技術系の職種枠が多く設定されていることです。製造業・化学メーカー・電機メーカー・IT企業は、学部生向けにも研究補助や開発補助の体験プログラムを用意しているケースがあります。
もう一つは、理系限定または理工系優遇のプログラムが存在することです。企業によっては、理系の学部生に絞ったサマーインターンを実施し、学生の研究スキルや理系思考を評価しようとするところもあります。
また、一部の企業では、インターンへの参加が後の採用選考と連動します。「インターンに参加しておいて損はない」というのは、理系学部生にとっても当てはまります。
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2.インターンの種類と4類型|1day・オープンカンパニーとインターンシップの違い
インターンという言葉は広く使われていますが、参加する前に知っておきたい制度上の区分があります。「1dayインターン」と「インターンシップ」は、実は制度のうえで明確に区別されています。
「インターンシップ」と呼べるのはどれか
2023年度(令和5年度)の就職活動から、文部科学省・経済産業省・厚生労働省の三省が合意したガイドライン(正式名称:「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」)が適用されています。
このガイドラインでは、企業が実施するキャリア支援プログラムを、内容によって次の4つのタイプに分類しています。
| タイプ | 呼称 | 就業体験 | 採用への活用 |
|---|---|---|---|
| タイプ1 | オープン・カンパニー | なし(見学・説明会) | 不可 |
| タイプ2 | キャリア教育 | なし(講義・ワーク) | 不可 |
| タイプ3 | 汎用的能力・専門活用型インターンシップ | 必須(半分超が就業体験) | 卒業・修了年度の3月以降に活用可 |
| タイプ4 | 高度専門型インターンシップ | 必須 | 同上(主に大学院生が対象) |
出典:文部科学省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(令和4年6月改正)」
制度上「インターンシップ」という名称を使えるのはタイプ3とタイプ4だけです。タイプ1(オープン・カンパニー)やタイプ2(キャリア教育)は、説明会やワークショップの延長にあたり、採用選考への直接的な活用は認められていません。
タイプ3が理系学部生に直接関係する
理系学部生がとくに注意したいのはタイプ3です。タイプ3の主な要件は以下のとおりです。
- 実施期間:5日間以上が目安
- 就業体験が実施期間の半分を超えること
- 対象:主に学部3年生・修士1年生以上
- 参加で取得した学生情報は、卒業・修了年度の3月以降に広報、6月以降に採用選考に活用可
出典:文部科学省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(令和4年6月改正)」
つまり、タイプ3に参加した場合、企業はそこで得た情報をのちの採用選考でも参照できます。学部2〜3年のうちからタイプ3に参加しておくと、3〜4年生での就職活動がより具体的な文脈で動かせるようになります。
タイプ4は大学院生(修士・博士)が主な対象のため、学部生には基本的にタイプ1〜3が中心となります。
1dayインターンは「インターンシップ」ではない
1日間のプログラムは、就業体験が実質的に含まれないことが多く、制度上はオープン・カンパニー(タイプ1)に分類されます。企業や就職情報サービスが「インターン」と呼んでいる場合でも、内容が会社説明や座談会だけであれば、タイプ1にあたります。
1dayやオープン・カンパニーは、企業の雰囲気をつかむ入口として役立ちますが、採用選考への直接活用はされません。「就業体験をしたい」「選考につながる機会を得たい」という方は、タイプ3のプログラムを中心に探すのがよいでしょう。
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3.理系学部生がインターンに参加するメリット
インターンシップに参加するかどうか迷っている理系学部生も多いと思います。「研究が忙しいのに行く意味があるのか」という疑問は自然ですが、参加することで得られるものを先に知っておくと判断しやすくなります。
業界・企業の実態を自分の目で確かめられる
