電気電子工学科は就職に強い学科といわれていますが、実際にどの業界に何人が就職しているのか、年収はどのくらいなのか、学部・修士・博士でどう違うのかを、具体的な数字で知りたいと思っていませんか。
本記事では、文部科学省と厚生労働省の令和7年の最新統計をもとに、電気電子工学科の就職先・職種・年収を整理します。就活スケジュールや学歴別の進め方まで網羅しますので、進路選びや就活の参考にしてください。
電気電子工学科の就職の現状
まずは、電気電子工学科を含む工学系全体の就職の現状を公的データで確認します。
漠然と「工学系は就職に強い」と聞くより、数字で全体像を把握しておくことが、自分に合った就職先を選ぶ出発点になります。就職率・主な産業と職業への分布・学歴による違いを順に見ていきましょう。数字を起点に把握することで、自分の強みがどこで活きるかが見えてきます。
工学系は就職率・需要ともに高水準にある
文部科学省の令和7年度学校基本調査によると、修士課程修了者全体の就職者の割合は78.2%です。
工学系はこの中でも製造業や情報通信業を中心に需要が安定しており、就職先の選択肢が豊富な分野の一つです(出典:文部科学省 令和7年度学校基本調査 結果の概要)。
電気・電子系の技術は製品の設計から制御・通信インフラまで幅広い産業の基盤となっており、企業の採用需要が継続して高い状況にあります。就職率が高いという評判は、こうした産業側の需要の広がりを背景にしており、AIやEV・半導体など先端分野の拡大に伴い、電気電子系のエンジニアへの期待はさらに高まっています。学部・修士・博士のいずれの段階でも、専門性に応じた求人が存在しています。
修士修了者と博士修了者の就職先はどう違うか
工学系の修士と博士では、就職先の産業・職業の分布が大きく異なります。
修士修了者(令和7年3月・工学系29,487人)は製造業が最多で53.2%、情報通信業が16.9%と続き、民間企業への就職が中心です(出典:文部科学省 令和7年度学校基本調査 修士課程の産業別就職者数)。
一方、博士修了者(同・工学系2,546人)は研究者が37.5%、教員が16.9%とアカデミア・研究系の割合が高く、製造業は31.3%に下がります(出典:文部科学省 令和7年度学校基本調査 博士課程の産業別就職者数)。
自分が目指す職種やキャリアによって、修士で就職するか博士まで進むかという選択が変わります。どちらが正解かではなく、自分の目標に合わせた判断が大切です。
学部・修士・博士で年収はどれだけ変わるか
就職時の年収水準は、学歴によって差があります。
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、新規学卒者の初任給は、大学院卒が月額29.9万円、大学卒が26.2万円です(出典:厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 学歴別初任給)。修士卒は学部卒より約3.7万円高い初任給からスタートでき、この差は入社後の賃金にも影響します。博士卒は専門職や研究職での採用が多く、学部・修士とは異なる賃金の枠組みで評価される場合もあります。
学歴だけで全てが決まるわけではありませんが、進路を選ぶうえで年収への影響を把握しておくことは重要です。また、院進学には学費と時間の負担もあるため、年収だけでなく目指す職種に修士の専門性が必要かどうかをあわせて判断しましょう。
電気電子工学科の主な就職先と業界
ここからは、工学系の就職先を産業別・職業別の実数データで見ていきます。
電気電子工学科を含む工学系の学生が実際にどの産業・職業に就いているかを、修士と博士に分けて整理します。公的統計の実数を確認することで、業界研究や志望企業の絞り込みに具体的な根拠を持てるようになります。
修士修了者の産業別就職先
令和7年3月に工学系修士課程を修了して就職した29,487人の、産業別の内訳を示します(出典:文部科学省 令和7年度学校基本調査 修士課程の産業別就職者数)。
| 産業 | 就職者数 | 割合 |
|---|---|---|
| 製造業 | 15,696人 | 53.2% |
| 情報通信業 | 4,998人 | 16.9% |
| 学術研究・専門技術サービス業 | 2,275人 | 7.7% |
