内定者インタビュー
進路に迷ったら、まずは行動してみよう
WEB広告配信システム/アドテクノロジー企業 内定
研究分野 社会学・心理学系
博士課程
Tさん
就職活動を始めたのはいつからですか?
2014年4月入社予定でしたが、2013年の6月末からという非常に遅い時期から始めました。
日本学術振興会特別研究員(PD)の申請書を提出し終えた時期で、ふと本当に自分はこのまま研究者を目指していけるだろうかと考えるようになりました。私は2012年4月から学振(DC2)に採用され、ある程度研究も評価されてきており、「このまま行けるぞ」という気持ちと「不安定な身分のままずっと続けて行けるだろうか」という不安とがありました。この葛藤は大学院に進むときから絶えずありましたが、研究よりもその方法論である統計学や機械学習自体に興味がシフトしていることに気付いた時、中途半端な気持ちのままでは研究職は無理だと思い至り、就職活動を始めました。
どのような軸で企業を見ていましたか?
統計学やプログラミングスキルが活かせること、その技術の向上が図れること、そしてその成果物が何かしら人に役立つという実感が得られること、この3つの軸から考えていました。
一つ目と二つ目は、これまでやってきたことを無駄にはしたくないという思いと、これからも自分の向学心を満たしてくれることが仕事を続ける動機づけとして必要と考え、設けました。三つ目は、これも仕事の動機付けと関連しますが、研究をおこなっている時に実感できず不満となっていたものでした。社会に還元することでやりがいを得たいと考えたのです。
就職活動と研究の両立はどのようにされましたか?
放任主義な研究室だったこともあり、両立というよりは就職活動に重きをおくことができました。
とはいえ、やらなければならない作業などはあったので、時間を決めて作業をしていました。面接を受けるまではその企業のことを調べ、面接が終わったら次の通知が来るまでは研究をする、などメリハリを付けるよう心がけました。
就職活動の中で、一番努力したことはどんなことがありましたか?
面接や提出書類で、とにかく正直に、正確に述べることに心を砕きました。
研究で統計やプログラミングは用いておりましたが、それが情報系の業界で通じているほどの能力かはあまり自信がありませんでした。なので自分のできること、今はできないこと、これから出来るかもしれないこと、やりたいことを、なるべく具体的に、嘘の無いように説明することを考えました。
企業への自己アピールはどのような内容をしていましたか?
これまで研究に打ち込み業績をあげたこと、そしてそれらが志望動機と繋がっていることを簡潔に話すように心がけました。
私は人文系の学部を出ていますが、研究手法に取り入れたいと学部時代から統計学やプログラミングを独習していました。それが論文賞の受賞や学振の特別研究員としての採用など評価につながったことをお話ししました。この話は自ら動き、業績をあげたことの具体例として提示しました。あとは研究の手段に過ぎなかった統計やプログラミング自体に興味がシフトし、これを極めるための仕事に就きたいと考えるようになった、と志望動機に結びつけるようにいたしました。
内定先への決め手は何でしたか?
これまでやってきたことの、さらに先が感じられたことでした。
私が希望した職種はいわゆるデータサイエンティストに該当すると思いますが、実際の内定先の職種はエンジニアです。データサイエンティストは有用な知識の発見が第一の職務であり、その点は研究者も同じだと考えられます。そのため働く姿は無理なく想像できました。ただ、発見した知識は活用されて初めてそれが有用であったか分かります。この知識の活用というスキルは私にはまだないものであり、身につけることで知識の発見から活用までを扱える技術者に成長できると考えました。
就職活動の中で最も印象的なエピソードを聞かせてください。
内定先の面接で博士後期課程を修了された役員の方とお話できたのは印象的でした。
上述したように、私は文系出身で博士後期課程まで進んでおり、内定先の職種はエンジニアを志望していました。これは、年齢、能力、動機のいずれの点からも不利であると思っておりましたし、自信もありませんでした。ただ、その役員の方は研究面での業績について分野が異なるにも関わらず評価してくださいました。また、「歳食ってると思っているかも知れませんが、まだまだこれからですよ。」とこちらの不安をズバリと看破されておりました。こと就職という点ではこれまでの経歴に自信がもてませんでしたが、頑張ってきたことはしっかり評価されると前向きになれた瞬間でした。
就職活動をしている大学院生へのメッセージをお願いします。
理系で修士まで行かれる方は普通ですが、文系で修士、ましてや博士まで行かれる方は就職活動について色々と思うところがあるかもしれません。私自身まだ働いているわけではないので何も言えませんが、これまでの経験が決して無駄になっているとは思っていません。これまでの業績や研究活動で培った論理的思考に自信をもって頑張ってください。
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