企業のウェブサイトや会社説明会では伝わらない情報が、就業体験の場では見えてきます。研究開発の現場では何をしているのか、どんな人と働くことになるのか、どういう雰囲気なのか。こうした情報は、実際に足を運んでみて初めてわかることが多いです。
複数のプログラムに参加して比較すると、企業ごとの違いも見えてきます。進路の選択肢がまだ広い学部2〜3年のうちに動いておくと、4年生になってから志望を絞り込む際の判断軸が具体的になります。
エントリーシート・面接で語れるエピソードが生まれる
インターンシップでの体験は、エントリーシートや面接でのエピソードになります。実際の仕事を体験したうえで書いた志望動機は、企業研究だけで書いたものと比べて説得力が違います。
研究活動以外で語れる経験が増えることで、「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」の幅も広がります。インターンシップを通じて得た学びを、自分のことばで伝えられるようになることが選考への第一歩です。
学部卒での就職を視野に入れる場合はとくに有効
大学院への進学を考えている方も、学部卒での就職を検討している方も、インターンシップへの参加は共通して役立ちます。学部卒での就職を目指す場合、採用選考に直結するタイプ3への参加がとくに重要です。
一方、院進を考えている方でも、学部のうちに複数の業界を体験しておくと、修士課程での研究テーマ選択や、修士での就活で業界の見立てが早くなります。
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4.学部2〜3年のうちから動く意味と、進学・就職での動き方の違い
「学部2〜3年で、もう動いたほうがいいの?」という疑問を持つ方は少なくありません。一般には学部3年後半や院生になってから動くイメージが強いかもしれませんが、理系学部生にとって低学年からインターンに動く意味は確かにあります。進学と就職、どちらの進路を考えているかで動き方は変わるため、両方の視点から解説します。
学部2年で動いておくと、学部3年の選択肢が広がる
学部2年のうちは選考なしで参加できるオープン・カンパニー(タイプ1)や、一般応募の春インターン・夏インターンが主な選択肢です。このタイミングで複数の業界・企業を見ておくと、学部3年でタイプ3(就業体験型)への応募をするときに、どの分野に絞るかが具体的に見えてきます。
焦る必要はありませんが、「まだ早い」と思って何もしないでいると、学部3年のサマーインターンに向けて動き出すときに、志望業界の見当がまったくついていないという状況に陥りがちです。
学部3年は動き出す本番
学部3年生になると、タイプ3(汎用的能力・専門活用型インターンシップ)への参加資格が生まれます。タイプ3は採用選考への活用が可能なプログラムのため、学部卒での就職を考えている方にはとくに重要な時期です。
夏(7〜9月ごろ)と冬(12〜2月ごろ)に集中して実施されるため、学部3年の春から情報収集を始め、夏のサマーインターンへの応募に間に合わせるのが一般的な流れです。
院進を考えている方の動き方
理系学部生の大学院進学率は、理学・工学・農学系を中心に高い傾向があります。院進を考えている場合、学部のうちのインターン参加は「就活の練習」だけではなく、研究分野の方向性を確かめる意味でも有効です。
企業の研究開発現場を早期に体験しておくと、修士課程に進んだ後のキャリアイメージが持ちやすくなります。また、学部で参加したインターンでの経験は、修士の就活でも語れるエピソードとして活用できます。
進路がまだ固まっていない方へ
「就職か院進か、まだ決めていない」という方は、まず幅広く業界のオープン・カンパニーやタイプ1・2のプログラムに参加してみると判断材料が増えます。自分のやりたいことを探す段階でインターンシップを活用するのは有効な選択肢の一つです。
5.いつから始める?サマー・ウィンターのスケジュール感
インターンシップには大きく「夏(サマー)」と「冬(ウィンター)」の2つの時期があります。いつから動き始めればいいのか、おおまかなスケジュール感を把握しておきましょう。
サマーインターン(夏)の流れ
夏のインターンシップは、一般的に7〜9月ごろに開催されます。募集・エントリー受付は4〜6月ごろに始まることが多く、早い企業では3月ごろからサマーの情報を出してきます。
