エンジニア採用時のスカウトメール作成のコツ|例文・成功事例を解説

エンジニア採用をしたい場合、スカウトメールが効果的であるのをご存じでしょうか。

しかし「スカウトメールの書き方がわからない」「スカウトメールを送ったが、効果が得られない」など、お悩みの人事担当者も多いでしょう。

そこで今回は、スカウトメール作成のコツを、例文を交えて解説します。

作成のコツを知るだけで、スカウトメールの返信率や応募率の向上が期待できるでしょう。

ぜひ自社のスカウトメールの運用に、今回の記事をお役立てください。

スカウトメールの重要性

近年エンジニア採用において、スカウトメールの重要性が高まっています。

理由は主に、以下の通りです。

  • 市場でエンジニアが不足し、企業からのアプローチが主流になっている
  • 多数のスカウトを受け取っているため、スカウトメールの内容が返信率、面談申し込み率に直結する

なぜエンジニアが不足し、スカウトメールの内容が重要なのか、より掘り下げて見ていきましょう。

市場でエンジニアが不足している

経済産業省が2019年に公開した「IT人材需給に関する調査」によると、IT需要の構造変化により、人材が不足しているとのこと。

そして2030年にはおおよそ45万人のIT人材が不足することが予測されています。

IT人材の需要と供給は、年々ギャップが生じており、エンジニアを獲得したい企業同士の競争率が増しているため、今後はエンジニア採用が難しくなっていくでしょう。

今後エンジニアの採用を進めるためには、応募を待つだけではなく、スカウトメールなどを使った直接的なアプローチが欠かせません。

スカウトメールの内容が返信率、面談申し込み率に直結する

スカウトメールの内容次第で、ターゲットからの返信率を高めることが可能です。

優秀で実績の豊富なエンジニアであるほど、多くのスカウトメールを受け取っているでしょう。

そこで、スカウトメールを一人一人に合わせ内容を変えることで、相手に好印象を持ってもらうことができます。

相手に好印象を持ってもらえれば返信率も高まり、申し込みへの意欲も上がるでしょう。

有効なスカウトメールを作る体制を整備する

効果的なスカウトメールを作るには、戦略を立てながら、結果を出せる体制を整備する必要があります。

自社の要望のみでスカウトメールを作っているのでは、反応が得られるスカウトメールは作れません。

スカウトメールを作る前に整理すべき内容を、詳しく解説していきます。

採用ストーリーの整理

採用ストーリーの整理とは、ターゲットがスカウトメールを受け取ってから応募し、採用後の活躍までイメージしてストーリーを作成することです。

採用ストーリーをつくることで、ターゲットとする人物像も、明確化します。
そしてターゲットが明確化すれば、ターゲットの心に響く文章作成が可能です。

採用ストーリーを整理する際のポイントは、以下の通りです。

  • 採用したいポジションを応募する背景
  • 会社の事業戦略など、ビジョンの背景
  • 採用によって解決したい課題
  • 課題を解決できる人物像

ポイントを整理することで、採用ストーリーがよりイメージしやすくなります。

ペルソナの策定

スカウトメールを送るにあたり、事前にペルソナを設定しましょう。

ペルソナとは特定の人を指すかのように、詳細に設定された人物像をいいます。
ペルソナは層とは違い、年齢や職業・趣味や価値観などまで掘り下げて設定される像です。

ターゲットをペルソナまで落とし込むことで、相手に刺さるスカウトメールを作ることができます。

イメージがしづらい場合、自社で働いているエンジニアなど、身近な人を参考にペルソナを設定してみましょう。

採用スケジュールの確認

ペルソナを設定したら、採用スケジュールも確認しましょう。
スケジューリングを組むだけで、採用スケジュールが円滑に進みます。

また効果的な時期に送りそびれてしまった、という事態も防ぐことが可能です。

具体的に決めるべきポイントは、以下の通りです。

  • スカウトメールの作成期限
  • スカウトメールを送る頻度とタイミング
  • 応募者からの反響率を検証するタイミング

利用する媒体によっては、スカウトメールの送信期限があります。
各媒体の期限も確認し、スカウトメールの送信スケジュールを設定しましょう。

担当者の割り振り

スカウトメールの運用は、1人でできるものではありません。
採用チームの中で役割を分担することで運用がスムーズになります。

例えばスカウトメール送信のタイミングを決めるのは人事担当者で、対象者を抽出するのは現場のマネジメント層など、適切な役割分担を行いましょう。

実際にスカウトメールの送信有無は、人事ではなく現場にいる担当者が決めた方がエンゲージメント率は上がります。現場担当者は、ターゲットが入社した後の活躍がイメージしやすいからです。

