仮面座談会 Season3 Vol.1

インタビュー

今回の仮面座談会のテーマは、就職活動や仕事についてです。
学部生より専門的に研究をしてきた大学院生。研究を続けるか?就職するか?就職するとしたら、研究を活かす場を探すべきか否か?
アカリクWEBをご覧の方ならば就活中の方も多いと思いますが、他の大学院生は仕事や就活をどう考えているか、生の声としてお聞きください。

会計さん(男性) 修士課程1年
知能システムさん(男性) 修士課程1年
生物・食品さん(男性) 修士課程1年
総合化学さん(女性) 修士課程1年

アカリクA(男性) 人文社会科学博士
アカリクB(女性)  生命科学系博士

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自己紹介と希望の就職先を教えてください

アカリクA:今回は文系1名、理系3名、合わせて4名の修士1年の方にお集まりいただきました。それではまず、皆さんのプロフィールを教えてください。

知能システムさん:私の専門は物理なのですが、物理の中でも興味の対象は移動していて、物理から物理教育に移り、現在は心理物理を専攻しています。

会計さん:心理物理ってあまり聞いたことがないですね。どんな内容ですか?

知能システムさん:神経科学の一領域で、脳みそを物理的に見る心理学とでもいうようなものです。たとえばある商品を触った時に、それを快と感じるか不快と感じるか、あるいは見てどう思うかといった実験を行って脳のデータを取得します。中にはモデルを作る人もいますが、私は実験を行っています。

会計さん:私は大学院といってもいわゆるアカウンティングスクール(専門職大学院)で会計を学んでいます。学内の8割ぐらいは公認会計士を目指している環境なので、私は数少ない一般企業の就活組です。
その中でも、私は会計を仕事にしたいのではなく、データ解析のできる仕事を目指しています。ですから会計と平行して理工学部のゼミでデータ解析の勉強をしていて、現在はSPSSやSQL、JAVAなどを勉強しています。

総合化学さん:私は材料化学の研究室でゲル化剤を作っています。コアとなる構造がある物質の末端をいじることで、もとの物質がどう変化していくかということを見ていて、いろいろなパターンを合成することから結果の解析までをやっています。

生物・食品さん:私は生物を専攻していて、その中でもタンパク質を扱っています。タンパク質は筋肉を作るだけではなく、たとえば「走れ」という脳の命令を伝えるのもタンパク質です。私はそれをNMR(核磁気共鳴)やX線でどんな形・どんな機能を持っているか調べる研究をしています。

アカリクA:そろそろ就活を始める時期かと思いますが、皆さんはどのような企業への就職を志望しているのでしょうか。

知能システムさん:私はメーカーの研究職志望です。心理物理を応用し、たとえばあるものを見たときに起こる人の心の動きを研究し、商品開発に活かしていきたいです。

生物・食品さん:私は嗜好品に関する業界に行きたいと思っています。嗜好品は生きていく上では必要なく、体に悪いものも多いですが、一度その味を覚えてしまうと手放せなくなる魅力があります。最近は健康志向の高まりもあって、機能性食品も多く開発されていますが…もしこの二つを組み合わせて機能性食品で嗜好品を作ることができたら楽しくないですか?(笑)

会計さん:研究職希望というわけではないのですか?

生物・食品さん:研究にはまったく興味ないです(笑)一応技術職で応募はしていますが、これから始めることはすべてが真新しくて新鮮に感じるので、何でもやってみたいですね。

アカリクA:えっ、本当ですか?とりあえず、その話はまた後ほど聞くとして、

総合化学さんはどうですか?

総合化学さん:私は化学メーカー志望です。昔から家が好きだったので、たとえば壁の塗装剤や壁紙などの建築材料を扱うメーカーで、開発をやりたいです。他にも人と接することが好きなので、最近はCRO(医薬品開発支援会社)にも興味があります。

会計さん:私はビッグデータのアナリティクスを手がけている企業に入りたいですね。そして今まで関わってきたデータ解析と会計の2つを結びつけて活躍するデータサイエンティストになりたいと思っています。
私はもともと文系のバックグラウンドだったのですが、数理ができないとできる仕事の幅が狭まると考えて統計学を学び始めました。その中でデータ解析の手法を知って「これはどの業種にも使える、これを仕事にしたい!」と考えるようになったんです。

自己分析、自己PRはどうしていますか

アカリクA:皆さん、だいたい志望は固まっているんですね。選考に向けて自己分析は行っているんですか?

