「研究室配属はどのように決まるの?」「希望する研究室にどうすれば入れる?」
研究室配属を控えた学部生の方は、こんな疑問をお持ちではないでしょうか。「研究室配属で揉める」「失敗した!」などの声を聞き、不安に感じる人もいることと思います。
研究室配属の決め方は大学や学部によって違いますが、対策することで希望する研究室に入れる可能性を上げられます。
今回は研究室配属の決め方やチェックされるポイント、学生が準備するべきことを詳しく紹介します。
研究室配属の決め方
研究室配属の決め方には色々あり、生徒同士で話し合うケースや成績順で決めるケースなどがあります。
また人気の高い研究室だと、個人面接を行って学生の研究に対する姿勢などを見ることもあるでしょう。配属先は以下の方法で決めることが多いです。
- 希望者同士の話し合い
- 成績順
- 面接
- 抽選・くじ引き・じゃんけん
希望者同士の話し合い
配属を決める際に、募集人数よりも多くの応募があった際は希望者同士で話し合って決めることがあります。「研究室配属は揉める」と言われる理由の一つでしょう。もちろん応募する学生は志望度が高い人ばかりですから、誰かが枠を譲らなければいけません。
また成績を軸にするか、志望動機の内容を軸にするかなど判断する基準も自分たちで決める必要があります。成績を軸にする場合は数字に置き換えられるので決めやすいですが、志望動機を軸にする場合は、客観的な判断が難しいでしょう。
成績順
次によくある方法として「成績順」があげられます。成績の高い学生から順番に研究室を選ぶことができて、優秀であるほど志望度の高いところに行きやすくなります。いつの成績が対象になるのかは大学によって違いますが、一般的には研究室配属される前の1年間の成績を見られることが多いようです。
そのため大学1、2年のうちから志望する研究室を考えて、どのくらいの成績を取ればいいのかを早めに知っておくことが大切です。人気が高い研究室を希望するのなら、人一倍勉強して高い成績を残せるように努力しましょう。
面接
3つ目の方法は面接して学生を選ぶケースです。教授が研究室を志望する学生と話をして、適性があるかどうか見極めます。
面接で聞かれることとしては、志望動機や研究したいテーマについて用意しておくといいでしょう。また服装に関しては私服で問題ありませんが、シンプルでクセのない服装を選ぶことが大切です。
ただ、研究室の面接は就活とは違って教授の一存に委ねられているので、何を聞かれるかわからないのが実情です。人間性を確かめるような意外な質問をされることもあるかもしれません。心配な場合は研究室に在籍している先輩に話を聞くなど、自分なりに情報収集してみることをおすすめします。
抽選・くじ引き
その他の方法としては抽選・くじ引きなどの決め方もあります。このケースの場合、事前に対策するのは難しいので時の運に任せるしかありません。
話し合いなどで揉めることがないのはメリットではありますが、頑張りが評価されないので、やる気がある人にとっては残念に感じられるかもしれません。
研究室を選ぶ際のチェックポイント
研究室を選ぶ際は、テーマややりたいことだけでなく、さまざまな観点から自分に向いているかどうかをチェックしましょう。所属する先輩への聞き込み、博士課程や助教がいるか等もあらかじめ調査しておくことで、入ったあとに「失敗した!」と思うことを防げます。
事前に調べておくべきことは、以下の4つに分類できます。
- 教授との相性
- 研究内容
- コアタイムの有無
- 研究室の雰囲気
教授との相性
まず第一に確認したいのは教授との相性です。一言で教授といっても性格や研究の進め方は三者三様です。学生の研究や就活を徹底的にサポートしてくれたり、ほとんど関与せず必要であればアドバイスをくれたりするなど、接し方も人によって違います。
自分はどんな教授となら相性がよさそうか、普段の授業の様子を見たり、興味がある研究室の教授の人柄を観察したりしてみてください。
ただ、人によっては普段の授業と研究室での人柄が全く違う教授もいます。必要に応じて学生仲間や先輩から情報をもらって、ゼミでの様子を知ることも大切です。見学に行って自分で確認できれば尚良いですね。
研究内容
次にチェックしたいポイントは研究内容です。まず「自分が研究テーマに興味があること」は大前提です。配属されてから1~2年間はその分野の研究を行うことになるので、進んでやりたいと思えるテーマを扱う研究室を選んでください。
また「研究の進め方」も注目したいところです。自分に向いている形式と興味があるテーマを選ぶことが、研究室選びでは重要なポイントです。
コアタイムの有無
希望する研究室にコアタイムがあるかどうかも、事前に見ておきたいところです。コアタイムとは「研究室にいなければいけない時間」のことで、ゼミによってコアタイムの有無や時間帯はさまざまです。
コアタイムが存在するのは主に理系の研究室で、文系分野では存在しない方が一般的です。
コアタイムがあることで生活リズムが整い、研究成果を出しやすくなるメリットがありますが、他の予定との兼ね合いが難しくなるデメリットもあります。