| 建設業 | 1,942人 | 6.6% |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 820人 | 2.8% |
| サービス業 | 744人 | 2.5% |
| 運輸業、郵便業 | 618人 | 2.1% |
| 卸売業、小売業 | 576人 | 2.0% |
| その他 | 1,818人 | 6.2% |
| 就職者合計 | 29,487人 | 100% |
製造業が過半数を占め、情報通信業、学術研究・専門技術サービス業と続きます。電気電子工学科の専門性が直結する電気・ガス・熱供給・水道業(電力会社等)にも820人が就職しています。
特定の業界に偏らず、幅広い産業に分布していることが分かります。自分の研究内容や希望する職種を軸に、複数の業界から候補を探すと選択肢が広がります。
修士修了者の職業別就職先
同じく令和7年3月の工学系修士修了者29,487人について、職業別に見た内訳を示します(出典:文部科学省 令和7年度学校基本調査 修士課程の職業別就職者数)。
| 職業 | 就職者数 | 割合 |
|---|---|---|
| 専門的・技術的職業従事者(計) | 26,468人 | 89.8% |
| うち 製造技術者(開発・設計等) | 10,817人 | 36.7% |
| うち 電気技術者(製造開発) | 2,790人 | 9.5% |
| うち 情報処理・通信技術者 | 5,752人 | 19.5% |
| うち 製造技術者(開発除く) | 2,964人 | 10.1% |
| うち 電気技術者(開発除く) | 689人 | 2.3% |
| うち 研究者 | 1,721人 | 5.8% |
| 事務従事者 | 973人 | 3.3% |
| その他 | 2,046人 | 6.9% |
| 就職者合計 | 29,487人 | 100% |
電気技術者(開発)と電気技術者(開発除く)を合わせると、3,479人(11.8%)が電気技術者として就職しています。情報処理・通信技術者(5,752人・19.5%)を加えると、電気電子系の専門性が直接活きる職種への就職者が30%超を占めることが分かります。
電気技術者という職業分類があることは、電気電子工学科の専門性が就職市場で独立した評価軸として認識されていることを示しています。
博士修了者の就職先
令和7年3月に工学系博士課程を修了して就職した2,546人について、産業別と職業別の内訳を示します。
まず産業別です(出典:文部科学省 令和7年度学校基本調査 博士課程の産業別就職者数)。
| 産業 | 就職者数 | 割合 |
|---|---|---|
| 製造業 | 798人 | 31.3% |
| 教育、学習支援業 | 683人 | 26.8% |
| 学術研究・専門技術サービス業 | 425人 | 16.7% |
| 情報通信業 | 211人 | 8.3% |
| 建設業 | 83人 | 3.3% |
| 公務 | 67人 | 2.6% |
| その他 | 279人 | 11.0% |
| 就職者合計 | 2,546人 | 100% |
修士と比べると製造業が53.2%→31.3%と大きく下がり、教育・学習支援業(26.8%)と学術研究・専門技術サービス業(16.7%)の割合が増えます。次に職業別です(出典:文部科学省 令和7年度学校基本調査 博士課程の職業別就職者数)。
| 職業 | 就職者数 | 割合 |
|---|---|---|
| 専門的・技術的職業従事者(計) | 2,318人 | 91.0% |
| うち 研究者 | 956人 | 37.5% |
| うち 教員(計) | 430人 | 16.9% |
| うち 製造技術者(開発) | 476人 | 18.7% |
| うち 電気技術者(製造開発) | 140人 | 5.5% |
| うち 情報処理・通信技術者 | 149人 | 5.9% |
| うち 電気技術者(開発除く) | 17人 | 0.7% |
| その他 | 228人 | 9.0% |
| 就職者合計 | 2,546人 | 100% |
博士は研究者(37.5%)と教員(16.9%)でアカデミア・研究系が過半数を占めます。一方で電気技術者合計157人(6.2%)、情報処理・通信技術者149人(5.9%)と、民間の技術職へ就職する博士も一定数います。
