今の自分市場価値、つまりもし自分が転職市場に出た場合、会社にこの年収を払ってでも転職してきてほしいと思ってもらえるかというのは、誰しも気になることだと思います。この記事では、エンジニアの市場価値や、市場価値を向上させる方法、市場価値が高いエンジニアの特徴、エンジニアの中で市場価値が高い職種6選、自分の市場価値の調べ方などについて説明していきます。
エンジニアの市場価値とは
色々な考え方があると思いますが、一般的にエンジニアの市場価値とはどのように算出されるのでしょうか。
エンジニアの市場価値を算出するのに重要な要素は
・これまでに経験した業務内容と実務経験
・取得した資格
・需要の高い技術に関するスキルがあるかどうか
・マネジメント経験
・学歴
だと言われています。その中でも、特に重要なのが実務経験です。
現在のエンジニアの市場価値は高い
現在、ITエンジニアは慢性的な人手不足が続いており、この不足は2030年になっても満たされるどころか、ますます加速すると予想されています。経済産業省からの委託で、みずほ情報総研株式会社が2019年に行った試算によると、2030年にはIT人材の大幅な人手不足が予測されています。ITの生産性の上昇率が現在と同じ0.7%だと仮定した場合、IT需要の伸びの高低によって、以下のように予想されました。
・IT需要の伸びが1%と低位だった場合 16.4万人のIT人材不足
・IT需要の伸びが2-5%と中位だった場合 44.9万人のIT人材不足
・IT需要の伸びが3-9%と高位だった場合 78.7万人のIT人材不足
(参照:みずほ情報総研株式会社(経済産業省委託事業)「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)-IT人材需給に関する調査-調査報告書」2019年3月、https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf)
つまり、IT需要の伸びが少なくてもIT人材は不足すると予想されており、IT需要の伸びが多いと、IT人材の需要と供給のギャップはさらに大きくなり、大幅な人手不足が予想されています。少子化の影響もあり、新卒ITエンジニア人材だけでは到底このギャップは埋めきれませんので、当然中途採用を行い、転職者でこのギャップを埋めることになります。つまり、日本におけるIT人材市場は現在、求職者の売り手市場になっており、エンジニアの市場価値は高いと言えます。
エンジニアの市場価値は変動する
IT業界は日々新しい技術が開発、導入されたり、新たなニーズが生まれたりと、変動の激しい業界です。それにつれて、評価されるエンジニアの技術やスキルもどんどん変化していきますので、エンジニアの市場価値は常に変動していると言えるでしょう。
先ほど、IT需要の伸びが3-9%と高位だった場合、国内で78.7万人のIT人材不足が起こりうるとの調査結果をお伝えしましたが、同じくみずほ情報総研株式会社は、このようなデジタル化の進展のもと、第4次産業革命下で求められる人材需給について、さらに詳細な分析を行いました。その結果、現在の情報システム開発に携わるような「従来型ITサービス」市場は市場は今後縮小するのではないかとの予測があります。一方、現在急成長しているIoT/AI市場は2020年代後半にはITサービス市場の過半数を超えると予測されており、このような事業に携わるAI、IoT、ビッグデータ、クラウドなどに関わる「先端IT人材」は2030年に約55万人不足するとの予測がされています。
よって、エンジニアとしての市場価値を上げるためには、AI、IoT、ビッグデータ、クラウドなどに関わる「先端IT人材」を目指す必要があると言えます。
(参照:みずほ情報総研株式会社(経済産業省委託事業)「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)-IT人材需給に関する調査-調査報告書」2019年3月
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf)市場価値を向上させるためにスキルを身につけよう
