なぜアカリクが無償で大学の公募情報を掲載するのか?

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先日、プレスリリースを発行した「アカリクWEBへの大学公募情報の無償掲載」について、どのような想いから企画し実施しているのか、少しですが裏話的な記事を書いてみました。また、今回の試みで重要な役割を担っている弊社インターンからのコメントもご紹介します。(アカリク 広報・吉野)

大学院生・研究者向け就職情報サイト「アカリクWEB」に大学・研究機関の公募情報を無償で掲載開始株式会社アカリクのプレスリリース(2020年3月27日 10時26分)大学院生・研究者向け就職情報サイト[アカリクWEB]prtimes.jp

アカリクのミッションは「知恵の流通の最適化」

2006年の創業以来、「知恵の流通の最適化」という理念のもと、大学院生や若手研究者のキャリア支援を行ってきました。これまでに十数万人の方々に様々なサービスを提供しており、その過程で多くの方からアカデミアの環境への不安や不満を伺ってきました。そして解決手段の一つとして、私たちは民間企業への就業機会を拡大してまいりました。

草の根的に始まった大学院生や研究者人材とビジネスのマッチングはすっかり珍しいものではなくなり、近年では特に博士採用を強化する企業もかなり増えてきています。しかし、本当にこれで私たちアカリクの理念は達成できているのでしょうか?

2010年代から研究者の日本離れ、アカデミア離れが徐々に顕在化してきました。日本の研究者や学者が世界で活躍し、産業にも貢献していることは、とても喜ばしいことと思う反面、彼らを輩出してきた日本の大学や研究機関では優秀な人材を獲得することが困難となり始めています。様々な要因が絡んでいると考えられ、状況は簡単には覆らないでしょう。それでも、ただ指をくわえて見ていることはできません。

アカデミアとビジネスを行き来できる環境を目指して

そんな状況の中で私たちができることは何か、すべきことは何かと考えました。そして「理念」に立ち返ったときに出てきた一つの答えが、公募情報のアカリクWEB掲載だったのです。大学院生や研究者をターゲットとしているビジネスの世界の求人と同じ場所に、アカデミックな求人が加わる。そうすることで、相反するイメージのある両者を対等に扱うことになり、両者の共通点や相違点を考えるきっかけとなるでしょう。

もっと自由にアカデミアとビジネスの間を望んで行き来できる環境を作り上げることこそが、いま大学院生や研究者に最も必要なキャリア支援であり、また日本の学術研究の再興に貢献すると信じています。

大学・研究機関の公募情報掲載までの道のり

元々、アカリクは社員の4割近くが大学院出身者で、社員全体の2割以上が博士課程まで進み、内2名はポスドク経験があります。現役で大学院に籍をおいて研究を続けている社員、非常勤講師や特任教員を兼務している社員もいます。それに加えて日々大学院生や研究者との面談も行っているため、様々な研究分野の面白さを全体で共有しています。

公募求人のほとんどがJREC-INに掲載されているので量を稼ぐなら機械的に探すことはできます。しかし、今回の掲載に向けて私たちが採用した方法はそれとは真逆でした。

まず、SNSで「ポスドク 公募」といったキーワードを検索し、その中から研究室を主宰する大学教員のツイートを探しました。そこには募集要項には書かれることのない、募集に対する人間的な想いや希望、そして雰囲気のようなものがあります。

そして、さらにその中でも大学院生や若手の研究者が対象となりそうな公募をリストアップして、募集内容、研究室、研究内容などを徹底的に調べました。特定の分野で絞り込んでいないので、幅広い分野についてある種の「目利き」が必要ですが、これでもアカリクでの仕事を通じて磨いてきた自負があります。

それから、正規のお問い合わせ窓口にメールで1件1件、掲載の可否をお伺いしました。安易にTwitterのDMで連絡することもできましたが、しっかりとご説明したいという意図もあり、また会社としての正式な連絡であることを示すためにメールを利用しました。

少しずつではありますが、この取り組みの意義に賛同していただくことができました。無償で提供するのは何よりも各組織のご担当者様が決裁を得やすいようにという配慮からです。また、これは一種のCSV(Creating Shared Value/事業活動を通じた共通価値の創造)としての試みですので、中長期的には事業としての利益に繋がるものだと考えています。

当プロジェクトに参画しているインターンの声

アカリクのインターンとしてこのプロジェクトに協力してくれている博士学生にインタビュー形式でコメントを貰いました。

簡単な自己紹介をお願いします。

 都内の私立大学大学院で認知心理学を専門とする研究室に所属しております。認知心理学とは、記憶や思考といった人が当たり前のように行っている知的活動のメカニズムを探求する学問です。

私は認知心理学の観点から、“時間”という目に見えない抽象的な概念を人がどのようにしてとらえているのかということを研究しております。

アカリクのインターンになった経緯は?

