内定者インタビュー
研究職を目指さない博士後期課程の学生の就職活動
IT企業 内定
研究分野 情報系
博士課程
T. W. さん
就職活動を始めたのはいつからですか?
11月の中頃に就職を意識し始め、アカリクに登録をしました。
その後、アカリクさんの方から電話でアカリクITイベントをご紹介頂いて、12月の初めからイベントの準備を始めました。なので、就職活動を始めたのは12月からです。企業へのエントリーは、12月の下旬から始めました。
どのような軸で企業を見ていましたか?
私は博士後期課程に在籍しているので、企業選びの第一の軸は、博士後期課程の学生を採用しているか否かという点でした。
アカリクITイベントで時間を割いて面談をしてくださった企業は、おそらく博士後期課程の学生の採用をしているだろうと思えたので、積極的に選考を受けました。
企業にエントリーし始めた頃は、事業の内容を重視していました。特に、多くの人に利用されている製品やサービスを提供している企業で働いてみたいと考えていました。また、新しい技術を追い続けるような働き方をしたいと思っていたので、変化の激しい企業にも魅力を感じていました。
しかし、選考が進んでいく中で、説明会や面接で接した人に対する印象が、事業内容よりも大きな比重を占めるようになっていったと感じています。「自分もこの人のようになりたい」と思えるような方に出会うと、その企業に強く惹かれました。
就職活動と研究の両立はどのようにされましたか?
就職活動の予定が決まったら、とにかくまず最低限の水準までは進めておくことを意識するようにしました。
例えば、面接の予定が決まったら、まず「いますぐ面接をしてもなんとかなる」という状態にしておくようにしました。それから、論文の執筆など締切の設定されている作業に取り組んで、その後で時間の余裕があれば、企業研究などをより深く行うようにしました。
また、指導教員の先生と、就職活動が本格的に始まる前に、就職活動中の研究生活についてしっかりと話をしていました。就職活動に備えて研究成果を蓄積しておくように意識してもいました。このおかげで、就職活動の期間中は普段ほど研究に時間を割けなくても、先生にご理解頂くことができました。これは、就職活動と研究を両立する上ではすごく大きかったと感じています。
しかし、就職活動では、面接の結果が発表された日の数日後に次の面接が設定されるといったことが頻繁にあるので、予定を立てづらく、両立はすごく難しかったと感じています。実際、一度、就職活動と研究の忙しい時期が重なって、体調を崩してしまったこともありました。就職活動の期間中は、できるだけ研究の負担を減らすために、締切の厳しい仕事は入れないよう努める方が良いと思います。
就職活動の中で、一番努力したことはどんなことがありましたか?
企業研究には、かなりの時間と労力を割きました。
志望する企業のwebサイトをよく見たり、サービスをじっくりと利用したりしていました。また、技術系のニュースサイトでその企業について調べたり、その企業に勤める方のブログを読んだり、その企業に関連する書籍を読んだり、転職サイトで情報収集したり、といったこともしていました。
面接で、「サービスの改善点を教えてください」という質問をされることはすごく多くて、この質問には、サービスを使い込んでいなければ答えられなかったと思います。また、「どういうサービスを作りたいか教えてください」という質問も頻繁にあって、こういった質問に答える際には、その企業の特徴や過去に提供していたサービスを頭に入れておいたのが役に立ちました。
それと、エンジニアの選考を受けたので技術試験を課されることが多く、そのための勉強にも力を注ぎました。ITに関する知識を浅く広く勉強しなおして、コーディングの技法を再確認しておきました。技術試験には難しい問題もあって、勉強していなければ落ちてしまっていたかもしれません。
どのような内容で企業へ自己アピールをしていましたか?
主に、「新しいことを学び取ることができる」という点と、「自分の考えを適切に伝えられる」という点をアピールしていました。あとは、リーダーシップ経験などについて話すこともありました。
ただ、面接の中で「自己アピールしてください」と直接的に言われることはあまりなくて、質問への回答の中に自己アピールを織り込む必要があるような場面がたくさんありました。なので、「自分のアピールポイントはこれ!」と1つだけ決めるのではなく、「こういう系統の質問をされた場合はこういう点をアピールする」というようなイメージで、いくつかのアピールポイントを用意していました。
何かをアピールする時は、自分の体験も併せて伝えるようにしていました。「新しいことを学び取る」ということをアピールする時は、「様々な研究テーマに取り組んで成果を発表した」という点や「修士課程を首席で卒業した」といった点をお話していました。「自分の考えを伝える」ということをアピールする時には、「専門家、企業の方、文系の学生さんなど、話す相手が変われば、同じ内容の話でも異なる伝え方をした」という点や、「学術会議での受賞歴が多数ある」という点をお話していました。
内定先への決め手は何でしたか?
一番大きな要因は、「お客様を大切にする」という理念を徹底していることが、選考を通じて強く伝わってきたという点です。
私は、仕事を通じて人の役に立っていると実感したいと考えていたので、この理念に強く共感しました。
また、技術的な面で自分を鍛えることができると感じられた点も、大きな要因です。まだ歴史が浅く、変化の激しい分野の企業だったので、学ぶことがたくさんあるであろうと感じ、その点にも惹かれました。
就職活動の中で最も印象的なエピソードを聞かせてください。
具体的なエピソードではありませんが、即戦力を求めている企業なのか否かによって、選考の内容にかなり違いがあったという点が、印象に残っています。
即戦力を求めていると明言している企業では、エントリーシートや面接などで、開発経験や技術的な知識について深く問われました。大学の講義や研究活動ではまず身につかないと考えられるような、「明日から働ける」というほどの水準の能力を求められていると感じるような選考もあり、驚きました。
一方で、エンジニアの選考であっても、物事の考え方や人との接し方などをしっかりと確認されていると感じるような選考もありました。そういった選考では、技術的な点についても、基礎的な素養に関する質問が主で、最新の技術の動向などに関する知識はあまり問われませんでした。
就職活動をしている大学院生へのメッセージをお願いします。
私は博士後期課程に所属していますが、研究職ではなく技術職を目指して就職活動に取り組みました。
技術職を目指し始めた当初は、学部生や修士課程の方と比べて年齢を重ねていることもあり、就職活動がうまくいくのかどうかすごく不安でした。しかし、実際に就職活動をしてみると、博士後期課程に在籍しているということは、企業の方にはほとんど意に介されていないように感じました。結果としても、技術職として内定を頂くことができました。
私を含め、研究をしていく中で、技術の世界に関心が向く方は少なからずおられるかと思います。一方、博士後期課程の学生はそもそも数が多くなく、しかも研究職や教育職以外を目指すとなると、かなり情報が限られているかと思います。しかし、技術職の新卒採用は、博士後期課程の学生にも想像以上に開かれていて、完全にフェアに選考をしてくれます。もし、博士後期課程に在籍していながら、技術職を目指したいという方がおられれば、是非挑戦してみてください。
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