研究計画書の書き方完全ガイド|目的・構成・NG例まで徹底解説

研究・大学生活

研究計画書を書かなければいけないのに、どうやって書けばいいのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

研究計画書とは、大学院へ宛てて書く「企画書」のようなものです。あなたがこれからどんな研究をしようとしているのか、どうやって研究を進めていこうとしているのか、それを大学院側に伝えるのが研究計画書の役割です。

研究計画書のフォーマットや必要な文字数、枚数などは大学によって決まっていることもありますが、ここでは一般的な研究計画書の構成や、書き方のコツなどについて、大学院生&理系学生に特化した就活サイト「アカリク」のアカリクリポーターズが紹介します。

  1. 研究計画書を書くときには何を意識すべきか
    1. 自分と大学院とで共有しておきたいビジョンを提示する
    2. 研究計画書はコミュニケーションツール
    3. 正確さよりも伝わりやすさ重視で書く
  2. こんな計画書はNG!大学側が困惑する研究計画書
    1. 調査方法や研究内容が書かれていない
    2. 具体性のない内容はNG
    3. 課題解決の実践を提案している
  3. 研究計画書を書き始める前に押さえておきたい3ステップ
    1. 研究テーマと指導教員・研究室の方向性を確認する
    2. 研究の目的と問いを整理する
    3. 先行研究を調べ、自分の立ち位置を把握する
  4. 研究計画書の基本の書き方
    1. 何を
    2. なぜ
    3. どうやって
  5. 研究計画書の構成
  6. 研究課題名
    1. タイトル
    2. 短く伝わりやすいキャッチコピー
    3. 内容
  7. 研究計画書の各項目の書き方【目的】
    1. 何を明らかにするための研究なのか
    2. スペースが十分にあれば背景や方法についても
  8. 研究計画書の各項目の書き方【背景】
    1. 社会的背景
    2. 学術的背景
  9. 研究計画書の各項目の書き方【採用する方法】
    1. 場所・調査対象
    2. 時期・研究手法など
  10. 研究計画書の各項目の書き方【結果と予想】
  11. 研究計画書の各項目の書き方【特色】
  12. 研究計画書の各項目の書き方【引用/参考文献】
  13. 研究計画書を仕上げる際のチェックリスト
    1. 読み手を意識して書けているか
    2. 専門用語・略語の使用が適切であるか
    3. 文章の構成・表現・フォーマットを最終チェックする
  14. 第三者目線でチェックしてもらい提出しよう
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研究計画書を書くときには何を意識すべきか

そもそも「研究計画書」とは何で、何のために書くものなのでしょうか。

自分と大学院とで共有しておきたいビジョンを提示する

研究計画書とは、大学院入試の際、あるいは大学院入学後に「大学院でどのような計画で研究を行うのか」を大学院側に知ってもらうために提出する書類です。

どのタイミングで提出するのかは、大学院や分野によって違いがあります。一度提出すればよいところもあれば、毎年提出するところもあります。

研究計画書を提出する理由は、大学院生自身が大学院に対して自分の研究ビジョンを提示し、理解してもらうためです。

つまり、あなたと大学院の研究をつなぐ「企画書」のような役割を果たすものだといえます。大学院側にあなたの研究についてわかってもらえるよう、丁寧に書きましょう。

あくまでも「計画」ですので、研究を進めていくにつれてこのやり方ではうまくいかないことがわかり、方針を転換することも起こります。その場合は都度、研究計画書を書き換えていくケースもあります。

研究計画書は会社でいうと「事業計画書」に相当します。研究を行う大学院生自身が自ら研究計画書を書くことで、自分自身の研究の意義や手法をしっかりと見つめることも、研究計画書を書く目的のひとつです。

また、書かれた研究計画書は、どのように研究を進める計画であるのかを大学院に示し、その後、計画に沿って研究が進捗しているのかを見極める基準ともなるのです。

研究計画書はコミュニケーションツール

大学院入試の際に研究計画書を提出する場合、その目的は「あなたが大学院でやりたい研究が、価値のあるものかどうか」、そして「あなた自身が大学院へ進むのにふさわしい人物かどうか」を判断する材料とすることにあります。

