就職活動を行う上で、避けて通れないのが面接です。
新卒の学生の就職活動では、書類選考を通過した後、複数回の面接を通過して内定を得るという流れが一般的です。
つまり、面接は就職活動の選考の中で最も重要なステップの1つであるといえます。
面接の流れや面接で聞かれる内容は企業によって異なりますが、基本的な流れやよく聞かれる質問を押さえておくことで、ある程度は事前に対策を行うことが可能となります。
そこで今回は、就職活動において事前に準備すべき面接対策や、面接でよく聞かれる質問などについてご紹介します。
また、大学院生をモデルにした自己紹介の例文もご紹介します。
このコラムで面接対策の基本を押さえ、面接への不安を少しでも軽減しましょう。
就活における自己紹介
業界や企業によって面接の形態はグループ面接や個人面接など様々ですが、いずれにしても基本的な流れは共通しています。
面接の開始とともに行われ、あなたの第一印象を決めるのが自己紹介です。
名前や所属だけでなく、経験してきたことやアピールポイントを30秒から1分程度で簡潔に伝えられるとよいでしょう。
ただし、多くの場合、自己紹介では話す内容よりも話し方をみられています。明るい表情でハキハキと話すことを意識するだけでも、好印象を与えることができます。
自己紹介のポイント
面接官にとって、就活生の第一印象が決まるのが自己紹介です。
自分の強みをアピールしようとする必要は必ずしもありませんが、少なくとも面接官に良い印象を与えられるように意識すると良いでしょう。
姿勢や表情、視線
姿勢や表情、視線といった所作は人の印象を大きく左右します。
具体的には、背筋が曲がっていたり、俯きがち、目が泳ぐなどといった仕草は印象を悪くしてしまうこともあります。
こういった仕草は自分自身では気が付きにくいので、友人に見てもらったり鏡の前で練習してみると良いでしょう。
また、緊張で床を見がちになる人もいますが、自然と姿勢が悪くなってしまうことにも繋がるので、特に目線は意識しておくと良いです。
言葉遣い(敬語や略語)
敬語をきちんと使えないと、社会に出て働く上で最低限のマナーを身に付けられていないと見なされてしまいます。特に面接の冒頭で行われる自己紹介でそういった印象を与えてしまうと、後の受け答えも否定的に受け取られてしまうかもしれません。
就活生が緊張していることは面接官も分かっているので、言葉に詰まってしまったりちょっとした言い間違いなどを気にしすぎる必要はありません。むしろ切り替えて次の質問にしっかり答えることが重要です。
面接官が言葉遣いを通して見ているのは、TPOにあった振る舞いができるかどうか、といったことです。
盛り込みたい内容と分量
自己紹介なので、最低限の基本情報は話す必要があります。具体的には、
- 氏名
- 所属(大学や学科、コースなど)
です。
「簡単に自己紹介してください」などといった形の指示であれば、このような基本情報と一言挨拶を述べる程度で充分です。挨拶は「どうぞ宜しくお願い致します。」などといった当たり障りのないもので構いません。
面接官から「1分間で自己紹介してください」などと具体的な指示があった場合にはきちんと従いましょう。30秒や1分など、自己紹介を予め数パターン用意しておくと本番で焦らなくて済みます。
このような長めの自己紹介の場合には、前述した基本的な情報の他に、
- 大学で取り組んできた活動
- 研究内容
- 部活動やサークル
- 学外での活動
- ボランティア活動
- 海外経験
- アルバイト
- 趣味や資格
などを盛り込むと就職後の人材像とも結び付けやすく、適切な自己紹介になります。
特に時間の指定がない場合であっても、話す分量には気を配る必要があります。
特に大勢の就活生と一緒に行われるグループ面接の冒頭で自分だけが長々と自己紹介に時間を使ってしまうのは印象が良くありません。周囲に気を配ることができないという印象を与えるためです。言葉遣いとも重なる部分ですが、TPOに応じて適切な分量を話すよう心掛けましょう。
自己紹介の例文
ここでは、理系の大学院生をモデルに自己紹介の例文をご紹介します。ご自身の研究やバックグラウンドに応じてアレンジしてみてください。
○○大学大学院 ○○研究科 ○○専攻から参りました。○○と申します。 大学院では○○における○○の研究に取り組んでいます。 研究活動においては、学科セミナーや学会での発表を通じてプレゼンテーション能力の向上に努めてきました。 本日の面接においても面接官の皆様に私自身について少しでも多く理解して頂けるよう頑張ります。 どうぞ宜しくお願い致します。
選考の流れ
