就職活動を行う際に、「就活の軸」という言葉を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
就活の軸とは、就職活動をする上で譲れない条件のことです。具体的には、仕事や企業を選ぶ上で絶対に譲れない条件のことを指します。
就活の軸を明確に持っておくことで、あなたが就職先を選ぶ際の指標になるだけでなく、多くの企業の面接やエントリーシートで聞かれる就活の軸に関する質問に、自信を持って答えられるようになりるでしょう。
そこで今回の記事では、まず就活の軸とはいったい何なのか、なぜ必要なのか、どのように見つけたらいいのかについて解説します。さらに、就活の軸の具体例、面接・エントリーシートで就活の軸を聞かれた際に気を付けるべきポイントについてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
就活の軸とは

就活の軸とは、「就職活動で、会社や仕事を選ぶ上で譲れない条件」のことです。
例えば「大学・大学院での専攻に関わる仕事がいい」「海外と関わる仕事がいい」「東京で働きたい」など、人によって様々な条件があるでしょう。
就活の軸を決めるためには、自分自身がどのような仕事をしたいのか、どのような社会人生活を送りたいのかを理解しておく必要があります。
就活の軸と志望動機の違い
志望動機とは、就活の軸をもとに選んだ仕事や企業を志望する理由です。つまり、就活の軸がなければ志望動機が定まらず、キャリアの方向性もぶれてしまいます。
就職活動を始めるにあたって、まず考えるべきは「就活の軸」です。就活の軸をもとに志望する業界や職種を決めて、選んだ理由を志望動機でまとめていきます。
就活の軸が必要な理由

就職活動を行うにあたって、なぜ就活の軸が必要とされるのでしょうか。
ここからは、就職活動で就活の軸が必要とされる3つの理由について紹介します。
- 企業選びの基準になる
- エントリーシートや面接の対策になる
- 将来をイメージできる
企業選びの基準になる
世の中には数えきれない程の企業があります。
就活の軸は、数えきれない程多くの企業の中から、あなたの就職先候補となる企業を選ぶ際の基準となるものです。
就活の軸を決め、自分なりの企業選びの基準を明確にしておくことで、多くの企業の中からいい加減な見通しで選ぶのではなく、自分に合う・合わない企業を見極められるようになります。
自分なりの明確な基準を持ち、自分の軸に沿った企業にエントリーすることで、不必要にエントリーをすることもなく、結果的に就職活動を効率よく進められるでしょう。
アカリクのインタビューページでは先輩たちが就職活動を行う上で重要視していたことや就職先の決め手が紹介されています。これらを参考にすることで自分に合った企業を探す上での一助になるでしょう。
エントリーシートや面接の対策になる
就活の軸は、就職活動の選考で企業が重視する項目の一つです。
企業は、自社に合った学生を採用し、少しでも長く働いてもらうために、入社する学生とのミスマッチをできる限りなくしたいと考えています。
そのため、仕事内容や社風、キャリアパスなどの企業が提供しうるものと、学生の求めるものが一致するかどうかを選考を通して判断しているのです。
したがって、多くの企業が学生に対し、エントリーシートや面接で、直接または間接的に就活の軸を尋ねています。
つまり、就活の軸をしっかりと決めることで、エントリーシートや面接対策につながる のです。
ESを作成する上でのポイントや面接対策についてはこちらの記事を参考にしてください。
将来をイメージできる
企業とのミスマッチを防ぎたいのは、学生にとっても同じです。自分自身の軸を持たずに企業を選ぶと、入社した後に「こんなはずではなかった…」と感じてしまうことにもなりかねません。
就活の軸を持ち、自分が将来どのように働いていきたいのかを考えて就職活動に臨むことで、より自分に合った企業選びができるようになります。
また、就活の軸を見つける段階で、自分自身が今後どのように働いていきたいのかが明確になっていくこともあるでしょう。
就活の軸の考え方は?見つけ方を紹介

ここまで、就活の軸とは何なのか、また、就活の軸が必要とされる理由について説明してきました。
しかし、いきなり「就活の軸を見つけてください」といわれても、すぐに明確に見つけられる就活生は多くはないでしょう。
それでは、就活の軸はどのように考えて、見つけていけば良いのでしょうか。続いては、就活の軸の見つけ方としておすすめの方法を3つ紹介します。