つまり、研究計画書はあなたと大学院入試担当教員との、コミュニケーションツールです。教員に向けて、どれほど面白いものであるか、どれほど重要なものになるのか、といったことが伝わるように書いてみましょう。

他者にその研究の面白さや重要性をうまくアピールすることは、研究者にとってとても重要なスキルのひとつでもあります。今後、研究費を出してもらうため、研究成果を認めてもらうためにも、欠かせないスキルです。

試験官があなたの研究に興味を持ってくれ、スムーズなコミュニケーションができるように、研究計画書を書いてみましょう。

正確さよりも伝わりやすさ重視で書く

コミュニケーションツールとしての研究計画書に求められるのは、正確さよりも伝わりやすさです。

研究へのこだわりはいろいろとあることとは思いますが、正確さやあなたの優秀さをアピールすることを重視するのではなく、他の人が読んだときにわかりやすいことを第一に考えて、研究計画書を書きましょう。

また、同じ学科内の教員が目を通すことになることも意識しておきましょう。学科によってはかなり広い分野をカバーしており、それぞれの先生がまったく毛色の違う研究をしているというケースも少なくないことでしょう。まったくの一般人に理解できるほどでなくても構いませんが、関連が深かったり一般的でない専門用語や知識については説明を加えるなど、少なくとも隣接分野の専門家が十分理解できるようなレベルを想定して用意するとよいでしょう。

こんな計画書はNG!大学側が困惑する研究計画書

受け取った大学院側が困ってしまう研究計画書もときどきあるそうです。それはいったい、どのようなものでしょうか?

調査方法や研究内容が書かれていない

「〇〇を研究する」「〇〇を調査する」とだけ書かれて、具体的な方法に全く触れていない研究計画書はNGです。それだけでは実際にどのような方法、どのようなプロセスで研究しようとしているのかが全く読み取れません。

まだ具体的にどのようにアプローチしていくのかが、はっきりと決まっていないのかもしれませんが、そんな曖昧なものは計画と呼びません。

研究とは、誰かに道筋を示してもらうものではなく、研究者自身が道を拓いて進めていくものです。

明確なビジョンが見えていなければ、面接時に「具体的にはどうやって研究を進めるのですか」と聞かれても答えられず、大学院への進学が叶わなくなってしまう可能性もでてきます。

したがって、研究計画書を書く段階では、具体的な研究のやり方や内容について、きちんと周囲に示していくことが重要となります。

具体性のない内容はNG

研究計画書に「持続可能な社会を実現したい」「再生可能エネルギーの普及に興味がある」といった、具体性のないビジョンを書く人がいます。

こういった研究計画書では、どのようなゴールに向かっているのかを伝えることはできません。研究の内容にもよりますが、例えば具体的な数値目標を挙げるなど、定量的なビジョンにするだけでも、ぐっと説得力が高まります。

課題解決の実践を提案している

「駅前に観光客が立ち寄れるスポットを作りたい」「住宅地に高齢者が気軽に利用できるバスを走らせたい」など、「実践」を訴えるケースも見られます。しかし大学院は学術研究の場であり、特に在学期間が限られた学生の単独プロジェクトとしてはハードルも高いというのが現実です。既に確立された理論は手法の実践や社会実装というよりも、新たな理論の確立や仮説の立証などといったモデルの研究が大学院における研究のメインストリームと言えそうです。

研究計画書を書き始める前に押さえておきたい3ステップ

研究計画書は、思いつくままに書き始めても、うまくまとまらないことが多いものです。まずは、研究の方向性や目的を明確にし、自分の考えを整理する準備が大切です。

研究計画書の作成に取りかかる前に意識しておきたい3つのステップは、次のとおりです。

研究計画書を書き始める前に押さえておきたい3ステップ

  • 研究テーマと指導教員・研究室の方向性を確認する
  • 研究の目的と問いを整理する
  • 先行研究を調べ、自分の立ち位置を把握する

それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

研究テーマと指導教員・研究室の方向性を確認する

研究テーマを決める前に、まず確認しておきたいのが「指導教員や研究室の方向性」です。

研究テーマと研究室の専門分野・設備・指導方針が合っていないと、テーマだけが先行してしまい、実現の難しさやサポート不足につながる恐れがあります。

たとえば、指導教員がデータ解析を中心に研究しているにもかかわらず、フィールドワーク主体の調査を計画してしまうと、研究の進め方や必要な環境が噛み合わず、思うように成果を出せないケースもあるでしょう。実際に、「研究テーマが曖昧」「指導教員との方向性が一致していない」といったケースが大学院入試で不利になることが指摘されています。

