- オンライン選考とは、結局どんなものか
- やはり自社でも取り入れるべきなのか
- 面接に支障が出たりしないのか
- 自社でも実施できるものなのか
上記のように考えている人は多いでしょう。
近年ではコロナ化の影響もあり、オンライン選考が当たり前に行われるようになりました。他企業と学生はこれを活用しており、自社でもある程度時代の流れに合わせる必要があります。
そこで本記事では以下について解説します。
- オンライン選考の定義
- オンラインが求められる
- 手法としてのメリット・デメリット
- 実施するための準備・成功させるポイント
本記事を読めばオンライン選考のことは、ほとんど理解できるはずです。
目次
オンライン選考とは
まずはオンライン選考が何を示すのか正しく理解しましょう。大事なポイントは以下2つです。
- オンライン選考=WEB面接だけではない
- オンライン選考は今後より必要となる
そして選考は、以下のフローにて実施されます。
- WEB会社説明会
- インターンシップ
- WEB面接
順番に解説するので、ご参考にしてください。
オンライン選考=採用フローをWEB上で実施する
オンライン選考とは、採用フローの一部をWEB上で実施することを示します。Zoomなどのツールを用いて遠隔でコミュニケーションを取り、説明会や面接を実施します。
後ほど解説するように、コロナ禍での感染リスクを回避するために活用されていました。そうでなくとも有用であることが認知されて、広く活用されるようになっています。
なおオンライン選考といえば、面接段階だけを連想する担当者も多いでしょう。しかしフローは面接に限りません。実際には以下のようなフローもあると考えましょう。
フロー1.WEB会社説明会
オンライン選考はWEB会社説明会からスタートします。
多数の参加者が集う実地型の会社説明会は、感染リスクが高いもの。コロナ禍に関係しないところで言えば、会場費や設備費がかかります。
また台本を用意したり、コンテンツを作成したり、リソースも大量に消費するでしょう。
しかしオンライン選考に組み込めば、会場を予約する必要はありません。つまり採用コストをおさえられます。
そのぶん台本やコンテンツに注力するといった手法も。これなら企業をより魅力的にアピールできるでしょう。
フロー2.インターンシップ
オンライン選考では、インターンシップを実施するのも可能です。リモートワークとはいえ、実際の業務を体験するのは双方にとって大きなメリットです。
最近では、多くの企業がリモートワークを推進。コロナ禍で感染リスクを避けながら、ミスマッチを防げるすぐれた手段として活用されます。
もちろんインターンシップは、実地型と組み合わせる必要はあります。
さすがに一度も現場に出ることなくインターンシップを終わらせるのは、リスクが大きいでしょう。
ただ、実地型の業務体験を補助するうえで、オンラインでのインターンシップは便利な存在です。
フロー3.WEB面接
WEB面接も当然おこなわれます。感染リスクを避けながら質疑応答を繰り返し、人物像を見極めることが可能です。
ただし画面越しであることから、やや難易度が高くなります。やはり個人が持つ「雰囲気」が感じ取れない、「身振り・手振り」を確認しづらいのはデメリットです。
もちろん学生側もやりづらさを感じています。企業からしてみれば、どこまでオンラインでの面接がやりやすいように配慮できるかがポイントとなるでしょう。
オンライン選考が求められる理由は3つ
オンライン選考は現代では強く求められています。エン・ジャパンの調査によれば、2020年7〜8月の時点で実に43%の企業がオンラインでの選考を実施しているとのこと。
その理由として以下3つが挙げられます。
- 新型コロナウイルスの影響
- 人材不足
- コスト低減
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
新型コロナウイルスの影響
オンライン選考が求められる最大の理由は、新型コロナウイルスの影響です。やはり感染リスクを回避するのが主目的と言えるでしょう。
エン・ジャパンによる調査では、94%の企業が「感染防止のためにオンライン面接を導入している」と回答しています。
新型コロナウイルスは2020年から数年にわたり、株を変えて流行を繰り返しています。今後よほど画期的な治療法やワクチンが開発されない限り、オンライン専攻は必要となるでしょう。
ただ新型コロナウイルスとは関係ないところで、ローコストかつ利便性が高い手法であるため、仮にコロナ禍がおさまったとしても普及していくものだと予想できます。
人材不足
人材不足も一因です。少子高齢化の時代では新しい人材の数は、明確に減っています。
その中で実地型の選考にこだわっていては、人材確保が滞るのは明らか。より多くの母集団形成を実施するために、オンライン専攻が活用されています。
エン・ジャパンのアンケートでは、
- 遠方に住む応募者に対応したい
- 応募数を多くしたい