修士に比べてアカデミア志向が強い一方で、高度な専門性を活かして民間の研究開発部門や技術職に就く道も開かれています。博士で民間就職を目指す場合は、修士と異なるスケジュールや探し方が必要なため、早めの情報収集が欠かせません。
電気電子工学科の主な職種
工学系の中でも電気電子工学科の専門性が直接活きる主な職種を紹介します。就職先の産業と合わせて、自分が就きたい職種から企業を選ぶ視点も持っておきましょう。職種によって必要なスキルや向いている人の特徴も異なります。
研究開発職
研究開発職は、新製品・新技術の基礎研究や応用開発を担う職種です。電気電子工学科の院生が最も専門性を直接発揮できる職種の一つです。
電気電子系の知識を最も直接的に活かせる職種の一つで、回路設計、電磁界解析、半導体プロセス開発、信号処理アルゴリズムの研究などが含まれます。修士・博士の学生が専門性を評価されて採用されやすい職種です。
前述の統計でも、工学系修士の研究者への就職は1,721人(5.8%)で、製造技術者(開発)と並んで専門性が直結する代表的な進路となっています。企業の研究所や大手メーカーの開発部門のほか、公的な研究機関や大学の研究職も含まれます。
修士・博士の専門性が強く評価される職種であり、学会発表や論文実績が採用選考で重要な材料になることもあります。
回路・システム設計職
回路設計職は、電子回路・基板・LSI・制御システムなどを設計する職種です。電気電子工学科生の多くがこの職種を目指す、専門性が直結する代表的なキャリアパスです。
アナログ・デジタル回路設計、基板設計(PCBレイアウト)、LSI・ASIC設計など専門領域が細分化されており、電気電子工学科出身者の専門性が高く評価されます。
統計の「電気技術者(製造開発)」に相当する職種であり、修士の工学系就職者では2,790人がこの職種等に就職しています。メーカーを中心に安定した需要があり、電気電子工学科生が多く目指す代表的な進路です。半導体不足や電動化トレンドの加速を背景に、回路設計の技術者は今後も引き続き需要が高い分野と見られています。
ソフトウェア・組み込みエンジニア
組み込みエンジニアは、家電・自動車・産業機器・医療機器などのハードウェアを制御するソフトウェア(ファームウェア)を開発する職種です。ハードとソフトの両方を理解していることが強みになる職種です。
電気電子工学科出身者はハードウェアの構造への理解が深く、ソフトとハードを両方理解したエンジニアとして高い需要があります。
情報処理・通信技術者(修士工学系で5,752人・19.5%)の多くがこの領域に含まれます。近年はIoT・AI・自動運転分野の拡大に伴い、組み込み系の需要が急速に高まっています。学部・修士を問わず求人が多く、就活の選択肢が豊富な職種です。ソフトウェアだけでなくハードウェアの知識も持つ電気電子工学科出身者は、この職種で特に強みを発揮できます。
生産技術・品質管理職
生産技術職は、製品を効率よく製造するための工程設計・設備導入・改善を担います。電気電子系の製品製造に関わる生産技術職は、学部卒でも積極的に採用が行われています。電気電子系の製品が多い製造業では、電気回路や電子部品の特性を理解した生産技術者への需要は安定して高い状況にあります。
品質管理職は、製品が規格を満たすかを検証・評価する役割です。電気的特性の測定・試験が伴う業務が多く、電気電子工学科の知識が活きます。統計の「製造技術者(開発除く)」に相当し、工学系修士で2,964人(10.1%)が就職しています。製品の品質は企業の信頼に直結するため、入社後に責任ある業務を早くから担えるという点でやりがいを感じやすい職種でもあります。
電気電子工学科の年収水準
年収は業種・職種・企業規模によって大きく異なりますが、公的統計で全体の傾向を把握しておきましょう。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査から、学歴別・業種別の実数を確認します。
初任給の差から役職に応じた昇給の傾向まで、電気電子系のキャリアにおける年収の変化を整理します。
学歴別の初任給(学部・修士の違い)