そのため、志望する研究室や教員の論文・研究テーマ・プロジェクトの内容、そして研究環境を事前にしっかり確認しましょう。可能であれば、研究室訪問や在学生へのヒアリングを実施し、「この研究室で自分のテーマが実現できるか」「教員の指導スタイルが自分に合っているか」を検討してください。

研究の目的と問いを整理する

研究計画書を書くうえで意識したいのは、研究を通して何を明らかにしたいのかという「研究の目的」とどのような問いを立てるのかといった「リサーチクエスチョン」をはっきりさせることです。

たとえば、テーマが「オンライン学習の効果」の場合、目的は「オンライン学習がもたらす学習成果を明らかにする」、問いは「オンライン学習を取り入れた学生の成績は、対面授業を受けた学生と比べてどのように違うのか」といったように整理できます。

問いが曖昧なままでは、研究の方向性がぼやけてしまいます。一つの問いに焦点を絞って「なぜこの問いを立てたのか」「この問いにどうアプローチするのか」を明確にすると、研究計画書全体に筋が通り、説得力がぐっと増すでしょう。

さらに、「なぜ今その問いを立てるのか」「この研究が社会や学問にどのような意義を持つのか」を付け加えると、研究テーマに一貫したストーリーが生まれます。目的や問い、意義の関係を意識して整理していくことが、読み手に伝わる研究計画書づくりのコツです。

先行研究を調べ、自分の立ち位置を把握する

研究計画書を書くうえで欠かせないのが、これまでに発表されてきた先行研究の把握です。自分の研究テーマに関連して、どのような研究が行われ、どこまで分かっているのかを確認することで、研究全体の背景と課題がみえてきます。論文データベースや学会誌、学位論文などを活用し、関連分野の成果や限界を整理しておきましょう。

先行研究を調べる際には、次のような問いを意識するのがおすすめです。

  • このテーマについて、既にどのような知見が得られているか
  • 過去の研究では、どのような方法や対象が使われてきたか
  • まだ明らかになっていない課題は何か、自分はどこに貢献できるか

このように整理することで、あなたの研究が「なぜ必要なのか」「どのような新しさや価値があるのか」を裏付けられます。単に「このテーマに興味があります」と述べるだけでなく、「先行研究では未解明だった部分に着目し、こうアプローチする」といったように、自分の研究の立ち位置を明確に示すことが大切です。

また、調べた文献は読んで終わりにせず、文献管理ソフトやノートで要点を整理しておくと便利です。後で引用や比較を行う際にもスムーズに活用でき、研究計画書全体の説得力が高まります。

自分の研究がどの位置にあるのかを意識して整理することで、より信頼性のある計画書を作成できるでしょう。

研究計画書の基本の書き方

研究計画書は、「何を、なぜ、どうやって」の3つ全てが具体的に盛り込まれたものとなるように書きます。大学院や分野によって、フォーマットや文字数はさまざまで、同じ大学院の中でも、1,000字程度あればよい研究科もあれば、4,000字程度が必要な研究科もあります。

参考:大阪大学外国学図書館「研究計画書の書き方

何を

まず、何を研究するのか、研究の目的は何かがはっきりと分かるように書いてください。

なぜ

なぜあなたはこの研究をするのか、研究の理由や背景などを書いてください。研究の仮説や研究を通して明らかにしたいこと、研究に至ったきっかけ、問題意識などを、わかりやすく説明していきます。

先行研究について触れ、それに対してこれから行うあなたの研究がどういう意味合いを持つものになるのかを述べるのもよいでしょう。研究の意義をわかってもらい、あなたの研究の価値を示すことができます。

どうやって

どうやって研究を進めるのか、具体的な方法を書いてください。目的を達成するために、どのような対象にどのような調査を行うのか、研究にどのようにアプローチするのかを説明していきます。