コアタイムがない場合は、いつでも研究室に行けるので、就活をする際にもスケジュール調整がしやすくなります。ある場合はコアタイムの日数や時間帯に注意しましょう。
たとえば週5日間、9時から17時までと決められている場合は、アルバイトや就活との両立が難しいかもしれません。稀に深夜帯や土日がコアタイムに含まれるところもあるので、よく確認してみてください。
研究室の雰囲気
最後に研究室の雰囲気も重要なチェック項目の一つです。雰囲気はいいに越したことはなく、ギスギスした研究室に配属されてしまっては辛い時間を過ごすことになります。
チェックする点としては、先輩に質問をしやすいか、学生同士の仲はいいかといった点を見るといいでしょう。
研究室では先輩から実験方法を教わることが多いので、風通しのよさは必ず見ておくことをおすすめします。
また学生同士の仲がよければ、トラブルになった際も協力して解決しやすくなりますので、教授だけでなく在籍している学生同士の関係もよく見ておいてください。
希望の研究室に入るために準備すべきこと
自分なりに努力すれば、人気が高い研究室でも配属される確率を高められます。準備しておきたいこととしては以下の点があげられます。なるべく早いうちから行動して、研究室配属に備えましょう。希望の研究室に入るために準備すべきことを3つに分けて解説します。
- 研究室を訪問し、教授に面識を持ってもらう
- 教授に面識を持ってもらう
- 成績を良くする
- 配属先の情報を収集する
研究室を訪問し、教授に面識を持ってもらう
興味がある研究室を見つけたら、まずアポイントを取って訪問してみましょう。教授に面識を持ってもらうことで、研究室配属を決める際に有利になるかもしれません。大学のポータルなどで教授のメールアドレスを探して「研究室に興味があるので、訪問させていただきたい」とお願いしてみてください。
また訪問当日はペンとノートを持って行き、聞いた話は必ずメモを取りましょう。服装は私服で問題ありません。面接と同様、なるべくシンプルで個性的すぎないデザインがおすすめです。
研究内容や進め方など、気になることを事前にまとめておくとスムーズにことが進みます。そして訪問後はお礼のメールを送れば、いい印象を持ってもらえるはずです。
良い成績を残す
希望する研究室に入るためには、良い成績を残しておくことが何よりの近道です。成績順に希望する研究室を決める場合は有利になるので、志望するところへ行きやすいでしょう。
また仮に、配属の決め方が面接方式であっても、成績が良ければ教授へのアピールポイントにもなります。志望動機を述べることも大切ですが、成績は数字に置き換えられるので第三者から見ても評価しやすいのです。入りたい研究室があるのなら、配属までの期間は怠けずに勉強をすることが大切です。
配属先の情報を収集する
事前に準備することの一つに、配属先の情報をなるべく多く収集しておくことがあげられます。同じ学年の仲間や、志望する研究室にいる先輩などに積極的に話を聞いて、配属にあたり評価されることを調べておきましょう。
面接で聞かれやすいことや教授が重視することが分かれば、事前に対策しやすくなります。必要であれば研究室に訪問して、実際の雰囲気などを確かめてみるのもおすすめです。自分の目で確かめることで、研究室選びのミスマッチを防げるメリットもあるでしょう。
希望する研究室に入れなかったときはどうする?
頑張って成績を上げるなど対策をしても、希望する研究室の選考に落ちたというケースもあります。失敗したときには落ち込んでしまうかもしれませんが、以下の方法も考慮してみてください。
1つ目は、大学院に進んで希望していた研究室に入ることです。大学院に入るときは試験を受けることになりますが、成績次第で希望する研究室に入りやすくなります。そのため、学部では第一志望のゼミに入れなくても、その後の頑張り次第でまた入れる可能性があると前向きに考えましょう。
2つ目は、配属された研究室で扱うテーマに興味を持ってみることです。希望していた分野ではないかもしれませんが、自分なりに研究テーマと向き合うことで「もっと知りたい!」「ここを深く追求したい」と思える内容が見つかることがあります。もともと興味がなかったテーマでも、自分の考え方次第でやりがいを感じられる研究分野に変わるのです。
まとめ
研究室配属の決め方や事前に準備すること、希望する研究室に入れなかったときの対処法などを紹介しました。内容を再度復習してみましょう。
- 研究室配属の決め方は話し合い、成績順、面接、じゃんけんなどがある
- 研究室を選ぶ際は教授との相性、研究内容、コアタイムの有無、雰囲気をチェックしよう
- 希望の研究室に入るには教授に面識を持ってもらう、成績を上げる、情報収集することが大切
- 研究室の選考に落ちても大学院で再チャレンジできる。もしくは新たな研究テーマに興味を持つことで楽しめる可能性もある
研究室配属は学生にとって大きなイベントです。事前準備がものを言うので、日頃の勉学や情報収集をおろそかにしないようにしましょう。仮に落ちたとしても、落ち込む必要はありません。納得のいく研究生活が送れるよう、複数の観点から自分に合う研究室を見つけてみてください。