仮面座談会第2回のテーマは「恋愛」です。
院生ならば優先すべきは研究。だけど、やっぱり恋愛もしたい。
以前実施した院生百分率でも、恋愛中の人は50%でした。そこで今回は、実際現在お付き合いしている人に色々聞いてみたい!と思い座談会を企画しました。
一体どこで出会うのか?研究と恋愛は両立できるのか?そして結婚はどう考えている…などなど。
院生にとっても永遠の課題とも言える「恋愛」について連続5回で考えてみました。
是非ご一読ください!
材料・物質さん(女性) 博士課程1年
人文科学修士さん(女性) 修士課程2年
経済さん(女性) 修士課程1年
人文社会科学博士さん(男性) 博士課程3年
(人文社会科学博士さんは社会人になったばかり)
アカリク司会(女性) 生命科学系博士号取得者
自己紹介
アカリク:本日はお集まりいただきありがとうございます。それでは、自己紹介をお願いします。
材料・物質さん:私は今D1で、1年飛び級したので、24歳です。つきあって3年の恋人がいます。同じ研究室の先輩で、彼は就職していて遠距離恋愛中です。
人文科学修士さん:私はM2です。私は都内の大学に通っていますが、実はもう北陸の企業に就職が決まっていて、同じ県に学部生の頃からつきあっていた彼が暮らしています。北陸に行ったら結婚する予定になっているので、婚約中です。
経済さん:私はM1です。これから先のことは考え中の段階ですが、同じ研究室の先輩で、ポスドクの彼とおつきあいしています。
人文社会科学博士さん:唯一男性で参加します。私はこの9月までD3でしたが、この10月から民間企業に就職しました。M2の時から学外で知り合った女性ともう6年つきあっています。
アカリク:私も院生だったので司会を担当させていただきます。私は修士の時に、つきあっていた彼といろいろ意見の食い違いがあり、別れてしまいました。
今日は参加してくださったみなさん、恋人持ちなんですね。恋人がいることは素敵なことですが、反面、いろいろ苦労していることもあると思うので、本音の部分をぜひお聞かせください。
出会いの機会はどこにある?
アカリク:以前、アカリクでアンケートを行った結果では、修士博士あわせ、院生の124人中62人、つまり半数が決まった相手がいないと答えていました。 恋人がいない方でも、恋愛はしたいと思っている方はいない方の7割近くにのぼっているのですが、出会いの場がないという意見も多かったです。 みなさんはどこで出会われましたか?
材料・物質さん:私の場合は研究室でした。実は、もともと別の先輩と付き合っていたのですが、その人とうまくいかなくなり別れることになりました。それがきっかけとなり、今つきあっている彼と一緒に出かける機会ができたんです。
人文科学修士さん:私は学部生の頃からつきあっていた相手です。私より5歳以上年上です。私は研究や趣味で文章を書くことが多く、彼は絵を描く人で、クリエイター系の集まりで知り合って今に至っています。
経済さん:私の彼は、同じ研究室の先輩です。相手は去年博士号を取って、今は大学で教えたり、研究したりというポスドクですね。
人文社会科学博士さん:私の場合は学内とは全く関係なく、バイト先の先輩、後輩でした。僕は外に出ることが多かったけど彼女は内勤で、4年間ぐらいは何もなかったんですが、たまたま出会うタイミングがあって知り合い、つきあうようになりました。だから、向こうは研究とか、大学院とか、全然知らないんですよ。
アカリク:学内でという方と、学外でという方がちょうど半々ですね。みなさんの先輩や後輩などで、恋人がいる人はどこで出会ったか、聞いたことがありますか?
