認可外園に通ったことのメリット
認可外園に通ったことのメリット結果的に調整指数の加算がもらえたこともあってか、第二子は認可外での保育を経て翌年の4月から認可園への入園がかないました。
比較してみて、認可外園ならではのメリットだったと思う点がほかにもいくつかあります。
ひとつは、園庭のない認可外園で毎日散歩をさせてもらっていたおかげで、子どもたちが道路を歩くのが上手くなったことです。認可園でも散歩をしてくれる園もありますし、認可外でも散歩をしない園もあると思いますが、我が子が通った園は園庭がないため、天候が許す限りはほぼ毎日散歩をする方針でした。
交通ルールを学んでくれたほかに、いつの間にかある程度土地勘をつかんでいたこと、さらに地域の人と交流ができるようになっていたことには驚きました。
交流といっても、
「バスの運転手さんは手をふるとふりかえしてくれるときがある」(0才児の理解)
「いつも前を通るお店の店員さんは目があったとき『こんにちは』といえるとニッコリしてもらえる」(2才児の理解)
程度のことなのですが、案外社会からは子どもに対して暖かい視線があり、それを子どもたちが感じ取っていたことにはとても救われました。
自分が子連れで出かける時には、周囲に迷惑にならないようにと気を使うのに精一杯で、知らない人に手を振ってみることや、知人でない人にこちらから挨拶をすることまで教える余裕などありませんでした。幼児の集団での街歩きは、親子での外出とは違う経験だったようです。
自分の子どもふたりを連れて歩くだけでもわたしはヘトヘトになってしまうのに、園児を集団で、交通事故などのリスクをしっかりと管理しながら、運動をさせるだけではなく、こうした社会経験もさせてくれた保育士の方々には全く頭が上がりません。
子どもが小さいうちはベビーカーか抱っこひもが主で、自分で歩くことはあまりさせていませんでした。歩いてでかけたとしてもすぐに抱っこをせがまれる(第一子)か、逃走してしまう(第二子)かだったのです。
しかし保育園での散歩の際は、保育士さんがプロのテクニックで説得し、友達と一緒に歩かせてくれたので、第一子、第二子とも、認可外園に通っている間に体力的にも歩ける距離がだいぶ伸びたと感じます。
特に2才児で認可外保育園に通い、その後、私立幼稚園に通い出した第一子はインドア派です。広い園庭が売りの幼稚園に入りましたが、お絵かきをしているほうが好きということで、自由時間は室内遊びをしていることのほうが多かったようです。その意味では、むしろ園庭がない認可外園で、みんなで公園に行く習慣があったときのほうが運動量はあったかもしれません。
第一子が幼稚園に通っているときに、わたしは第二子を妊娠しました。そのため、幼稚園の通園には自転車を使うことはできず、帰り道で疲れたといわれても、抱っこもしてあげませんでした。毎日家と幼稚園の往復を歩かなければならなかったので、公園まで歩いていってたっぷり遊んだ後に、疲れていても自分の足で歩いて園に帰る、という経験を積んでいたことは非常に役に立ちました。
もうひとつは、(もともとの性格も影響しているとはおもいますが)子どもたちが社交性を身に着けてくれたこと。
認可外園は上述したような事情により、園児たちの入れ替わりが多いです。仲良しのお友達ができることも大事ですが、顔見知りでなくても別け隔てなくすぐに打ち解けるということも覚えていってくれました。年度の途中の転出、転入があることにも慣れて当たり前のことと受け入れられるようになるので、自身が卒園、転園するときにはその事もすんなりと納得していました。
上の子は、認可外園で2才児を過ごした後、私立幼稚園に入園、年少の一年間を過ごした後にあずかり保育が充実しているこども園に年中から転園をしました。物心がついてお友達のことも認識するようになってから二回の転園を経験しましたが、不安がることもなく、「お友達増えるよね」とむしろ期待をもって前向きに受け止めてくれたのはありがたいことでした。
子育て中のポスドクにとってのメリット
またほかにも、認可外園ならではの柔軟性がむしろポスドクにとって好都合だという面もあります。
認可園は入園後、保護者の就労状況に変更があった場合、都度自治体に届けを出す決まりになっており、もし保育の必要性が下がったと判断されると、退園を求められることもあります。なので、大学の長期休暇中や学期がかわった時など、送迎の時間を変更したかったり、まとまった期間園をお休みしたいということがあったとしても、申込時に届け出た働き方と齟齬がないように気を使います。
例えば、大学の休暇中に、調査研究の関係や集中講義の依頼を受けて、海外など遠方に中長期間活動拠点を移す人もいます。家族を同伴する場合、その期間は保育園をお休みすることになりますが、認可保育所では、多くの自治体では一定期間続けて登園がなかった場合、保育の必要性がなくなったとみなされ、退園しなくてはならない決まりになっています。
学期中は保育の確保は死活問題ですが、大学の長期休暇中はその限りではなく、ほかの動き方をしたいという場合もあります。そのようなニーズには、認可外園のほうが対応をしてくれることもあるのです。
保育園は、認可園であるか認可外であるか、という以上に、それぞれの園の特色があり、保育の内容や制度が園ごとにことなるものです。ポスドクに限ったことではないですが、親の働き方や方針に合うかどうかは重要になります。
[文責・子育てポスドクさん]
<筆者について>
人文科学系のポスドク。大学院博士課程を単位取得満期退学後、任期付きポストと非常勤講師を兼任しつつ研究を続ける。 精神的不健康傾向の会社員のパートナーと、特撮大好きな幼稚園年長の娘、頑なに音声言語を話そうとせずにこの頃ハンドサインの語彙を増やしている一歳半の息子との4人暮らし。
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