- 自己分析を行う
- 他己分析をしてもらう
- インターンシップや企業説明会に参加する
自己分析を行う
就活の軸を見つけるにあたり、重要となってくるのは自己分析です。
自己分析とは、自分自身の価値観や長所・短所などについて分析し、理解を深めること です。
自己分析を通して自分の興味や価値観、行動原理について知ることで、自分に合った企業を選びやすくなります。
自己分析を行う際は、これまでの人生で感情が動いた出来事、記憶に残っている出来事について書き出すことから始めましょう。
その出来事に対し、「なぜ?」「どうやって?」「それによって何を得た?」といった問いを繰り返し、これまでの行動について深堀りしていきます。
これまでの行動について深堀していく中で自分らしさが見えてくるはずです。
感情が動いた出来事、記憶に残っている出来事がすぐには浮かばないという場合は、自分史や、マインドマップといった形に落とし込んで考え、頭の中を整理しながら行うのがおすすめです。
効果的な自己分析の方法についてこちらの記事で詳しく解説しているので是非参考にしてください。
他己分析をしてもらう
自己分析に加え、他己分析も就活の軸を見つけるのに役立つ手段の一つです。
他己分析とは、自分以外の第三者にあなたの特徴や長所・短所を分析してもらうことです。
他己分析により、他の人からどう見られているのかを知ることができます。
友人や家族など複数の人に、あなたの長所や短所、印象に残っている発言やエピソードなどを聞いてみましょう。自己分析では気がつかなかった自分自身の意外な一面を知ることができるれるチャンスです。
その際、第一印象と今の印象のギャップについても聞いてみると、面接での振舞い方のヒントも見えてくるでしょう。
インターンシップや企業説明会に参加する
インターンシップや企業説明会に参加することは、自分の本当にやりたいことや理想の働き方を見つけるのに役立ちます。
複数社のインターンシップや企業説明会に参加し、それぞれの企業の雰囲気や仕事内容、その企業で歩めるキャリアなどについて自分がどのように感じたかを書き留めてみましょう。
それぞれを比較することで、自分が将来どのように働きたいのかが見えてきます。
インターンシップや企業説明会で実際の仕事内容を体験したり、実際に活躍している社員の話を聞くことで、インターネット上での情報収集だけでは得られない情報を得ることができます。
また、時期にもよりますが、必ずしも参加時点で志望業界を絞っておく必要はありません。
現時点で志望している業界や業種以外のインターンシップや企業説明会に参加してみることで、ヒントが見えてくることもあります。
就活の軸が決まっていない人も、インターンシップや企業説明会に積極的に参加してみるのがおすすめです。
「アカリク」は累計17万人以上の大学院生・理系学生の就活をサポートしてきた就活サービスで、インターンシップや企業説明会の最新情報をチェックできる他、研究内容を登録するだけで企業からスカウトを受け取ることができます。分野特化のオンラインイベントも開催していて、忙しい研究のスキマ時間を使って効率よく就活を進めることができます。
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就活の軸が思いつかないときの対処法
ここでは、就活の軸が思いつかないときは、次の対処法を試してみましょう。
- おおまかなジャンルから深掘りする
- 興味がある業界・職種・企業から考える
- 就職で重視するものから考える
- 就活エージェントに相談する
役立つ考え方やヒントを理解して、焦らずに、一歩ずつ自分なりの答えを見つけていきましょう。
おおまかなジャンルから深掘りする
「やりたいことがわからない」という人は、いきなり明確な軸を設定しようと試みるのではなく、まずは興味のある分野やキーワードをざっくり挙げることから始めましょう。
例えば、「人と関わる仕事が好き」「モノづくりに関わりたい」など、漠然とした内容から深掘りしていくようにしてください。その上で、「なぜそれに惹かれるのか?」「どんな瞬間に面白さを感じたか?」と問いを重ねていくことで、軸の輪郭が徐々に明確になっていきます。
興味がある業界・職種・企業から考える
なかなか思うように自己分析ができない人は、「この会社ちょっと気になるかも」「この仕事かっこいい」という軽い感覚から興味のある業界や職種、企業を探してみてみましょう。