人文科学修士さん:私の研究室では文学の研究をしているので、その関係で出版社とやりとりがある人がいて、出版社の方とつきあっているという話を聞いたことがあります。
材料・物質さん:へえ、そういう例もあるんですね。私の周りでは、やはり、研究室周りが多いように思いますね。
意外にある?出会いのチャンス
人文社会科学博士さん:研究室内での恋愛はやっぱり多いと思います。私の所属していた考古学の研究室では、単位がもらえる合宿形式の遺跡の発掘というのがあったんです。1週間ぐらい行動を共にするので、合宿が終わる頃には毎年最低1組はカップルが生まれていましたね。私たちはそれを「発掘マジック」と呼んでいましたよ。
経済さん:振り返ると、やはり研究室周辺が多いですね。「発掘マジック」ではないですが、同じ行動をする中で、かっこよく見えてしまう、何かマジック的なものがあるような気がします。
人文社会科学博士さん:自分がそうだからと言うわけではないですが、バイトもやはり学外の人と出会う一つの場ですね。
アカリク:学会も、重要な出会いの場の1つですよね?私の周辺では、学会の時にポスター発表で素敵な人がいると、その人がポスターの横に立つ時間までに内容をGoogleで検索して、質問内容を考えて話しかけると言う人がいました。実際、それでおつきあいした人もいるようですよ。 これは理系でも文系でも同様ですよね?
人文社会科学博士さん:趣味嗜好が似ているという点で、学会での出会いは結構有効であると思いますね。
経済さん:院生だとなかなか学内のサークルに参加する時間がありませんが、逆に、社会人サークルで月1〜2回活動しているようなところに参加するというのも1つの手だと思います。大学以外に自分の居場所を作ること、趣味を持つことで、出会いのチャンスは広がると思いますね。
一歩突き抜けることが出会いにつながる
アカリク:こうしてみると、出会いの場はないわけではないですね。では、恋愛に至るケースと至らないケースはどこが異なるのでしょう?
人文社会科学博士さん:出会いの場として街コンが1つありますね。最近、日本酒のお米「ひとめぼれ」と恋愛の「一目惚れ」を引っかけた酒コンに友人と行ったんですね。そのうちの一人は、「出会いが欲しい」、「恋愛がしたい」と言っている男性だったから、チャンスだったはずなんです。でも彼は終始、参加者の人間観察をするだけで、女性と話したりしていないんですよ。
材料・物質さん:せっかくのチャンスなのに!もったいないですね。
人文社会科学博士さん:そうでしょう?私は彼女もいますし、酒蔵の人とばかり話してお酒のことを色々聞いていました(笑)。でも「次は酒蔵を見学させてください」という風に、男女間ではないけど次につながる知り合いができたんですよ。恋愛したい彼は、酒蔵の人にも話しかけず「なんだか話が続かないんだよね」と腰が引けた感じで…。
経済さん:もう一歩、踏み込んでいかないとダメですよね、待っているだけではなかなか、出会いがあっても発展しない。
人文科学修士さん:あと、恋愛に臆病になっているのかもしれません。好きだと思っても、「告白して断られたらどうしよう、こわい…!」とか。どうしてもそういう気持ちになってしまいますよね。
材料・物質さん:気持ちはわからなくはないですね。だったら、最初はみんなでわーっと出掛ければいいんじゃないですかね。研究室に気になる人がいるなら、大学の周囲は安くておいしいお店とかたくさんありますから、研究で夜残っている人に「ご飯みんなで行こうよー」と誘って出掛ける。
経済さん:みんなで、というのがポイントですね。最初に声掛けでちょっと勇気を出す。そして、次第に話す機会を作ればいいんじゃないですかね。
人文社会科学博士さん:あと、意外と研究にひたすら没頭すると言うのもポイントが高いようですよ。「発掘マジック」で言うと、遺跡発掘合宿の時に、彼女に振られた直後で落ち込んでいて、みんなと離れたところでひたすら発掘に打ち込んでいる後輩がいたんです。ちょっと、哀愁の背中を見せながらひたすら作業。そうしたら、年下の学部生の女性がその姿に魅かれて、2人はつきあうようになったんですよ。
材料・物質さん:素敵なお話ですね。それを聞いてみると、院生は忙しいけれど、集団で行動するイベントに誘われたら参加する方がいいみたいですね。そこで意外な一面を見て、お互いの魅力に気がつくこともあると思います。
こうしてお話を聞いていると、チャンスをちゃんと把握して糸口を掴めば、出会いの場は意外なほどあるような気がしてきました。
しかし、研究室が出会いの場となることが多いとなると、交際していることをオープンにするべきか、隠しておくべきかという問題にも突き当たります。
次回はそのあたりについて、皆さんからお話を伺いたいと思います。