- 迅速に応募者へ対応したい
といった理由でオンライン面接を導入する会社が相当数あるとわかっています。これらは実地型では得られない人材を母集団形成に組み込み、人材不足を避ける狙いがあるわけです。
コスト低減のため
コストを低減するためにオンライン選考が用いられる側面もあります。エン・ジャパンのアンケートでは「面接交通費等を削減するため」にオンライン化を実施するケースが相当数確認されています。
面接交通費はもちろんのこと、オンライン選考なら会場費などもセーブできます。
オンライン選考のメリット
オンライン選考の実施には多様なメリットがあります。
- より多くの学生と接触できる
- 応募に対するハードルや抵抗感を緩和できる
- 録画内容がナレッジ化する
- 場所を問わずに選考を実施できる
- 実施していない企業との差別化が実現できる
- 採用コストをおさえられる
具体的な内容について解説します。
より多くの学生と接触できる
オンライン選考における最大のメリットは、より多くの学生と接触できることです。
参加にかかるリソースとコストが対面式と比較して段違いであるため、参加者は多くなります。より多くの学生にアプローチすれば、自社にフィットする人材を見つけやすくなるはず。
あるいは幅広い人材を確保するダイバーシティ的な観点からも有効です。
応募に対するハードルや抵抗感を緩和できる
オンライン選考では、応募に対するハードルや抵抗感を緩和できるのもメリットです。
選考に参加するとなると、感染リスクの高い会社説明会への出席がネックになります。できれば実地へ赴く手間と費用も避けたいところ。これが応募に対するハードルや抵抗感となります。
しかしオンライン選考が組み込まれていることで感染のリスクがなくなり、また費用面での懸念も取り去ることが可能です。
録画内容がナレッジ化する
オンライン選考を録画する場合は、それがそのままナレッジになります。今後の採用活動で、改善すべきポイントを見つけられるようになるでしょう。
ただし録画をするには、後述するように学生からの許可が必要です。
また企業にとっては機密情報で、志望者からすれば個人情報となります。外部へ漏洩は許されないため厳重に扱わなければいけません。
場所を問わずに選考を実施できる
場所を問わずに選考を実施できるのもメリット。要するにオフィスと自宅でビデオチャットをつなげば、実施できる自由さは重要です。
自社は会場を開ける必要がない、学生にはわざわざオフィスへ向かわなくてもよい、双方にとって大きな利点があります。そして新型コロナウイルスの影響も、双方回避することが可能です。
実施していない企業との差別化が実現できる
オンライン選考が実現できれば、実施していない企業と比較して差別化できるようになります。
いくらコロナ禍やデジタル化が進んでいるとはいえ、まだまだオンラインでの選考を実施していない企業は多いもの。
そんな中で自社がいち早くオンライン選考を実施すれば、「オンラインで面接したい」「感染リスクを避けたい」といった人物を応募者として吸収できます。
つまりオンライン選考を実施していない企業に、人材が流れづらくなるわけです。これだけでも大きなメリットだといえるでしょう。
またオンライン選考が洗練されていたり、開催について適切にナビゲーションしたりすれば、他社と比較して自社の印象は大きく高まり、差別化へと繋がるでしょう。
採用コストをおさえられる
採用コストをおさえられる点も企業に求められる理由のひとつ。
- 会場費
- 設備費用
- スタッフの人件費
これらの費用がほとんどかからなくなるため、採用コストをおさえられます。ローコスト化できるだけでも、オンライン選考は開催を検討する余地があるでしょう。
採用活動ではとにかくお金がかかります。その費用をおさえられるのは企業にとって強烈なメリットです。
オンライン選考のデメリット
オンライン選考もよいことばかりではありません。やはり「対面ではない」ことに以下のようなデメリットがついて回ります。
- 学生からの不信感を買いやすい
- 相手の表情や雰囲気をつかみづらい
- 接続環境に左右される
- 録画する場合は徹底した管理が求められる
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
学生からの不信感を買いやすい
学生からの不信感を買いやすいのがもっとも危険なポイントです。
ボディランゲージが届かなったり、声のトーンが冷たく聞こえたりして「大事にされている」と感じづらいこともあります。
画面越しであることを踏まえ、余計な不信感を買わないように工夫しなければいけません。
相手の表情や雰囲気をつかみづらい
相手の表情や雰囲気をつかみづらいのも、オンライン選考のデメリット。
例えば表情がつかみづらく、喜んでいるのか当惑しているのかわかりづらい場面もあるでしょう。
手の動きや姿勢の変化もわかりづらく、そうすると前提的な雰囲気も見えづらいもの。
そもそも画角におさまらない情報は、得られないなどの問題もあります。