まずは、一般的な面接(選考)の流れについて見ていきましょう。
前述の通り、企業ごとに面接回数や選考の流れは異なりますが、
書類選考→1次面接→2次面接→最終面接→内々定→内定→採用
という流れが一般的です。
ここからは、それぞれのステップについて解説していきます。
書類選考
書類選考は、応募者にとっての最初の関門です。
逆に企業にとっても就活生の第一印象を決定する機会となります。
書類選考を通過して初めて面接に臨むことができます。
以降の選考は、この際に提出した履歴書やエントリーシートをもとに進められます。
エントリーシートの作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
1次面接
1次面接では、多くの場合、人事または現場で活躍する社員が面接を担当します。
応募者の志望動機や自己PR、スキルや経験等が聞かれます。
2次面接
2次面接では、現場で活躍する社員または人事が面接を担当することが多いです。
スキルや志望動機について改めて確認されるほか、社員との相性等も見られることがあります。
最終面接
最終面接では、合否の判断が行われるため、社長や役員が面接を担当することが多くあります。
気を抜くことなく、しっかりと準備を行ってから臨みましょう。
面接の準備について、こちらの記事でも解説しています。
面接でよく聞かれるその他の質問
ここからは、面接でよく聞かれる質問とその答え方について紹介します。
以下で紹介する基本的な質問をおさえて、自信をもって面接に臨みましょう。
自己PR
自己PRも、面接の序盤で聞かれることが多い項目の一つです。
「自己紹介と自己PRをお願いします。」のように、自己紹介と合わせて聞かれることもあります。
自己PRでは、以下のような項目に沿って端的にあなたの魅力を伝える必要があります。
- アピールポイント
- アピールポイントに関する具体的なエピソード
- エピソードで得られた成果や学び
- 会社でその強みをどう生かしていくか
自分のアピールポイントをただ伝えるだけでなく、そのアピールポイントが発揮されたエピソードや培われたエピソードと絡めて伝えることで納得感を高めることができます。
また、アピールしたポイントをその企業でどのように活かしていきたいかを述べることで、企業側に「この学生はうちの会社でも活躍できそうだ」という印象を持ってもらうことができるでしょう。
志望理由
志望理由では、志望度の強さや会社とのミスマッチがないかどうかをみられています。
そのため、
- この会社を志望する理由(簡潔に)
- どのような経験からこの会社に興味を持ったのか
- 他の競合他社ではなく、なぜこの会社なのか
- あなたが経験を生かしてどのように活躍できるのか
などを伝えるとよいでしょう。
ここで重要なことは、誰にでも言えてしまうことではなく、自分にしか言えない志望理由を伝えることです。「御社の〇〇という商品が素敵だと思ったから」というような志望理由は、誰にでも言えてしまいます。
自分の経験をもとに、あなたにしか言えない志望理由を伝えることで、面接官に熱意を伝えたり共感を引き出すことができます。
長所・短所
長所や短所を尋ねることで、面接担当者はあなたが自分自身のことを客観視できているか、社風にマッチしているかどうかを見ています。
長所を尋ねられたら、以下のような項目を端的に伝えましょう。
- 長所(簡潔に)
- 長所が発揮された具体的なエピソード
- 会社でその長所をどう生かしていくか
自分の良さをアピールしたくなるあまり長所をいくつも挙げてしまう人もいますが、1つに絞るほうが賢明です。
要点を絞ってエピソードとともに伝えることで、面接担当者はあなたの人柄を理解しやすくなります。
短所を伝える際には、以下のことに気を付けて回答しましょう。
- 短所を克服しようとしている姿勢を伝える
- 仕事に大幅に支障が出てしまいそうな短所は伝えない
短所が思い浮かばない場合は、長所を裏返しにしたものを考えるとヒントになるかもしれません(例:長所が「責任感が強い」の場合、短所は「心配性である」等)。
面接は、あなたがその会社に入社した場合に会社にどのようなメリットがあるのかをアピールする場です。
嘘をつく必要はありませんが、正直に答えすぎて悪印象を与えてしまわないよう、短所の伝え方には工夫が必要です。
就活の軸
就活の軸とは、あなたが企業選びで大切にしているポイントのことです。面接において就活の軸を聞かれた場合、以下のように答えるとよいでしょう。
- あなたの就活の軸(企業選びのポイント)
- その理由+エピソード
- この会社のどのような部分があなたの就活の軸にマッチしているのか