2019年4月にTOEICを受けに行った大学でアカリクのポスターが掲示されているのをたまたま見かけて、そこではじめてアカリクという企業を知りました。それをきっかけに、2019年9月末に行われた「大学院生のためのキャリアイベントin東京」や、11月に行われた「アカリクゼミ文系社員座談会」などのアカリクが主催するイベントやセミナーなどに参加させていただくようになりました。

その中で、アカリクの社員さんとお話させていただくことを通じて、大学院生のキャリア支援という事業について興味を持ちはじめました。その後、アカリクでインターンが出来ないかと思い、ホームページを調べてみたのですが、インターンの募集というものがなかったため「ダメで元々…!」という気持ちでインターンシップの募集の有無を直接問い合わせてみたところ、面談の機会をいただき、2020年の2月から、インターンをさせていただくことになりました。

インターンとしてどんな業務をしていますか?

現在は大学の公募のリストアップ業務、全国にある各大学キャンパスの大学院生数の調査、新規企画の立ち上げといったことを行っております。

大学公募のリストアップに関する業務では、大学院生や大学院修了直後の若手研究者を対象とした公募をTwitter上で検索し、それをリスト化するということを行っております。ここで作成したリストをもとに、アカリク社員が募集先の窓口にアカリクWEBへの掲載の可否のお伺いをしております。

Twitterを使用している理由は、募集先の先生が自身のアカウントで直接募集の呼びかけを行っていることがあるからです。Twitterで直接呼びかけが行われている募集には募集先の先生のことばがツイートに添えられており、募集要項情報だけではわからない募集先の先生の想いが感じられます。

この取り組みを通して、非常勤講師・専任講師といったものから特別研究員の募集について、学問分野に関わらず、様々な領域で若手研究者の募集を行っているところがあるということを知ることができました。

研究テーマと業務内容に関連性はあるのでしょうか?

私が現在博士課程で研究している内容と現在の業務内容に直接的な関わりがあるかというと、正直なところ、直接的な関わりは少ないと思います。しかし、研究活動の中で行う作業ととても似ているような気がします。例えば、Twitter上で公募を探すのは、研究で必要な論文を探すのと似ているような気がします。

やみくもに調べていくのではなく、どういったキーワードを使うと目的に合致したものを抽出することができるのかを考えて検索ワードを選んだり、フィルタリングを行ったりするということの工夫は、これまでの研究活動の中での作業と類似したものを感じます。

また、業務の目標から逆算してどういったことが必要なのかを考え、実践することも、研究のリサーチクエスチョンから仮説を立て、検証をすることと似ていると思いました。研究では、自分の立てた問いに対して答えを見つけるために工夫をしていくことが求められていくと思いますが、それは研究に限らずこういった企業の活動にも共通するものではないかと感じております。

今後どんなキャリアを歩みたいとお考えですか?

これまでは、大学院修了後は、大学か、研究所という道しかないと思っておりました。おそらく、多くの大学院生も同じように考えていると思います。しかし、アカリクのイベントに参加したり、実際にインターンを経験させていただく中で、研究スキルを活かせる道はもっと広いものだと感じました。

一方で、大学院生を求める募集の比率としてはどちらかというといわゆる理系領域が多いということも感じました。そのため、文系領域の博士課程修了後のキャリアとしてのメインは大学教員のイメージがまだまだ強いような印象があります。

インターンを開始したばかりですが、今後の私の目標としては、いわゆる文系の研究領域の大学院生の持つスキルを伝えていくことを通して社会の発展に貢献できるような人になりたいと考えております。

現状と今後の展望

アカリクWEBに掲載している公募情報は累計8件となりました(2020年4月21日時点)。まだまだ始まったばかりの試みですが、担当社員を増やして今後も継続してまいります。下記リンクから公開中の公募情報をご確認いただけます。

求人検索 – 大学院生(修士/博士)ポスドクの就職・転職情報サイト「アカリクWEB」求人検索では、大学院生ならではの研究能力や研究で培ったスキルから求人検索をすることが可能です。文系・理系はもちろん、修士・acaric.jp

また、広く社会や企業に向けて、ポスドクや博士学生を中心とした研究者人材の魅力をお伝えするオウンドメディアの公開も準備しています。

大学院生や研究者をはじめとする「知恵」を持つ様々な人々が、アカデミアとビジネスを自由に行き交う「流通」を実現し、社会の中で活躍する姿を広く共有することで「最適化」していく取り組みをこれからも続けてまいります。

(文責・吉野 宏志)

【公募のご担当者様・関係者様へ】
無償掲載は大学(国公立・私立)や公的研究機関(企業内研究所を除く)が対象となります。ご依頼やご質問がございましたら、どうぞお気軽に pr@acaric.co.jp(株式会社アカリク 広報PR担当)までお問い合わせください。

株式会社アカリク(https://acaric.co.jp/)は「知恵の流通の最適化」という理念の下、大学院生やポスドクを対象とした求人情報の提供やキャリアセミナーを開催しています。また、現役大学院生から大学院修了者まで幅広く対応したエージェントサービスも提供しています。他にもLaTeXの環境をクラウド化できるサービスも運営しています。

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