実際に対面してみると人物像に相違があることも。このようなギャップが生まれることは、オンライン選考を実施するうえで理解しておかなければいけません。
接続環境に左右される
接続環境に左右されるのもデメリットです。すべての学生が安定してオンライン接続できるわけではありません。
中には接続環境が整っていないケースもあります。そうすると音声が乱れたり、画面が遅延したりして進行に支障をきたすかもしれません。
ただし通信の安定性が高い有料ビデオチャットツールなどを利用すれば、ある程度この問題は解決できます。
録画する場合は徹底した管理が求められる
オンライン選考の様子を録音してナレッジ化する場合は、徹底した管理が求められます。
個人情報や顔が記録された録画データは、絶対に流出させてはいけません。
万が一流出させた場合会社自体の社会的信用は、一気に損なわれます。もっとも機密性の高い情報として管理するのが大切です。
オンライン選考を実施する方法と準備
オンライン選考はさほど難しいものではありません。事前の準備があれば問題なく実施できます。
以下のように用意しておきましょう。
- どこまでオンラインで選考するか検討する
- 利用するツールなどを検討する
- 面接参加者に利用方法を周知する
- WEB上での面接を実施する
- 不具合やミスを振り返り完全につなげる
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
どこまでオンラインで選考するか検討する
オンライン選考を実施する場合は、その範囲を決める必要があります。
会社説明会だけなのか、それとも面接までオンラインで実施するのか。つまり実地型と遠隔型の採用フローをどう組み合わせるのか考えることが大切です。
オンライン選考寄りであればコストやリソースがおさえられたり、応募ハードルが下がったりします。
しかし実人物と向き合う機会が少なくなるため、注意が必要です。
実地型に偏るなら、実際に面と向かって会話ができます。人柄や雰囲気なども伝わるし、学生も何かを感じられるでしょう。
しかしオンラインで選考するにはコストがかかり、コロナ禍の中では感染リスクも。さらにオンライン選考を実施する企業に横取りされる場合もあるため、オンラインをいっさい使わないことにはデメリットがあります。
利用するツールなどを検討する
オンライン選考を実施するなら、利用するツールなどを検討しましょう。
かならず必要となるのがビデオチャットツール。いわゆるZoomミーティングなどがこれに該当します。
Zoomミーティングだけではなく、ChatWorkやDiscordのビデオ通話機能を使う方法も。GoogleMeetなども無料で利用できます。
さらにはFACEHUBのようによりオンライン選考に特化した有料ツールもあるので、確認しておきましょう。
面接参加者に利用方法を周知する
オンライン面接を実施するうえで注意したいのは、面接参加者に利用方法を周知しなければいけないこと。
すべての新卒者や転職志望者が、ビデオチャットツールの使い方をマスターしているわけではありません。中には機械やツール操作が苦手な学生もいます。
そうすると、選考が開始される前に、問題なくフローを進められるよう事前にナビゲーションしたいところ。
自社で利用方法を理解し、相手が困らないように使い方を事前に周知しておきましょう。
WEB上での面接を実施する
オンライン選考でポイントとなるのがWEB上での面接。対面する場合と比較して、以下のような点について注意する必要があります。
- 表情がわかりづらい
- 接続環境に左右される
- トラブルが起こることを想定
- 不愉快なリアクションを取らない
WEB上でのコミュニケーションは実地型と異なります。オンライン面接ならではの礼儀や振る舞いをつかみ、実践しましょう。
不具合やミスを振り返り完全につなげる
不具合やミスを振り返り改善につなげるのも重要なポイントです。
オンライン選考を実施しているとかならず、何かうまくいかないポイントが見つかります。その点を把握して改善につなげていくことが重要です。
必要に応じてツールや機器を導入するなどの投資も必要となるでしょう。ただしオンライン選考をするなら、通信環境や音質・画質にはこだわりたいところです。
オンライン選考を成功させるポイント
オンライン選考を成功させるには、いくつかのポイントがあります。
- アイスブレイクを長めに用意する
- 本番に向けた準備とリハーサルを怠らない
- 聞こえやすいような音声・音量を心がける
- トラブル対応に準備しておく
- わかりやすいリアクションを取る
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
アイスブレイクを長めに用意する
オンライン選考では、アイスブレイクを長めに用意するのがよいでしょう。
画面越しだと、ただでさえ企業と学生の距離感が開きがちです。