エンジニアの市場価値はただ経験年数が長かったり、大きなプロジェクトに参加していたというだけで、高い評価が得られるというものではありません。例えば、エンジニアの経験年数が5年あっても、ずっと同じスキルを使用して、同じ作業を繰り返す業務についており、新しいスキルを習得しなかった場合、もともとのスキルも時代遅れになってしまい、高い評価は得られません。転職市場においては、個々人が実際にそのプロジェクトでどのような役割を担っていたのか、どのようなスキルを身に付けたのかということで評価されます。そのため、ITエンジニアの転職活動では、どのようなプロジェクトにどのような役割で関わったか、使用したシステム開発言語やプラットフォームは何かなど、具体的な経験やスキルが問われます。市場価値を向上させるには、自分自身の持つスキルに注目し、高度で幅広いスキルを身に付ける必要があります。
市場価値が高いエンジニアの特徴
市場価値が高いエンジニアの特徴についてみていきましょう。
市場価値が高いエンジニアとは一般的に、以下の特徴を持っていると言われています。
・学習意欲が高い
・論理的思考・コミュニケーション能力が高い
・保有しているスキルの幅が広い
・マネジメント力が高い
学習意欲が高い
IT技術は日々進歩しています。そのため、2-3年前に身に付けた知識や技術だけでずっと同じ仕事に従事していると、いざ転職というときに新しい業務で求められる技術や知識がなく、市場価値が下がってしまうということが起こります。今すぐ転職するつもりがなくても、興味と向上心を持って、どんどん新しい技術を学ぶ姿勢が重要です。
新しい技術や業界の動向に常にアンテナを張り、自ら積極的に学べる人材は高く評価されます。
論理的思考
ITエンジニアには論理的思考が必要不可欠です。ITエンジニアの作業は勘やなんとなく、ではできないものですし、それをチームやお客さんに論理的に説明する場面も多いです。そのため、自分の中でしっかり理解しており、作業ができるというだけでなく、相手に作業内容や設計内容について論理的に説明できる、高い言語化能力も必要になってきます。
コミュニケーション能力が高い
ITエンジニアといえば、一人で黙々とプログラミングなどの作業を行っているイメージがありますが、一つのプロジェクトを一人で完結することはできず、何人も異なる職種の技術者がコミュニケーションを取り合いながら、各人のパートを分担し、プロジェクトを完成させます。そのため、プロジェクトの中心的な役割を担える人材になって市場価値を上げるためには、高いコミュニケーション能力が必要です。
保有しているスキルの幅が広い
幅広いスキルを持ち、複数の強みを持っているエンジニアは高く評価される傾向があります。例えば、需要がある言語を2-3種類は扱えるようにしておく、プログラミングとインフラ構築の技術の両方を身に付けておく、サーバサイドのみならずフロントエンドの開発スキルを身につけておくというように、複数のスキルを掛け合わせることで、対応できる業務の幅が広がります。そうすることによって、市場価値が高まり、転職のチャンスも広がります。
マネジメント力が高い
ITエンジニアとして市場価値を上げたければ、プロジェクトマネージャーなどポジションに就くのも一つの方法です。そのためには、幅広い技術や知識、業界全体の動向、競合他社の動向、プロジェクト全体を見る力、お客さんの意向を正確に理解し、交渉する力など、幅広いマネジメント力が求められます。積極的にこのような役割を引き受けてリーダーシップやマネジメント力を高めることが評価に繋がります。
市場価値を高めるためにすべきこと
それでは、ITエンジニアが市場価値を高めるためには、どうすればよいのでしょうか。
それには大きく分けて、2つの方向性があります。一つはシステム開発のスキル・経験の幅を広げ、自分自身のエンジニアとしての価値を高めていくという方向性です。もう一つは、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントなど、より上流業務のポジションに就くことを目指していくという方向性です。
とはいえ、むやみに新しいスキルを手あたり次第身に付ければよいというものではありません。まずは自分自身が将来どうなりたいかというキャリアデザインをしっかりと立てることです。例えば、10年後、どんなエンジニアになっていたいかを考え、そのゴールにたどりつくためには、今何をするべきか、1年後には何をするべきか、5年後には、と長期的な計画を立てることが重要です。
スキルの幅を広げる
まず、スキルの幅を広げる方向性について説明します。ある程度経験年数のあるエンジニアが転職をするとき、ただプログラムが書けるというだけでは転職が難しい状況になってきています。ITエンジニアに求められるスキルは以前より幅広くなってきているからです。例えば、プログラムは複数言語が使用でき、サーバ・インフラ周りの知識があり、データベースについての知識も必要というようになってきています。また、ここ数年、フルスタックエンジニアという言葉が良く聞かれるようになったように、一人で何役ものエンジニア業務をこなすことができる人材が注目を集めています。
