1. TOP
  2.  >  アカリクコラム
  3.  >  ビジネスなんて楽勝!

ビジネスなんて楽勝!

2014/12/08 掲載

ビジネスなんて楽勝!

こんにちは、十五です。
本日は、ちょっと挑戦的なテーマを選んでみました。
「研究と比べればビジネスなんて楽勝だ!」という話です。

以下、このように主張する論拠をご紹介させていただきます。


1. オリジナリティ

研究ではオリジナリティ、つまり先人によって積み重ねられた先行研究を踏まえた上で、
自ら「未解決の問題」を探索して解決することが必須とされます。

他方、ビジネスにおいてオリジナリティは必須ではありません。
たとえば事業戦略策定のために行われるSWOT分析(Strength,Weakness,Opportunity,Thread)
をもとに考えてみた場合、オリジナリティとはStrengthやOpportunityでしかなく、
仮に二番煎じでオリジナリティがなかったとしても、価格、品質、あるいはブランド戦略などで
先行したサービスよりも評価されれば競争で優位に立つことができます。


2. 金銭的リスク

奨学金という名の借金、非常勤講師や塾講師として食いつなぐ博士、任期付き雇用であるポスドク…
研究の世界で身を立てるには、金銭的な不安定を背負い込むケースが大半です。

他方、ビジネスでは、給料をもらいつつある程度の身分保障がある中でチャレンジをしていきます。
ビジネスの世界ではよく「給料の三倍稼いで元が取れる」なんていいますが、これさえ実践できていれば、
仮に勤めている企業が潰れたとしても他のところで十分活躍できるはずです。


3. 時間がかかる

基礎研究の領域では、成果が世の中に出るまでに十年以上かかることはザラです。
また分野によって違いはあるものの、一年に書ける論文はせいぜい1〜2本。
苦労して書き上げた末にリジェクトというのもよく聞く話。
研究というのは、とかく結果が出るまでに時間がかかります。

他方、ビジネスはもっと短いスパンで動いていきます。
期、半期、四半期、月、週、日…スケールは業種・職種によりますが、常にラップを刻み続け、
もし成果が出なければ即時に修正をかけることが要求されます。
よくビジネスではPDCAサイクル(Plan,Do,Check,Act)なんて言葉を使いますが、
短いスパンで行動と検証を繰り返すことによって、最大限の成果を目指すのがビジネスのやり方です。


4. 拘束時間

研究には土日祝日はありません。
ラットや細胞は休みませんし、実験のために研究室に数日泊まりこんでいる人もいることでしょう。
また、やるべきこと(やりたいこと?)はエンドレスにあるため、やること・やらないことを
すべて自分の責任で判断し、コントロールしなければなりません。

ビジネスの世界では、シフト制の勤務をとっている業種や、
納期前の繁忙期を除いて基本的にはカレンダー通りに休みます。
また、裁量労働制(成果と労働時間が連動していないため、
一定のルールのもとで労働時間の管理を労働者の裁量に委ねる形態)
ではない限り残業をすれば残業代が支給されます。
ただ、休日出勤や残業というのは企業にとっては追加コストでしかないので、
利益を圧縮するような非効率的な働き方に対しては上司からのストップがかかるでしょう。


5. 苛烈な椅子取りゲーム

王座のナポレオン一世
(アングル作:王座のナポレオン一世)

研究の世界では任期付きのポジションが大半で、
パーマネントなポジションはごくわずか。
仮に定員1名の公募に対して100名の応募があったとすると、
99人は確実に落ちます。
次点だったとしても、残念賞すらなく落ちる非情な世界…
死屍累々の上にある一つの椅子を研究者はしのぎを削って争います。

もちろんビジネスの世界でも勝ち負けはあります。
利益をあげられない企業は倒産しますし、
成果が出せない人はクビになるかもしれません。
しかし、一位にならなければ生き残れないような苛烈な世界ではありませんし、
何よりも座ることのできる椅子のバラエティは豊富です。






以上がビジネスは楽勝!という論拠です。

ただし、だからといってビジネスをナメないでいただきたい。
ビジネスというのは、様々な個性を持つ人達が協力して全体として成果をあげていく仕組みだというだけで、
決して楽ができるとか、適当にやっていればいいとかそういう意味ではありません。

ビジネスは戦争!?

ここでビジネスを戦にたとえたお話をさせていただきます。


巌流島の決闘や西部のガンマンのような一対一の戦いでは生きるか死ぬかの二択しかありません。
戦いの中で怪我をすればここぞとばかりに相手に攻めこまれ、一気に勝敗が決してしまうでしょう。
しかし集団の戦いでは一人が負傷しても他の人が穴を埋めてくれます。
救護するのか、あるいは屍を乗り越えて進んでいくのかはわかりませんが、
いずれにせよ一人が抜けたところで歩みが止まることはありません。

そして多くの人を結集して力とし、高品質の製品を生産するための設備を整え、
練度を高めて指揮官の号令に従って戦います。
力を合わせた末に勝利をおさめることができれば、戦利品は山分けされ、
貢献度合いに従って社員はボーナスや給料という金銭評価の他、出世という栄誉を勝ち得ることになるでしょう。

ファランクス陣形で進軍するマケドニア王国の重装歩兵の復元図
(wikipediaより:ファランクス陣形で進軍するマケドニア王国の重装歩兵の復元図)


しかし時代とともに戦の形が変わるのと同じように、ビジネスの形も変化していきます。
現在ビジネスで勝つためには必ずしも大軍は必要ではなく、装備だってパソコンがあれば十分。
工場のような大掛かりな設備は必要ありません。
また、たとえばApp Storeのように誰でも売り出せるプラットフォームを活用すれば、
スーパー営業マンがいなくてもいくらでも売ることができます。

民衆を率いる自由の女神
(ドラクロワ作:民衆を導く自由の女神)

こうした様々な変化がある中で、
一番厄介なのは指揮官の命令に従って進軍しても
勝てないケースが多くなってきたということでしょうか。
言うなれば民衆を導く自由の女神はもうどこにもおらず、
象徴たるバスティーユ牢獄もなければ、
倒すべきアンシャン・レジームもない。
どこに進めばいいのか、どうすれば勝てるのか、
そもそも敵は何者なのか…
誰一人答えがわからない中で、
人はそれぞれの守備範囲を決めることで見えてくる
かすかな手がかりをヒントにしながら
日々知恵を絞ってビジネスに取り組んでいます。

そして、こうした時代に必要とされるのは、自身が道なき道を切り開く自由の女神となる可能性のある人、
もしくはすぐ後ろのシルクハットをかぶっている紳士の立ち位置から、
率先して皆を引っ張っていくくらいの気概がある人です。
何も社長となって会社全体を引っ張っていけというわけではありません。
それぞれの守備範囲の中で現状を変えていく、あるいはチーム内でリーダーシップを発揮できれば十分でしょう。


ビジネスは研究に比べれば楽勝です。しかし、研究とは全く違ったところで苦労があるのもまた事実。
もし就職活動を行うのであれば、こうしたビジネスと研究の違いに目を向け、
その上で等身大の自分を表現してみてください。
その時はくれぐれ過大評価・過小評価をしないように…内実の伴わない自己表現は全く意味がないので。


← アカリクコラム一覧に戻る

プライバシーマーク 株式会社アカリクは「プライバシーマーク」付与事業者として認定されています。