理系学生が大学院進学で後悔しないために|大学選び・研究室選びのポイントを徹底解説

大学院生活

「大学院に進学したいけれどどうやって選べば良いかわからない」

「大学院をどんな条件で比較すれば良いのかわからない」

そんなお悩みに応えるべく、今回のコラムでは大学院選びのポイントをご紹介します。

地理的な条件や設備など、大学選びと同じものもあれば、研究力といった研究に割く時間が長い大学院ならではの視点もありますので、ぜひ最後までご覧ください。

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将来像から逆算する「理系大学院」の選び方

理系学生が大学院を選ぶ際、「どの大学院が良いか」を考える前に、まず整理しておきたいのがご自分の将来像です。

修士修了後に就職したいのか、博士進学を視野に入れているのか、あるいはまだ具体的な進路が決まっていないのかによって、大学院選びで重視すべき視点は大きく変わります。

ここでは、進路タイプ別に大学院選びの考え方を詳しくみていきましょう。

修士修了後に就職する場合

大学院修士課程を修了したあとに就職を考えている場合、大学院進学は「専門分野をしっかり学び、社会に出る準備をする時間」と考えることができます。

理系の大学院では、研究を通じて「課題を見つける力」や「物事を順序立てて考える力」「データを使って考える力」などが身につきます。こうした力は、企業でも評価されることが多いポイントです。そのため、学位の取得だけを目的とするのではなく、「大学院でどのような経験が得られるのか」を意識して、進学先を選ぶことが重要です。

一方で、修士修了後に就職する場合は、研究と就職活動を同時に進める必要があります。研究が忙しい時期と就職活動の時期が重なると、時間のやりくりが大変に感じることもあるでしょう。

だからこそ、大学院を選ぶ段階で、修士課程を修了した先輩たちがどのような進路に進んでいるのかを知っておくと安心です。進学後の生活や就職活動の流れをイメージしやすくなり、自分に合った進路を考えやすくなるでしょう。

博士進学を視野に入れる場合

博士進学を考える場合は、「研究を続けることを将来の仕事として考えられるかどうか」を一つの目安にすると判断しやすくなります。

博士課程では、修士課程よりも専門分野をさらに深く掘り下げ、自分で研究テーマを考えながら研究を進めていく姿勢が求められます。そのため、博士課程は修士課程の延長というよりも、研究者として自立していくためのステップと考えるとよいでしょう。

博士号は、大学や研究機関で研究職を目指す場合に役立つ一方で、研究にかかる時間や負担は大きくなります。研究が思うように進まず、不安を感じる時期が続くこともあります。だからこそ、「なぜ博士に進みたいのか」「博士号を取得したあと、どのような進路を考えているのか」を早い段階で整理しておくことが大切です。自分の将来のイメージと博士進学が合っているかを意識しながら考えることで、後悔の少ない進路選択につながるでしょう。

具体的な進路がまだ決まっていない場合

博士課程への進学を検討する際は、「研究を続けることが自分に適しているかどうか」を一度立ち止まって考えることが重要です。

博士課程では、修士課程よりも専門分野をさらに深く学び、自分で研究テーマを考えながら研究を進めていきます。そのため、博士課程は修士課程の延長というよりも、研究者として自立していくためのステップと考えるとよいでしょう。

博士号は、大学や研究機関で研究職を目指す場合に役立つ一方で、研究にかかる時間や負担は大きくなります。研究が思うように進まず、不安を感じる時期が続くこともあります。だからこそ、「なぜ博士に進みたいのか」「博士号を取ったあとにどのような進路を考えているのか」を、早いタイミングで整理しておくことが重要です。自分の将来のイメージと博士進学が合っているかを意識しながら考えることで、後悔の少ない進路選択につながるでしょう。

理系大学院を比較するときに見るべき基本ポイント

読者の皆さんは大学の学部生という方も多いかと思いますが、大学を選ぶ際はどのようなポイントで比較したでしょうか。

キャンパスのきれいさや立地条件といった部分は大学院選びでも共通しています。

しかし、一方で大学院では研究活動が学生生活の大部分を占めると言っても過言ではありません。

思う存分研究ができるかどうかを重視する場合には、研究の環境にも注目しましょう。

地理的な環境

大学院の立地も大切な判断ポイントの一つです。

駅からの距離、都市や繁華街に近いか、路線は通うのに使いやすいかなど、一人ひとりの好みが大きく表れる項目ですが、毎日のことですので少しでもストレスを感じない環境を選ぶのがおすすめです。

また、実家から通う場合には実家からの距離や乗り換え、下宿をする場合には家賃の相場などもチェックしておきましょう。

カリキュラム

授業や学生の支援プログラムなどのカリキュラムは大学院によって大きく異なるため、自分のキャリアパスを踏まえて十分に確認しておきましょう。

例えば、リーディングプログラムやフェローシップなどが設置されている大学院も近年少なくありませんが、異分野融合を目的に掲げていたり、企業研究者の育成を目指していたりとその内容は大学院によって異なります。当然、履修を求められる科目や内容も異なります。

