研究職の転職はなぜ難しい?未経験職種への挑戦と成功のコツを徹底解説

研究者 白衣を着た男女転職

「異業種に興味があるけれど、研究職から本当に転職できるのか不安」
「今の会社を辞めたいけれど、研究職として他で通用するか心配」

このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

たしかに、研究職からの転職は難しいというイメージを持たれがちです。しかし実際には、自身の経験や強みを活かしながら転職を成功させ、次のキャリアへとステップアップしている研究職の方も少なくありません。

本記事では、転職が「難しい」と言われる理由を整理したうえで、研究職の方が転職を考えるきっかけや主な転職先、未経験分野へ挑戦する際の選択肢について解説します。転職を検討している研究職の方が、自分に合った次のキャリアを考えるヒントとして、ぜひ参考にしてください。

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研究職で転職したいと思うタイミング

研究職として働くなかで、「このまま続けていいのだろうか」「別の道も考えたほうがいいのでは」と感じ、転職を意識し始める人は少なくありません。研究職ならではの働き方や環境が影響し、キャリアについて見直すタイミングが訪れることもあります。

研究職の方が転職を考える代表的なきっかけは、次のとおりです。

・自分に合わない

・職場環境が悪い

・給与が見合わない

ここからは、それぞれの内容を詳しくみていきましょう。

自分に合わない

研究職として働くなかで、「仕事そのものが自分に合っていない」と感じることが、転職を考えるきっかけになる場合があります。研究職は、年単位で一つのテーマに向き合い、試行錯誤を重ねながら成果を積み上げていく仕事です。

研究には明確な正解がない場合も多く、思うような成果が得られない期間が続くこともあります。そのため、粘り強さや探求心が求められますが、こうした姿勢を保つことが難しくなったり、モチベーションが低下してしまったりすると、次第に転職を意識するようになる人も少なくありません。

職場環境が悪い

職場環境への不満をきっかけに、転職を考え始める研究職の方も少なくありません。研究職ならではの働き方や環境が、負担として感じられるケースもあります。

特に多い理由として、次のようなものが挙げられます。

  • 人間関係が悪い
  • 危険な作業がある
  • 残業時間が多い

研究職は人事異動が少ない職場も多く、苦手な相手がいても長期間同じ環境で働き続けなければならない場合があります。その結果、人間関係のストレスが蓄積し、働きづらさを感じてしまうことがあります。

また、化学薬品や特殊な装置を扱う業務では、常に事故や健康リスクへの注意が必要となり、精神的な負担を感じる人も少なくありません。さらに、研究の進捗や期限によっては残業が常態化し、プライベートの時間を確保しにくくなることも、転職を考える要因の一つです。

給与が見合わない

業務量や求められる専門性に対して、給与が見合っていないと感じたことをきっかけに、転職を意識する研究職の方もいます。研究職は高度な知識や長期間にわたる成果創出が求められる一方で、その努力や責任が報酬に十分反映されていないと感じるケースも少なくありません。

研究職の平均年収はおよそ500万円前後とされていますが、企業や分野によって年収水準には大きな差があります。なかには30代で年収1,000万円を超える企業も存在するため、こうした違いを知り、自身のスキルや経験をより正当に評価してもらえる環境を求めて、転職を検討する人も多いようです。

研究職を募集しているところ

転職を考える際、「できれば引き続き研究職として働きたい」と考える方も多いでしょう。研究職の経験を活かせる転職先は限られているように思われがちですが、実際にはいくつかの選択肢があります。

研究職として転職できる主な転職先には、以下のようなものがあります。

  • 民間企業の研究部署  
  • 大学の研究室  
  • 国や公的機関の研究所  

それぞれの特徴や働き方の違いを詳しくみていきましょう。

民間企業の研究部署

民間企業の研究部署では、中途採用として研究職が募集されることがあります。主に大手メーカーやバイオベンチャーなどでみられ、企業の事業戦略や製品開発に直結する研究を担うケースが多い点が特徴です。

大学や公的機関と比べると、研究の目的は利益創出や競争力の向上に置かれることが多く、あらかじめ定められた期限内で成果を出すことが求められます。その分、研究成果が事業や製品に反映されやすく、研究の手応えを感じやすい環境といえるでしょう。

大学の研究室

大学の研究室でも、中途採用として研究職の募集が行われることがあります。理系分野に限らず、文系の研究室でもポストが設けられているケースがあり、幅広い専門分野で活躍の機会も珍しくありません。

民間企業と比べて、大学の研究室では短期的な成果よりも、将来の技術や学問の発展につながる基礎的な研究に取り組むケースが多くみられます。腰を据えて一つのテーマを深く掘り下げたい人にとっては、研究に集中しやすい環境といえるでしょう。