新しい仕事に積極的に挑戦して、新しい知識やスキル、経験を積むことや、セミナーに参加したり、資格を取るなどして、様々なスキルを積み上げて幅を広げていくことで、市場価値をあげることができます。
マネジメントスキルを磨く
当然のことながら、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどのマネジメントポジションになれば、市場価値が上がります。そのためには、チームリーダーやまとめ役をしながら、マネジメントスキルを磨くことが重要です。プロジェクトマネージャーになるためには、高い技術力や幅広い技術やシステム、製品、サービス、業界のトレンドに関する知識などのハードスキルだけでなく、納期に間に合うように進行状況を管理したり、顧客との折衝、連絡、チームメンバーとのコミュニケーションや進捗管理などのソフトスキルも必要不可欠です。このようなマネジメントスキルが高い人材はどこにいっても重宝されますので、技術力だけでなく、高いマネジメント力で差別化を図り、市場価値を上げることができます。
資格を取得する
市場価値を高める方法の一つとして、資格の取得が挙げられます。IT業界では資格は、必須とはみなされないものですが、その分野の知識を体系的に身に着けていることを客観的に示すことができますので、一定の評価は得られるでしょう。また、新しいことに興味を持ち、時間や労力をかけて自分で学ぶことができるということを示すことができます。
エンジニアのなかで市場価値が高い職種6選
現在、エンジニアの中でも市場価値が高い職種を紹介します。
・セキュリティエンジニア
・データサイエンティスト
・AIエンジニア
・クラウドエンジニア
・IoTエンジニア
・フルスタックエンジニア
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃や情報セキュリティインシデントなどから情報資産を守る職種です。機密情報や個人情報は企業にとって重要な資産と考えられ、また、情報セキュリティインシデントやサイバー犯罪の件数の増加、手口の巧妙化などを受け、これからは高い専門性を持ったセキュリティエンジニアの需要が増え、市場価値が上がることが予測されます。
経済産業省が2016年に発表した資料では2020年には情報セキュリティ人材が約20万人程度不足するとの試算があり、セキュリティエンジニアの人材不足はしばらく続くと予想されています。(経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s02_00.pdf)
セキュリティエンジニアとして活躍するためには、当然、セキュリティ技術に関する知識、スキルが必要です。関連する資格としては「情報処理安全確保支援士」があります。この試験は年に2回行われ、主催者である情報処理推進機構(IPA)のウェブサイトによると、「サイバーセキュリティリスクを分析・評価し、組織の事業、サービスおよび情報システムの安全を確保するセキュリティエンジニアや、技術・管理の両面から有効な対策を助言・提案して経営層を支援するセキュリティコンサルタントを目指す方に最適です」(情報処理推進機構 https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html)とされています。
セキュリティエンジニアからさらにキャリアを積むと
・セキュリティアナリスト
・セキュリティコンサルタント
・セキュリティアーキテクト
などの職種にキャリアアップすることもできます。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、ビッグデータなどを整理・分析してビジネスに活用したり、課題解決の提案を行ったりする職業です。近年、ビッグデータの活用が様々な分野に普及し、データサイエンティストの需要が高まっています。
一般社団法人データサイエンティスト協会が2020年6月に行ったセミナーの資料によると、国内企業の約3割にデータサイエンティストが在籍しているが、データサイエンティストを採用したくても採用できなかった企業が58%と、需要に対して大幅な人材不足の状態が報告されています(https://www.slideshare.net/DataScientist_JP/2019-235372549)