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、新規学卒者の初任給は、大学院卒(修士)が月額29.9万円、大学卒(学部)が26.2万円で、いずれも令和7年に前年比で増加しています(出典:厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 学歴別初任給)。修士卒と学部卒の差は月額約3.7万円で、年換算では約44万円以上の差が生じます。
この差は入社後の賃金テーブルにも影響するため、長期的には大きな差になります。院卒を歓迎する企業が多い電気電子系では、修士進学によって得られる専門性が初任給の差として反映されやすい傾向があります。令和7年は院卒の初任給が前年比4.0%上昇しており、院卒の処遇改善が続いている点も参考になります。
業種別の平均賃金
電気電子工学科の卒業生が多く就職する主な業種の月額所定内給与を示します(出典:厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 産業別)。
| 業種 | 月額所定内給与 | 年収の目安(賞与除く) |
|---|---|---|
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 44.4万円 | 約533万円 |
| 学術研究・専門技術サービス業 | 44.0万円 | 約528万円 |
| 情報通信業 | 40.6万円 | 約487万円 |
| 製造業 | 33.0万円 | 約396万円 |
電力会社等の電気・ガス業が最も高く、情報通信業・製造業と続きます。年収の目安は月額の12か月換算で賞与を含まないため、実際の年収はさらに高くなります。業種選びが年収水準を大きく左右するため、就職先を選ぶ際は業種の賃金水準も参考にしましょう。
製造業は就職者数が最も多い業種ですが、年収の絶対水準では電気ガス・情報通信に比べて低い点も理解しておくと、業界選択の判断材料になります。
キャリアを重ねると年収はどう変わるか
入社時の初任給は出発点に過ぎません。役職に就くことで、年収は大きく変わります。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、役職別の月額賃金は係長級39.9万円、課長級52.9万円、部長級63.6万円で、役職のない一般職の31.1万円に比べて大幅に高くなっています(出典:厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 役職別)。
電気電子系は専門性が高く、研究開発部門や技術職では専門職として昇進しやすい環境が整っている企業も多くあります。入社時の年収だけでなく、長期的なキャリアパスを見据えた企業選びが重要です。専門職制度(フェロー・エキスパート職)を設けている大手メーカーや情報通信企業では、管理職を経なくても年収が大幅に上がる経路が用意されています。
学部・修士・博士の就活の違い
電気電子工学科の就活は、学部・修士・博士によって準備の内容や活用できる制度が異なります。自分の学歴に合った進め方を理解することが、効率よく就活を進めるカギになります。
学歴ごとの強みと制度の違いを押さえておくことで、自分に有利な戦略を立てやすくなります。
学部卒と修士卒で就活の何が変わるか
学部卒と修士卒の最大の違いの一つは、推薦制度の有無と活用度です。
電気電子系の院生は学校推薦を活用できる場面が多く、学部卒とは就活の戦略そのものが変わります。電気電子系を含む理工系では、企業が大学に求人を出し、大学の推薦状を添えて応募する「学校推薦」制度が存在し、修士の学生がこれを活用するケースが多くあります。
また、年収面でも修士卒は学部卒より初任給が高く設定されている企業が多く、前述のとおり月額で約3.7万円の差があります。専門性を深く研究した修士卒は、研究開発職や設計職で即戦力に近い人材と評価されやすい傾向があります。
院進学か学部就職かで迷っている場合は、目指す職種に修士の専門性が必要かどうかを基準に考えると判断しやすくなります。
修士卒が活用できる推薦制度と自由応募の違い
修士卒が就活で活用できる主な経路は、学校推薦と自由応募の2つです。
学校推薦は、企業から大学に寄せられた求人に、研究室や学科が推薦状を出す仕組みで、選考が有利に進みやすい一方で、企業や職種の選択肢が限られる場合があります。
自由応募は選択肢が広く、業種をまたいだ多様な企業に挑戦できますが、競争率が高くなります。研究内容が直結する企業や業界があれば推薦を活用し、視野を広く持って動きたい場合は自由応募を軸にするという使い分けが一般的です。
