内定者インタビュー
不安と向き合い、飾らず誠実に
IT企業 内定
研究分野 数学系
博士課程
T. K.さん
就職活動を始めたのはいつからですか?
就職活動は8月中旬から始めました。
元々は研究者を目指していたこともあり、博士後期課程3年の8月前半までは研究機関の公募情報を定期的にチェックする程度で就職活動らしいことは何もやっていませんでした。目の前の研究に忙しかったことは事実ですが、今思えば進路について考えることから逃げていた側面もあったように思います。進路についてしっかりと考えるようになったのは8月に入り研究が一段落してからで、周囲の若手研究者の状況や、自分のこれからのことを考えたときに、このまま研究職を目指すよりは、むしろ社会との関わりが持ちやすい一般企業で自分の知識を生かす方が自分にはあっているのではないかと考えるようになり、就職活動を始めました。
どのような軸で企業を見ていましたか?
自分が入社して活躍できるイメージを持てるかどうかという点を重視していました。
私は学部では土木工学を、修士・博士では数学を専攻しており、そのキャリアを生かしたいという希望はありましたが、就職活動を始めた時期や純粋数学という自分の専攻を考えるとそう贅沢は言っていられないなという危機感も持っておりました。ですので、そのまま専門知識は生かせないまでも「ここならこういう知識が生かせないか」とか、「この仕事は自分の研究と似ているな」というようなイメージを持てることを大事にしていました。結果的には、土木と数学の知識を生かせる企業から内定を頂くことができたのですが、間口を広げて活躍の可能性を見出そうとしたことは、その後の選考でも大いに役立ったと思います。
就職活動と研究の両立はどのようにされましたか?
私の場合就職活動を始めたのが遅かったので、ある程度の方向性が見えるまでは就職活動に集中して、その後は時間を決めて活動することで、両立させることを心がけていました。
ただ、そうはいっても内定をもらうまでは不安で研究に手がつかないということもしばしばで、人に自慢できるほど両立はうまくできていなかったと思います。研究に手がつかない時には、自分が何に不安を感じているのかということをなるべく書き出すようにして、頭の中を整理するようにしていました。 書き出すだけで不安が消えるということはありませんが、それが客観的に自分を見つめなおす機会にもなり、気持ちの切り替えや就職活動の自己分析をする際にもプラスに作用したように感じています。
就職活動の中で、一番努力したことはどんなことがありましたか?
質問や相談を積極的にするよう心がけていました。
私は「数学と工学の知識を活かせるような技術者になりたい」という方針で活動していたのですが、かといって何か特定の実務に関する専門知識があるわけでもなく、自分の方向性に自信が持てずにいました。そんな時には一人で抱え込まず、コミュニケーションの中から答えを導くよう心掛けていました。具体的には、友人やアカリクの方に就職活動全体不安や自分の方針に関する相談をお願いしたり、企業説明会の際には、なるべく多くの質問をするよう心がけたりしました。このように、自分の考えを相手に伝え、様々な意見を聞くという一連の過程の中で方向性が自ずと定まっていったように感じております。
どのような内容で企業へ自己アピールをしていましたか?
私の場合、学部で土木工学を専攻し大学院から数学科に転科したという他の人にはない経歴がありましたので、その点を積極的にアピールしました。
理学と工学両方を学んでいる学生はやはり珍しいようで、面接でもその点は興味を持って話を聴いてくださり、話の入り口としては良かったと感じています。ただ、あとから振り返ってみると、面接全体の評価においては、それぞれの専攻で何を成し遂げてきたかが重要であったように感じました。私の場合、各専攻で(自慢できるほどではないものの)成果を出すことができたこと、そして研究に誠意をもって取り組んだ姿勢が面接で評価されたのではないかと自己分析しています。
内定先への決め手は何でしたか?
最終的には社員の方が会社へどのような想いを持たれているかという点を重視しました。
私は幸運なことにいくつかの会社から内定を頂けたのですが、どの企業もそれぞれ違いはあれど社内の雰囲気は良く、業務内容も自分の興味と合う所ばかりでしたので、どこを選んでも満足できるだろうなというのが前提としてありました。ただその中でも、内定を決めた会社では、お会いした社員一人一人が今の会社に満足していて、会社をよくしていきたいという想いを持たれている印象を強く感じました。もちろん給与や待遇といった目に見える所も考慮はしましたが、最終的な決め手としては、むしろそういった形にはならない所を大切にしました。
就職活動の中で最も印象的なエピソードを聞かせてください。
ある企業の面接において、その場にいらした社長から「みんな君のようでは困るけど、組織の中には数人のとんがった人材も必要だ」という趣旨のことを言われたことが大変印象に残っています。
私は、土木工学から数学へ転科した他にも、実は修士課程修了後に一度就職しており、通常の学生とは少々違う立場にありました。自分なりの信念をもって進路を選択してきた自負はありましたが、一方、その分年齢も高く実務の知識もない自分が果たして相手にされるだろうかという不安も持っておりました。そういった中で、上記のことを言っていただけたことは、自分の信念が評価していただけたような気がして、とても大きな自信になりました。
就職活動をしている大学院生へのメッセージをお願いします。
就職活動では一つ一つの結果に一喜一憂せず、自分のこれまでやってきたことを素直に伝えることが大切だと思います。
私が就職活動を始めたばかりの頃は、面接がうまくいかず不採用の連絡を頂くこともあり、これがずっと続いてしまうのではないかという不安に駆られることがありました。しかし、その中でも自分のやってきたことや自分がどのように社会に貢献したいかということを誠実に話すよう心がけてきたことで、最終的にいくつかの企業の方が興味を持ってくださいました。皆さんも、就職活動のためにあえて特別なことせずとも、これまで学生生活で積み上げてきたことをしっかり伝えられれば、必ず興味を持ってくださる企業が現れると思います。がんばってください。
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