研究計画書の構成

一般的には、上記の「何を、なぜ、どうやって」という3つを意識しながら、次のように構成していくとよいでしょう。ただし、分野によって、構成が違ってくる場合もあります。大学院や研究科に既定のフォーマットがある場合は、必ずそれに従って書きましょう。

  • 研究タイトル(題目、テーマ)
  • 研究の目的(何を)
  • 研究の背景(なぜ)
  • 研究で採用する方法(どうやって)
  • 研究の結果から予想される成果
  • 研究の特徴
  • 文献

こういった文書を書くときにはどんな読者がどのように読み進めるか意識するとまとめやすいです。進学にあたっての研究計画書であれば、隣接分野の大学教授が主な読者と考えられます。彼らはまず、「〇〇の△△について」といった、研究タイトルを読み、次に研究の目的、なぜこの研究をするのかといった背景と、順に読み進めます。

その過程で、前提知識や先行研究などの状況を導入し、どのように研究を進めるのかといった研究方法、予想される成果や仮説、研究の特徴などの将来の展望に話題を展開していきます。

最後に、必要に応じて参考にする論文や専門書といった文献を挙げます。

それぞれの項目の書き方を、次で詳しく紹介しましょう。

研究課題名

タイトルとは、あなたの研究の顔となるものです。もっとも短いアブストラクト(抄録)とも呼ばれるように、研究の内容がひと目で分かるものがよいでしょう。

タイトル

「〇〇の△△について」や「〇〇における△△の研究」など、どんな研究なのかが一目でわかるようなタイトルをつけます。

短く伝わりやすいキャッチコピー

タイトルは、いわば研究のキャッチコピーです。タイトルは、あなたの研究に興味を持ってもらうための顔となります。その研究を知らない人が聞いても、面白そうだと思わせるようなタイトルにできるとよいですね。

キャッチコピーはできるだけ短く、印象的なものを考えます。長くても40字程度がよいといわれていますが、長さばかりにこだわらず、あなたの研究内容が伝わることを一番に心がけましょう。必要であれば、サブタイトルを添えて、どんな研究になるのかを説明します。

たとえば「災害に備えた公園デザイン」というタイトルをつけたとします。しかし、これではあなたが具体的にどのような研究を行うのかが、伝わってきません。

「災害に備えた公園デザイン―マンホール型トイレの設置について―」とすると、少し研究の方向性が見えてきます。

「災害に備えた公園デザイン―避難時のマンホール型トイレ使用1週間シミュレーション―」とすると、かなり具体的に研究の内容がわかるようになります。

内容

進学する大学院の教授の中で、あなたが取り組もうとしている研究の専門家がいる内容を選ぶのがベターです。指導を希望する教授が決まっている場合には、その教授の専門分野に関係する内容を選びましょう。可能であれば、事前に研究室を訪問し、研究計画についても打ち合わせをしておくとよいでしょう。

そうでなければ、「うちの大学院ではこの研究の指導をできる教授がいませんよ」「ほかの大学院に行ってはどうですか?」と言われても仕方がありません。

なお、一度決めたタイトルは変えられないのかというと、そんなことはありません。研究が進むにつれて、方向が変わっていくことはよくあります。

研究の中身が変わっていけば、タイトルも変えていくことになります。よりよい研究とするために、一度決めたことには固執せず、どんどん変化させていく柔軟な姿勢で臨みましょう。

研究計画書の各項目の書き方【目的】

研究計画書の中でも、非常に大切な部分です。

何を明らかにするための研究なのか

この研究が何を目的としているのかが明らかになるように書きます。このほかの部分、すなわち研究の方法や文献などがいくら詳しく書かれていたとしても、この研究目的があいまいになっている研究計画書では、読み手にはあなたの研究がどんなものになるのかが伝わりません。

今、何が問題になっているのか、そのうちのどこを解決しようとしているのか、この研究をするとどんなメリットがあるのか、それを伝えてあなたの研究の意義をわかってもらえるように心がけてください。

