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1. 文系院生の就職の現状

「文系大学院生の就職率は低い」と言われていますが、実際はどうなのでしょうか。
文部科学省の『学校基本調査報告書』2014年度版(確定値)によると、文系修士修了生の正規の職員等の就職率は「人文 34.5%」、「社会 54.8%」に対して、理系修士修了生の「理学 70.4%」「工学 87.7%」と比べて大きな開きがあることがわかります。また、博士修了者に目を向けてみますと、就職率は理系であっても「理学 38.2%」「工学 55.1%」と減少しますが、文系も「人文 20.5%」、「社会 38.5%」と減少します。博士課程修了者においても文系の就職率が低い傾向があります。

このような違いは一体どこから生じてくるのでしょうか。その理由は大きく分けて2つあります。

(1) 研究で学んできたことが企業で直ぐに利用できるようなものではない

例えば、いくら経済系の学問を学んできていても、企画やマーケティングの現場では直ぐには役に立ちません。また、「文系職」と言われる職業の多くは、そこまでの専門技能を必要とするものではありません。そのため学部卒の方が企業でキャリアを積む2年間を、企業活動においては実践的でない勉強にあててしまっていると評価されることがあります。もしくはステレオタイプのイメージの一つとして、文系の大学院進学はモラトリアムの延長と採用担当者に受け止められる場合もあります。

(2) そもそも理解されていない文系大学「院生」!?

全国で大学生の数は約56万人いますが、そのうち文系学生の数は全国で約34万人、理系学生は約17万人、どちらにも分類できない学生は約5万人います。(『学校基本調査報告書』2014年度版(確定値))
それに対して、文系大学院生は修士と博士併せて約1万5千人(約4%)しかいません。理系院生は約6万人(約30%)です。この数字から見てもわかる通りそもそも文系大学院生という存在自体が非常に社会的に珍しく、採用担当者も文系大学院生についての理解が浅くなりがちです。
自身の強みをきちんと伝えないと「学部生とどこが違うのだろう」と思ってしまうことにもなりかねません。それゆえ、大学院における研究活動で当たり前のように用いている論理的思考力や仮説検証法などが、「理系」固有のスキルのように見られてしまっているようです。


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