理系学生の方の中には「研究職に就きたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか。
最近では希望の職種に就くためにインターンに参加する学生が増えており、研究職も例外ではありません。
とはいえ「研究職のインターンはどんなことをするの?どうやって応募したらいいのかわからない。研究室も忙しいし・・・。」と考えてしまうこともありますよね。
今回は研究職志望の方向けにインターンシップの事例や応募方法、参加する際の注意点などをまとめました。
研究職のインターンシップの事例
まずは研究職のインターンシップの事例をいくつか紹介します。どのようなことをするのか把握して、本番で力を発揮できるよう準備しておきましょう。
工学系ものづくりインターン
とあるメーカーでは、機械工学や電子工学を専攻している学生向けに「ものづくりインターン」を実施しています。
先輩の研究者と一緒に製品の設計からテスト・出荷作業まで行い、商品ができあがるまでの一通りのプロセスを知ることができます。
既製品ではなく試作品を作るので、自分たちで機能を改良しながら進められる楽しさもあるでしょう。
機械学習・データ解析インターン
とあるIT企業では、機械学習やデータ解析を体験できるインターンを実施しています。実際に顧客から受け取ったデータを使い、Pythonを活用してデータ分析や予測することが主な仕事です。
これらのデータはインターン用に使うのではなく、実際に顧客が仕事で使うものなので、より実践的なスキルを身につけられます。
化学系学生向け成分分析インターン
アロマ製品を扱う企業では、薬学部や理学部の理系学生を対象に、アロマ成分の分析を行うインターンを開催しています。
成分分析に使用される機械を使って、人体にリスクがないかなどを調査します。これらは研究及び品質管理業務に関わる分野であり、各メーカーが厳正なチェックを行う部分です。
企業で実際に働いている研究者も同席するため、実際に仕事をしたときのイメージを掴めるでしょう。
研究職のインターンシップの探し方
研究者を志望する人向けのインターンシップを探すなら、就活サイトや大学のキャリアセンター、企業のホームページなどがおすすめです。それぞれを使うときのコツをご紹介します。
就活サイトで探す
効率よくインターンシップを探すのなら、就活サイトを利用するといいでしょう。インターンシップや説明会など、イベント別に検索できる就活サイトはたくさんあります。
自分の都合のいい日程や業界別の検索もできるので、条件に合致するインターンシップが見つかる可能性が高いです。
特定の企業に興味があるのなら、後述する会社のホームページから応募しても問題ありません。
ただ、もし志望する業界や企業が定まっていないなら、たくさんの情報を収集できる就活サイトを活用しましょう。
大学のキャリアセンターに相談してみる
次におすすめするのは、大学のキャリアセンターに行くことです。
大学と連携している企業なら選考に有利になる可能性がありますし、迷ったときはキャリアセンターのスタッフに相談することもできます。
また、同じ大学から志望する企業に就職した先輩の体験談を聞けるかもしれません。インターンシップ以外の情報収集にも役立つので、ぜひ一度使ってみてください。
直接、企業のホームページを確認する
特定の企業に興味があるのなら、直接企業のホームページを確認してもいいでしょう。大手企業などは、就活サイトを経由せずに自社サイトでインターンシップを募集していることが多いからです。
自社サイトで募集している企業では、その後の選考スケジュールをホームページに記載していることもよくあります。
応募期間を過ぎてしまわないよう、スケジュールとやるべきことを記録して、スムーズに対策できるようにしましょう。
研究職インターンに参加するメリット
研究職インターンは、単なる職場体験ではありません。大学で積み重ねてきた研究を、企業という実務の現場でどう活かせるのかを確かめられる貴重な機会です。研究職を目指す理系学生にとって、将来の進路を具体的に考える大きなヒントを得られる機会でもあります。
研究職インターンに参加する主なメリットは、次のとおりです。
- 企業研究と大学研究の違いを体感できる
- 自分の研究テーマとの相性を確認できる
- 本選考で有利になるケースがある
- 研究職に向いているかを見極められる
それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
企業研究と大学研究の違いを体感できる
研究職インターンに参加すると、企業研究と大学研究の違いをより具体的に理解できます。