アイスブレイクを長めにして、少しでも関係値を築くように努力しましょう。
ただしあまりにも長すぎると、雰囲気が緩くなりすぎます。あくまでも選考・面接としての緊張感が壊れない範囲で実施するのが大切です。
本番に向けた準備とリハーサルを怠らない
本番に向けた準備とリハーサルは怠ってはいけません。
オンライン接続する場合は想定外の自体が起こりがちです。リハーサルはかならず実施する必要があります。
その中で見つかった不具合や不都合を修正して本番に臨むようにしましょう。
聞こえやすいような音声・音量を心がける
オンライン選考では聞こえやすい音声・音量を心がけましょう。音声が不明瞭だと情報が正しく伝わりません。
音量にも注意が必要です。はっきりと聞こえる声で、コミュニケーションを取りましょう。
問題ない音質・音量で出力されているか、リハーサルなどできちんと確認しておきましょう。
トラブル対応に準備しておく
どれだけ準備していても、トラブルが起こるのがオンライン選考です。具体的には以下のような現象は、ときどき目の当たりにするでしょう。
- 音声が聞こえない
- 動画が相手型に表示されない
- 画質や音質に問題が出る
- そもそも相手がログインできない
こういった現象が起きた時、何をすれば解消されるか事前に確認しましょう。できれば学生側の通信環境に問題があるケースも踏まえて、解決方法を伝えられるような状態にできれば万全です。
わかりやすいリアクションを取る
オンライン選考では、人事側がわかりやすいリアクションを取るのもポイント。
画面越しでは振る舞いが小さく見えてしまいがち。場合によっては冷たい、あるいは興味がないように見えてしまうでしょう。
ここは明らかに伝わるように、おおげさでもわかりやすいリアクションを取って、余計な反感を買わないように注意しましょう。
特にポジティブな反応がおおげさに伝わったとして、イヤな思いをするはずもありません。それよりも「感動してくれた」「よい印象を持ってもらえている」と思わせるような、はっきりとリアクションを取ることが大切です。
オンライン選考で役立つツール
オンライン選考が広まる中、あらゆるビデオチャットツールが利用されるようになっています。
- Zoom
- FACEHUB
- ジンジャーミーティング
中でも上記3つはよく利用されるツールです。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
Zoom
出典:Zoom
Zoomミーティングはもっとも一般的なビデオチャットツール。
多くのユーザーに利用されており、導入しやすいのが特徴です。
機能面や通信の安定性についても、特別問題ありません。
操作方法もシンプルで誰でもすぐに使いこなすことが可能です。オンライン選考では、まずZoomミーティングの導入を検討するのがよいでしょう。
FACEHUB(フェイスハブ)
出典:FACEHUB
FACEHUBは多機能性が魅力のビデオチャットツール。基本的な機能とともに、例えば以下を利用できます。
- ホワイトボード機能
- ログ保存
- メニューバナー表示
- 音声読み上げ
- ダッシュボード
- 待機モニタリング
- SNS送信
これらの多様な機能を利用できるのは便利です。
また所属サーバーが堅牢であり、通信の安定性が高く、遅延・切断などのリスクが低いのもポイント。FACEHUBがあれば高品質かつ高度なオンライン選考を実施できるでしょう。
ジンジャーミーティング
出典:ジンジャーミーティング
ジンジャーミーティングは基本的な機能とシンプルな操作性を兼ね揃えたビデオチャットツールです。基本的にZoomミーティングなどと違いはないと考えて問題ありません。
ただ120名までWEB会議に参加できるという規模感が強み。もし大人数でビデオチャットする必要があればジンジャーミーティングを優先的に検討しましょう。
またソフトウェアやアプリをダウンロードする必要はありません。URLさえあれば会議が行われているセクションに入ることが可能です。
まとめ
本記事ではオンライン選考について詳しく解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- オンライン選考=採用フローの一部をWEB上で実施する
- コロナ禍や人材不足、働き方の変化により普及した
- オンライン選考ならより多くの学生と接触でき、採用コストまでおさえられる
- 一方で学生との向き合い方がむずかしくなるのがデメリット
- 実施自体は、とにかく準備さえできていれば難しくない
- リハーサルの実施やアイスブレイクがあればなおのこと実施しやすい
元々は、コロナ禍で採用活動が実施できない改善策として用いられたオンライン選考。しかし近年ではその利便性やメリットが注目され、コロナ禍とは関係なく幅広く活用されています。
他社がオンライン選考を導入している中、自社で二の足を踏むと遅れを取るでしょう。できるだけ早くオンラインでの選考を実施できるように準備するのがおすすめです。