arXivに掲載された論文を引用する方法を紹介

研究・大学生活

修士論文や博士論文を執筆している大学院生の方は、arXiv(アーカイブ)という単語を聞いたことがあるのではないでしょうか。

arXivは論文を発表するために使われるプレプリントサーバーのひとつですが、具体的な使い方や引用の仕方がわからない人も多いと思います。

今回はarXivの役割や具体的な使い方、利用する際の注意点などを解説します。arXivを使って論文を引用したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

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arXivはプレプリントサーバーの先駆け

「プレプリントサーバーの先駆け」と呼ばれるarXiv。物理や数学の分野では当たり前に使われているツールのひとつです。プレプリントサーバーとは何なのか、またarXivはどのように使われるのか見てみましょう。

プレプリントサーバーとは

プレプリントサーバーとは、査読される前の論文を公開したWebサイトのことです。

そもそも論文を公開する際は、内容の信憑性や論理などをその分野の研究者にチェックしてもらう必要があります。この作業を「査読」といい、査読される前段階の論文を「プレプリント」と呼ぶのです。

プレプリントサーバーを使えば査読にかかる時間を省略して、即座に世界に向けてプレプリントを出すことができます。

しかし、アップロードした論文は他の研究者のチェックを経ていないため、内容の妥当性が低いケースがあるのです。ただ、論文はいかにスピーディーに世に出すかが勝負どころなので、他の研究者に見てもらう意味も含めて、まずプレプリントサーバーに原稿を出す研究者はたくさんいます。

arXivとは

arXiv(アーカイブ)とは、前項で説明したプレプリントサーバーのひとつです。アメリカのニューヨークにあるコーネル大学によって運営されています。

参考:arXiv

arXivは1991年から運営され、数ある研究分野の中でも、特に物理や数学、コンピューター科学、統計学などの論文が多い傾向にあります。

ただ、アップロードされている論文は公式ではないため、論理が破綻している可能性やデータが十分でない可能性もあります。場合によっては、他の研究者から厳しい目で評価される可能性もあるでしょう。

一方で原稿のアップロード、ダウンロードともに無料で利用可能であり、スピーディーに研究結果を発表できることも大きなメリットであり、世界中の研究者に使われているWebサイトです。

arXivの論文を引用するやり方

ここからは、具体的なarXivの使い方についてご紹介します。実際にどのように引用したらいいのかわからず悩んでいる方は、以下に説明する引用方法や注意点を参照してくださいね。

引用とは

引用とは「論文を書くために必要な情報を、元の書籍や論文からそのまま記載すること」を指します。引用のポイントは以下の通りです。

  • 参照元を明らかにする
  • 文章をそのまま転載する
  • 自分の論文の補足として使う

「引用」は「参照」とは違い、他の人が書いた内容をそのまま転載してダブルクオーテーション(“”)で囲う必要があります。また、引用する際は自分の主張を補足する形で使い、引用元の文章をメインにしてはいけません。あくまでも自身の主張の補足、根拠として利用しましょう。

引用文献の書き方

arXivから論文を引用する際は、通常の論文と同様に記載する必要があります。

本文に引用文献を書くときは、引用元の文章に続けて著者名や出版年などを記載します。ただ、ぺージをまたぐときや著者が複数いる場合もあるので、引用元によって書き方を変えなくてはいけません。ポイントは以下の通りです。

  • 引用元の文はダブルクォーテーション(“”)もしくは「」でくくる
  • ページが2枚以上になる場合は全て記載(p.100-101)
  • 著者が2人いる場合は(山田・田中)のように・を使う。海外の論文の場合は&を使う
  • 著者が3人以上の場合は、一度目に著者全員の姓を記載。二度目以降の引用は(~他)もしくは(~et al.)と記載
  • 引用元の文章を簡潔に記載するときは、著者の姓と出版年数のみ記載
  • 同じ論文を複数回引用するときは、二度目以降は著者の姓のみ書けばよい。ただし記載ページが遠くなる場合は二度目でもページを記載する

実際に論文を引用する際は、以下のように書きます。

日本語の論文の引用例:

「AはBである」(山田, 2012, p.108)

海外の論文の引用例:

“A is B”(Smith, 2012, p.108)

なお、上記は一般的なルールであり、論文誌の場合は学術分野や掲載誌ごとに引用形式を指定しているため、基本的にその指示に従う必要があります。

投稿雑誌や学会で公開されていないか確認しよう

プレプリントサーバーから引用文献を使う際に注意したいのが、雑誌や学会で同じ情報が公開されていることです。学会や論文雑誌から引用する際は書き方が変わるため注意しましょう。

論文雑誌は論文誌名や巻号を、学会の場合は会議の名称や開催年数を書く必要があります。

論文雑誌の引用例)

「引用文」(著者, タイトル, 雑誌名, 巻号, 記載ページ数, 発行年)

学会の引用例)

「引用文」(著者, タイトル, 会議名, 記載ページ数, 開催年)

ただ、上記はあくまでも例であり、学会や論文誌によって引用文献のスタイルは変わる可能性があります。情報元を調べるだけでなく、引用の方法についてもきちんと調べて、不正行為にならないよう十分気を付けましょう。

まとめ

今回はプレプリントサーバーであるarXivに関する情報や、引用の仕方について解説しました。

  • arXivとはプレプリントサーバーの先駆け
  • プレプリントサーバーとは、査読前の論文を公開したWebサイトのこと
  • arXivは物理や数学に特化した論文が多い
  • 引用とは、他の研究者が書いた論文を自分の論文に転載すること
  • 引用は正しいルールに沿って書く必要がある
  • arXivから引用する際は、学会や雑誌に同じ情報が公開されていないか調べる

プレプリントサーバーは論文を作るうえで大変役に立つツールですが、使い方を誤ると自分の論文が却下される恐れがあります。ルールにのっとって、正しい引用を心がけましょう。

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アカリクリポーターズとは、大学院生としての経験や知識を「リポート」するライター集団です。全員大学院在籍経験があり、これまでの研究経験や知識を活かして、大学院生の皆様に役立つ情報をお届けしています。専門分野は工学・化学・生命科学・心理学・社会学等様々です。

【監修】アカリクお役立ちコンテンツ編集部
博士号所持者/博士課程在籍経験のある編集者が監修しています。

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