- 中途、新卒それぞれで役立つ採用手法を知りたい
- ありきたりな手法ではなく、新しいやり方も取り入れていきたい
- そして優秀な人材を確保したい!
上記のように考えている人は多いのではないでしょうか?中途と新卒では有効な採用手法が異なり、うまく使い分けることで有利に採用活動を進めることが可能です。
しかし、各手法がどのようなもので、なぜ有効なのかわからない人も多いでしょう。そこで本記事では以下について解説します。
- 中途採用で基本となる手法5選
- 新卒の人材を獲得するときに基本となる手法5選
- 多くの他社がまだ取り入れていない新しい手法5選
目次
中途採用で基本となる手法5選
中途採用で基本となる手法は以下5つです。
- 転職サイト
- 転職エージェント
- ハローワーク
- 転職フェア
- エグゼクティブ・サーチング
基本は転職に関連づいたサービス、そしてエグゼクティブ・サーチングも現代では重要です。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
メインで活用するのは転職サイト
中途採用では転職サイトをメインに活用します。「DODA」や「マイナビ転職」といったサービスがこれに該当。企業が転職サイトに有償で求人を出し、転職希望者のエントリーを受け付けるのが基本的な流れです。
<メリット>
- 多くの転職希望者に求人を露出できる
- 転職意欲が高い相手に視認されやすい
- スカウトもできる
<デメリット>
- 求人の掲載費用がかかる
- Web履歴書の確認など、フローが複雑化する
転職サイトにおける最大のメリットは、とにかく何十万人単位という規模の登録者に求人を打ち出せるところです。時期や求人内容を工夫すれば、多くの志望者を集められるでしょう。
多人数を募集する場合には最適です。ただし費用と手間がかかることは留意しましょう。
それでも採用手法としてはもっとも強力なのは変わりありません。まずは転職サイトを十分に活用することが求められます。
転職エージェント
転職エージェントとは、あらかじめ求めている人材やスキルを共有し、代わりに該当する人物の調査を依頼する手法。欲しいと思える人材をねらいすまして探すことを目的としています。
代表的なサービスとして「リクルートエージェント」や「DODA」が挙げられます。
転職エージェントには、採用が決まったときだけ費用がかかる「成果報酬型」と、月額などで決まった費用がかかる「従量課金型」が存在。これらをうまく使い分けることが重要です。
<メリット>
- 成果報酬型なら採用が決まった時しかお金がかからない
- 欲しい人材をピンポイントで探せる
- ある職種や業界に特化したエージェントでは専門性の高い人材を募集できる
<デメリット>
- 魅力的な求人なければ注目されない
- 転職エージェントが営業的なスタンスであるケースも多い
成果報酬型なら、ほとんど費用を無駄にすることがありません。また特化型エージェントは、専門性の高い人材を募集する際に役立つでしょう。一方で転職エージェントもボランティアではなく、人材を営業的に売り込むケースがあることに注意してください。
ハローワーク
意外と強力なのがハローワークでの採用。いわゆる職業安定所に求人を出す、というやり方で、古くから活用されています。ここで求人票を提出すれば、データベースに情報が登録されます。
<メリット>
- 公的サービスなので信頼できる
- 費用がいっさいかからない
- 全国から多くの転職希望者に閲覧される
<デメリット>
- 求人票が発見されないケースがある
- ハローワークを利用しない転職希望者も多い
ハローワークを利用するメリットはなんといっても公的サービスであり、求人掲載に一切の費用がかからないこと。出さないデメリットがほとんどなく、極論を言えば常時掲載していても問題ありません。
一方で求人案件数が膨大で、自社の求人票が発見されないケースも。またハローワークを「社会的地位の低い仕事しか紹介していない」と誤解し、利用を避ける転職希望者もいます。一部の人材にはハロワークによるアプローチが届かない点に留意しましょう。
転職フェア
転職フェアとは、全国各地で開催される転職志望者向けに開催される合同就活イベントのこと。自社ブースを展示して自社の魅力を伝え、必要であれば転職希望者の質疑応答を受けることも可能です。