短期プログラム(数日〜1週間程度)が多いですが、なかには数週間にわたる本格的な就業体験型(タイプ3)も含まれます。理系の研究・技術系職種を中心に、夏は企業がインターンシップの規模を最も大きくする時期でもあります。
学部3年でサマーインターンに参加したい方は、春学期の授業が始まる4月には情報収集を開始しておきましょう。
ウィンターインターン(冬)の流れ
冬のインターンシップは、12〜2月ごろの開催が一般的です。募集は9〜11月ごろから始まることが多く、夏に比べて短期プログラムの割合が高くなる傾向があります。
夏のサマーインターンに参加できなかった方がウィンターで挽回するケースも多く、夏・冬の両方に参加している学生もいます。
長期インターンも選択肢の一つ
夏・冬の時期に限らず、通年で学生を受け入れる長期インターンシップも存在します。数か月単位で参加し、実際のプロジェクトに関わるスタイルが多く、有給のプログラムもあります。
長期インターンは時間の確保が必要になるため、学部3年の授業・研究との両立を考えてから参加を検討しましょう。
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6.インターンの探し方・応募方法
こちらでは、インターンシップをどこで探せばいいのかわからない方のために、代表的な3つの経路を紹介します。自分の状況に合わせて組み合わせて使うのが効果的です。
企業の採用ページから直接応募する
志望度の高い企業が決まっている場合は、その企業の採用ページを直接確認するのが確実です。企業が独自に実施しているインターンシップ(とくにタイプ3)は、採用ページにのみ掲載されることがあります。
エントリーの手順・締め切り・プログラム内容も採用ページに詳しく載っているため、気になる企業がある方はまず公式サイトをチェックしましょう。
就活情報サイトを活用する
複数の企業のインターンシップを一度に検索したい場合は、就活情報サイトが便利です。業界・職種・開催時期などの条件で絞り込めるため、まだ志望業界が固まっていない段階でも使いやすいです。
ただし、掲載されているプログラムにはタイプ1〜4が混在しており、「1dayインターン」と「5日間の就業体験型」が並んで表示されることがあります。応募前に内容を確認し、就業体験が含まれているかどうかを確かめる習慣をつけましょう。
大学のキャリアセンターを活用する
大学のキャリアセンターには、大学や学部経由で案内が来るインターンシップ情報が集まっています。理系学部生の場合、研究室の教授や学科の掲示板で企業からのインターン案内が届くことも少なくありません。
こうした学内ルートの情報は、公開されているインターン以外の機会につながることもあります。キャリアセンターのカウンセラーに相談すると、自分の専攻に合ったプログラムを紹介してもらえることもあるため、積極的に活用しましょう。
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7.専攻別に見るインターンの選び方|情報・機械・電気・化学・生物・農学
「理系のインターン」と一口に言っても、専攻によって関連する業界・職種は異なります。自分の専攻から逆引きするかたちで、どの業界・どんな職種のインターンを狙いやすいかを解説します。ただし、これはあくまでも出発点の参考です。専攻と異なる業界への挑戦も、とくに学部段階では十分に選択肢になります。
情報系(情報工学・計算機科学・データサイエンスなど)
情報系学生が参加できるインターンの選択肢は広く、IT企業・Web系・メーカーのシステム部門など、幅広い業種でニーズがあります。
とくにソフトウェア開発・データ分析・AIに関わるプログラムは、情報系学生を対象にしたものが多数あります。プログラミングスキルを問われる選考も多いため、コーディングテストや技術課題に備えておくと選考通過率が上がります。
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機械系(機械工学・精密工学・航空宇宙工学など)
機械系学生が狙いやすいのは、自動車・輸送機器・産業機械・航空機メーカーなどの製品開発・機械設計のインターンです。CAD操作や製図の基礎知識があると有利なプログラムもあります。
また、製造ラインの改善提案や生産技術に関わるインターンを実施しているメーカーもあり、工場見学を兼ねた現場体験型が多い傾向があります。
電気・電子系(電気工学・電子工学・通信工学など)