その大学院の特色や強みがよく現れる部分でもありますから、大学院に入ってからではなく事前によく考えておくのがおすすめです。

また、こうしたプログラムや授業の選択肢が充実しているかどうかも大学院選びのポイントになるでしょう。

修了生の進路

行きたいと考えている大学院や研究室の修了生がその後どういった進路に進んでいるか調べてみましょう。

修了生の進路情報については大学院や学科のウェブサイトで情報が手に入ることも多いはずです。

また、学科からの推薦をもらって内定を得るケースも少なくないため、代々その企業に就職しているというような例もあります。

もし将来就職したい企業が決まっているのであれば、大学院選びの段階で入念にリサーチしておくのも手かもしれません。

また、修了後は研究室の同期や先輩後輩も様々な進路に散らばって活躍していくわけですから、人脈づくりという観点からも修了後の進路は大学院選びにおいて重要なポイントといえます。

大学ランキングなどの情報

各種メディアに掲載されている大学ランキングの情報もチェックしてみましょう。

多くの場合「研究力」といった項目があり、その大学院で行われ、発表された論文数や影響力が評価されています。

分野にもよるかとは思いますが、特に理系の専攻では大学院生が研究の中心を担っているという場合が多いため、こうした研究力の指標は大学院選びの参考になるかと思います。

また、施設の充実度や福利厚生についての情報も得られるはずなので、ぜひチェックしてみてください。

理系大学院進学のメリット・デメリット

大学院に進学することで得られるメリットがある一方で、事前に理解しておきたいデメリットも存在します。

ここでは、理系大学院に進学することで得られる主なメリットと、注意しておきたいデメリットを詳しくみていきましょう。

理系大学院進学のメリット

理系大学院に進学するメリットは、次のとおりです。

理系大学院進学のメリット
  • 専門分野に関する知識やスキルを体系的に深められる
  • 研究を通じて課題設定力・論理的思考力が鍛えられる
  • 研究成果や経験を就職活動でアピールしやすい
  • 研究職・技術職など、選択できる職種の幅が広がる
  • 博士課程への進学という選択肢も検討できる

これらのメリットからわかるように、理系大学院への進学は、単に知識を増やすだけでなく、「考える力」や「専門性を活かす力」を伸ばせる点が大きな特徴です。

研究に取り組むなかで、自分で課題を見つけ、試行錯誤しながら答えを導く経験は、研究職や技術職に限らず、さまざまな仕事で役立つ力になります。

また、大学院での研究経験は、就職活動においても自分の強みとして説明しやすくなるのも大きな特徴です。学部時代よりも具体的な成果や取り組みを語れるため、企業に対して自分の専門性や思考力を伝えやすくなるでしょう。さらに、修士課程を修了したあとに博士課程へ進学するという選択肢も残せるため、将来の進路の幅を広げたい人にとっては大きなメリットといえるでしょう。

理系大学院進学のデメリット

理系大学院への進学には多くのメリットがある一方で、事前に理解しておきたいデメリットもあります。進学してから「思っていたのと違った」と感じないためにも、良い面だけでなく、大変な点についても把握しておくことが大切です。

理系大学院進学の主なデメリットは、以下のとおりです。

理系大学院進学のデメリット
  • 学部卒に比べて社会人としてのスタートが遅くなる
  • 研究と就職活動の両立が必要になる場合がある
  • 進学・生活にかかる経済的負担が増える可能性がある
  • 研究が思うように進まず、精神的なプレッシャーを感じることもある

これらのデメリットは、人によって感じ方や影響の大きさが異なります。たとえば、研究にやりがいを感じられる人であれば、多少の負担があっても前向きに取り組める場合もあるでしょう。一方で、研究室の雰囲気や研究テーマが合わないと、想像以上に大変に感じることもあります。

だからこそ、大学院進学を考える際には、メリットとデメリットの両方を踏まえたうえで、「自分はどの点を重視したいのか」「どこまでなら負担を受け入れられるのか」を整理することが重要です。次に進む進路が自分に合っているかどうかを考えながら、納得できる選択をしていきましょう。

