内定者インタビュー【特別版】
データビジネス内定者赤裸々座談会~なぜ僕たちはデータビジネス業界を選んだか?~<前編>
統計さん 統計学専攻 修士2年
ロジさん ロジスティクス専攻 修士2年
環境さん 環境学専攻 博士5年
物理さん 物理学専攻 博士3年
※今回はアカリクの特別企画として、データを活用するビジネス業界に内定している大学院生4名の方にインタビューいたしました。
自己紹介
―前回は統計学の研究から金融の道に進むことを決めた大学院生の座談会を開催しましたが、今回はデータを活用したビジネスを行っている企業に内定している4名の方にお集まりいただきました。まずは簡単に自己紹介をお願いします。
統計さん:僕は文系の修士2年で、心理学的な観点から人の行動分析をする研究を行っています。内定先はコンサルのアナリティクス部門で、入社後にはデータ分析によって、マーケティングや業務最適化、収益性向上など目指す仕事を行うことになると思います。
ロジさん:僕は修士2年でオペレーションズ・リサーチやロジスティクスに関する研究を行っています。具体的には統計の手法を用いて、小売店の需要予測や、どうやって船を動かすともっとも効率的なのかということを解析しています。内定先は技術系のコンサルでいろいろとやっているのですが、僕は中でもオペレーションズ・リサーチやデータ解析のポジションを希望しています。
環境さん:僕は博士5年目で、研究では人工衛星からのデータを解析していました。ただ、もう研究はいいかな?と考えるようになって就職へと舵を切りました。今はITベンチャーでインターンをしていて、主にユーザのデータ分析とレポーティングを行っています。SQLを叩きつつデータを加工・分析し、経営判断に役立つようなアウトプットを行う仕事です。内定先は別のIT企業で、グループ企業全体で保有する様々なデータの活用を目指すような専任のポジションです。
物理さん:私は博士3年でニュートリノの測定に関する研究をやっています。研究でデータ解析とプログラミングも多くやっていたこともあって、就活では両方ができる仕事を探していました。内定先はIT企業でアドテクノロジーに関するエンジニア職です。
就職開始時期について
―就職活動を開始した時期はいつ頃でしたか?
物理さん:私は海外に留学して研究をしていたので、スタートは遅かったですね。帰国するちょっと前の3月にインターネットで情報収集をはじめ、3月末頃にアカリクの人とSkypeで面談をして企業を紹介してもらいました。4月初旬には帰国をしましたが、家探しなどで忙しく、具体的に動き出したのは4月後半に開催していたアカリクのIT企業合同企業説明会に出たのが最初です。
環境さん:僕もスタートは遅く、本格的に動いたのは4月中旬くらいですね。ただ、就活といっていいかはわかりませんが、関心があった企業にインターンに行こうとアクションを起こしたのが1月くらい、インターンに行き始めたのが2月からなので、それも就活といえば就活だったかもしれません。
統計さん:周囲を見ていると、自分は就活のスタートは遅いと思っていたんですが、皆さんの話を聞いていると早かったのかな?経団連が定めたスケジュール通り12月にスタートし、当初は金融を中心に見ていました。周囲は外資系の金融を志望している人が多かったので、その年の夏頃からインターンシップとかなんとかと忙しくしていました。僕は12月に始めようと決めていたので、それまでは涼しい顔をしながら研究だとか海外留学だとか好きなことをやっていましたね。(笑)
ロジさん:夏のインターンを探していたので、動き出したのは早かったですね。いくつかあった中で損害保険会社のインターンに行きました。そこからしばらくは研究に注力していて、11月頃にアカリクの人と面談し、そこで紹介してもらった企業と自分で見ていた企業を同時並行で受けていました。
データビジネス系業界への就職を決めたきっかけは
―修士の二人は金融系に興味があったんですね。博士の二人はどうでした?アクチュアリーとかクォンツとか、物理の研究者がワクワクしそうな領域ですが。
環境さん:いや、全然興味がなかったですね。友達には金融系でバリバリ働いている人はいますが、ふーんって感じでした。たぶん僕とは見ているところが違うんだろうなと。
物理さん:私はあまりお金儲けには興味がなく、どんなものを作れるか?ということの方が大事だったので、金融と言われても全くピンときませんでしたね。
ロジさん:僕はお金儲けというより元々海上物流に興味があったんです。海上物流に使われるコンテナ船には、中には一つ数億円くらいするコンテナが大量に積み込まれていることもあるので、一度事故が起こるととんでもない損害になるんです。だから海上保険というのはとても重要で、保険が物流を支え、世の中を支えていく…そんな仕事をやってみたいなと考えていました。実際にインターンに行ってみたところ、業務は非常に面白かったんですが、人が合わないなと感じてしまった。うまく言えないんですけど…なんだかチャラかったんですよね。