電気・電子系学生には、電気機器・半導体・通信インフラ・電力・重電などの業界でインターンシップの機会があります。回路設計・組み込みシステム・制御系の職種に興味がある方に向いた業界です。
半導体分野は近年、国内外を問わず学生採用への関心が高まっており、インターンシップの機会も増えています。
化学系(化学・化学工学・材料工学など)
化学系学生の主な選択肢は、化学メーカー・製薬・石油・素材・食品などです。研究補助としてラボでの実験業務に参加するインターンが多く、学部段階の研究経験(実験スキル・データ分析)が評価されやすい傾向があります。
製薬や食品の研究開発インターンは選考倍率が高めのことが多いため、早めの情報収集をおすすめします。
生物系(生物学・生命科学・バイオテクノロジーなど)
生物系学生のインターン先としては、製薬・バイオベンチャー・化粧品・食品・環境分野があります。分子生物学・細胞培養・遺伝子解析などのスキルが活かせる研究開発インターンが中心です。
学部段階では研究経験がまだ浅い場合もありますが、研究室での基礎実験経験を積極的にアピールしましょう。
農学系(農学・農業工学・環境科学・水産学など)
農学系学生には、食品メーカー・農業資材・飼料・種苗・環境コンサルタント・バイオ系ベンチャーなどでのインターンシップが選択肢になります。農業・食・環境の分野はスコープが広く、農学系の知識が活かせる場も多様です。
食品メーカーの商品開発・品質管理や、環境調査・農業技術開発の体験型インターンを実施している企業もあります。
専攻を問わず視野に入れたいこと
どの専攻であっても、自分の専攻と「近い業界」に限らず探してみることをおすすめします。理系の論理的思考・データを扱う力・実験計画のスキルは、IT・コンサルティング・金融など、一見すると専攻と遠い業界でも評価されます。学部段階は業界の幅を広げる絶好の機会でもあります。
8.選考・準備のポイントと研究・学業との両立
インターンシップの選考を通過するためには、何を準備すればいいのでしょうか。こちらでは、選考通過のための準備や、授業や実験が忙しい理系学部生が参加するためのスケジュール管理について解説します。
エントリーシートの書き方
インターンシップへの応募では、エントリーシート(ES)の提出が求められる企業も多いです。ESで書く内容は主に「志望理由」と「自己PR(学生時代に力を入れたこと、ガクチカ)」の2つです。
就業体験を求める理由と、インターンで得たいものを具体的に書きましょう。「御社の製品に興味がある」という表面的な記述より、「どんな疑問や問いを持っていて、そのために何を体験したいのか」を書くと印象が変わります。
ガクチカは部活・ゼミ・アルバイトでも構いません。学部1〜2年では研究経験がまだ浅い方も多いので、研究以外のエピソードでも問題ありません。
技術・適性検査への備え
理系向けのインターンでは、技術課題(プログラミングテスト・数理問題・実験設計の問題など)が選考に含まれる場合があります。とくに情報系・電気系のインターンでは、オンラインのコーディングテストが選考の一環として実施されることがあります。
志望するプログラムの過去の選考情報や、企業が公開している採用基準を事前に調べておきましょう。
面接の準備
インターンシップの選考面接では、「なぜこの業界に興味があるのか」「学生時代に力を入れてきたことは何か」が基本の質問です。専門的な知識を深く問われることは学部生の段階では少なく、意欲・思考の筋道・コミュニケーション能力が見られる場面が多いです。
回答を暗記するより、自分が伝えたいポイントを3つ程度に絞っておくと、どんな質問が来ても対応しやすくなります。
研究・授業との両立
学部2〜3年は授業・実験・レポートが重なりやすい時期でもあります。インターンシップの時期をスケジュールに組み込む際は、定期試験や実験のレポート提出期限と照らし合わせてから応募の予定を組みましょう。
夏休み・春休みなどの長期休暇期間を中心にインターンを組み込むと、学業との両立がしやすくなります。長期インターン(通年型)を検討する場合は、週に確保できる時間を先に把握しておきましょう。
まとめ
理系のインターンシップは、学部2〜3年のうちから動き始めるほど、その後の進路選びの判断軸が具体的になります。まずは就業体験を伴うタイプ3を中心に、気になる業界のプログラムを探すところから始めてみてください。
インターンの準備に不安がある方、どこに応募していいかわからない方は、理系学生・大学院生に特化した就活サービスを活用してみてください。




