これでばっちり! 引用を上手に使って根拠のあるレポートや論文を書こう

アカリクコラム
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レポートは大学生や大学院生にとって避けては通れない課題の1つです。
レポート課題は授業や実験、実習など、様々な場面で課されることの多いものですが、その書き方を教わる機会は案外少ないものです。
また、研究結果の捏造事件などもあり、大学側はレポートの捏造や盗用(適切な引用をせずに、既存の文章を切り貼りすること)にも敏感になっているようです。
入学時にレポートの盗用について注意喚起があった、という人もいるのではないでしょうか。
とはいえ、何の資料も参考にせず書いたものが、良いレポートであるはずもありません。
今回の記事では、資料を参考にしながら良いレポートを書く方法として引用の仕方についてまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

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そもそも引用って何?

引用とは、自分の意見や説明を補強するために、他者の意見やデータ、説などを自分の著作の中で用いる行為です。

もう少し噛み砕くと、自分の著作の中で持論の補強や説明のために他者の意見を挙げ、「この人がこう言ってましたよ」と示すことを言います。

レポートを書く際には、自分でものを調べたり考えたりして文章を書くため、自分の意見と他人の意見がレポート内に混在することになります。

引用は、書いた文章のどこまでが自分の考えで、どこまでが調べた範囲=他者の考えなのかを明確に区別するために行います。

また、他者の意見といっても、いつ誰がどこで言った意見なのかが分からなければ、意見に説得力を持たせることができません。

引用する際には、これらの出典を明らかにすることが必須となります。

参考と引用の違い

一方で、レポートの執筆にあたって資料を利用しただけの場合、これは引用ではなく参考となります。

もしこの記事を読んでいるあなたが、「資料は参考にしたけれど、本文の内容を直接レポートに使うつもりはないな」と考えていたら、あなたの使っている文献は参考文献としてレポートの最後に記載するのがよいでしょう。

注意しなければならないのは、「本文を直接レポートには書かないが、資料の内容を自分の言葉でまとめてレポートに記載したい」という場合です。

引用は自分の意見と他人の意見を区別するために行われます。根拠のあるレポートを書くために、このような場合は以下に示すような「間接引用」を用いることをおすすめします。

引用や参照文献の書き方については、こちらの記事で解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

適切な引用

引用における注意事項について、文化庁は以下のように述べています。

(1)他人の著作物を引用する必然性があること。

(2)かぎ括弧をつけるなど、自分の著作物と引用部分とが区別されていること。

(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。

(4)出所の明示がなされていること。(第48条)

文化庁「著作物が自由に使える場合」(2022年6月16日閲覧)

 

良いレポートを書くためには、(1)の必然性と(3)の主従関係について一度考えておくとよいでしょう。

著作物を引用する必然性というのは、あなたが持論を展開するにあたってその引用が必要不可欠となるかどうか、ということです。

引用は必要もないのにむやみやたらと用いることではありません。

それこそ「引用を多用しただけの質の低いレポート」ができあがってしまうかもしれません。

引用を用いる際は、引用内容と持論展開に関係性があることを明確に説明できるのかを常に考えるようにしましょう。

 

「主従関係が明確であること」とは、あなたの持論がレポートの主体となっており、引用はそのための補助となっている、ということです。

レポートや論文はあなた自身の持論を主張するために書くものです。

メインの主張が引用内容とイコールになってしまうようなものは、あなたの持論が主張されているとは言えなくなってしまいます。

自分自身の持論ができているのかを考えながら、レポートを書くようにしましょう。

資料の種類と探し方

ここまで、引用の方法についてご説明してきました。

自分がこれから書こうとしている内容と、それに必要な資料がどういったものか、最終的に完成させようとしているレポートや論文の原稿がどういったものになるか、少し全体像が見えてきたのではないでしょうか。

ここでは、必要な資料をどのようにして探すのか、資料の種類ごとにいくつかご紹介したいと思います。

書籍

大まかに必要な情報が定まっている場合には、図書館に行って関連する書棚を覗いてみると、詳しく書かれた書籍が見つかることが多いです。特にレポートの課題として課されるような一般的な学術知識であれば、多くの専門書で取り扱われているはずです。
また、大学図書館では各授業に合わせて教員が選択した書籍が専用の書棚に集められていることもあります。