データサイエンティスト協会は上記資料で、データサイエンティストを3つのタイプに分類しています。
1)データマーケター…ビジネス課題を抽出し、データを分析・活用して課題を解決できる人材
2)データアナリスト…統計学、人工知能などの情報科学系の知識を理解し、統計ソフトなどを用いた専門的な分析ができる人材
3)データエンジニア…データ分析を目的とし、プログラミング知識を使ってデータの収集、加工やシステムへの実装、運用ができる人材
必要なスキルについては業界やデータサイエンティストの中の分野によっても差がみられますが、
・プログラミングスキル(Python、R言語、SQLなど)
・AIに関する知識
・統計解析力
・課題解決力
はどの分野のデータサイエンティストでも必要なスキルであると言えるでしょう。
また、一般社団法人データサイエンティスト協会が行った調査では、今後3年間で増員したいデータサイエンティストの人材像として、「複数の分野を俯瞰的にみてデータ分析の活用を戦略的に考えられる人材」を89%の企業が選び、「データによるビジネス課題解決を得意とする人材」を88%の企業が選択しました。このことから、高く評価される、市場価値の高いデータサイエンティストは単にビッグデータを解析するだけでなく、そこから得た結果をビジネスにおける問題解決にどう活用するかを低減したりビジネス戦略を考えたりできる、ビジネススキルも兼ね備えた人材ということができます。(https://www.slideshare.net/DataScientist_JP/2019-235372549)
AIエンジニア
AIエンジニア(機械学習エンジニア)とは、多くのデータを学習させて作る「機械学習モデル」を開発したり、そのモデルの現場環境への実装を行う職業です。AI技術は自動車の自動運転や検索エンジン最適化など、幅広い分野で様々な応用がされており、今後さらに需要の高まりが期待されている職種です。最初の章で紹介した、2019年に経済産業省の委託を受けてみずほ情報総研株式会社が行った「IT人材等育成支援のための調査分析事業」という報告書でも、AI人材は高度IT人材として注目されています。2018年ですでにAIエンジニアのようなAI人材は3.4万人不足していると報告されていますが、AI需要の伸びが「平均」で、かつ、生産性上昇が起こらない場合、需要の伸びが供給の伸びを上回り、2030年には14.5万人の需給ギャップが生じると試算されています。(参照:みずほ情報総研株式会社(経済産業省委託事業)「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(IT人材等育成支援のための調査分析事業)-IT人材需給に関する調査-調査報告書」2019年3月、https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf)
AIエンジニアになるためには幅広いスキルが必要です。機械学習やディープラーニングの知識、PythonやJavaなどのプログラミング、更にビッグデータの分析や解析に関する技術や技能も求められます。AIエンジニアとして転職するには、知識・技能も実務経験も求められることが多いため、オンライン講座などで学んだ後、まずは未経験OKの会社で働き、現場経験を積むのが良いでしょう。最近では、AIエンジニアの需要の高まりに応じ、機械学習やディープラーニングについて専門的に学べるオンライン講座が段々と増えてきていますので、目的に合った講座を受講し、必要なスキルを身に付けていきましょう。
AIエンジニアは新しい職種ですが、この分野が幅広い業界で急激に成長しているため、大幅な人手不足に陥っています。そのため、スキルと実務経験のあるAIエンジニアには高い給料を出してでも来てほしいと、市場価値が高まっている職種です。今後もAIの高い需要は続くと予測されていますから、将来性も十分と言えます。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアも近年、注目を集めている職種の一つです。GmailなどのWebメールサービスやAWS(Amazon Web Service)のようなクラウドサービスプラットフォームが急速に普及してきたため需要が高まっている分野です。
クラウドエンジニアとは、クラウド上でシステムを設計・構築・運用する業務を行います。クラウドはITにおけるインフラ環境としての重要性を高めています。そのため、クラウドとインフラの両方の知識や技術がクラウドエンジニアには求められます。