大学院によってフォーマットが指定されていることもありますが、とくになければおよそ3~10行ほどで研究の目的を説明するようにします。「〇〇を△△にするために■■を××する。」というスタイルを意識すると書きやすいでしょう。

様式により図表の数に制約が設けられる場合もありますが、可能であれば研究の位置づけがひと目でわかるようなポンチ絵があると、分野の異なる読者にとっても読みやすい計画書に仕上がります。

スペースが十分にあれば背景や方法についても

先ほどのマンホール型トイレの例であれば以下のように記述します。

<例文>
「災害発生時の避難場所として、公園が使用されるケースがある。しかし、災害によって電気や水道といったライフラインが止まった場合には、公園内に常設された水洗トイレの使用は不可能となる。

本研究では、〇〇公園周辺の住民が公園で1週間の避難生活をすることを想定して、マンホール型トイレを〇基設置した場合のシミュレーションを行う。なお、研究は〇〇市下水道局と協力して行うものとする」

など、研究の背景や方法についても説明する書き方もあります。

研究計画書の各項目の書き方【背景】

研究計画書には、その研究の背景も明記します。

社会的背景

なぜこの研究をしなければならないのか、その研究の重要性や課題について、関連する事例や統計データなどを盛り込みながら説明します。

社会的な課題についてであれば、事実や統計データに基づいて客観的に論述することが重要です。「自分の祖母が〇〇と言っていた」「〇〇であることに腹が立った」といった、主観的な立場から書いたのでは重要性が伝わらず、説得力に欠けるものとなります。

「東日本大震災では、仮設トイレの設置までに3日以上かかった自治体が6割以上を占めた」のように、客観的なデータを示して研究の背景を説明しましょう。

学術的背景

この研究が学術的にどのような背景を持つものであるのかを説明します。

<例文>
「長期記憶のメカニズムはヒト、ショウジョウバエ、線虫に至るまで共通している。ショウジョウバエを用いた研究では、ハエを一時的に空腹状態におくことで1回の学習が長期記憶となる可能性が示されていた。この研究では、空腹状態のハエに別の学習をさせ、長期記憶となりうるかを確かめる。」 

このように、先行研究とこれから行う研究との関係や、その背景などを示し、研究の意義を伝えます

これから行う研究と同じ内容の研究が今までなされていないこと、あるいは類似の研究があるけれども、まだ解明されていない部分があることなどを挙げて、研究の新規性や独自性を説明しましょう。

研究計画書の各項目の書き方【採用する方法】

「採用する方法」は、研究計画書の中でも特に重要なパートです。どのような方法で研究を進めるのかを明確にすることで、研究の実現可能性や信頼性を読み手に伝えられます。

研究背景で新規性や課題を提示したら、「なぜその方法を使うのか」「どのように研究成果が期待できるのか」を具体的に説明しましょう。たとえば、以下のような要素を盛り込むと説得力が増します。

  • 独自の視点やアプローチ
  • 利用予定の技術・設備
  • 他分野の知見や先行研究を取り入れた手法

研究は本質的に予測困難な側面を持ちますが、「この方法なら妥当な成果が得られるはずだ」と論理的に説明できることが大切です。

また、研究が計画通りに進まなかった場合の代替案を用意しておくと、計画の信頼性がさらに高まります。研究するにあたって考えられるリスクや制約も踏まえながら、柔軟な対応策を記述しておきましょう。

場所・調査対象

具体的な調査方法や想定している場所、誰を(何を)調査対象とするのか、などを、今の時点で想定している範囲内で書いていきます。

たとえば〇〇市を調査地として挙げるのであれば、この都市の人口や人口構成、産業構造などの基礎情報も見ておきます。「〇〇市で酪農を営む30代の100人にアンケート調査をする」といった研究が実現可能であるのかどうかは、計画の段階で調べておく必要があります。

時期・研究手法など

研究期間がどれだけのものとなるのか、それは修士課程や博士課程の間に終えられる研究であるのか、といった見通しも重要になってきます。

研究方法を書いていくうえで重要なことは、その研究が実現可能であるかどうかを考えることです。必要な装置が研究施設内にあるのかどうか、そのサンプルが手に入るのかどうかなども含めて、実施が可能な範囲内での研究方法を記しましょう。