どちらの経路を選ぶかは研究室の方針にもよるため、指導教員や先輩に早めに相談しておきましょう。推薦を活用すれば選考負担を減らせる一方、志望企業の幅が限られる場合があります。自由応募で幅広く動く場合は、研究との両立を考慮した計画が欠かせません。
博士課程の就活は修士とどう異なるか
博士課程の就活は、スケジュールや求められる準備が修士と大きく異なります。博士の場合、企業の研究開発部門や専門職への採用が中心となり、研究実績(論文・学会発表)が重要な評価材料になります。前述のデータでも、工学系博士の37.5%が研究者として就職しており、修士とは職業分布が大きく異なります。
民間就職を目指す場合は、D2(博士2年)の段階から情報収集を始めることが推奨されます。博士向けの求人は一般の就活サイトでは見つけにくいことも多いため、博士・大学院生に特化したサービスを活用することが、効率よく情報を集める近道になります。工学系博士の場合、研究実績と専門性を前面に出した企業へのアプローチが民間就職でも有効です。
電気電子工学科の就活スケジュール
電気電子工学科の就活は、修士・博士・学部で時期の目安が異なります。研究との両立が必要な大学院生にとって、スケジュールを早めに把握して計画的に動くことが特に重要です。電気電子系は推薦制度の活用が多い分野でもあるため、時期ごとのやることを事前に整理しておきましょう。
修士1年からの時期別スケジュール
修士の就活スケジュールは政府の就活ルールに準じますが、近年は選考の早期化が進んでいます。修士1年の夏(6〜8月頃)にサマーインターンシップへの参加が本格化し、これが実質的な就活の入り口になりつつあります。内閣府の調査でも、就職活動の期間は長期化する傾向が示されています(出典:内閣府 学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査結果の概要(令和7年12月))。
M1の春(4〜5月)から自己分析・業界研究・企業研究を進め、インターンシップへの準備を整えておきましょう。M2になると本選考が集中するため、M1のうちに基礎を固めておくことが研究との両立を楽にします。電気電子系は推薦制度の有無によってスケジュールが変わるため、研究室の方針を早めに把握しておくことが重要です。
インターンシップと推薦の時期を押さえる
電気電子系のインターンシップは、M1の夏(6〜8月)と冬(12〜2月)に集中して開催されます。特にサマーインターンシップは参加した企業の本選考に有利に働くケースがあり、志望度の高い企業は優先して参加しましょう。
学校推薦の募集時期は企業によって異なりますが、多くはM2の春(3〜4月)から始まります。推薦枠は数が限られており、研究室内での選考が行われる場合もあります。推薦を活用するかどうかは早めに判断が必要なため、M1のうちに研究室の指導教員や先輩から情報を集めておくことをおすすめします。推薦と自由応募を並行して動く場合は、スケジュール管理が特に重要になります。志望企業の推薦枠の有無を早めに確認し、動けるように準備しておきましょう。
研究と就活を両立するための考え方
電気電子工学科の学生にとって、研究と就活の両立は大きな課題です。修士2年は修士論文の執筆と本選考が重なる時期でもあります。両立のためには、M1のうちに就活の土台(自己分析・業界研究・インターン参加)を固めておき、M2の研究が忙しい時期に余裕を持てるよう前倒しで動くことが有効です。
研究で培った「課題設定・仮説・検証・考察」という思考のプロセスは、就活でも自己PRや志望動機の核になります。研究は就活の負担ではなく、アピールの武器であるという視点を持つと、両立がしやすくなります。研究テーマそのものよりも、研究を通じてどんな力を身につけたかを語れるよう、早い段階から言語化しておきましょう。
電気電子工学科の就活を進める方法
就活の進め方を変えることで、自分に合った企業と出会いやすくなります。ここでは、電気電子工学科の専門性を活かした効率的な就活方法を3つ紹介します。研究で忙しい院生でも取り組みやすい方法に絞って解説します。
専門性を登録してスカウトを受け取る