興味を持った企業や業界の特徴をいくつか並べてみると、意外と共通点が見えてくるものです。例えば、「成長中のベンチャーが多い」「社会課題にアプローチしている」など、その共通点こそが、あなたが無意識のうちに掲げている軸かもしれません。
就職で重視するものから考える
就活の軸を考える際は、「どんな働き方をしたいか?」「どんな価値を大事にしたいか?」といったように、自分が理想とする就職像から逆算して考えるのも一つの方法です。
例えば、「ワークライフバランスを大事にしたい」「成果をしっかり評価してもらいたい」といった考えを可視化することで、自分にとって譲れない軸が自然と見えてくるでしょう。
将来、自分がどのようになっていたいかというイメージを持つことで、就職で重視すべきポイントを理解できるはずです。
就活エージェントに相談する
自分一人で悩み続けるよりも、第三者の視点を取り入れることが、就活を成功させるための突破口になることもあります。
就活エージェントは、あなたの性格や過去の経験、希望条件をもとに、客観的かつ的確なフィードバックをくれるプロフェッショナルです。自分だけでは気づけなかった適性や、思いもよらなかった企業・業界との出会いにつながることも少なくありません。
特に大学院生や理系学生におすすめなのが、「アカリク就職エージェント(アカリク)」です。アカリクは、研究内容や専門スキルに基づいてマッチする企業を紹介するだけでなく、業界分析や選考対策、ES添削、模擬面接なども無料でサポートします。専任のキャリアアドバイザーが、あなたの強みや研究内容を理解した上で、最適なキャリア設計を一緒に考えてくれるのも心強いポイントです。
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就活の軸は途中で変わっても問題ないの?
就活をスタートした初期に定めた「就活の軸」が、説明会や面接、インターンを通じて変わってしまったという方も少なくないでしょう。「当初の軸とブレてしまっていいのか?」と不安に感じてしまう方は多いものです。
結論から言えば、就活の軸は途中で変わってもまったく問題ありません。むしろ、情報収集や自己理解が進んだ結果として、就活の軸がアップデートされることは、自然で前向きな変化と捉えられるでしょう。
ここでは、軸が変わることの捉え方と、面接などでの上手な伝え方について解説します。
就活の軸が変わっても問題がない理由
先述した通り、就活の軸が途中で変わることは、ごく自然な現象です。
企業研究や説明会、インターンなどで多くの情報に触れることで、最初は気づかなかった価値観や適性が見えてくるのは当然のことだからです。
例えば、当初は大手や上場企業を中心に就職活動をしていた方も、ベンチャー企業のスピード感や裁量の大きさに魅力を感じて、急遽方向転換するケースも珍しくありません。
重要なのは、その変化を自分自身で納得しているかどうかです。「なぜ軸が変わったのか」「その軸で自分はどのような働き方をしたいのか」を整理しておけば、面接においてもポジティブに自己アピールできるでしょう。
軸が変わったときの伝え方のコツ
就活の軸が途中で変わっても問題はないものの、その変化を面接や提出する書類上でどう説明するかが非常に重要です。
一貫性がないように見えてしまうと、面接官に「この人は自分の考えが定まっていない」と捉えられるリスクもあるため注意が必要です。
軸が変わったことを伝える際は、次の3つのポイントを押さえてください。
- 軸が変わった「理由」を具体的に話す
- 新しい軸が「自分の経験や価値観」とつながっていると示す
- 今の企業とその軸がマッチしていると説明する
例えば、「就活を始めた当初は、規模の大きな企業に惹かれていましたが、実際に現場で働く社員の方々と話す中で、少数精鋭の環境でスピード感を持って働くほうが自分に合っていると感じました」といったようなニュアンスで伝えると、軸が変わった具体的な理由やこれまでの経験や価値観につなげて、語れるでしょう。また、企業と自分の就活の軸がどのようにマッチしているかも分かりやすく伝えるように意識することも大切です。
就活の軸の具体例一覧を紹介

会社や仕事を選ぶ上で譲れない条件は人によって様々ですが、ここでは、業界別・働き方別に就活の軸の具体例を紹介します。
就活の軸を考える際に参考にしてみてください。
【業界別】就活の軸の具体例
業界別の就活の軸は、例えば以下のようなものがあります。
- ITの力で住む場所による格差をなくしたい(IT)
- 地図に残る仕事がしたい(建設)
- 流通の力で豊かな社会に貢献したい(商社)