書棚に当たっても適切な文献が見つからない場合、多くの大学図書館や公立図書館ではリファレンスも可能です。近隣の図書館に所蔵がある場合には取り寄せたり、紹介状を書いてもらえば他大学の図書館を利用できることもありますから、相談してみると良いでしょう。

CiNii Booksでは、大学図書館の蔵書を横断検索できるので、探している書籍が明確に決まっているものの、所属している大学や近隣の公立図書館に所蔵がない場合に便利です。

CiNii Books: https://ci.nii.ac.jp/books/

論文

論文を執筆する際には先行論文を挙げる必要が出てきます。

論文の検索にはGoogle Scholarという検索エンジンが便利です。通常の検索エンジンではWebページやブログ記事、SNSの書き込みなども出てきますが、Google Scholarでは論文や書籍など学術文献だけが検索結果に表示されます。

その他、大学で契約していれば、Scopusなどの各種検索ツール・データベースも利用可能です。こうしたツールの中には、査読が行われていることなど一定の基準に達した学術誌だけを収録しているものがあり、より信憑性の高い文献に絞って調べることができます。

対象の文献がうまく見つからない場合には、絞り込み検索を使ってみましょう。発行年や論文の種類、掲載誌の情報を入力することで見つかることもあります。

漠然とどの論文を読めば良いか分からない、という場合には手始めに最近の文献レビューを読んでみると良いでしょう。これまでに発表された論文の中から重要なものをピックアップして解説されているため、その中から興味のあるものをさらに読んでみると良い文献が見つかることと思います。

新聞記事

多くの公立図書館では縮刷版を所蔵しており、過去の新聞記事を閲覧することができます。また、図書館で契約していれば、データベースを使って記事の検索が可能です。

ウェブ上の記述

ウェブ上のブログ記事やSNSの書き込みなどは、著者が不明な場合も多く、多くの場合は文献として認められません。ウィキペディアも同様の理由で文献と認めないと明記されていることも少なくありません。注意しましょう。

ただし、その文献に情報源が書かれていれば、それに遡ってみることで適切な文献が見つかる場合もあります。

また、政府や官公庁の公式ウェブページ、統計情報などとして発表されている情報については文献とすることも可能な場合があります。

引用の種類

引用には大きく分けて二種類あります。それは直接引用と間接引用です。

 

直接引用とは、引用資料の本文をそのまま抜粋して自分の著作に用いて引用することです。

引用したい文言が比較的短い場合によく用いられます。

これに対し間接引用とは、引用資料の内容を自分の言葉でまとめ直し、自分の著作で引用することです。

引用箇所が比較的長い場合や、同じ内容のことを複数資料から同時に引用したい場合などでよく用いられます。

またもう一つ特殊な例として孫引きというものがあります。

これは、他者が引用している文章を原典を参照せずに自分の著作で引用する行為です。翻訳書をそのまま引用する場合もこれに当たります。原典が既に絶版しており参照できない、など特殊な事情がない限り、基本的には推奨されない方法です。孫引きに関しては以下の記事で詳しく紹介しております。

引用の仕方

ここからは具体的な引用の方法についてまとめています。

引用の時に必要な情報

引用する際に必ずレポートに載せなければならない情報は、書籍名・著者名・出版年月・出版社名・ページ数です。レポートを見た人が、引用資料の被引用部分を探せるようにすることが重要です。

また、その情報がどのくらい前に提唱されていたものなのかによって、情報の確からしさが変わってきますので、出版年月も併せて記載しましょう。

例えば生命科学の分野であれば、情報が5年以上前のものだと、既にそれを覆す研究が発表されている場合もあります。

仮にあなたのレポートが間違っていたとしても、それが古い情報を参考に書かれていると分かれば、論自体が正当性のあるものなのかを判断することができます。

引用した資料がインターネット上の記事だった場合、サイト名・URLに加え、ページを閲覧した日付が必須です。

これはインターネット上の情報の場合いつでも編集することができるためです。ただしインターネット上で閲覧できる論文については、書籍をインターネットでも閲覧できるようにしているだけですので、閲覧日ではなく出版日を記載しましょう。

基本の引用

多くの場合、引用資料は複数になります。そのためレポート本文では、上記に挙げたような情報を逐一書いていくのではなく注釈程度の表記に留め、最後に「引用文献」として引用文献一覧を作る場合が多いです。具体的には例えば以下のように記載します。