クラウドエンジニアはインフラエンジニアの一つの種類であるとも言え、インフラエンジニアからクラウドエンジニアへ転向するケースもよく見られます。では、その違いとは何なのでしょうか。クラウドエンジニアはインフラエンジニアが行う、インフラの設計、構築、運用、保守、監視などの業務をクラウドに限って行うエンジニアであると言えます。とはいえ、クラウドエンジニアの守備範囲も十分広く、求められるスキルは広範囲に渡ります。
次に、クラウドエンジニアに必要なスキルは
・サーバー・ネットワークの知識、経験
・Linuxの知識、経験
・ミドルウェアの知識、経験
・オンプレミスの知識、経験
・AWS/Azure/GCPに関する知識、経験
などと言われています。
特にクラウドサービスに関しては、Google Cloud認定資格、AWS認定ソリューションアーキテクト、Microsoft Azure認定試験など、それぞれ公式の認定資格がありますので、取得しておくのがお勧めです。
IoTエンジニア
IoTエンジニアとは、IoTに関わる製品や、技術システムを開発する仕事です。IoTの活用は様々な業界に広がっており、今後、農業、物流、製造業、医療など更に活躍の場が広がることが期待されています。2019年に経済産業省の委託を受けてみずほ情報総研株式会社が行った「IT人材等育成支援のための調査分析事業」という報告書でも、今後需要が高まる先端IT人材の例として、IoTエンジニアが紹介されています。
IoTの開発には複数の分野にまたがる知識と技術が必要ですので、一人で全てを行うわけではなく、何人かのIoTエンジニアで分業をしながら作り上げていきます。そのため、どの業務を担当するかによって、行う業務内容や求められるスキルは変わってきます。ただ、IoTを扱うという性質上、様々なOSやネットワーク、セキュリティなどのソフトウェアと、デバイスや端末などのハードウェアに関する知識、スキルの両方が必要になります。また、IoTで新しいサービスや技術そのものを創り出していくのがIoTエンジニアの仕事です。ですから、新しく開発された技術を学んで取り入れたり、業界の動向や消費者及び社会のニーズにも敏感であることが求められます。
一般に、IoTエンジニアには以下のスキルが求められます。
・制御・組み込み系のスキル
・ネットワークの知識・スキル
・アプリケーション開発のスキル
・機械学習・AIのスキル
・セキュリティの知識
・コミュニケーション能力
IoTエンジニアに役立つ資格としては、次のものがあります。
・IoT検定
・IoTシステム技術検定試験
・エンベデッドシステムスペシャリスト試験
・情報処理安全確保支援士試験
IoTはこれからどんどん様々な業界で活用されるため、将来性の高い職種と言えそうです。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアという職種があるわけではありません。フルスタックエンジニアとは一人で多くの技術を持つ、万能ITエンジニアに対する敬称のようなものです。例えば、要件定義も設計も開発も運用もすべて一人だけで行えるITエンジニアのことを指します。フルスタックエンジニアであれば、一つのプロジェクトを一人で自立して一貫して行えますし、チームで行うことに比べて開発費や期間を短縮することができます。そのため、スタートアップ企業やプロジェクトの開始時などでは非常に重宝されます。高くて幅広い技術力と自律的にプロジェクトを進めるスケジュール管理能力、クライアントの要望を的確に反映するコミュニケーション能力のすべてが求められ、誰にでもできるものではないので、市場価値が高くなります。
フルスタックエンジニアになるために必要なスキルは
・インフラのスキル
・ソフトウェア開発のスキル
・サービス運用のスキル
・プロジェクトマネジメントのスキル
などがよく挙げられます。
このようなハードスキル以外に、クライアントとしっかりコミュニケーションを行って要望を正しく理解してそれを反映したり、クライアントと交渉するなどのソフトスキルも必要です。
フルスタックエンジニアになるための資格やコースなどは特にありませんので、業務の中で様々な分野の開発やプロジェクトに積極的に挑戦しながら、出来る領域を広げていくのが良いでしょう。
市場価値を診断する方法
では、自分の市場価値や適正年収を知りたくなった時、どうやってそれを調べることができるのでしょうか。ここでは、一般的に市場価値に関係しているといわれる要因や、自身の市場価値の調べ方について解説していきます。