生物・食品さん:私はまだ本格的な自己分析はできていません。修士論文の中間報告会とゼミの発表が終わってからでないと取り組めないですね。

知能システムさん:私もまだですね。頭の中で漠然とは考えていますが、自分のどこが武器になるのかイメージできずに迷っています。皆さんは自分の強みは何だと考えていますか?

総合化学さん:エントリーシートを書くときに自己分析はある程度はしているのですが…どこを一番の強みとするかはいつも迷っています。研究室の先輩から、研究にフォーカスして話すと「研究しかできない、研究しかやりたくない」と思われてしまうと聞いて、人物面を中心にすべきかなと考えてはいるのですが…。

生物・食品さん:私の場合、研究は皆やっているのだからできて当然という前提で「研究はできますが、研究以外にこんなこともできます。このような経験を基にして、さらにこんなこともできるようになりました」という風にプラスαを加えて話すようにしています。あと、表現力には自信があるので、そのことを強調します。

アカリクA:どのようにして表現力を磨いたのですか?

生物・食品さん:2つあって、1つは在籍していたラジオサークルです。自分で番組を作って放送するので「ものを伝える力や表現力があります」とアピールしています。もう1つは趣味のダンスで、「パートナーと力をあわせて表現するということをこの趣味で養いました」と言っています。

会計さん:私は何度か留年や浪人をしたので、その度に自己分析のようなことをかなりしてきました。ただ、あらためて考えてみたんですが、今まで考えてきたことはどうやら就活の自己分析とは別物だったようで、本格的にはまだ取り組めていないですね。来週に人生初の面接を控えているんですが。

アカリクA:もし、面接で「あなたの強みを教えて下さい」をしてくださいと言われたらなんて答えます?

会計さん:今考えているのは、会計とデータ解析の両方ができるという点ですね。データ解析を仕事にしている人でアカウンティングスクールに行っている人はまずいないでしょうから、2つを結びつける優位性を理論的に話すと「こいつ、できるな」という反応があるかな?と(笑)ただ、会計も統計も皆さんのように継続してやっているわけではないので、中途半端と思われてしまうんじゃないかとは不安に思っています。

知能システムさん:そうですよね。私はずっと物理を研究しているのですが、その中で興味がいろいろ移ってきたので、すべて中途半端な気がするんです。これ!という武器がないというか…。

総合化学さん:でも、軸は物理ですよね?それだけ物理をいろんな角度から網羅していたら、それ自体が強みになるのでは?

知能システムさん:なるほど、自分では気がつかなかったけどそういうアピール方法がありますね。

アカリクB:研究と人物、どちらを軸に自己PRするか。これは本当難しいのですが、結論はないと言えます。一つ言えるのは、企業は大学院生に対して学部生より即戦力であることを求めるのは確かです。この装置を扱える人、この実験ができる人が欲しいというときに、そのスキルを持った人が現れればすぐに内定ということはあるでしょう。
研究でのスキルを直接活かすような就職をするのであれば、人物やスキルももちろんなのですが、「そのポジションが企業の中で空いているかどうか?」がとても重要です。

どんなに優秀で、人物が良くてもそのスキルを活かせるポジションがないと落とされてしまうことはあります。だから、1つの企業との間でうまくいかなくても、自分を責める必要はないのです。ただ重要なのは、自分が企業の中でアプローチしたいことを「どれだけ魅力的に語れるか」です。

アカリクA:研究もあくまで自己PRのためのツールの一つですし、企業は「人」の部分をきちんと見ますから、研究のことも大切ですが、人物をきちんと表現することも大切ですね。


自己分析、自己PR、どちらも就活では大切なポイントです。次回は「院での経験を就職にどう活かしますか?」をテーマにお届けします。

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