またスカウトメールの文章作成は、必ずしも1人の担当者だけで行う必要はありません。
会社の代表が作成したメッセージの方が、ターゲットに刺さるケースもあるでしょう。

スカウトメールの文章作成は、何回か担当者を変えて、反響をテストするのもおすすめです。

エンジニアからの返信率を上げるスカウトメールの作り方

エンジニアからの返信率を上げるために、スカウトメール作りにおけるコツをおさえましょう。

コツをおさえるだけで、エンジニアからの返信率は上がるでしょう。

成功事例からスカウトメールづくりのコツを整理したので、順に解説します。

他のスカウトに埋もれない「件名」の工夫

スカウトメールの件名は、開封率に直結します。
優秀なターゲットほどスカウトメールを頻繁に受け取っており、競争率も高いです。
件名をパッと見たときに「開封してみよう」と、思わせる件名を考えましょう。

例えば、以下の要素をいれることで開封率がアップします。

  • 入社時のメリット
  • 採用時の特別な条件

NG例
「当社で一緒に働きませんか?プログラマー募集」

開封率が高い件名の例
「【月給40万以上】大手IT企業の案件多数!システムエンジニア募集」
「年に〇回の昇給あり!ITアプリケーション エンジニア大量募集」

またメッセージを作成する際には、メールで見た時の見え方も注意しましょう。

以下は、NG例です。
「【株式会社〇〇〇〇で働きませんか?】エンジニアを募集しています!ボーナス・昇給チャンスあり」

会社の名前が先に入っていると、開封前に見えるべき重要なメッセージが途切れてしまいます。

「海外大手IT企業案件多数!システムエンジニア募集|長期採用」
上記のように、メリットや特別な条件を先に記載しましょう。

パソコンで受け取った場合はもちろん、スマートフォンで受け取った場合の見え方も確認してください。

長く一方的な企業紹介は避ける

企業紹介において、長すぎる文章は逆効果です。
相手を読み疲れさせてしまい、文章が長すぎると要点が伝わりづらくなります。

以下はNG例です。
「こんにちは、株式会社○○○○○です。私たちはエンジニアとして、シリコンバレー発の各種技術の検証をおこなっています。どのように検証をおこなっているかというと…(以下長文)。さらにその技術を活用した、システム開発実績も多数あります。その他にもアプリケーションの開発や…(以下長文)」

ここまで文章がだらだら続くと、忙しい優秀なエンジニアほど、読む気が失せてしまいます。

「オンラインゲームや、携帯端末のコンテストなど、独自性の高い人気コンテンツを展開しています。最新のIT技術でエンターテインメントコンテンツを発表し続けている、デジタルエンターテイメント会社です。 」