研究室選びのポイント

大学院生の場合は、学部生と比べて研究に費やす時間が長く、大学院選びと同時にどの研究室に所属するかも、充実した大学院生活を送るうえで重要なポイントです。

同じ大学院の同じ研究科や専攻に所属であっても、研究室によって学ぶことも活動も全く異なることが少なくありません。

そのため、大学名だけで進学先を決めるのではなく、自分が所属したい研究室を基準に大学院を選ぶことが、今後の研究生活において重要な視点となります。

そこで、ここからは研究室選びのポイントについて紹介します。

研究内容

研究室を選ぶときは、まずは研究内容が自分の興味・関心と一致しているかに注目しましょう。

研究テーマによっては派手な研究成果が出るわけではなく、やりがいを見出せないというケースも人によってはあるはずです。

そのため、まずは自分がどういった研究に興味があるのか一度考えてみましょう。

また、研究のゴールと同時に、実際に自分がすることになる作業がどういったものなのか知っておくと研究生活がイメージしやすく、ミスマッチが防げます。

そのためには、研究室訪問をするなどして情報収集するのがおすすめです。

研究室訪問についてはこちらの記事もぜひチェックしてみてください。

研究資金

研究を進めるうえで研究資金があるに越したことはありません。

研究式に関しては研究テーマによって金額の規模も必要性も大きく異なるので分野ごとに検討が必要です。

例えば、ものづくりを対象にするような研究では分析を行うにもお金がかかり、そのために分析があまりできないとなると思うように研究が進まない、というケースも考えられます。

その研究室が研究に十分な資金を持っているかどうかをチェックすることは研究室選びで重要なポイントとなるでしょう。

その研究室から発表された論文には、謝辞に研究資金の情報が記載されていることがあり、どのような研究資金に採択されているかを確認できます。

また、科学研究費であればCiNii Researchで検索することができますので参考にしてみてください。

参考:国立情報学研究所「CiNii Research

スタッフ

研究室に所属する教員が誰なのか、どのような人なのか、何人いるのか、ということを調べておくのも研究室を選ぶ際の大切なポイントです。

研究室には主宰の教員以外にも、研究補助員や技術職員、ポストドクターなどが在籍していることもあります。

こうした研究室のスタッフは研究を進めていくうえで助けになってくれるはずです。

例えば、直属の指導教員が忙しくてなかなか研究の相談ができない、といった場合にも他の教員やスタッフが相談や議論に付き合ってくれるかもしれません。

研究室はひとが集まって運営されているわけですから、研究室の雰囲気というのはそこに集まるスタッフの人柄によって変わるものです。

研究室の雰囲気という観点からも研究室訪問の際に研究室に所属するスタッフについてチェックしてみましょう。

ゼミの頻度

多くの研究室では定期的に研究進捗の報告会を行ったり、雑誌会と呼ばれる持ち回りでの既往研究の勉強会を行ったりしています。

こうした研究室での集会の頻度は研究室によってまちまちで、毎週のように開催されるところもあれば月に1回など、大きく異なる場合もあるでしょう。

ゼミで発表を行う前にはそのための資料を作成したり、キリの良いところまで実験を進めるなど、発表に向けた準備も必要になります。

アルバイトや旅行などでプライベートの予定をたくさん入れたい場合はゼミの頻度にも注目してください。

修了後の進路

大学院や専攻ごとの進路とは別に、研究室のOBがどのような進路に進んでいるのかについてもチェックしてみましょう。

研究室のウェブページには、その研究室のOBの進路が記載されていることがあります。

研究室のOBが就職先の様子について話してくれたり、就職活動のノウハウを教えてくれたりすることもあるかもしれません。

また、就職活動の面談や面接では自分の研究についての説明が求められることも少なくありません。

その際、研究内容とその企業のマッチングを考えると、自分が行きたい企業に就職している先輩がいる研究室のほうが、希望職種への近道といえるでしょう。

大学院を選ぶ際にはまず研究室訪問をしよう

既に述べたように、研究室や教員の雰囲気は実際に会って話してみないとなかなかわからないものです。

研究室の教員にメールを送り、アポイントメントを取るといったように、段階を踏んで研究室訪問に行くのは少し億劫に感じるかもしれませんが、進学した後に後悔するリスクを少しでも減らすためにはぜひ研究室訪問をしてみることをおすすめします。

メールでは尋ねにくい内容も、直接会うことで自然に質問できる場合があります。

また、研究室に大学院入試の過去問題や先輩たちの答案が蓄積されていれば、そういったリソースも提供してくれるかもしれません。

研究室訪問についてはこちらの記事もぜひチェックしてみてください。

まとめ

今回のコラムで大学院の選び方について解説しました。

まとめると、大学院を選ぶポイントとしては以下の4点があります。

  • 地理的な環境
  • カリキュラム
  • 修了生の進路
  • 大学ランキングなどでの「研究力」

また、研究室選びのポイントは以下の5点になります。

  • 研究内容
  • 研究資金
  • スタッフ
  • ゼミの頻度
  • 修了後の進路

進学を検討している大学院が複数ある場合はこれらの観点について比較してみるとよいでしょう。

この記事を読んだ皆さんの進路決定の一助になれば幸いです。

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アカリクリポーターズとは、大学院生としての経験や知識を「リポート」するライター集団です。全員大学院在籍経験があり、これまでの研究経験や知識を活かして、大学院生の皆様に役立つ情報をお届けしています。専門分野は工学・化学・生命科学・心理学・社会学等様々です。

【監修】アカリクお役立ちコンテンツ編集部
博士号所持者/博士課程在籍経験のある編集者が監修しています。

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