レポート本文での書き方

 引用箇所の末尾に、著者名・出版年・ページ数を記載します。あるいは注釈を入れます。

例: 「この問題は日本国民の中で大変根深いものとなっている」(田中, 1990, p.53)と述べられている。

   これは日本国民には根深い問題となっている。1)

著者名が複数人であった場合は、日本語なら著者名のあとに「他」を、英語なら「et al.」を加え、以下を省略することが可能です。共著であった場合は著者名を省略してはなりません。

引用文献での書き方

 

著者名がアルファベット順となるように引用文献を並べます。記載するのは著者名・出版年・書籍名・出版社名・ページ数です。注釈を入れる場合は注釈の数字順に文献を並べます。

例:田中太郎(1990) 「日本国が抱える問題と未来」、陽光社 p.53

      1) 田中太郎(1990) 「日本国が抱える問題と未来」、陽光社 p.53

 著者が複数人であった場合、全員の名前を記載します。

 同じ著者が書いた資料を複数書く場合は出版年の早い順に文献を並べます。

 引用箇所が数ページにわたる場合、ページはp.○○ではなくpp.○○-○○と表記します。

 

研究分野によっては、このような情報の順序に明確なルールが存在する場合もあります。例えば、科学技術情報流通技術基準において書籍の記載方法が定義されています。

論文の原稿であれば、投稿規程で文献の表記形式が指定されていることが多いです。

参考: 神戸大学付属図書館 「資料別による参考文献の書き方 (SIST02 スタイル)
参考: 学習院女子大学図書館 「引用・参考文献の書き方

あなたの研究分野に関連するレポートや論文について文献を探し、その文献がどのように引用文献一覧を作っているのかを一度確認してみるとよいでしょう。なお、このような参考の場合は参考資料としての扱いでよいと思います。

直接引用の際の本文の書き方

引用の際は、「」や“”などで引用部分を囲み、本文と区別します。また、引用文は一字一句正確に本文と同じものを記載しましょう。直接引用の例としては以下のような書き方となります。

 例:田中(1990)はこれについて「この問題は日本国民の中で大変根深いものとなっている」(p.53)と述べている。

 「この問題は日本国民の中で大変根深いものとなっている」(田中, 1990, p.53)と述べられている。

引用する文章が長い場合は、引用文の前後に改行をいれて引用箇所を分かるようにすることも可能です。

間接引用の際の本文の書き方

引用内容を自分の言葉で要約して記載し、文末に著者名・出版年・ページ数を記載します。

ここで重要なことは、自分の意見や考えを入れてまとめないよう、十分に注意してください。著者の解釈や意見を変えないよう、資料は十分に読み、誤解されないような記載を心がけましょう。間接引用の例としては以下のような書き方となります。

例:これは日本国民には根深い問題となっている(田中, 1990, p.53)。

これは日本国民には根深い問題となっている。1)

まとめ

この記事では、論文やレポート作成に必須である引用について解説しました。引用に関する要点を以下にまとめます。

 ・引用とは、持論の補強のために他人の意見を自分の著作内で書き示すことである

 ・引用の際ははどこからどこまでが引用かはっきり分かるようにすることが重要である

 ・引用の際は他の人がその資料を探すことができるように引用文献の情報を示す

 引用はレポートや論文作成に必須である一方、むやみな引用はレポートの質を著しく落としてしまうこととなります。あくまで自分の論の補強材料として合理的・必然的に引用が必要であるのか、随時考える必要があります。

 引用を正しく用いながら、よいレポートや論文を作成しましょう。

【参考資料】

千葉大学アカデミック・リンク・センター「文献を引用する」  (2022年6月16日閲覧) 

中山研究室「引用のしかた」(2022年6月16日閲覧)

近藤裕子, 由井恭子, 春日美穂,(2019年6月)「失敗から学ぶ大学生のレポート作成法」ひつじ書房

酒井聡樹, (2015年4月)「これから論文を書く若者のために」共立出版

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著者プロフィール

アカリクリポーターズとは、大学院生としての経験や知識を「リポート」するライター集団です。全員大学院在籍経験があり、これまでの研究経験や知識を活かして、大学院生の皆様に役立つ情報をお届けしています。専門分野は工学・化学・生命科学・心理学・社会学等様々です。

【監修】アカリクお役立ちコンテンツ編集部
博士号所持者/博士課程在籍経験のある編集者が監修しています。

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