学部生と大学院生の数を比較すると、もちろん大学院生の方が少ないのですが、どれくらい少ないのでしょうか?また、専攻する分野によってどの程度異なるのでしょうか?政府が毎年行っている「学校基本調査」の最新データを分析してみました。

(本記事は2025年12月15日に更新されました)
学部生と大学院生の割合
「大学院生はレア・珍しい」ため、企業側にも大学院の実情について知らない方が多く存在します。では、実際にどれくらいレアなのでしょうか?
文部科学省が毎年行っている「学校基本調査」には、現在日本国内にどの程度学生がいるのか、またその内訳はどうなっているのか、調べた結果が統計データとして公開されています。今回はその最新データである令和6年度版を見ていきましょう。
日本国内の学生のうち、大学生・大学院生(修士課程・博士課程)の内訳は以下のグラフのようになりました。

文部科学省「令和6年度学校基本調査(確定値)」を参考にアカリクが作成
なんと、大学に進学した学生の合計人数287万7,696人に対し、全体の90%以上が大学生(学部生)であり、修士課程は6%、博士課程に至っては3%しかいないことがわかりました。自分が大学院生だと、周りに他の大学院生がいますので、あまり自分がレアだと感じることは少ないかもしれませんが、一般的に見て、大学院生はまだまだレアであることがわかります。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
分野別に見た学士・修士・博士課程の学生数
次は、学士・修士・博士それぞれの課程に在籍する学生が、どの専門分野に所属するのかを見ていきましょう。学士課程は以下のようになっています。

文部科学省「令和6年度学校基本調査」を参考にアカリクが作成
圧倒的に社会科学の人口が多いことがわかります。また、一般的に「文系」と呼ばれる人文科学・社会科学・教育学分野を足し合わせると、全体の半数以上を占めることがわかります。学士課程においては、文系の方が学生数が多いのですね。
では、大学院生の修士課程はどうでしょうか。

文部科学省「令和6年度学校基本調査」を参考にアカリクが作成
修士課程になると、学士課程で全体の半数以上を占めていた文系が一気に減ってしまい、工学分野が40%を占める内訳になっています。
このような状況ですと、一般の方も工学系の修士課程院生に触れる機会が多く、「大学院生修士と言えば、工学系!」という認識が強まってしまうことは否めません。
学士課程では大多数を占めていた文系学生は、大学院生になった途端に少数派になってしまうため、一般の方々に自らの立場を伝える際には、より具体的・効果的に伝える必要があるといえます。
それでは最後に、博士課程の大学院生数を分野別にみてみましょう。

文部科学省「令和6年度学校基本調査」を参考にアカリクが作成
今度は保健学が圧倒的大多数になりました。
元々母数が少ない博士課程の学生ですが、その中でも半数は保健学を専攻している方々であることがわかりました。
修士課程では多かった工学分野の方も2割程度になり、文系博士課程学生は修士とほぼ変わらず、2割程度になっています。
博士課程は、母数が非常に少ないこともあり、企業側も「博士課程は何をするところで、どのような能力を博士は持っているのだろう」と常々感じています。
博士の場合は、自身の研究が修士のときよりもさらに深く、狭い対象になっていることが多いです。
そのため、就職活動などの一般の方々と話す際は、専攻分野にかかわらず「一般向けに研究を語る」テクニックにより磨きをかける必要があります。
【参考】
研究を一般向けに語る際に気をつけていること

なぜ院卒は少ないのか?大学院進学が選ばれにくい理由
大学院への進学は、学部卒に比べるとまだ少数派です。ただし、その背景には「勉強が得意かどうか」や「やる気があるかどうか」といった個人の資質だけでなく、社会的な構造や制度的な要因も大きく関わっています。
ここでは、院進学を選ばない人が多い理由を一つずつ整理しながら、なぜ院卒の割合が低い状態が続いているのかを分かりやすく解説します。
学部卒で就職するのが一般的という意識が強い
日本では、大学を卒業したらそのまま就職するという進路が長く一般的とされてきました。新卒一括採用の仕組みもあり、学部3年生から4年生になると多くの学生が就職活動を始めるため、「まずは就職するのが普通」という意識を持ちやすい傾向があります。
また、周囲の友人や先輩の多くが学部卒で就職していると、大学院進学は一般的ではない特別な進路のように感じられることも少なくありません。その結果、大学院に進むこと自体が視野に入りにくくなり、学部卒就職が自然な進路として選ばれやすくなっているのです。
大学院進学にかかる経済的・時間的負担への不安
大学院進学をためらう主な理由として挙げられるのが、「経済的・時間的な負担への不安」です。大学院では、学費に加えて生活費も必要になるため、奨学金を利用した場合の卒業後の返済について不安を抱く学生も少なくありません。
また、修士課程で2年、博士課程ではさらに長い時間を学業に充てることになるため、「就職が遅れるのではないか」「同世代より社会に出るのが遅くなるのでは」と不安に感じる学生も多いでしょう。こうした現実的な負担を考えると、早いタイミングで働き始めたいと考え、学部卒での就職を選ぶ人が増える傾向があります。
院卒後のキャリアが見えにくいというイメージが強い
「大学院を出たあとにどんなキャリアがあるのかがイメージしにくい」という声もよく聞かれます。
大学院では研究や専門性を深めるものの、その知識やスキルが社会でどのように活かされるのか、特に学部卒の進路と比較すると分かりづらいと感じる人が少なくありません。たとえば「研究職やアカデミックな進路だけが選択肢」と受け取られてしまったり、企業側でも大学院卒の能力や活躍領域を十分に理解していなかったりする場合があるためです。このイメージの曖昧さが、進学の判断を迷わせる一因となっているといえるでしょう。
身近に院進のロールモデルが少ない
大学院進学を考えるうえで、身近で参考になるロールモデルが少ないことも大きな要因の一つです。
家族や友人、先輩の多くが学部卒で就職している場合、大学院に進んだあとの姿を具体的に想像しにくくなります。また、博士や修士として活躍する人の情報に触れる機会が限られていると、「自分も同じ道を歩めるのか」という不安を感じやすくなります。このようにロールモデルが身近にいないことは、大学院進学を特別で珍しい選択肢のように感じさせ、進学への心理的ハードルを高める要因となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。自分について客観的に知りたい場合は、周りの様子を調べてみることから始めるのも第一歩です。学校基本調査には他にも様々なデータが含まれていますので、ぜひご覧になってみてください。
【参考】
文部科学省 学校基本調査

***
新卒大学院生・ポスドクの皆さんの民間就職を、経験豊富なアカリクの就活支援コンサルタントが個別にサポート! まずはご相談ください。