大学では、学術的な新規性や理論的な発見、論文発表といった成果が重視されることが一般的ですが、企業では、その研究がどのように製品やサービスにつながるのか、事業にどれだけ貢献できるのかといった「実用性」や「市場との結びつき」が強く意識されます。
また、研究テーマの決まり方にも大きな違いがあります。大学では指導教員の専門分野や学術的関心に基づいてテーマが設定されることが多いですが、企業では市場ニーズや経営戦略を背景に研究テーマが選ばれるため、求められるスピード感や成果の出し方にも違いがあるのです。
さらに、企業研究はチームで進めるケースが多く、他部署との連携や情報共有も欠かせません。インターンを通してこうした違いを体験することで、「企業で研究する」とはどういう働き方なのかを具体的にイメージできるようになるでしょう。
自分の研究テーマとの相性を確認できる
研究職インターンは、自分の研究テーマや専門分野が、企業の研究開発や事業内容とどのようにつながるのかを確かめられる貴重な機会です。
大学では基礎研究をじっくり掘り下げることが中心になりやすい一方で、企業ではその知見をどのように応用し、製品やサービスに結びつけられるかが重視されます。
実際の業務に触れることで、「自分の研究は企業でも活かせそうか」「応用するにはどんなスキルが必要か」といった具体的なイメージが持てるようになります。また、専門性が強みになる場面だけでなく、知識の幅やコミュニケーション力など、補うべき点にも気づくことがあるはずです。
こうした気づきは、進学を続けるか、企業で研究職を目指すかを判断するうえで重要な基準となります。インターンは、自分の研究と社会との接点を見つめ直す機会ともいえるでしょう。
本選考で有利になるケースがある
研究職インターンに参加することで、本選考がスムーズに進む場合があります。企業によっては、インターン中の取り組みや姿勢を評価し、早期選考に案内したり、担当社員との個別面談につなげたりするケースもあります。実際の業務に真剣に向き合い、積極的に質問や提案をしている学生は、企業側に強い印象を残しやすいといえるでしょう。
また、インターンを経験していると、志望動機や自己PRに具体的なエピソードを盛り込みやすくなるのもメリットの一つです。「なぜその企業の研究職を目指すのか」「どのように自分の研究を活かしたいのか」といった質問にも、実体験をもとに答えられるため、説得力が高まります。
ただし、インターンに参加しただけで自動的に有利になるわけではありません。評価につながるかどうかは、どれだけ主体的に学び、成果を出そうとしたかにかかっています。与えられた業務をこなすだけでなく、自ら考え、行動する姿勢を大切にしましょう。
研究職に向いているかを見極められる
研究職インターンは、自分が企業で研究を続けることに本当に向いているのかを考える良い機会になります。大学での研究が楽しいと感じていても、企業の研究環境は目的や進め方が異なるため、実際に体験してみないとわからない部分も多いものです。
企業の研究職では、専門的な知識や技術だけでなく、チームで協力しながら成果を出す姿勢や、研究成果を事業や製品につなげる視点が求められます。納期やコストを意識しながら研究を進める場面もあり、大学とは違った責任やスピード感を感じることもあるでしょう。
インターンを通して現場で働く研究者の姿を間近に見ることで、「自分もこのような働き方をしたい」と思えるかどうかを判断できます。また、自分の強みや弱みがどこにあるのかを客観的に見つめ直すきっかけにもなります。進学を続けるべきか、企業で研究職を目指すべきか迷っている人にとっても、方向性を考えるうえで大きなヒントになる経験といえるでしょう。
研究職インターンの選考対策
研究職インターンの選考では、一般的なインターンとは異なり、研究内容や専門性に関する質問が中心になります。そのため、事前に自分の研究を整理し、企業との接点を明確にしておくことが重要です。
ここでは、研究職インターンの選考を突破するために押さえておきたい対策を解説します。
研究内容は「専門外の人にも伝わる言葉」でまとめる
研究職インターンの選考では、研究の専門性そのものだけでなく、専門的な内容をわかりやすく説明できる力も重視されます。
面接官や人事担当者が、必ずしもあなたと同じ分野の研究者とは限りません。そのため、専門用語をそのまま並べるのではなく、できるだけ平易な言葉に置き換えながら、研究の全体像を伝えることを意識しましょう。
具体的には、「どのような背景があってその研究に取り組んだのか」「何を課題として設定したのか」「どんな工夫をして検証したのか」といった流れで伝える内容を整理すると理解してもらいやすくなります。
難しい内容をかみ砕いて説明できることは、論理的思考力やコミュニケーション力のアピールにもつながるでしょう。
エントリーシートでは「思考プロセス」を重視する