研究計画書の各項目の書き方【結果と予想】

この研究で得られるであろう成果や結果を予想して書いておきます。あくまでも予想なので、約束は必要ありませんが、その根拠や論理展開を示し、合理的な計画であることをアピールできるとよいです。

次の節で示す特色と絡め、期待される結果とその社会的な効果などの研究の展望という形でまとめるのも一案です。

研究計画書の各項目の書き方【特色】

この研究が先行研究や類似研究とは異なる点や、この研究を行うことのメリット、他の誰でもなくあなたが研究する意義、研究結果が社会に及ぼす影響など、研究の特色をアピールしましょう。

研究計画書の各項目の書き方【引用/参考文献】

先行研究を引用した場合は、研究計画書の最後にその引用文献を記載しておきましょう。引用文献は、著者名、始まり、出版年月日、論文名、雑誌名、巻数、号数あるいは通巻、該当ページを書きます。分野によって順序や内容は異なるためフォーマットを指定されることもあります。

例えば、

〇山〇子(2020).通常学級における算数障害のある子どもへの支援のあり方について 教育〇〇研究 52, 71-82

のような書き方となります。

アカデミックライティングにおける文献の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

研究計画書を仕上げる際のチェックリスト

研究計画書を書き上げたあとも、すぐに提出せず一度立ち止まって全体を見直すことが大切です。

提出前に押さえておきたい3つのチェックポイントは、次のとおりです。

研究計画書を仕上げる際のチェックリスト

  • 読み手を意識して書けているか
  • 専門用語・略語の使用が適切であるか
  • 文章の構成・表現・フォーマットを最終チェックする

それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

読み手を意識して書けているか

研究計画書は、自分の研究を説明するだけでなく、審査員や指導教員に「この研究を支援したい」と思わせる内容であることが重要です。

専門外の人でも理解できるように、目的や意義を明確にし、論理の流れを整理しましょう。文章が難解だったり、専門用語が多すぎたりすると、伝わりづらくなります。

研究計画書を書き終えたら、「研究の意図が一読で伝わるか」「段落や表現に無理がないか」を客観的に見直し、読み手の立場に立って修正を加えて完成度を高めていきましょう。

専門用語・略語の使用が適切であるか

研究計画書では、専門用語や略語の使い方にも注意が必要です。

専門分野では一般的な用語であっても、読み手がその分野に精通しているとは限りません。初めて出てくる略語には正式名称を添えたり、専門用語には簡単な説明を加えたりするなど、相手が理解しやすい書き方を心がけましょう。

また、一般的な言葉で言い換えられる部分はできるだけ平易に表現することも大切です。特に大学院入試では複数の教員が審査するため、誰が読んでも理解できるような文章を意識することで、伝わる研究計画書に仕上がります。

文章の構成・表現・フォーマットを最終チェックする

研究計画書の完成度を高めるには、内容だけでなく「見せ方」も大切です。

文章構成が整理されていないと、どれほどよい研究内容でも伝わりにくくなります。段落ごとに一つの主張を置く、文の長さを適度に調整するなど、読みやすさにも気を配りましょう。

また、フォントや行間、見出しのスタイルなど、大学や研究科が指定するフォーマットに沿っているかも確認しましょう。句読点の使い方や「です・ます」調での統一、誤字脱字の有無もチェックが必要です。全体の見た目と表現を整えることで、読み手に伝わりやすく、研究内容への信頼感も高まるでしょう。

第三者目線でチェックしてもらい提出しよう

研究計画書を書き終えたら、できればその研究分野に詳しくない誰かに読んでもらい、その内容が理解できるかどうか、面白いと思ってもらえるかどうかを聞いてみましょう。

友人や知人、家族や先輩後輩などで、冷静で的確な判断をしてくれる方が適しています。構成に矛盾がないか、誤字や脱字がないかもチェックしてもらいましょう。第三者の目線でチェックしてもらうことで、些細なミスを防ぐことができます。

研究計画書を通して、あなたの研究の目的や意義が大学院側に伝わることが重要です。大学院での研究が実現するよう、しっかりと伝わる研究計画書を作成していきましょう。

また、大学院入試における面接対策についてはこちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてみてください。

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