論文を読めるサイト4選!論文の入手・管理方法についても解説

大学院生活

研究を行うにあたり、最も重要なことの一つとして挙げられるのが、論文を読むことです。

自らの研究分野に関する多くの論文を読み、既存の知識や他の研究者の考え方を学ぶことが、新たに研究を行う上で必要不可欠です。

より良い研究を行うためには、良質な論文を数多く読んでおく必要があります。では、限られた時間の中でできるだけ早く、お金をかけずに論文を入手するためには、どのように探せばよいのでしょうか。

今回は、大学院生&理系学生に特化した就活サイト「アカリク」のアカリクリポーターズが、論文を入手する方法、論文を無料で読むことのできるサイト、そして論文を入手した後に管理するためのツールについてご紹介します。

最後までお読みいただき、今後の研究に役立てていただけると幸いです。

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論文の入手方法

論文の入手方法

論文を入手するためには、様々な方法があります。

ここでは、その中でも代表的な方法として、大学図書館で探す方法、論文の著者に直接連絡する方法、論文検索サイトで検索する方法の3つをご紹介します。

大学図書館で探す

大学院生や学部生など、大学に所属して研究を行っている場合は、所属大学の図書館が所有している学術雑誌を閲覧することができます。

図書館では、専門分野ごとに分類をして学術雑誌を設置しているため、目的のものを簡単に見つけることができるでしょう。

ただし、大学が所有する学術雑誌の種類には限りがあるため、あなたにとって必要な学術雑誌を所有していない可能性もあります。
その場合、必要な情報が得られないかもしれません。

論文の著者に直接連絡

目的の論文があるものの閲覧ができないという場合、論文の著者に直接メールなどで連絡してみるのも一つの手です。

しかし、この方法は論文の著者自身がその論文に関する権利を有しており、また、著者の連絡先を知っている場合にしか使えません。見ず知らずの人からの連絡には対応しないという人もいるため、余り簡便な方法とは言えないかもしれません。

論文検索サイト(データベース)で検索

最後に紹介するのは、論文検索サイト(データベース)で検索する方法です。

論文検索サイト(データベース)とは、Googleが運営する「Google scholar」をはじめとする、目的の論文のキーワード等を入力して検索すると、関連する論文を表示してくれるサービスです。

図書館等に足を運ぶ必要がなく、無料で読むことのできる論文もあるため、論文をたくさん読む必要のある人にとって便利な方法であるといえます。

また、論文検索サイト(データベース)上にて、論文の閲覧が有料であると表示されていても、あなたの所属する大学がデータベースと契約している場合、無料で読むことができます。大学の図書館が運営するサイト等で、契約が行われているかどうかを確認してみましょう。

論文探しに便利な検索サイト4選

ここまで、論文の入手方法についてご紹介してきました。論文を入手するにはいくつかの方法がありますが、多くの場合、大学図書館で探す方法や論文の著者に直接連絡する方法に比べ、論文検索サイト(データベース)で検索する方法が便利であることをお伝えしました。

この章では、論文検索サイトの種類や特徴についてご紹介していきます。あなたに合った論文検索サイトを選び、効率的に論文検索を行いましょう。

Google scholar

Google scholar(グーグルスカラー)は、Googleが提供する論文検索サイトです。分野や言語を問わず、論文を幅広く検索することができるサービスです。

Google検索と同様に、検索窓に著者名やキーワードを入力することで、それに関連した論文が表示されます。

検索結果画面の右側に[PDF]と表示された場合、その論文を直接閲覧・ダウンロードできるのも特徴です。また、その論文がこれまでに何回他の論文に引用されたかが、検索結果画面に「引用元」として表示されます(仮に50回引用されていれば「引用元 50」と表示されます)。「被引用数が多い=良い論文」というわけではありませんが、信頼性の低い論文が何百回も引用される可能性は低いと考えられるので、「引用元」は論文探しのひとつの指標になるでしょう。

参考:Google:「Google Scholar

CiNii

CiNii(サイニー)は、国立情報学研究所が運営する論文データベースです。日本語の論文や大学図書館の本、雑誌、博士論文の情報を検索することができます。

論文に含まれるキーワードや著者名等で検索すると、該当する論文のありか(掲載されているサイトや雑誌を所蔵している図書館)が表示されます。オープンアクセスの論文はCiNiiから直接読むことができます。

参考:国立情報学研究所「CiNii

J-STAGE

J-STAGEは、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する論文検索サイトです。日本国内で発行された3,000誌以上の幅広い分野の刊行物が公開されています。

J-STAGEではオープンアクセスが推進されており、ここで公開されている記事の9割以上は無料で閲覧することができます。また、無料の会員登録を行うと、検索条件の保存や、関心のある資料の最新号が発行された際に通知を受け取ることができます。