うまく自社ブースを活用すれば、多くの注目を集め、応募人数も確保できるようになるでしょう。
<メリット>
- 自社ブースから自社の魅力を発信できる
- まだ転職の確度が高くない人も来場するので幅広くアピールできる
- 多くの来場者とコミュニケーションを取ることが可能
<デメリット>
- 出展には費用がかかる
- 出展しづらい業態もある
転職フェアの規模や企画者の広報能力にもよりますが、基本的には多くの来場者にアピールすることが可能です。ただし出展にはある程度のハードルがある点に注意しましょう。
エグゼクティブ・サーチング
エグゼクティブ・サーチングは、経営陣あるいは管理職にあたる要職者をヘッドハンティングすること。かつては「引き抜き」、と呼ばれたやり方です。
この場合は”エグゼクティブサーチエージェント”に依頼し、必要とする人材の調査を実施。そのうえで成功すれば、報酬と契約金(リテーナーフィー)を支払うのが一般的です。
<メリット>
- 転職願望がない人材を探すことが可能
- 条件がよければ転職が実現しやすいと言われる
- エグゼクティブサーチングエージェントの場合は人材調査が徹底されるのでミスマッチしづらい
<デメリット>
- リテーナーフィーが上乗せされる分費用がかかりやすい
- 人材の数が限られているのでただちには見つけられない
部長や取締役などの要職者は、年齢などの関係上、積極的に転職しようとは思いません。そこにアプローチできるエグゼクティブサーチングは、ハイキャリアを獲得するうえで貴重な戦略だと言えます。
新卒の人材を獲得する採用手法5選
続いて新卒の人材を獲得する採用手法5選について解説します。
- 新卒就職サイト
- インターンシップ
- 新卒紹介
- 大学の就職課による紹介
- 学生送客サービス
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
新卒就職サイト
新卒の採用でもっとも有用なのは新卒就職サイト。ここに企業側が求人情報の掲載し、学生が応募することで選考がスタートします。多くの人は、新卒就職サイトを利用して、会社の選考や面接に参加したことがあるでしょう。
新卒就職サイトの代表例として、「リクナビ」や「マイナビ」が挙げられます。
<メリット>
- 多くの学生に求人情報を届けられる
- 費用はかかるが、初回の掲載費用のみ
- 採用サイトを作る必要がない
<デメリット>
- 掲載するには費用がかかる
- 多くの求人に埋もれてしまうことがある
新卒就職サイトを活用する最大のメリットは、多くの学生に求人情報を届けられること。ほとんどの学生がこのサービスを利用していると言っても過言ではありません。
ただし多少なりとも費用がかかり、多くの求人に埋もれてしまうことも多い点に注意しましょう。
インターンシップ
インターンシップからの採用は近年かなり人気が高まっています。なんと2021年の調査では、2023年度に卒業する大学生のうち83.6%がインターンシップに参加しているとのデータもありました(参照:マイナビニュース)。
これを実践するのは、企業によっては難しいかもしれません。しかしうまくインターンシップを活用すれば、学生と企業側のミスマッチは無くしつつ、確実に戦力となるであろう人材を確保することが可能です。
<メリット>
- 長い間学生を観察して能力やスキルを見極められる
- 学生から見てもミスマッチを減らせる
- 8月ごろ実施する夏インターンなら、早い段階で学生と深く接触できる
<デメリット>
- インターンシップを実施することに大きなリソースが求められる
- むしろ学生からの印象を落とすことがある
インターンシップは、企業と社員、そして学生が限りなく近い距離感まで近づきます。だからこそのメリットとデメリットがあることは踏まえておきましょう。
新卒紹介
新卒紹介とは、名前のとおりプラットフォームから新卒の学生について紹介を受ける手法。人材派遣・紹介といったサービス形態をイメージすると分かりやすいでしょう。
新卒紹介プラットフォームは、企業が求める人材条件をヒアリング。その後は代理して新卒の学生をリサーチし、依頼主である企業につなぎます。わかりやすく言えば、人材発掘と選考フロー自体を一部肩代わりさせていると考えられるでしょう。
<メリット>
- 説明会やディスカッションなどにかかるリソースやコストをおさえられる