統計さん:あー、何となくわかります。面接官の話し方が「~だよね」だったり、今にもHEY!YOU!!やっちゃいなよ!!と言い出しそうな雰囲気といいますか(笑)僕も選考を受けているうちになにか違うなと感じてしまいました。たとえば面接官の人が椅子にふんぞり返って座りながら、片手に携帯を持っていて…これは僕の何を試しているんだろう?理不尽なことをする人にも対応できるかを試しているのか?と。
ロジさん:そういうところは見ていたかもしれません。インターンに一緒に参加していたのが「お金を稼ぎたい!」という人ばかりだったので、現場の偉い人に「どんな人を採用したいのか」を聞いてみたんです。そうしたら、現場では僕みたいな青臭い考えの人は欲しいけれど、たぶん人事受けは悪いだろうな…と。「世の中には理不尽なことがたくさんあって、そうしたことにも耐えて仕事を続けていけるどうかが重要だ」というのが会社の方針のようでした。お金がモチベーションならこうしたことも飲み込んで進んでいけるのかもしれませんが、そういう人達と40年やっていけるかどうかと考えると、正直僕は自信がありませんでしたね。
統計さん:ある金融系企業の面接で、社員の方に仕事のモチベーションについてうかがってみたのですが、堂々と「お金」だと言われました。「そうなんですねー、やっぱりお給料が高いっていいですよねー」なんてニコニコ話しつつ、僕とは世界が違うなと思いましたね。僕は自分が好きなデータ解析をどうやって世の中の役に立てていくかということに興味の中心があって、そういった意識を持っている人達と働いていきたいんだなーということが確認できたので、いい勉強になったと思います。
ロジさん:直接の選考ではないんですが、就活をしている時に金融系の営業職で内定している人と話す機会があったんです。「僕も金融を受けていたんですよ」という話をしたら、彼はアクチュアリーの人のことを「あいつら○○○○(編集注:あまりに刺激的なので伏せさせいただきました)みたいだよね(笑)」なんて言っているんです。「いやいや、あなた達営業が取ってきたお金を、彼らが卓越した能力で増やしているからあなた達も食べていけるんでしょう?この人は何を言っているんだ?やはり僕はどんな人と働くかということが一番大事なんだ」ということを再認識しましたね。
合わないと感じた企業
-内定を受諾する決め手になったのは何でした?人でしょうか?
統計さん:内定先はスマートながらも気さくでフレンドリーな人が多かったので、話せば話すほどこの人達と一緒にやっていきたいと思いました。他にいくつか受けたコンサルはスマートで堅い人が多かったので、面接ではこちらも臨戦態勢でしたし…どこまで素を出していいのかなかなか掴みづらかったですね。
―博士の二人は選考を受けていて、合わないなと感じた企業はありましたか?
環境さん:合わない企業はホント合わないと感じましたね。正直なところ苦痛でした。たぶん相手も苦痛なんだろうなぁ…と。それはどっちがいい悪いではなくて、価値観だとか求めるものの違いなのかなと。僕なんかは研究はもういいや、中退してビジネスの世界に飛び込んで、全く違う新しいことにチャレンジしたいと考えていたのですが、研究をやりきって成果を出した人を評価するような会社だと、面接では研究について根掘り葉掘り聞いてくるんです。もちろん聞かれたことには答えますけど、話をしながらずっと、「そんなに研究をしたかったら就職じゃなくてアカデミーに残るんだけどな…」と思っていましたね。(笑)
物理さん:私は興味のあったWEB系のプログラミングとデータ解析の両方ができそうな企業に絞って受けていたので、そこまで合わないとは思うところはありませんでした。ただ同じIT系でも、説明会の段階で技術についてまったく話がないような企業だと自分とは違うかなと思って受けていませんでしたね。
【アカリクより】
金融業界内定者座談会から派生したこの座談会は、大変実り多い内容になりました。データ業界を志す方も、そうでない方も就職活動の仕方やその後の進路など、参考になるところが多々だと思いますので、是非読み込んでくださいね。
アカリクでは今後も内定者インタビュー特別編を企画・掲載していきます。皆さんで読みたいテーマがありましたら、こちらのメールアドレス(info@acaric.jp)までご連絡ください。
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