内定者インタビュー
『書生的な問題意識』と『商人的な現実感覚』を持とう
金融系コンサルティング企業 内定
研究分野 経済学系
修士課程
Kさん
なぜ研究者ではなく、就職をしようと思いましたか?
そもそも、社会科学という学問は社会を良くするためにあるという認識だったので、実際の社会を知らずにそれが生きるはずがないと思っており、社会の中で仕事をしてこそ、真の意味で生きた学問になると考えていました。そのために、大学院に通う間も積極的に事務などの実務経験を得る機会を持つようにしていました。学資の調達も兼ねて、休学期間(1年間)や長期休暇を利用して、メーカーの営業事務や資産運用会社の派遣社員として働きました。
就職活動に際し、同期や先生に相談しましたか?
相談というよりも『こういうことを考えている』ということを話すだけで自分の頭の整理になったし、実際に面接で自分が考えていることを相手に分かるように伝えるという練習になりました。大学院には社会人経験者も多く、企業に就職することへの理解はありました。
どんなツールを使って就職活動をしましたか?
エージェントサイトには三件ほど登録して利用しました。
興味のある会社を検索して見つけて、HPから直接エントリーもしました。
どんな業界を志望しましたか?
シンクタンク、コンサルタントまたはリサーチ部門を持つ金融関連の企業です。
面接や試験に向けてどのように準備しましたか?
日々、自分の意見を持てるようにしたいと考え、新聞やビジネス関係の本を読んで専攻分野周辺の情報収集をしました。面接の練習や筆記試験の練習は特に行いませんでしたが、エントリーシートは人に読んでもらって推敲しました。
実際に受けた試験や面接についてのエピソードをお聞かせください
お互い好きでない、ということが一瞬にして分かる面接がありました。面接を受けると、自分も相手を観察するわけであり、話し方やしぐさから性格のようなものもなんとなく垣間みえることはありました。サポーティブな雰囲気ではない等、一緒に働きたいと思えないということは企業選定でも大きな要因になると思いました。
就職活動をしている、または就職を考えている大学院生へのメッセージ
机上の空論ではなく、社会に実際にどのようにコミットできるかという可能性を考えるのは、とても楽しかったです。自分の問題意識や情熱に具体的な方向性を与えられるという期待がありました。しかし、たとえば英語のスキルを磨いてきた、というようなことに話題がいってしまうと、すぐに英語を使う業務がないような会社では、『退屈ですが大丈夫ですか』と聞かれました。私は下積みなしに最初から自分の専門性を生かせるとは考えていないし、アカデミックキャリアと実務でのキャリアを統合させるのに5~10年ほどのスパンで考えていること、雑務も雑務だと思えば雑務だが、得るものは沢山あると考えていることを理解してもらうのに苦労しました。また『何故国際協力に興味を持ったか』については“奇麗ごと”にならずにすんなり分かってくれるかどうかには、かなり個人差がありました。結局今の内定先は、研究内容への理解がありそのような説明が不要だったので話がすぐに通りました。
就職活動をしている大学院生へのメッセージをお願いします。
大学院での研究生活で得られるものについては、コミュニケーション能力のなかでも、高い論理的思考能力、ドキュメンテーション、プレゼンテーションに高いスキルを持っているというのは、意外とすぐに実務に応用できます。そこに自信を持ってアピールすべきです。他に、短期の実益追求以外の、長期の視点を持てる、興味の幅が広いということも素晴らしいことだと思うが、これについては逆に、社会がどのような仕組みで動いているのかに疎い、迎合を嫌う態度につながることがあります。実務経験がないというコンプレックスと、その裏返しとしてのプライドの高さというかたちでネガティブに出てきてしまってはもったいないと思います。社会の仕組みをしることはとても有意義なことなので、そのために懐をお借りする、実務に自分の専門性を生かさせてもらいつつ、その見返りに会社に貢献する、というポジティブな意識でいて欲しいです。また、どうしても近視眼的になってしまいがちかとは思いますが、自分のキャリアプランも長期的に考えて欲しいです。最後に自分は、“成功するには『書生的な問題意識』と『商人的な現実感覚』が必要だ”、という言葉に感銘を受けました。嫌々就職活動をするのではなく、経済社会の一員となることを、是非ポジティブに捉えて欲しいと思います。
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