- 日本の技術を海外にも広めたい(メーカー)
- 多くの人に商品やサービスの魅力を届けたい(広告)
- 経営者を支え、日本を豊かにしたい(金融)
- クライアントに寄り添って問題を解決し、企業の成長に貢献したい(コンサル)
- 情報をいち早く伝え、社会課題を解決するきっかけを作りたい(マスコミ)
【働き方別】就活の軸の具体例
続いて、働き方別の就活の軸には、以下のようなものがあります。
- 結婚や出産を経ても長く働きたい
- 社長・経営者の近くで働きたい
- 様々な業界と関わりながら働きたい
- 海外駐在を経験したい
- チームワークの経験を活かし、チームの皆で力を合わせて働きたい
- お互いに意見を言い合える、風通しの良い職場で働きたい
- 実力主義の環境で早期成長したい
- 1つの企業で長く働き続けたい
就職活動の軸をもとにした志望動機の書き方

就活の軸を質問されたとき回答すべきポイント、次の3つです。
- 就活の軸を一言で述べる
- なぜその軸なのかをエピソードや自身の強みと結び付けて説明する
- 志望する企業の特徴と就活の軸をマッチさせる
以上のポイントをまとめると、以下のような例文となります。
私の就活の軸は○○です。私は~~(エピソード)。 そのため××に強みのある御社であれば私の経験や強みを活かして貢献できると考えています。 |
上記の回答方法をもとに、就活の軸にもとづく志望動機のまとめ方を詳しく紹介します。
紹介する回答例はあくまで一例ですが、いずれの場合においても、自分の軸と応募企業がどのようにつながっているかがわかるように志望動機を伝えることが重要です。
面接官に納得感を与えるような志望動機を作るためには徹底した業界分析が不可欠です。こちらの記事では業界分析の方法について詳しく解説しているので是非参考にしてください。
「ITの力で住む場所による格差をなくしたい」IT業界(教育分野)志望
貴社の「地方にいても平等な学習機会を与える」という企業理念に共感し、志望しました。
私は「ITの力で住む場所による格差をなくしたい」と考えています。私は東京の大学に入学するまでの18年間沖縄県の離島で生活していました。
そこでは学習塾などがないことから都心部の学生に比べて学習機会が損なわれているように感じていました。
貴社のオンライン教育事業に携わることで、すべての人が居住地によらず平等な教育を受けられる社会をつくりたいです。
「地図に残る仕事がしたい」建設業界志望
私の夢は地図に残る仕事をすることです。
私の祖父は建築業界で働いていました。
祖父から橋梁を建設した話を聞くたびに、私も人々の生活に欠かせないインフラをつくりたいと思いました。
橋梁建設への憧れを胸に大学では建築学を専攻し、関連する研究を行い、学会ではいくつかの賞をいただきました。
棟梁建設を牽引する貴社で人々の生活を支えるために新しい地図をつくりたいです。
「流通の力で豊かな社会に貢献したい」商社業界志望
私はフランスの美味しい農作物を日本に広めたいと考え、貴社を志望しました。
私は大学3年生のときにフランスへ1年間留学をしました。
当初は西洋美術に興味があったのですが、滞在中に本場のフランス料理に感銘を受け、フランスの美味しい農作物を世界に広めたいと考えるようになりました。
「本物を届ける」をモットーに、貴社の食料事業で活躍したいです。
「日本の技術を海外にも広めたい」メーカー業界志望
日本の高い自動車生産技術を海外に広めたいと考え、貴社を志望しました。
大学院で国内自動車メーカーと共同研究を行った際に、工場で働く熟練技術者の技術力に感銘を受けました。日本には機械では代替できない素晴らしい技術がたくさんあります。
私も貴社で研鑽を積み、一流の技術者として自分がつくった製造部品を世界中の企業に使ってもらいたいです。
「多くの人に商品やサービスの魅力を届けたい」広告業界志望
まだ注目されていない優れた商品やサービスの魅力を届けることができる仕事がしたいと考え、貴社を志望しました。
私の両親は製麵所を営んでいます。そこでは自社開発した製品を販売しています。
その中のある製品は、味は抜群によいのにもかかわらず売れ行きが不調でした。私はパッケージデザインに問題があると考え、自らデザイナーと交渉し、新パッケージを両親に提案したところ、デザインをリニューアルしてから売り上げが大幅に上がりました。
この経験からデザインをはじめとする伝え方の重要性を痛感し、貴社で広告技術の研鑽を積みたいと考えました。
企業から評価されやすい就活の軸とは?