国や公的機関の研究所

国や公的機関の研究所でも、中途採用として研究職が募集されることがあります。大学の研究室と同様に、短期的な成果よりも、社会や産業の基盤を支える研究に取り組むケースも少なくありません。

理系分野の研究機関をイメージされがちですが、人文・社会科学分野を対象とする研究機関も存在します。たとえば人間文化研究機構のように、文系研究を専門とする公的機関もあり、専門分野に応じた多様なキャリアの選択肢が用意されています。

研究職の代表的な2つの研究タイプ

研究職には「基礎研究」と「応用研究」の2種類があります。それぞれで研究内容が異なるため、どちらの研究に興味があるのかを明確にしておきましょう。

基礎研究

基礎研究は、将来役立つような新しい基盤となる研究。決して直接利益になるわけではありませんが、次世代の産業発展のために必要な役割を持っています。

民間企業でも行われていますが、大学や研究機関の方が基礎研究を行っているケースが一般的です。

応用研究

応用研究は、基礎研究の成果を活かして、利益につながる技術や製品ができるかを試みる研究です。主に民間企業が行っており、応用研究で得られた成果が研究開発職の人たちによって製品化されます。

研究職の転職が「難しい」と言われる本当の理由

研究職の転職が「難しい」と言われる背景には、単に本人のスキル不足があるわけではありません。採用市場や企業側の評価構造に、研究職ならではのハードルが存在しています。

特に、研究職が異業種への転職が難しいとされる主な理由は、次のとおりです。

・研究職の採用枠自体が少なく、競争率が高い

・期間雇用・任期付きポジションが多く、安定しにくい

・専門分野が限定的で、即戦力として評価されにくい

・研究成果がビジネス貢献として伝わりにくい

これらの課題を理解せずに転職活動を進めてしまうと、「なかなか選考が通らない」「評価されていないと感じる」といった状況に陥りやすくなります。まずは、研究職の転職が難しいと言われる理由を整理し、どこに壁があるのかを把握しておきましょう。

研究職の採用枠自体が少なく、競争率が高い

研究職は他職種と比べて採用枠が少なく、希望する分野の求人自体が見つからないケースも珍しくありません。企業や研究機関では、研究テーマごとに必要な人材が限定されるため、欠員が出ない限り新たな採用が行われにくい傾向があります。

また、研究職は高度な専門性が求められる分、離職率が比較的低い職種でもあります。そのため募集が出た場合には応募が集中しやすく、経験や研究分野が近い人同士で競争になることも少なくありません。基礎研究や応用研究に限らず、研究開発職全般において、転職のハードルが高くなりやすい理由の一つといえるでしょう。

期間雇用・任期付きポジションが多く、安定しにくい

研究職の求人には、契約社員や任期付きなど、期間を定めた雇用形態が多くみられます。研究はプロジェクト単位で進められることが多く、研究費の配分や採択状況によって人員計画が左右されるため、長期的な雇用を前提としない採用が行われるケースも少なくありません。

契約更新や無期雇用への切り替えが行われるケースもありますが、あらかじめ保証されているわけではありません。将来の働き方を見通しにくい点が、不安につながりやすい要素といえるでしょう。その結果、収入面やキャリア形成に不安を感じる人も多く、安定した働き方を重視する人ほど、研究職への転職を難しいと感じやすくなります。

専門分野が限定的で、即戦力として評価されにくい

研究職は高度な専門性が求められる仕事である一方で、その専門性が転職市場において十分に評価されないケースも少なくありません。

特定の分野に深く携わってきた経験は大きな強みですが、企業の採用担当者から見ると、「他の分野にも応用できるのか」「自社の課題解決にどのように活かせるのか」が具体的にイメージしにくいことがあります。

特に異業種や未経験分野への転職を目指す場合、専門性の高さがかえって評価のハードルとなり、即戦力として見なされにくくなることもあります。その結果、書類選考や面接で十分な評価を得られず、「研究職の転職は難しい」と感じてしまう要因の一つになるのです。

研究成果がビジネス貢献として伝わりにくい

研究職では、論文発表や学会での評価、技術的な実験成果など、専門性の高いアウトプットが重視される傾向があります。一方で企業の採用担当者は、学術的な評価に加えて、「その成果が自社の事業や製品づくりにどのように活かせるのか」「課題解決や利益創出につながるのか」といった実務的な視点から人材を評価するケースが多くみられます。

優れた研究成果があっても、事業貢献の視点が不足していると、評価されにくくなります。なかでも、研究職から異業種や未経験分野への転職を目指す場合、この評価基準の違いが「研究職の転職は難しい」と感じる要因の一つになりやすいでしょう。研究成果を単に並べるのではなく、その意義を事業貢献の視点で説明する工夫が必要です。