単に就活の軸を答えるだけでなく、就活の軸をそのように決めた背景や、会社への志望度をアピールしましょう。
キャリアプラン
キャリアプランを尋ねることで、面接担当者は、あなたの理想をこの会社で叶えることができるかどうかを見極めようとしています。
5年後、10年後、20年後などと期間を区切り、それぞれの時期にどのような仕事をしていたいか、どのような役割を任されていたいか、どのような社会人になっていたいかを具体的に考えておくとよいでしょう。
極端な例ですが、大企業の面接でキャリアプランを聞かれて「5年後に社長になりたい」と言っても「無理だろう」と思われてしまうと思います。
インターンや説明会、OB/OG訪問や会社の採用HP等を通じて、それぞれの年代の社員がどのように活躍しているのかについての情報を収集し、具体的なキャリアを思い描いておくと「よく考えているな」と感じてもらえるはずです。
就活の軸や志望理由としてNGな例
以下のような志望理由は、面接担当者に良い印象を与えない可能性があるため注意が必要です。
給料や福利厚生等の労働条件を志望理由や就活の軸として伝える
企業選びにおいて給料や福利厚生等も就活の軸として大事な観点の1つですが、それだけが前面に出てきてしまうと、「条件が良ければ他の会社に転職してしまいそうだな」と思ってしまう面接担当者もいます。
短所やキャリアプランについて、「ありません」「分かりません」と答える
自分の短所やキャリアプランについて、就活を始める前には意識していなかった人もいるでしょう。
しかし、面接ではよく聞かれる質問であるため、事前に準備しておくほうが賢明です。
「分かりません」等の回答は、面接担当者に「あまり自分のことについて考えていないのかな」という印象を与えてしまいます。
面接前にしておくべきこと
先ほども述べた通り、面接は就職活動のステップの中でも多くのウェイトを占める重要な要素です。
入念に準備して、落ち着いた状態で面接を迎えましょう。
この章では、いきなり面接本番を迎えて焦ることのないよう、事前に準備しておくべきことを紹介します。
履歴書など提出した応募書類の確認
面接直前の書類の確認は必須といえます。
企業に提出した履歴書やエントリーシートをもとに面接はが企業に提出した履歴書やエントリーシートを基に進んでいく場合が多いため、提出前にあらかじめコピーを保存しておき、面接前に読み返しておくとよいでしょう。
書類に書いた内容と食い違う発言を防げるほか、ある程度面接での質問をある程度予想することができます。
企業・応募職種の情報の確認
応募した企業や職種の情報についても、面接前に確認が必要です。
これらの情報は、面接での志望理由や逆質問(面接担当者への質問)にも関わってくるはずです。
そのため、間違えて覚えてしまわないことはもちろん、志望理由や逆質問を通して熱意を伝えるためにも、企業や応募職種の情報を深くおさえておくことが重要です。
筆記用具や手帳の準備
面接の際には、筆記用具や手帳を手元に準備しておきましょう。
面接で聞かれたことや印象に残ったことを忘れないうちにメモすることで、その後の面接に活かすことができます。
また、面接時に合格が言い渡され、次の面接日時を打診されることもあります。
自分のスケジュールを事前に把握しておき、メモできるような準備をしておくとよいでしょう。
面接担当者からの質問を想定する
面接担当者からの質問をあらかじめ想定しておくことで、面接本番で落ち着いて受け答えすることができます。
面接では、多種多様なことを聞かれる印象を持つ方もいるかもしれませんが、「よく聞かれる質問」は比較的決まっているということも事実です。
詳しくは次の章で紹介しますが、面接でよく聞かれる質問を押さえ、要点を頭に入れたうえで面接に臨むことで、面接担当者に良い印象を与えることができるでしょう。
面接で好印象を残すためには、事前の準備が肝|まとめ
このコラムでは、面接の流れ、面接前にしておくべきこと、面接でよく聞かれる質問について解説してきました。採用面接の場は短時間であなたの魅力、すなわち、あなたを雇うことで会社にメリットがあるということを採用担当者に伝える場所です。
就活の面接における自己紹介では自分の強みを強調する必要は必ずしもありませんが、少なくとも悪い印象を与えることは避けたいものです。
- 姿勢や表情、視線
- 言葉遣い(敬語や略語)
- 分量
を意識すると良いでしょう。
限られた面接の時間であなたの良さを十分に伝えるためには、事前の準備が不可欠となります。
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