面接やエントリーシートで「あなたの就活の軸は何ですか?」と聞かれた際に、思いつきで答えるのは非常にリスクがあります。
採用担当者に納得感を与えるためには、企業から評価されやすい就活の軸は、次のとおりです。
- 具体性がある
- 企業との接点・親和性がある
- 本人の強みや志向と結びついている
ここでは、企業から評価されやすい就活の軸の特徴を3つに分けて詳しく解説します。
具体性がある
企業から評価される就活の軸にするためには、まず「具体性を持たせること」が大切です。
「人の役に立ちたい」「やりがいのある仕事をしたい」といった抽象的な表現だけでは、企業側にあなたの価値観や志向が伝わりにくくなってしまいます。
例えば、「高校時代のボランティア経験から、誰かの挑戦を支える仕事にやりがいを感じた」といった具体的なエピソードと結びつけた軸であれば、自然と納得感と信頼感が生まれます。
自分の過去の経験を深掘りし、なぜその軸を持つようになったのかを具体的に語れるようにしましょう。
企業との接点・親和性がある
どれほど魅力的な就活の軸であっても、応募する企業との接点や共通点がなければ、強い印象を与えられません。
「なぜその企業を志望するのか」「どのようなビジョンに共感しているのか」といった企業との親和性を伝えることで、就活の軸と企業の価値観や方向性が一緒である旨をアピールできるでしょう。
例えば、「海外との架け橋になる仕事がしたい」という就活の軸がある場合は、実際にグローバル展開している企業や、外国語を活かせる職場環境との接点を明確に提示することが大切です。
また、「入社後にどんな形でその軸を実現したいか」といった将来的なビジョンに触れることで、より説得力のあるアピールとなるでしょう。
本人の強みや志向と結びついている
採用担当者は、採用する際に「強みがどのように活かせるか」をイメージしようと試みるものです。そのため、自分の強みや志向と就活の軸をセットで語ることで評価されやすくなるでしょう。
例えば、「チームで協力して目標を達成することにやりがいを感じる」という強みと、「チームで課題解決に取り組む職場で働きたい」という就活の軸が一致していれば、企業側も「この人はうちの環境にフィットするかもしれない」と納得しやすくなります。
自己分析を繰り返して自己理解を深め、自分の性格・スキル・価値観を軸に反映させることで、あなたの強みが際立ち、他の就活生との差別化にもつながるでしょう。
面接やエントリーシートで聞かれた場合のポイント

前述の通り、就活の軸は多くの企業の選考で重要視されるポイントの一つです。
それでは、実際に面接やエントリーシート等で就活の軸を聞かれた場合、どのように伝えたら良いのでしょうか。
ここからは、面接やエントリーシートで就活の軸を聞かれた場合の答え方のポイントを3つ紹介します。
- 具体的なエピソード・強み・考えを交える
- 多くの業界・企業に当てはまるものは答えない
- 就活の軸と企業への志望度と結びつける
具体的なエピソード・強み・考えを交える
「あなたの就活の軸は何ですか?」と聞かれた際に、「私の就活の軸は〇〇です」と答えるだけだと、企業の採用担当者は「なぜだろう」と疑問に感じてしまいます。
そのため、その根拠となる具体的なあなたのエピソード・強み・考えを交えて伝える必要 があります。その就活の軸を持つに至った経緯を根拠をもって説明出来るようにしておけば、面接での深堀り質問にも十分に対応できるようになります。
多くの業界・企業に当てはまるものは答えない
企業があなたに就活の軸を尋ねる場合、「なぜあなたが我々の業界・企業を選んだのか」という点に関心があります。そのため、多くの分野に当てはまる就活の軸は、あまり適切とはいえません。
