卒論や修論を作成している学部生及び大学院生の方は、研究が進まなくて焦ることもあるのではないでしょうか。特に卒論や修論、卒業研究など、重要な課題の成果が出ないと尚更焦ってしまいますよね。
今回はそんな壁にぶつかったときの原因と対処法をまとめました。記事を読んでいただき、該当するものがないかどうか探してみてください。正しい対処をすれば、問題を解決して研究がスムーズに進めらるようになるはずです。
まずは研究が進まない原因を見つけよう
研究が進まない、進め方がわからないときは、まず原因を考えることが重要です。やみくもに対応しようと思っても、原因を特定できなければ、また同じ壁にぶつかってしまいます。具体的な原因は以下のことが考えられます。
- 研究テーマの設定自体に無理がある
- 実験・調査の方向性が定まっていない
- 研究にかける時間が不足している
研究テーマの設定自体に無理がある
考えられる原因の1つ目は、研究テーマの設定自体に無理があることです。そもそも最初に設定した研究テーマの難易度が高いと、思ったように結果が出ないことが予想されます。
研究テーマは指導教員の指示を受けて決める人も多いと思いますが、最初の段階で現実性はあるのかどうか確認しておいたほうがいいでしょう。
そのためには、指導者からの指示を鵜呑みにせず、研究室の先輩にテーマについて相談することをおすすめします。すでに研究をしている人なら、難しいテーマなのか、結果が出やすいテーマなのかがわかるからです。
なかなか成果が出ないときは、そもそも最初に設定した研究テーマに無理がないかどうか見直してみてください。
実験・調査の方向性が定まっていない
2つ目に考えられる原因は、実験や調査の方向性が定まっていないことです。1つの研究テーマに対して、成果を出すためには複数のデータを集める必要があります。ただ、自身の好奇心のままに実験を進めてしまうと一貫性のない研究内容になり、方向性を見失ってしまうのです。
自分の研究のゴールは明確になっているか、それに向けて不必要な情報まで集めていないか、といったことを再度見直してみてください。無駄な情報や実験を削ぎ落して、ゴールまでの道のりをハッキリさせることで方向性のズレを修正できるでしょう。
研究にかける時間が不足している
3つ目の主な原因は研究にかける時間が不足していることです。なかなか成果が出ない、という人は、思った以上に研究にかけている時間が少ない、ということが考えられます。
研究にかけられる時間は人それぞれですが、多い人だと研究室に寝泊りしながら1日中実験を行う人もいるほどです。
自分の体調や他の予定を無視して研究をすればいいわけではありませんが、ある程度研究にかけられる時間を確保して、うまくスケジュール調整することがポイントになるでしょう。
研究が進まないときの対処法
研究が進まないときや、進め方がわからなくなったときは以下のことを試してみてください。
- 周囲に相談してみる
- 研究の目的を明確にする
- 仮説・実験・考察のサイクルを意識する
- 研究にかける時間を増やしてみる
- 研究テーマを変更する
それぞれの対処法を詳しく見てみましょう。
周囲に相談してみる
研究が終わらないと思ったり、進め方がわからないと感じたりするのなら、1人で抱え込まずに周囲に相談してみましょう。
「人に聞くのは恥ずかしい」「自分で解決したい」と思う人もいるかもしれませんが、人に相談することは一番簡単な方法です。大学の同期や先輩、教授などのアドバイスをもらったら、自分では考えつかなかった新たな進め方を見つけられるかもしれません。
また周りの人に躓いている部分を見てもらうことで、自分の思い込みや気づかなかった課題などを知ることもできるでしょう。まずは信頼できる友達に話を聞いてもらい、客観的な視点を取り入れることが大切です。
研究の目的を明確にする
2つ目の対処法は、研究の目的を明確にすることです。「研究の進め方がわからない」と感じているときは、目の前の作業を進めることに夢中で最終的な到達地点が見えていないかもしれません。原点に戻って「なぜその研究をするのか?」を考えてみましょう。
すると新たな視点が得られて、今やっている進め方とは違う方法を見つけられる可能性があります。また、改めて目的を明確にすることで、今やっている作業が本当に必要なのか見つめなおす機会にもなるでしょう。
もし今取り組んでいることが目的に沿っていないのなら、新たなやり方を決めるなどして、進め方を整理したり、情報を選別したりすることも可能になります。
仮説・実験・考察のサイクルを意識する
次の対処法は「仮説・実験・考察のサイクルを意識すること」です。研究をスムーズに進めるためには仮説を立てる、実験する、結果を考察する、という3つのステップが欠かせません。このサイクルは大学のゼミから修士課程、博士課程のどのステージにおいても共通しています。
まずは自分の頭でどんな結果がでるかを予想して、次に実際に確かめます。そして結果が出たら、仮説との差異がどの程度あるのか見てみるのです。
仮説と大きな差異があると「実験に失敗した!」と思う人もいるかもしれません。しかしそれは失敗ではなく、次の実験に活かせる材料となります。このように3つのサイクルを意識することで、成果を出すために必要なことを導き出すことが可能です。
研究にかける時間を増やしてみる
次に紹介する対処法は、研究にかける時間を増やしてみることです。研究にあまり時間を割いていなかったという意識のある人は、まず研究室にいる時間を増やせないか考えてみましょう。
いつもより1時間早く起きて研究室へ行く、夜は30分だけ時間を延長するなど、色々な方法があると思います。
また「自分は研究に十分な時間を割いている」と思う人でも、周りと比較すると意外と研究にかけている時間が少ないこともあります。
同期や先輩を観察したり、1日のうち何時間使っているか質問したりして、自分の時間の使い方が適切かどうかも見直すといいでしょう。
研究テーマを変更する
ここまで紹介した対処法に取り組んでも状況が改善しなければ、研究テーマの変更を検討しましょう。結果を出すのが難しいテーマを設定している可能性が高いからです。
テーマの変更といっても大々的に変える必要はなく、進め方や視点を変えるだけでも進めやすくなる場合があります。
指導教員と相談して、方針を変えられないか打診してみてください。もしテーマを変えることに抵抗がある場合は「1か月後までにここまでできなかったらテーマを変更する」といった具合に、期限を切って取り組むと切り替えがしやすくなりますよ。
まとめ
ゼミや卒業研究、博士課程などの研究において、成果が出ないときに考えられる原因や対処法を紹介しました。内容を簡単におさらいしましょう。
- 原因①難しいテーマを設定している
- 原因②方向性が定まっていない
- 原因③研究にかけている時間が少ない
- 対処法①周囲に相談してみる
- 対処法②研究の目的を明確にする
- 対処法③仮説・実験・考察のサイクルを意識する
- 対処法④研究にかける時間を増やしてみる
- 対処法⑤研究テーマを変更する
研究が進まないのは必ずどこかに原因があるはずです。もし行き詰まってしまったら、まずは同期や先輩に相談してみると、活路が開けるかもしれません。納得のいく成果をあげられるよう、状況を分析してうまく対処してみてください。