研究職インターンのエントリーシートでは、研究成果そのものよりも「どのように考え、行動したか」という思考の流れが重視される傾向があります。企業が知りたいのは、最終的な結果だけでなく、課題にどう向き合い、どのような仮説を立て、どんな工夫を重ねて検証を進めたのかというプロセスです。
そのため、研究内容を書く際は、背景や目的、設定した課題、取り組み方、工夫した点、そしてそこから得た学びまでを体系的に整理して伝えることが欠かせません。また、研究が思うように進まなかった場面や、試行錯誤の中で考え方が変化した経験にも触れると、論理的思考力や粘り強さをアピールできます。
こうしたプロセスを丁寧に示すことで、専門性に加えて問題解決力や主体性も伝わりやすくなるでしょう。
面接では「研究への姿勢」と「協働力」をアピールする
研究職インターンの面接では、専門知識の深さだけでなく、研究に向き合う姿勢やチームで成果を出す力も重視されます。研究の成果を伝える際は、結果そのものよりも「どのように課題と向き合い、試行錯誤しながら改善してきたのか」という姿勢を具体的に説明することが大切です。困難に直面した場面や、その乗り越え方を交えて話すと、粘り強さや主体性が伝わりやすくなります。
また、研究は一人で完結するものではありません。指導教員や共同研究者とどのように連携し、役割を果たしてきたのかも重要なポイントです。意見のすり合わせやフィードバックへの対応など、協働のエピソードを具体的に伝えることで、チームの一員として貢献できる人材であると示せるでしょう。
長期インターンシップに参加するときの注意点
研究職のインターンシップの中には、数か月から数年にわたる「長期インターンシップ」があります。
「研究室が忙しくて、長期のインターンシップには行けない」と思う人もいるかもしれません。そんなときに注意したいことを、3つの項目にわけて紹介します。
事前に指導教官に相談する
長期インターンシップに参加するときは、事前に指導教官に相談しましょう。研究室によっては平日の夜まで研究に取り組まなければいけないところもあると思いますので、あらかじめ承諾を得ておく必要があります。
もし絶対に参加したいインターンシップがあるのなら、一時的に研究室を休むことも検討しなくてはいけません。
相談する際は「なぜインターンシップに参加したいのか」「場合によっては行けないかもしれない」という旨を、きちんと説明できるように準備しましょう。
将来のキャリアのために必要であることを説明できれば、指導教官にも納得してもらえるはずです。
学業とのバランスをとる
次に気を付けたいのは、学業とのバランスをとることです。研究室が忙しく、論文や研究に追われてインターンに行けない学生は一定数います。
しかし、インターンは就職活動を有利に進め、内定を獲得するための第一歩です。博士課程に進まないのなら、学業だけでなく就活の準備も進めておく必要があります。
学業とインターンにおいても、どちらかに比重が偏りすぎないようスケジュールをうまく管理することが大切です。
必要に応じて企業の担当者や指導教官に相談しつつ、無理のない範囲でどちらも進められるよう工夫しましょう。
企業選びは慎重に行う
研究職のインターンシップでは、企業選びも重要なポイントです。
特に理系の学生は研究室に通って忙しい日々を過ごしていることが多いでしょうから、インターンシップに応募するときは「勤務する曜日・時間」を必ずチェックしましょう。
せっかく応募しても、求められる勤務日数を満たせなければ内定をもらえる確率が下がってしまい、自分のスキルアップにもなりません。
研究室のスケジュールの合間や、研究が終わったあとに勤務できる企業を探して、どちらもバランスよく両立できるところを探すことが重要です。
まとめ
今回は研究職のインターンシップ事例や参加する際の注意点を解説しました。本文で紹介した内容は以下の通りです。
- 研究職のインターンシップはものづくり体験や機械学習によるデータ分析、化学製品の成分分析などがある
- 研究職のインターンシップに申し込むなら「就活サイト」「大学のキャリアセンター」「企業の採用サイト」をチェックしよう
- 研究職のインターンシップに参加するときは、指導教官に相談したり、学業とのバランスを意識することが大切
研究職のインターンシップは、内定を獲得するために重要なステップのひとつです。
研究室が忙しいとなかなか応募できないかもしれませんが、まわりの人に相談して就活も進められるよう工夫することが求められます。
場合によっては研究室を一時的に休むことも検討して、将来のキャリアを実現する準備をしてくださいね。
なお、インターンシップを選ぶポイントやその他の業界でのインターンシップについてはこちらの記事で詳しく解説しています。是非合わせてご覧ください。





