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エヌ ・ イ一ケムキャット株式会社 触媒開発センタ一 TWC触媒グループ 大分大学大学院工学研究科 応用化学専攻 無機化学分野 (修士課程) 出身

2014/12/04 掲載

創造を続ける会社 エヌ・イー ケムキャット
若手社員が語るこれまでの歩みと将来のビジョン

大学院時代の研究内容を教えてください

少し専門的な話になりますが、大学院時代はRu/Al2O3およびRu-Pt/Al2O3を用いたCO選択酸化反応における低濃度NH3の影響について研究しました。
燃料電池システム内の改質器ではCOが副生成します。このCOは燃料電池内のPt/C触媒を被毒し起電力が低下してしまいます。 そこで、生成してしまったCOをH2共存下において触媒によって選択的にCO2に酸化します。 一般的にこの触媒としてRu/Al2O3がCO選択酸化反応に高い活性を示しますが、 改質器に混入したN2由来の微量NH3によりRu/Al2O3はCO酸化の反応阻害を受けCO酸化性能が低下してしまう問題があります。
私の大学院時代の研究はRu/Al2O3触媒の改良のため、NH3による反応阻害機構の解明とRuへのPtドープによる反応阻害抑制を目的とします。 研究の結果、NH3はnitrosyl種としてRuに吸着することによりCO酸化反応を阻害することが判明しました。 また、Ptをドープすると吸着したnitrosyl種を酸化できるようになり、Ruに対する反応阻害を抑制できることが判明しました。
実験を進めるにあたり反応阻害物質の同定により反応阻害機構を推定、阻害を抑制するためドーパントの選定・実験の流れの中でトライ&エラーの繰り返しではありました。 特に反応阻害機構を解明するため、多数考えられる機構から化学的に現実的な機構を推定する段階では苦労しました。
しかし、仮説に基づく実験・検証の過程は 今日の業務を実施するための礎になったのではないかと思います。

就職活動はどのようにされたかお教えください

業務風景 入社時はもとより、5年後、10年後にありたい姿をイメージし、仮にエントリーした会社に採用された場合、ありたい姿に近づけるかを考え、エントリーする会社を決めました。
就職活動時は研究・開発の業務を志望しており、5年後、10年後はそれまでに培われるであろう知識・経験を生かして異なる部署で自分の力を発揮したいと考えていました。 そのため、エントリーする会社は研究・開発に注力していると思われる会社を選びました。
昨今ではインターネットからだけでも多くの情報が得られますので、その会社の事業内容はもちろんのこと、規模、拠点、どのような部署があるか、福利厚生はどうかなどを調べ、 先輩社員のインタビューを掲載しているホームページなども参考にし、また、会社説明会に参加することによって、ホームページには掲載されていない情報を得ていました。 そのように活動している中、当社の会社説明会や会社見学に参加した際、若手社員が職位に関係なく自由に意見交換し、業務を遂行している職場であることが分かり、 大変魅力を感じました。
他にも研究・開発に力を入れていていいなと思う会社はありましたが、学生時代に自動車触媒の研究をしていたことと、開発から量産まで一連の流れに携わることができることが 決め手となって当社へ入社しました。

現在はどのような業務を行っていますか?

業務風景 ディーゼル自動車用排気ガス浄化触媒の開発を行っています。
ディーゼルエンジンからは大気汚染物質である一酸化炭素(CO)、炭化水素(CH)、窒素酸化物(NOx)などが排出されますが、 近年、前述に加え、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質 (PM) や硫黄酸化物 の規制も厳しくなる傾向にあり、今後もさらに厳しくなる予定です。
その厳しくなる規制に対応するため、私はディーゼル車向けの酸化触媒、触媒化ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)、NOx還元触媒の性能改良を目指し開発を行っています。
業務の大きな流れは、まず、今後施行される新規制に対するお客様の触媒要求性能を把握し開発目標を設定します。
その後、現行触媒の要求性能に対するギャップを解析し、開発アプローチを検討します。 そこからは性能改良コンセプトの設定、試作品の試作・評価、評価の結果から開発目標への到達度を確認し、 目標未達であれば再度開発アプローチもしくはコンセプト検証から見直しを行い、開発目標の達成を目指します。
改良された試作品が出来上がったら、お客様に御評価いただくために技術プレゼンテーションを行います。 また、今後の規制動向から発生することが予想されるお客さまからの触媒性能改良要求に備えた先行開発も実施しています。 触媒開発のためには社内で得られた知見のみならず、親会社のBASFとも技術情報の交換を行います。 そのため、世界各地にあるBASFと電話会議などによってコミュニケーションをとることもあります。

業務のやりがいや、大変なことをお教えください

日常業務の風景 自ら仮説・検証した結果、想定通りの性能が得られたとき、更にそこから設計した触媒がお客様に採用されたきにやりがいを感じます。
検証等は上司や同僚と相談しながら進めていきますが、自分が主体となって進めるため、責任も与えられますし、 それに成果が伴えば達成感を実感することができます。
具体的には推定した仮説から、検証するためのプランを検討し目標とする性能を示す技術を開発し、 得られた結果から各種設計要素を組み合わせて触媒を設計します。 大変なことは検証段階で見出された要素技術を触媒設計に織り込んだ際に狙い通りの結果が得られないことです。 本来であればその要因を解析し、次の触媒設計につなげますが、稀にその要因がなかなか解明できない場合があります。 多くの場合、それまでとは違った観点から解析することによって要因を解明し、本来の狙っていた結果を得ますが、 実際に業務を行う中ではなかなか新しい観点に気づくことができず、数多くの実験を繰り返してしまい大変だと感じる時があります。
そのような事態に陥ったときは上司や同僚と議論を交わすことによって、それまで欠けていた観点を見つけるようにしたり、 文献や参考書を読み返し、基本に立ち返ることによって自分の思い込みに囚われないようにしています。
このような過程を経て高い性能を示す触媒設計を見出したとき、それまで大変と感じていたことがやりがいへ変わるときとなります。

大学院生へのメッセージをお願いします

就職活動をされるときは、学生時代に何をしてきたかではなく、これからどうなりたいかを考えていただきたいと思います。 それによっては現在の研究テーマとは異なる業種の会社にエントリーする場合もあるかもしれませんが、それに対して恐れることはありません。
大学院までに身に着けた知識よりむしろ、ある答えにたどり着く過程、つまり理論に基づいた仮説を立て、検証する力の方が重要ではないかと思います。
職場の同僚の中には学生時代は触媒とは全く異なる研究を行っていた人も多くいますが、そのような人たちも私以上に力を発揮しています。
大学院生の皆様は研究活動に加え、就職活動とこれまで以上に忙しくなるかと思いますが、 常にあらゆる事象に対して”なぜそうなったのか”ということを考えていただきたいと思います。 それが将来の研究活動のみならず、就職活動に取り組む訓練にもなり、ヒントを与えてくれることになるのではないでしょうか。
最後に、就職活動には多くのエネルギーが必要になりますが、皆様は今後の長い人生を左右する大事なときです。
是非、納得がいく形で就職活動を終えられるよう全力で臨んでいただきたいと思います。皆様にお会いできることを楽しみにしています。

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