例えば「やりがいのある仕事がしたい」「人の役に立つ仕事がしたい」「仕事を通して成長したい」などの就活の軸は、一見素敵な軸にも見えますよね。
しかし、多くの業界・企業に当てはまってしまい、採用担当者に「うちの業界・企業ではなくてもいいのではないか」と思われてしまう恐れがあります。
そのような事態を避けるためには、「なぜ?」「どのように?」と問い、軸を深堀りする方法と、他の軸と組み合わせるという2つの方法があります。
「なぜ?」「どのように?」と問い、軸を深堀りする方法では、例えば「人の役に立つ仕事がしたい」という軸であれば、「なぜそう思うのか」「どんな人の役に立つ仕事がしたいのか」と考えることで、あなただけの就活の軸が出来上がります。
他の軸と組み合わせる方法では、例えば「仕事を通して成長したい」という軸であれば、業界別の軸と組み合わせ、「私の志望する〇〇業界の中で近年最も成長している御社で、自分自身も成長していきたい」と言えるでしょう。
就活の軸と企業への志望度と結びつける
就活の軸を伝えるときは志望する企業の特徴と関連付けて説明できると良いでしょう。
例えば「私の就活の軸は○○であり、御社の××という部分でそれが実現できると考えています。」というような回答が考えられます。
このような受け答えをするためには企業の事業内容や社風、価値観などを企業のホームページなどで情報収集した上で整理しておく必要があります。
企業についての理解を深めて、それに合致するような就活の軸を話すことが出来れば、企業への理解や志望度の高さをアピールできるでしょう。
仮に「他社でもできるんじゃない?」という質問があれば個人の価値観に紐づけて説明するのがおすすめです。具体的には「御社の製品を昔から愛用していた」などの個人の価値観を踏まえて説明すると面接官に納得感を与えられるでしょう。
就活の軸に関するよくある質問
面接で就活の軸を聞かれたときの答え方は?
面接で就活の軸を聞かれた場合、次の3つに注意して答えましょう。
- 就活の軸を一言で述べる
- なぜその軸なのかをエピソードや自身の強みと結び付けて説明
- 志望する企業の特徴と就活の軸をマッチさせる
具体的なエピソードを交えて、面接を受けている企業と自分の軸の共通点を述べることが重要なポイントです。
就活の軸の考え方は?
「就活の軸」は、企業側から見れば「働き方や入社意欲が見える指標」、学生側から見れば「会社選びや仕事選びの方向性を決めるもの」「自分の人生をどう生きたいかの指標」です。
就活の軸は1つに絞る必要はありません。3つから4つ程度洗い出し、自分なりの優先度を決めておくと最終的に入社する企業を選ぶ際に方向性を決めやすいでしょう。
まとめ

就活の軸は、あなたが企業を選ぶ際はもちろん、企業の選考を突破する上でも非常に重要なポイントです。
また、数ある企業の中から、どのような企業で、どのように働きたいか考えるきっかけでもあります。
今回ご紹介した就活の軸の見つけ方を参考にしながら、あなたらしい就活の軸を見つけて就職活動に挑みましょう。
就職活動を進めていくうちに様々な価値観に触れたり、企業に出会ったりすることで、就活の軸が変わることも多くあります。
常に自分と向き合い、疑問を問いかけることで、あなたにとってより良い企業との出会いにつなげていきましょう。
企業への就職活動に不安なときはエージェントを活用しよう!
企業への就職活動を進める上でひとりで全てをやろうとすると何から始めると良いか分からずに困ってしまうこともあるかもしれません。
そのようなときは就職エージェントを活用するのがおすすめです。
プロから客観的なアドバイスをもらえることでやるべきことが明確となるでしょう。
