進学するか、就職するか?データから見る大学院生の進学率と就職率

アカリクコラム

大学を卒業してすぐ就職する人と、大学院に行ってから就職をする人は、それぞれどれくらいいるのでしょうか?

また、専攻する分野によってその傾向は異なるのでしょうか?

今回の記事では、文部科学省が毎年行っている「学校基本調査」の最新データから大学院進学率について分析してみました。

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学部生の各分野の進学率・就職率

こちらのグラフは、文部科学省が調査を行った「令和2年度 学校基本調査」のデータより、大学を卒業した学生がどのような進路を選択したかを表しています。

人文科学・社会科学・理学・工学・農学・保健学・商船学・家政学・教育学・芸術学の各分野の学生によって、就職した割合・大学院へ進学した割合が大きく異なることがわかります。

このうち進学者数は大学院への進学率を示すものであると考えられます。

修士課程に進む学士課程卒業者は、人文科学・社会科学は合わせても7500名程度ですが、一方で工学は一つの分野だけで約3万名が修士課程に進学しています。

進学率でいうと、人文科学、社会科学では全体に占める大学院への進学率は4.2%、2.3%であるのに対し、工学では35.7%が進学しています。

工学分野において学部卒で就職する人は5万名程度になりますので、分野内でも大学院へ進学する人はそれほど珍しくない存在であると言えます。

また、同様の傾向が理学・商船でも見られます。

工学、理学、商船といった分野では修士課程に進学するのはごく当たり前のこととしてとらえられているのだと考えられます。

修士課程大学院生の各分野の進学率・就職率

こちらのグラフは、同じ調査のデータで大学院修士課程を修了した大学院生が、博士課程へ進学したか、就職したかを分野ごとに示しています。

全体的な傾向として、どの分野においても修士課程からの進学率、就職率を比較してみると、圧倒的に就職率が高いことがわかります。

修士課程からの進学率を比較してみると、学士課程と異なり、分野間での進学率の差は大きくありません。

また、特徴として、学士課程からの進学者が多かった工学分野では、進学者数としては1831名と他の分野と比べて多い一方で、進学率を見てみると5.8%とそこまで高くありません。

工学分野の多くの学部生は修士課程に進学していましたが、その後博士課程に進む方は激減し、ごく一部の方のみが博士課程に進学していることがわかります。

一方で、人文科学における博士後期課程への進学率は17.0%、理学では16.5%、保健では14.4%、農学は10.6%となっています。

それ以外の分野では、博士課程への進学率は軒並み1割以下になっているところが多いようです。

博士課程大学院生の各分野の進学率・就職率

それでは、博士課程を修了した方々はどのようになっているのでしょうか。

ほとんどの博士課程出身者が就職をしており、ごくわずかな方は再度大学院に入学するなどの進学をしています。

なお、灰色の「その他」の部分は、「進路情報を登録していない」などの情報がないケースや、進学・就職以外の進路に進んだ方になります。

保健学分野は博士課程学生に占める割合が圧倒的多数なのですが、圧倒的な就職率を誇っていますので、博士課程学生が多いこともうなづける結果となりました。


今回の記事では、学士課程、博士前期課程課程(修士)、博士後期課程のそれぞれの就職率および進学率をみていきました。

大学院の進学も含めて、自分のキャリアを考えていく際には、周りの様子を調べてみることから始めるのも第一歩です。

周りの様子を知ることで、自分について客観的知ることができるかもしれません。

学校基本調査には他にも様々なデータが含まれていますので、ぜひご覧になってみてください。

参考:文部科学省「学校基本調査

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