上記のように簡潔に魅力を伝える内容に整理し、スカウト本文を読んでもらえるように工夫しましょう。

送信相手のキャリアやスキルに合わせた文面

スカウトメールを送る際は、ターゲットのキャリアやスキルも確認しましょう。

ターゲットが自分事のように受け取るためには、相手に合わせたアプローチと文面が欠かせません。

NG例
「インフラエンジニア募集中」

良い例
「プロジェクトマネジメント経験者大歓迎!インフラエンジニア募集」

ターゲットのキャリアやスキルを確認することで、送信する求人の内容と、ターゲットのキャリアやスキルがいかに合っているかを記載できます。

ターゲットのスキルや経験に応じて文面を工夫することで、返信率・応募率の向上が期待できるでしょう。

自社の案件例を記載する

スカウトメールに自社の案件例を記載することで、ターゲットが入社後のイメージをしやすくなります。

また魅力的な案件であればあれるほど、キャリアアップに意欲的なエンジニアの反応は得やすいです。

クライアントに公開の許可をもらっているのであれば、自社が自信をもって紹介できる案件を記載しましょう。

NG例
「さまざまな案件を担当できます!」

良い例
「大手IT企業を中心に過去実績事例多数!株式会社○○○様、株式会社○○○エンターテインメント様………」

過去の案件でも現在の案件でも、ターゲットの心を掴むような案件を記載してください。

報酬に関する情報は具体的に記載する

報酬に関する情報は、優秀なエンジニアにとって重要です。

良い例
「初任給○○円以上」
「半年ごとに昇給のチャンス(○○円アップの実例あり)」

上記の様に、なるべく月収・年収などの数字は具体的に記載してください。

NG例
「給与応相談」

上記の様な記載の仕方だと、応募者に魅力を感じさせることができません。

そのほかにも資格取得支援制度や、資格取得一時金を用意している場合も、具体的な金額と共に掲載してください。

報酬や昇給を記載すると、モチベーションの高いエンジニアが集まる可能性が高いです。

面談実施数を増やすためのスカウトメール運用のコツ

ただ見てもらうだけではなく、メールの内容を読み込んでもらい、応募から面談実施までつなげるのがスカウトメールの本来の目的です。

応募者を増やし、面談実施数を増やす、スカウトメール運用のコツについて解説します。

募集内容に合ったターゲットに送信する

エンジニアといっても、得意分野や専門とするスキルは人により異なります。

スカウトメールを送信する際は、自社の募集内容に合ったターゲットに送りましょう。
マッチするターゲットを選定することで、応募率を上げることが可能です。

例えばシステムエンジニアの募集であれば、システムエンジニアのスキルを保持したターゲットを洗い出してください。

同時に、自社が必要とするキャリアと見合わせ、相手の要望とマッチする条件を考え、スカウトメールを送りましょう。

送信する曜日と時間帯に注意する

スカウトメールを送信する曜日と、時間帯に注意しましょう。

例えばお昼休憩の時間、業務が落ち着く16時以降や、退勤時間と思われる18時以降は、メールの開封率が高い傾向にあります。

休日は仕事関連のメールは開かれない可能性が高いため、まずは平日にスカウトメールを送信しましょう。

相手が開封しやすい時間帯を狙うことで、スカウトメールを読み込んでもらえます。

開封率や返信率などのデータを測定する

スカウトメールの開封率や返信率も、定期的に検証してください。

  • 送信内容は変更せず曜日・時間帯を変える
  • 曜日・時間帯を変更せず送信内容を変える

上記のように条件を変えて、期間を決定して開封率や返信率のデータを取集すると良いでしょう。

後にデータを測定し、最も開封率・返信率の高い内容や、時間帯を絞り出します。

測定と検証を継続することで、より高い応募率を実現できます。

返信にはできるだけ早いタイミングでレスポンスする

応募者からの返信や質問は、なるべく早いタイミングでレスポンスするのが理想的です。

優秀なエンジニアは、多数の企業の求人に応募していることもあり、返信が遅れた場合は採用のチャンスを逃す可能性が、大いにあります。

なるべく早く返信をすることで、応募者の安心と信頼を得ることが可能です。

スカウトメールを送信した後は、こまめに返信をチェックし、レスポンスが送れないようにしましょう。

まとめ:スカウトメールをブラッシュアップすれば、ダイレクトリクルーティングの効率が高まる

スカウトメールを作る前に、まずは採用ストーリーを考え、ペルソナを設定しましょう。

作成の段階では、ターゲットのキャリアに合った内容を考え、件名は魅力的にしてください。

そして送信の段階で、送る曜日・時間帯に注意し、開封率の測定や検証も欠かさないようにしましょう。

上記の様にスカウトメールをブラッシュアップしていくことで、ダイレクトリクルーティングが、より効率的に運用できます。

ぜひ自社の採用時には、今回の記事で紹介したスカウトメール作成のコツを、お役立てください。