Webで簡単診断ツールを使用する
そもそも市場価値とは、「社会からどれだけ必要とされるスキルや経験を身に付けているか」という価値を、その時々の社会や企業のニーズから割り出すものです。医者や弁護士など、社会情勢が多少変化してもニーズや評価が変わらない職業もありますが、ITエンジニアのような業界では、あるスキルや分野がもうあまり使われなくなって価値が下がったり、別のスキルや経験が注目を浴びて急に価値が高まったりします。そのため、定期的に自分の持っているスキルや経験の市場価値をチェックして、これからどのような職種やスキルを身に付けることを目指していくかを考えるヒントにすると良いでしょう。
市場価値を算出できる診断ツールがインターネットにはたくさん公開されています。
どのツールでも、学歴、経験した職種や業界、身に付けているスキル、経験年数によって、市場価値を判断しています。このような情報を入力することで、データベースからあなたと似たスキルや経歴を持つ人がどのくらいの年収を得ていたのかという情報を取り出して比較することで、市場価値を算出するというものです。登録しなくても市場価値診断ツールを利用できるウェブサイトは複数ありますので、試してみてはいかがでしょうか。
転職エージェントに相談する
しかし、ウェブサイト上の診断ツールは、過去にその運営主が得たデータを基に算出していますので、データの信頼性もわかりませんし、現在の転職市場トレンドを反映しているわけではありません。現在の転職トレンドや将来性を含めた自分の市場価値を知りたければ、やはり転職エージェントを利用するのが一番です。
転職エージェントには、現在転職活動中の方の情報がどんどん登録されていき、また、求人情報の方も日々アップデートされていきます。また、自動査定ツールとは異なり、経験豊富なキャリアカウンセラーに相談することで、最近転職が決まった方の情報や、企業からのオファーからわかる転職市場のトレンド、例えば、1年前はこのキャリアであれば、このくらいの年収のところに転職できていたが、今ではこのスキルを持っていれば強みになるので、もっと高い年収が目指せるなどの予測を含めた情報を得ることができます。
転職エージェントには様々な会社がありますので、自分に合った会社を選ぶことが重要です。アカリクキャリアは、大学院卒の就職支援・転職支援を専門に行う転職エージェントです。社員の多くは大学院卒であり、大学院卒の就職支援・転職支援に関するノウハウがしっかりと蓄積されています。また、10年に渡る就職支援の中で、企業との結びつきを深め、非公開求人の依頼も多数保有しています。初回のキャリアカウンセリングから最後まで、一人ひとりに担当キャリアカウンセラーがつき、支援を行うため、きめ細かい対応が可能です。これまで多くの方の転職をサポートしてきた経験から、現在はどのようなスキルがあるエンジニアが高く評価されるかという市場価値についての理解や、今後、エンジニアとしての市場価値をあげるためにはどのように5年後、10年後のキャリアプランを考えていけばいいかなど、将来を見据えた支援を行えることも、アカリク転職サービスの大きな強みとなっています。このような転職エージェントを利用することで、時間と労力のコストが大幅に削減でき、転職活動の心強い味方が得られます。
今すぐに転職したいという方以外でも、エンジニアとしての自分の市場価値や、転職可能性を知りたい方、長期的なキャリアに関する相談、自分のスキルや経験が生かせる職種にはどんなものがあるか知りたいなどの理由で登録される方も多いものです。ぜひ、アカリクキャリアに登録し、転職活動の一歩を踏み出しましょう。
まとめ
この記事では、エンジニアの市場価値について様々な角度から解説を行いました。エンジニアの市場価値を向上させる方法、市場価値が高いエンジニアの特徴、エンジニアの中で市場価値が高い職種6選、自分の市場価値の調べ方、転職エージェントを使用するメリットなどについてみてきました。
様々な業界でITの需要が高まっていますので、ITエンジニアの需要は今後もまだまだ高まることが予想されます。一方で、市場価値の高いITエンジニアになるには、積極的に知識やスキルを日々アップデートし、、AI、IoT、ビッグデータ、クラウドなどに関わる「先端IT人材」を目指す必要があります。現在のご自身のスキルでの市場価値を知るとともに、今後、ITエンジニアとしてどのような方向に進み、どのようなキャリアデザインを描くのかも含め、アカリクのキャリアコンサルタントにご相談ください。