研究で忙しい電気電子系の学生にとって、一社ずつ企業を探して応募し続けるのは大きな負担です。研究内容や専門分野をプロフィールに登録しておけば、興味を持った企業から直接スカウトが届くため、効率よく就活を進められます。電気電子系の専門性を求める企業は、半導体・電機・通信・自動車・電力など幅広い業界に存在しています。
専門性を的確に登録しておくことで、自分では気づかなかった企業との出会いにつながることもあります。まずはプロフィールを整えることが、スカウト受け取りの第一歩です。登録した研究内容や専攻分野が、採用担当者が求めるキーワードとマッチしたとき、スカウトが届きます。
業種から気になる企業を効率よく探す
前述の賃金データで示したように、電気電子系の就職先は業種によって年収水準が大きく異なります。年収・安定性・業務内容のバランスを考えながら、業種を起点に志望企業を絞り込む方法が有効です。
卒業年・業種・募集種別(本採用・インターン・説明会)から企業を一覧で探せるサービスを活用すれば、研究の合間の短い時間でも効率よく企業研究を進められます。まずは電気ガス・情報通信・製造業など、関心のある業種から候補を広げてみましょう。業種別の年収データと合わせて企業を比較することで、年収と業務内容のバランスを意識した企業選びができます。
院卒・博士の就活事情を理解した相談先を持つ
研究との両立や推薦の使い方など、電気電子系の院生・博士特有の悩みは、一般的な就活情報だけでは解決しにくいことがあります。院卒・博士出身のキャリアアドバイザーであれば、専門性の伝え方や業界の見極め方について、実情に即した助言をもらえます。
一人で抱え込まず、事情を理解した相談先を持つことが、就活を前に進める大きな助けになります。アカリク就職エージェントは、大学院生・博士を専門に支援し、院卒出身のアドバイザーが在籍しています。推薦の使い方や業界選びなど、電気電子系院生特有の悩みにも対応できます。相談は無料のため、早い段階から活用することを検討してみましょう。
電気電子工学科の就職に関するよくある質問
電気電子工学科の就職についてよく寄せられる疑問に、公的データをもとに簡潔にお答えします。個別の状況によって最適な進め方は変わりますが、数字を起点に判断の目安として参考にしてください。迷ったときは事情を理解した専門家への相談も有効です。
電気電子工学科は本当に就職に強いのか
就職に強いといわれる理由は、幅広い産業で専門性が求められているためです。
工学系修士修了者の89.8%が専門的・技術的職業従事者として就職しており、電気電子系の技術は製造業・情報通信・電力・建設など多くの産業の基盤となっています(出典:文部科学省 令和7年度学校基本調査 修士課程の職業別就職者数)。
学部卒と院卒どちらが有利か
どちらが有利かは目指す職種によって異なります。
研究開発職や回路設計職など、高度な専門性が求められる職種では院卒が評価されやすく、初任給も学部卒より月額約3.7万円高くなります(出典:厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 学歴別初任給)。一方、学部卒でも技術職で活躍できる企業は多くあります。
電気電子系で年収の高い業界はどこか
令和7年の業種別月額所定内給与では、電気・ガス・熱供給・水道業が44.4万円で最も高く、学術研究・専門技術サービス業44.0万円、情報通信業40.6万円と続きます(出典:厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 産業別)。
製造業33.0万円より電力・情報通信の方が高い水準にあります。
博士まで進むと就職はどうなるか
工学系博士の就職者2,546人のうち、研究者が37.5%・教員が16.9%と研究・教育職が過半数を占めます。
一方で製造技術者(開発)が18.7%・情報処理通信技術者が5.9%と、民間の技術職に就く博士も一定数います(出典:文部科学省 令和7年度学校基本調査 博士課程の職業別就職者数)。
電気電子工学科は専門性を活かせる就職先で評価が高い
電気電子工学科の就職先は製造業・情報通信業・電力など幅広い産業に広がっており、工学系修士の89.8%が専門的・技術的職業に就いています。年収は業種によって差があり、電気ガス・情報通信は製造業より高い傾向があります。自分の学歴と目指す職種に合った進め方で早めに動き出し、専門性を活かせる企業と出会いましょう。