- ほとんどの場合、完全成功報酬型で無駄なコストがかかりづらい
- 条件を絞り込んで募集できる
<デメリット>
- 新卒紹介プラットフォームに登録している新卒学生としかマッチングしない
- 人材条件を正しく伝えないとミスマッチが起こる
やはり人材の発掘や採用を代理するメリットは大きいものです。また、ほとんどの新卒紹介プラットフォームが完全成功報酬型を設定しているのも、基本的には企業にとって追い風と言えるでしょう。
大学の就職課からの紹介
大学の就職課からの紹介を受けるのも、立派な手法のひとつです。ほとんどの場合、各大学で就職センターが設置され、そこで学生に対して求人の案内や就職活動に関するアドバイスを実施しています。
企業は就職センターに対して、新卒人材の紹介や、学内説明会への参加を要請することが可能です。つまり大学の就職課を通して、新卒を獲得するチャンスがあります。
<メリット>
- 大学が報酬を求めることはなく、費用がかからない
- 大学名、学部名をほぼ自由に絞り込める
- 大学との関係値があれば優遇されやすい
<デメリット>
- 大学が営業的な姿勢で学生を売り込んでくるケースがある
- ある程度大学との関係性がないと紹介を受けられない
企業が安定的に新卒採用を実施するため、「特定の大学との関係性を高めて、人材を融通を受ける」という手法は広く使われます。うまく大学とWin-Winの関係を作り、良好な関係性を保ちましょう。
学生送客サービス
学生送客サービスとは、自社との相性が良さそうな新卒人材を、選考フローや説明会に引き込むサービスです。これを利用することで、より多くの候補者を集められます。
学生送客サービス会社は、企業からの依頼を受けて、条件についてクリアできている新卒学生に一斉にコンタクト。そこから興味を持った学生が、選考フローや説明会にやってくる仕組みです。
<メリット>
- 選考フローの工程やコストを削減できる
- ミスマッチしづらい人材にアプローチできる
- 送客先は説明会・イベントなど各種指定できる
<デメリット>
- 学生送客サービス会社が管理する学生にしかアプローチできない
- 成功報酬はかかる
学生送客サービスを利用すれば、欲しい人材が必要な選考フローへ集まってくるようになります。一方で大勢の新卒者へアプローチできないデメリットには注意しましょう。
新卒・中途両方で活用できる新しい採用手法5選
上記では新卒と中途、それぞれで活用できる採用手法を解説しました。しかし上記は言ってみれば基本中の基本。少子高齢化で採用活動が難しくなる中では、新しい採用手法を用いることが大切です。
- オウンドメディア・リクルーティング
- ソーシャル採用
- リファラル採用
- 逆求人採用
- ダイレクト・リクルーティング
これらは比較的新しい採用手法でありながら、一定の効果を示し、スタンダードなやり方として定着しつつあるもの。そもそもリファラル採用のように海外では当たり前に活用されている手法もあります。
下記でそれぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
オウンドメディア・リクルーティング
オウンドメディア・リクルーティングは自社に応募セクションを作成して募集することです。ここでいうメディアとはWEBサイトのほか、Facebookやwantedlyなどのビジネス傾向の強いSNSも含みます。
転職サービスなど外部サービスを使わないのが特徴です。
<メリット>
- 幅広い層にリーチできる
- 他社サービスの品質やクオリティに依存しない
- ミスマッチが起こりづらく安定する
<デメリット>
- サイトやコンテンツの構築費用がかかる
- 検索結果で上位を獲得する必要がある
オウンドメディア・リクルーティングにおける最大のメリットは、メディアが上位表示された場合、あらゆる層へリーチできること。しかも他社サービスに依存せず安定した成果を得られます。
一方、サイトやコンテンツの構築に費用が必要で、何より「検索結果で上位を獲得する」という課題をクリアしなければいけません。ただ、すでに知名度が高く検索回数が多い企業には相性のよい方法ではあります。
ソーシャル採用
ソーシャル採用は、SNSを活用したリクルーティングです。wantedlyなどのビジネス向けサービスのみならず、TwitterやInstagram、あるいはTikTokなども活用します。