参考:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「J-STAGE

学術機関リポジトリ(IRDB)

学術機関リポジトリ(IRDB)とは、国立情報学研究所が推進する論文データベースです。東京大学であれば「東京大学学術機関リポジトリ」、早稲田大学であれば「早稲田リポジトリ」などのように、各大学毎に、大学やその構成員が作成した資料や論文を管理し、公開しています。

〇〇大学の論文を読んでみたいという場合、学術機関リポジトリ(IRDB)では目当ての論文を容易に見つけることができます。

参考:国立情報学研究所「学術機関リポジトリ

番外編:Unpaywall(アンペイウォール)

論文を探していると、無料では全文を読むことができないという場合もあります。その際に使えるのが「Unpaywall(アンペイウォール)」です。Unpaywallは、インターネット上にアーカイブされた論文のPDFを見つけるツールで、Google chromeなどの、お使いのブラウザの拡張機能としてインストールすることができます。

参考:OurResearch「Unpaywall

読みたい論文を見つけた後におすすめの管理方法

前章では、論文探しに便利な検索サイトについてご紹介してきました。論文探しを効率的に行うために、様々な検索サイトがあるということをお分かりいただけたと思います。

論文検索サイト(データベース)で関心のある論文を見つけた後は、その管理(整理)方法が気になるという方も多いのではないでしょうか。

関心のある論文全てを印刷し、手書きでメモを書き込みながら読む方法もありますが、かさばってしまい持ち運びに不便であったり、大量の論文の中に埋もれてしまい、いざというときにすぐに見つけることが難しい等の欠点もあります。

そこでこの章では、PCやタブレット上で論文を管理する際におすすめのツールについてご紹介していきます。無料のものも有料のものもあるので、自分に合ったものを見つけてみてください。

Mendeley

Mendeleyは、論文の保管・管理に役立つ文献管理ソフトです。Mendeleyでは無料でPDF化した文献を保管・管理できるほか、参考文献リストを作成することができます。

一方、日本語での対応が十分とはいえないというデメリットもあります。

2021年3月にモバイルアプリの提供は終了してしまいましたが、Webブラウザ上で、PCやタブレットなどの端末で使用することができます。

参考:Elsevier社「Mendeley

参考:Mendeley Blog(2021-3)「Mendeley refocusing announcement: mobile app retirement

EndNote

EndNoteは、文献の収集・管理・引用に役立つ、文献管理の定番ソフトの一つです。

投稿先のジャーナル名を選択すると、そのジャーナルに合わせた参考文献リストの作成を行ってくれる機能もあります。

複数台のPC・iPad・iPhoneで同一のライブラリを使用することができるため、いつでもどこでも自分に合った端末で作業を続けることができます。

一般向けのパッケージ版(買い切り)で59,400円、学生向けで19,800円という費用(2021年10月1日時点)が掛かるというデメリットもありますが、基本的に必要な機能が網羅された文献管理ソフトといえるでしょう。

参考:ユサコ株式会社「EndNote」 

GoodReader

GoodReaderは、iOS端末(Mac・iPad・iPhone)向けのPDF閲覧・管理アプリです。PDF化した論文のフォルダー分けやブックマークの設定に加え、PDFへ直接書き込みをすることもできます。

インストールは730円(買い切り)です。

参考:Good.iWare, Inc.「GoodReader

OneNote

OneNoteは、マイクロソフトが提供している無料のノートアプリです。Windowsのみならず、Mac, Android, iOSにも対応しており、複数端末での連携が取りやすいのがメリットです。

論文のPDFをノートにインポートして、その上や横に手書きやキーボードで書き込むことができます。手書きの文字やPDF上の文字を含めたノート上の全ての文字を対象に、キーワード検索を行うこともできます。

参考:Microsoft「OneNote

自分に合った論文検索サイト・管理ツールの使用を!

本コラムでは、論文の入手方法、論文探しに便利な検索サイト、おすすめの論文管理ツールについてご紹介してきました。

論文検索サイトにも管理ツールにも様々な種類があります。それぞれ一つに絞ることができないという場合は、複数のサイト・ツールを並行して使用するのも手です。

自分の研究分野や研究に使用する端末、こだわりなどを加味したうえで、自分に合った論文の収集・管理方法を見つけていくのが良いでしょう。

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著者プロフィール

アカリクリポーターズとは、大学院生としての経験や知識を「リポート」するライター集団です。全員大学院在籍経験があり、これまでの研究経験や知識を活かして、大学院生の皆様に役立つ情報をお届けしています。専門分野は工学・化学・生命科学・心理学・社会学等様々です。

【監修】アカリクお役立ちコンテンツ編集部
博士号所持者/博士課程在籍経験のある編集者が監修しています。

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