研究職が転職を成功させるために必要な準備

研究職の転職は「難しい」と言われがちです。しかし、研究経験そのものが評価されないわけではありません。強みを整理し、市場の視点に沿って伝えられれば、転職の選択肢を広げることも十分に可能です。

ここでは、研究職が転職を成功させるために押さえておきたい準備のポイントを具体的に解説します。研究職が転職を成功させるために必要な準備

研究経験を「汎用スキル」として整理する

研究職の転職を成功させるためには、研究内容そのものだけでなく、研究を通じて培ってきたスキルを整理することが大切です。研究職では、仮説を立てて検証する力や、データを分析して課題を見つけ出す力、結果を論理的にまとめて説明する力など、さまざまな汎用スキルが身についています。

一方で、研究してきた専門分野だけを強調してしまうと、企業側に強みが十分に伝わらないこともあります。研究テーマの詳細よりも、「どのような課題に直面し、どのようなプロセスで解決してきたのか」を整理し、業務に活かせるスキルとして言語化することが、転職を成功に導く第一歩となるでしょう。

専門性を「市場目線」で言語化する

研究職の転職では、専門性をそのまま伝えるだけでは十分とはいえません。大切なのは、その専門性が転職市場や企業のニーズとどのように結びつくのかを、相手の立場に立って言語化することです。企業は「特定分野の第一人者かどうか」よりも、「自社の業務や課題にどのように応用できるか」を重視する傾向があります。

そのため、研究分野を説明する際には、専門用語を並べるのではなく、研究で培った知見や技術が、どのような業界・職種で活かせるのかを整理することが大切です。市場目線で専門性を捉え直し、その価値を伝えることで、研究職の転職における選択肢は広がります。

転職市場を理解し、第三者の視点を取り入れる

研究職の転職では、自身の評価と転職市場での評価にズレが生じやすい点を意識しておく必要があります。研究現場で高く評価されてきた経験や成果であっても、企業の採用基準や市場ニーズと必ずしも一致するとは限りません。そのため、転職活動を始める前に、研究職にどのような役割やスキルが求められているのか、転職市場の動向を把握しておくことが大切です。

また、転職活動を一人で進めていると、自分の強みや改善点を客観的に捉えるのが難しくなることもあります。第三者の視点を取り入れることで、自身では気づきにくい価値や、伝え方の課題が明確になるケースも少なくありません。転職エージェントやキャリア支援サービスを活用して客観的なアドバイスを得ることが、転職成功への近道となるでしょう。

研究職から未経験職種への転職は本当に難しいのか?

研究職から未経験の分野へ転職することに、不安を感じる方は少なくありません。一方で、研究で培ったスキルや思考力を活かし、異なる職種へキャリアチェンジする研究職の方も一定数存在します。

第二新卒の場合は比較的選択肢が広がりやすい一方、社会人経験が3年以上になると、どのような職種に転職できるのかが気になるところでしょう。ここでは、研究職から未経験分野へ転職した具体例や、その背景について詳しく解説します。

研究職からの転職例

研究職から未経験分野へ転職する場合でも、これまでの経験やスキルを活かせる職種を選ぶケースが多くみられます。研究で培った論理的思考力や分析力、専門知識は、さまざまな分野で評価されやすいためです。

代表的な転職先としては、企業が抱える課題を分析し、事業戦略の立案を支援する「コンサルティングファーム」や、将来性のある企業に投資する「VC(ベンチャーキャピタル)」などが挙げられます。また、製品の品質を管理・保証する「品質管理職」も、研究職出身者が活躍しやすい分野の一つです。

このほかにも、バイオ系・製薬系など異業種の研究開発職や、AI開発などのエンジニア職、さらには営業などの文系職へキャリアチェンジする人もいます。

研究職から転職する理由

研究職から未経験の職種へ転職する理由として多いのが、これまで培ってきたスキルや経験を活かしながら、新しい分野に挑戦したいという熱い思いです。研究職で身につけた論理的思考力や分析力、専門知識を、より幅広いビジネスの場面で役立てたいと考える人も少なくありません。

また、研究成果が事業や社会にどのように貢献しているのかを、より実感しやすい環境で働きたいという理由から、キャリアチェンジを選択するケースもあります。こうした動機から、研究職を経験したうえで未経験分野へ挑戦する人が一定数存在しています。

「やりたいこと」と「できること」を見極めて転職活動をしよう

研究職から異業種へ転職することには一定の難しさがありますが、決してできないわけではありません。自分のやりたいこととできることを整理し、適切な準備をしたうえで臨むことで、内定につながる可能性は高まります。

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