SNSの利用者が現代では多いことに目をつけた、現代的な手法です。
<メリット>
- バズったときの情報拡散が大きい
- SNSをとおして人物像を理解できる
- 採用活動のコストをおさえられる
<デメリット>
- SNSマーケティングのスキルが必要
- 悪い意味でバズったときのダメージが大きい
ソーシャル採用でポイントになるのは”バズ”です。多数の「いいね!」や「リツイート」を獲得することで、通常ではあり得ない強烈な集客効果が得られるケースがあります。
反面、悪い意味でバズる、つまり炎上するリスクも。自社のスキャンダルや不手際が際限なく拡散されると、採用どころか通常の業務にまで影響が出るかもしれません。SNSがある意味で危険なものだと考え、徹底してリスクを排除した運用とマーケティングがポイントとなります。
リファラル採用
リファラル採用は社員の紹介によって人材を確保する手法です。社員の知人や友人に、自社をアピールしてもらいます。そして本人が自社に興味を持ってくれたら、さっそく選考フローへ突入。紹介した社員には何らかのインセンティブを支払います。
もともとは欧米圏で盛んだったやり方ですが、近年では日本でもかなり注目されるようになりました。
<メリット>
- 自社にマッチしやすい人材へリーチできる
- 採用活動にかかる費用をしっかりとおさえられる
- 転職するつもりがない人物にまでアプローチできる
<デメリット>
- 不採用時、社員にも候補者にも非常に気を遣う
- 採用する人材に偏りが生まれやすい
リファラル採用のメリットは、紹介であることから自社にマッチしやすい人材を集めやすいことです。信頼できる社員の知人友人なら、安心して採用できるでしょう。
一方で不採用になったとき、社員にも候補者にも相当なアフターケアが必要です。また紹介によって似たような人材ばかりを集めてしまわないようにコントロールしましょう。
逆求人採用
逆求人採用とは、転職希望者側が求人を掲載すること。企業が自社の強みや条件を記載するように、「自身の強み」や「キャリア」、あるいは資格などを掲載します。
<メリット>
- 求人を出される側であるため、そのコストがかからない
- 競合他社を差し置いてアプローチできるケースがある
- アプローチした際の確度が高い
<デメリット>
- 逆求人そのものを探す作業が必要
- ミスマッチが起こりやすい
逆求人採用では、当然ながら求人コストがかかりません。また転職サイトなどスタンダードな手法しか使っていない企業を出し抜くことも可能です。
一方で逆求人採用に書かれる内容は主観的なものであり、実際よりも美化されるケースが多く、それはミスマッチを引き起こす原因にもなり得ます。どこまで記載内容を信じるのか、慎重になるべきでしょう。
ダイレクト・リクルーティング
ダイレクトリクルーティングはこちらから採用フローに参加することをサジェストする手法です。各転職サイトのリストや、SNS上の投稿をたどって、積極的に声をかけていきます。つまり「待つ」のではなく、こちらからアタックするのが特徴です。
<メリット>
- 採用コストをおさえられる
- 転職するつもりがない人物にもアプローチできる
- 転職サイトのリストがあれば自社にマッチしそうな人材を優先してピックアップできる
<デメリット>
- 返信率や確度が低い
- ダイレクト・リクルーティングのノウハウ自体がまだ確立されていない
この手法のメリットは、採用コストをおさえつつ、幅広い層にアプローチできること。一方で返信率や確度の低さなどは気になります。ノウハウが確立されていない中、自社の勝ちパターンをいかに築くかがポイントです。
まとめ:新卒・中途それぞれに適した採用手法を使おう
本記事では15種類もの新卒・中途採用手法について解説しました。採用活動で取れる手段は無数にあります。自社の目的や予算、あるいは必要とする人材に合わせて、適切な手法を組み合わせましょう。
アカリクは、理系学部や大学院に在籍する新卒人材と、優良企業のマッチングを手がけるプラットフォーム。15万人以上のデータベースを持っており、数多くの候補からフィットする人物にアプローチできます。
登録者のうち9割近くがMARCH以上の学歴を有しており、ポテンシャルも安定しています。アカリクなら、新卒採用の手法に新しい切り口をもたらすことが可能です。優秀な理系人材を求める担当者はぜひ一度ご利用ください。